補助金ガイド

ものづくり補助金で採択される事業計画書の書き方

2022/5/19

2022/08/03

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

ものづくり補助金には採択されたいけれど、採択されるような事業計画書はどうやって書けばいいのだろう?こんな風に感じている事業主は、きっと少なくありません。 

ものづくり補助金で事業者が採択されるためには、公募要領に書かれた内容に沿った事業計画書を作成し、提出しなければいけません。 

今回の記事では、これからものづくり補助金に応募する予定の事業主に向け、事業計画書の具体的な書き方について解説します。 

事業計画書における審査項目

ものづくり補助金の審査項目とは、ものづくり補助金の公募要領の後半部分に書かれている「表2:審査項目」の審査項目・加点項目に書かれている内容であり、採択されるための基準になる項目です。 

ものづくり補助金で事業者が提出する事業計画書は、公募要領に書かれた以下4つの審査項目をもれなく満たす必要があります。

補助対象事業としての適格性

  • ものづくり補助金の以下要件をすべて満たしているか
  1. 付加価値額 +3%以上/年
  2. 給与支給②総額 +1.5%以上/年
  3. 事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円

技術面

  • 新製品や新サービスの革新的な開発であるか
  • 課題意識をもち試作品開発に取り組み、課題達成度の指標を設けているか

事業化面

 

  • 人員や体制、スケジュールなど事業化にあたり、現実的に事業化できる事業計画か
  • 事業計画を遂行できるだけの資金の準備(金融機関からの調達など)ができているか

政策面

  • 地域の特性を生かし、雇用を含む付加価値を生む事業計画であるか
  • ニッチ分野で他社より優位性があり、グローバル市場も狙える事業計画であるか

事業計画書をつくる際は、まず上記の審査項目を含めた構成案を作成するとよいでしょう。

事業計画書における加点項目 

続いて、事業計画書における加点項目についてご説明します。ものづくり補助金の加点項目は、審査項目をすべて満たした上でさらに採択を狙いたい場合のポイントを意味します。

加点項目はその年度や公募回により、内容が異なります。実際に応募される際は、必ず最新の公募要領から加点項目をチェックしてください。 

現在の加点項目は、成長性・政策・災害・賃上げに関わる計4点です。

成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」

政策加点: ②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」

②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」

②-3:再生事業者

②-4:「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(デジタル枠のみ)

災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」

賃上げ加点等」

 上記の中で、②-4:「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」はデジタル枠にのみ該当する加点項目です。デジタル枠に申請する際には、意識して加点項目を満たすようにしましょう。 

加点項目を満たす場合、申請時に加点を満たすエビデンス(根拠)書類を提出しましょう。

【加点項目を満たすのに必要な書類】

加点名

必要な書類

成長性加点

経営革新計画承認書等

政策加点

  • 開業届
  • 履歴事項全部証明書
  • デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況
    【様式3】
    (デジタル枠のみ)

災害等加点

  • 事業継続力強化計画認定書
  • 連携事業継続力強化計画認定書

賃上げ加点等

特定適用事業所該当通知書

ものづくり補助金の事業計画の書き方で採択されるポイント

ものづくり補助金の事業計画書は、審査項目を10ページのPDF資料の中で説明したうえで、以下の4点についても意識して書くと、より完成度の高い事業計画書になります。 

  • 補助対象経費の金額が妥当なこと
  • 生産性向上や温室効果ガス削減など応募する補助枠の目的を満たすこと
  • 中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインに沿うこと
  • わかりやすく、具体的な数値や名称を入れ、誰がみても分かるように書く

個人差はありますが、採択される事業計画書を書きあげるには2週間程度の期間が必要です。 

当サイトを運営する株式会社SoLaboでは、ものづくり補助金の申請サポートをしています。採択されるポイントを盛り込んだ事業計画書を作成する時間が無い場合でも、書類の作成をサポート可能です。当社のサポートに興味がある人は、無料診断よりお問い合わせください。

