補助金ガイド

ものづくり補助金とは?概要と最新情報をわかりやすく解説

2024/02/19

2022/5/23

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業者向けの補助金について調べている人の中には、ものづくり補助金という名前の補助金が気になる人もいますよね。「製造業だけが対象なのか」「自社は対象なのか」といった疑問を持っている人もいると思います。

当記事では、ものづくり補助金に興味のある法人や個人事業主の方に向け、ものづくり補助金の概要を説明します。ものづくり補助金の最新情報も紹介するので、ものづくり補助金が自社に合うか確認したい人は当記事を参考にしてみてください。

ものづくり補助金とは設備投資に使える補助金

ものづくり補助金とは設備投資に使える補助金です。一般的に設備投資とは、事業者が長期的な利益の増加や生産性向上のために機械の購入や技術の向上をすることを指します。ものづくり補助金を使えば、事業者が高額な費用がかかる設備投資の負担を軽減することが可能です。

ものづくり補助金を利用すると、製造業を含むさまざまな業種が事業に関わる設備を導入できます。その際、設備投資は「革新的なサービスの開発、試作品開発、生産プロセスの改善」につながる設備投資である必要があります。

【ものづくり補助金で補助の対象となる設備投資】
業界 設備投資の一例
製造業 ベルトコンベヤー、乾燥機、ロボット、複合加工機、CADシステム
食品製造業 バームクーヘン専用オーブン、スライサー、自動包装機
印刷業 印刷検査機、製本機械
建設業 建設用ドローン、3Dレーザースキャナー、施工管理システム
小売業 清掃ロボット、冷凍食品自動販売機、アプリ開発

ものづくり補助金の公式サイト「成果事例のご紹介」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、いまの設備に新たなベルトコンベヤーを導入することは、設備投資と言えます。しかし、いま使っているベルトコンベヤーが壊れたので、新しいベルトコンベヤーに買い換えることは革新的な製品やサービスや生産プロセス改善のための設備投資と言えません。

一方、もともと工場にベルトコンベヤーがなく、新たにベルトコンベヤーを導入して工場で生産できる製品数が増加する場合は、生産プロセス改善につながる設備投資と言えます。

ものづくり補助金で補助される設備投資は、事業者のいまの事業を革新的に発展させたり、生産性を向上するための設備投資です。ものづくり補助金は、継続的に実施されている補助金なので、設備投資をしてみたい人は利用を検討してみてください。

なお、令和5年12月に中小企業庁より発表された資料「ものづくり・商業・サービス 生産性向上促進補助金について」を参考にすると、ものづくり補助金は令和6年度以降も継続する見込みがあります。

補助金額は最大8,000万円

ものづくり補助金の補助金額は最大8,000万円です。事業者が受け取れる補助金額は、事業者が支払う補助対象経費と補助率により異なります。

補助対象経費とは、事業者が導入する機械設備やシステムにかかる費用のことです。補助金は後払いの仕組みなので、ものづくり補助金に採択された場合、事業者は先に補助対象経費を機械メーカーやシステム業者に支払います。

また、補助金額の計算は、事業者が支払う予定の機械装置費といった「補助対象経費」に「補助率」を乗じると、求めることが可能です。補助率とは、ものづくり補助金が事業者の支払う補助対象経費のうち何割まで支援するかという割合です。

【補助金額と補助率】※2024年17次公募「省力化(オーダーメイド)枠」の場合
補助金額の範囲 補助率  
従業員数
5人以下 :100万円~750万円
6~20人 :100万円~1,500万円
21~50人 :100万円~3,000万円
51~99人 :100万円~5,000万円
100人以上:100万円~8,000万円
補助金額が1,500万円まで 1,500万円を超える部分
中小企業:1/2
小規模事業者(※):2/3
1/3

※小規模事業者とは、常に雇用される従業員の数が製造業・その他・宿泊業・娯楽業で20人以下、卸売業・小売業・サービス業では5人以下の法人や個人事業主
ものづくり補助金の公式サイト「17次公募要領」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、従業員数が5人の個人事業主が補助対象経費に100万円を支払うとします。従業員数が5人以下の補助金額の範囲は100万円〜750万円なので、100万円全額が補助の対象です。従業員数5人の個人事業主は補助率が2/3なので、100万円に補助率2/3を乗じた、約66.6万円が補助金額となります。

補助対象経費:100万円×補助率:2/3 = 受け取れる予定の補助金額:約66.6万円

ものづくり補助金の補助金額は、事業者がたくさん補助対象経費を支払うほど増え、従業員数が多いほど増える仕組みです。ものづくり補助金で申請枠が違うと補助金額や補助率が変わる場合があるので、申請の際は留意しましょう。

なお、2024年2月13日が申請締め切りの17次公募では「省力化(オーダーメイド)枠」のみが公募されます。「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の2つは18次以降から公募が開始される予定なので、気になる人はものづくり補助金の公式サイトでスケジュールを定期的に確認してみてください。

主な補助対象経費は機械設備・システム構築費

ものづくり補助金の主な補助対象経費は、機械設備・システム構築費です。単価50万円以上機械設備・システム構築費を申請する場合のみ、ものづくり補助金の対象になります。

【ものづくり補助金の補助対象経費】
機械装置・システム構築費

補助事業のためだけに使われる機械や装置、工具などを

購入・製作・レンタルする際の費用

運搬費 補助事業をするために必要となる、運搬、宅配・郵送の費用
技術導入費 補助事業に必要な知的財産権等の導入にかかる費用
知的財産権等関連経費
  • 補助事業で必要となる特許の申請にかかわる弁理士の

代行費用

  • 外国特