無料診断

補助対象経費の金額が妥当なこと

補助対象経費の金額は妥当な額を申請しましょう。金額の妥当性がない場合、不採択になるケースがあります。

補助対象経費とは、事業者が採択された場合に支払う経費のことです。たとえば、麺製造業が新しい麺機を購入する場合は、その費用となります。

補助対象経費で購入する機器は、目的を果たせる中で安い物を購入するようにしてください。また、複数社で相見積もりを取り、その中で金額の安い会社を選んだなど、可能な限り安い見積もりを選んだことが分かる補助対象経費の金額を記入してください。

(例)

補助事業で購入予定の麺機「真打」 市場小売価格:220,0000

この麺機で設備投資したい理由について:

当社はこれまで小規模型の麺機を過去12年にわたり、使用してきた。今回、卸売り先が競合に打ち勝つために、既存メニューだけでなく新たなミックス麺を製造し、全国で販売したい。

現在、国内でミックス麺を製造できる一日〇食生産できる麺機は、平均4,000,000円ほどで取引される。当社はこの価格について別資料「麺機品質・価格比較表」にて精査している。

(例2)

A社見積(〇〇型麺機) B社見積(〇〇型麺機) C社麺機(〇〇型麺機)
4,000,000円 220,0000円 320,0000円

生産性向上や温室効果ガス削減など応募する補助枠の目的を満たすこと

ものづくり補助金には4つの基本要件がありますが、それ以外に、応募する補助枠独自の要件が設定されています。

【補助枠独自の目的】

回復型賃上げ・雇用拡大枠

応募締切時点の前年度の事業年度の課税所得がゼロであり、常時使用する従業員がいる 事業者に限る。

デジタル枠

  1. DXに資する革新的な製品・サービスの開発
  2. デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善 (例:AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、受発注業務のIT化 など

グリーン枠

  1. 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
  2. 炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善

グローバル展開型

  1. 類型:海外直接投資の場合
  • 国内事業と海外事業の双方を一体的に強化し、グローバルな製品・サービスの開発・提供体制 を構築することで、国内拠点の生産性を高めるための事業であること。など

上記の補助枠に応募される事業者の方は、4つの基本要件に加えた補助枠独自の要件を満たすような書き方をしてください。

回復型賃上げ・雇用拡大枠の書き方

(例)

(回復型賃上げ・雇用拡大枠の要件を満たす根拠)

当社は回復型賃上げ・雇用拡大枠に応募する。同補助枠の要件を満たす根拠として、2021年度の売上所得より所得控除額の方が上回っていることが挙げられる。その理由として、2021年度は従来よりも顧客からのキャンセルが相次ぎ、返品額が増加した点が挙げられる。

売上所得額 売上控除額
2021年度

【売上高】

7,000,000

【売上値引き・返品】

2,500,000

【家事消費等】

500,000

【雑収入】

500,000

【専従者給与(控除)額の合計額】

3,500,000

【青色申告特別控除額】

3,000,000

この法的根拠として、添付書類にて2021年度の青色申告決算書を提出する。

 デジタル枠の書き方

デジタル枠については、「デジタル技術等取組状況」という書式がものづくり補助金の公式サイトからダウンロードできますので、それに自社のデジタル技術の説明や他社との優位性などについて、説明します。この資料にはホームページのURLを記載する欄がありますので、自社のホームページ上で製品やサービスの技術について説明するページを参考にしながら書くとよいでしょう。

(例)

①デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識し、その内容について公表しているか。

⇒当社の小規模事業者向け半導体技術は、市場では珍しい国産として高い品質をもち、主に介護施設や高齢者支援センターにて長い間、お取引をいただいています。2022年、国際的にも半導体市場は拡大され、外部競争は激化していますが、わが社の優位性は以下の通りです。

  • 国産としての安心のクオリティ
  • スピーディーな納品
  • 自社の他業種に起因する、利益率の高さ

詳細は、こちらのURLをご確認ください。

URL:https://〇〇/ABC/

グリーン枠の書き方

グリーン枠では「炭素生産性向上等の取組」という規定のフォーマットで、炭素生産性向上計画などについて事業者がどのような取り組みをしているのか、文章で説明します。

 (例)

当社は2016年より製品を生産するフローの一部に高効率ボイラーを取り入れ、脱炭素可による温室効果ガス削減してきた。

今回の補助事業については、さらに灯油炊きボイラーをガス化することにより、さらなる省エネによる付加価値額のアップに努める。

グローバル展開型の書き方

グローバル展開型には以下4つの類型があるため、各類型の要件を満たすことを文章・図・表などでします。

<グローバル展開型の4つの類型>

  1. 海外直接投資
  2. 海外市場開拓
  3. インバウンド市場開拓
  4. 海外事業者との共同事業

例えば、①の海外直接投資の場合は以下のように記載できます。

(例)

X社は2017年よりフィリピンのセブ島にあるR社とバナナ輸出入業で業務提携をしており、2018年には現地法人Y社を設立した。現在、当社と現地法人Yの総売上高に対する比率はほぼ5:5となっている。

2020年度 2021年度
X社(バナナ輸入業) 20,000,000 210,000,000
Y社(バナナ輸出業) 19,800,000 190,980,000

中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインに沿うこと

3つ目の書き方は、に沿った書き方をすることです。中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインとは、ものづくり補助金の公募要領の中で登場する資料名です。

中小サービス事業者の 生産性向上のためのガイドライン

このガイドラインには、経営課題の解決に参考にできる取り組みの方向性や具体的手法等が記載されています。 

事業計画書を書くときは、このガイドラインをまずは熟読し、この内容に沿った事業計画書を立てることが求められています。そのため、補助事業を説明する箇所(事業計画書のP1P3)では、ガイドラインに沿った形で補助事業を説明しましょう。 

例)

  • 自社の理念・・・健康で創造的な生活をサポートする企業
  • 事業コンセプト・・・社会で活躍した高齢者が安心・安全に利用できる健康グッズの開発・製造
  • 新規顧客層への展開・・・高齢者向けのグッズで取得したノウハウを応用し、小学生~中学生向けの健康グッズを開発・製造する
  • 商圏の拡大・・・これまでは量販店やシニアグッズを販売するネット通販へ製品を卸していたが、学生向けの健康グッズとして自治体を通じた学校用品販売店への販売を計画している

わかりやすく具体的な数値や名称を入れ誰がみても分かるように書く

ものづくり補助金の事業計画書は、電子申請により添付で提出しますが、審査するのはAIではなく人間による目視確認です。一般的な中小企業に詳しい、中小企業診断士などの専門家が事業計画書を審査しますが、それぞれの業界の事情を深く把握しているわけではありません。

そのため、事業計画書を書くときは、以下の例のように「第三者に見せる」という視点を意識しましょう。

具体的な数値や名称が入っていないケース

当社は和食レストランを経営しているが、アイドルタイムでの人材が余る一方、ランチタイム・ディナータイムには人手が足りないという悪循環がある。

具体的な数値や名称が入っているケース

当和食レストランは1417時までの時間帯にアルバイトが余るという課題を抱えている。

そこでその時間には配膳ロボット〇〇を2台導入し、アルバイトはより時間給が30円高いディナータイムにアルバイトを2名増やす計画を立てる。

事業計画書を書く際は、以下のような根拠を示すデータや表を用意し、積極的に事業計画書に取り入れていきましょう。 

<事業計画書の根拠の例>

  • 既に制作した過去の試作品の写真
  • 従業員数の推移・離職率の推移など
  • 外部モニターによる投票・アンケート結果
  • 市場シェアについてマーケティング会社に依頼した調査内容
  • 過去に購入して失敗した機械設備やフローの画像、内容説明

ものづくり補助金の事業計画書のサンプル

採択された事業計画書を見ると、以下のように「補助事業の具体的取組内容」や「将来の展望」など、おおよその内容は①現在の会社の概要②補助事業の内容説明③補助事業の将来性や技術・他社との優位性、そして、④補助事業の実行スケジュール、という内容で構成されています。

「補助事業の具体的取組内容」の具体的なサンプル例

補助事業の具体的な取り組み内容では、以下のように①悩み(課題)②補助事業を考えたきっかけ③補助事業の内容④悩み(課題)の解決について、というような流れを意識し、書いていきましょう。

(例)

当社は埼玉県で10年間、減農薬のトマトを栽培・出荷している。家族経営で行っているが、創業者である〇〇が去年、健康上の理由から引退をした。また、近年はトマト市場でブランド化がすすみ、高品質なトマトでないとなかなか売れない、という現状がある。

そのため、当社ではスマートIoT技術を使い、トマトのハウス内を一定の温度・湿度に保つ機器を導入する。

スマートIoT機器を導入することにより、ハウス内で温度・湿度チェックをする人材を削減でき、その分、トマトの出荷時のチェック体制に人材を回せる、という効果が期待できる。

「将来の展望」の具体的なサンプル例

将来の展望、では、事業計画に書かれた内容でどのように売上を上げるのか、従業員数を増やし、設備投資を増やしてくのか、という視点が求められます。ものづくり補助金の要件には付加価値額や給与アップがありますので、将来の展望では、ものづくり補助金の要件を事業者がクリアしている、という点をアピールしましょう。

(例)

当社がスマートlot機器を導入することで、以下のような効果が発生する。

2021年度)

  • トマトの品質管理担当者:6名
  • トマトの出荷時チェック担当者:3名

2022年度)

  • トマトの品質管理担当者:4+スマートIoT機器
  • トマトの出荷時チェック担当者:3名+2名

2021年度)

  • トマトの月間不良クレーム件数:85

2022年度)※予測

  • トマトの月間不良クレーム件数:20

「会社全体の事業計画」の具体的なサンプル例

会社全体の事業計画では、今後どのように事業者が補助事業を行っていくのか、①社内体制②資金調達③スケジュール④取引先との連携などについて、詳しく記載していきます。

(例)

本事業について、当者では以下の体制で2022年6月より実施する。

(人員配置)

トマト品質管理担当者:

  • 佐藤(入社2013年)・・・チーフマネージャー
  • 鈴木(入社2014年)・・・サブマネージャー
  • 遠藤、小池(スマートIoT機器保守担当者)

トマト出荷時チェック担当者:

  • 横山(入社2015年)・・・チーフマネージャー
  • 大林(入社2013年)・・・サブマネージャー
  • 江田、西山

(資金調達委)

  • 2022年4月に日本政策金融公庫より、本事業にて200万円の融資を実行済み

(本事業のスケジュール)

  • 2022年5月・・・スマートIoT機器選定・説明会実施
  • 2022年6月・・・スマートIoT機器契約
  • 2022年6月・・・トマト生産のチーム編成の変更
  • 2022年7月・・・第一回効果査定会実施

認定経営革新等支援機関や専門家に相談するのも一つの方法

認定経営革新等支援機関とは、略して認定支援機関と呼ばれています。認定支援機関には商工会・商工会議所、地方銀行などの公的機関に加え、税理士やコンサルティング企業などの民間企業も含みます。

認定支援機関は全国に33,000ほど存在しますが、経済産業省から一定の実績と知識があると認められた事業者で、中にはものづくり補助金の事業計画書を作成するをサポートしてくれる専門家もいます。

認定支援機関に相談する際の選ぶ基準ですが、既に商工会の会員の方は所属する商工会に連絡するのがスムーズです。また、融資などで取引のある金融機関がある場合はその金融機関へ、顧問契約をしている税理士などの専門家と付き合いのある場合は専門家への相談を視野に入れましょう。

付き合いのある金融機関や税理士などが認定支援機関であるか調べるには、以下のシステムから調べられます。

認定経営革新等支援機関検索システム|中小企業庁

この記事のまとめ

・ものづくり補助金の事業計画書は、10ページ以内に公募要領に書かれた審査項目を網羅するように書きましょう。

・事業計画書では、最初に結論を書き、その理由を証明するエビデンス(根拠)としての画像やグラフ、表を取り入れると、より納得感の高い事業計画書になります。

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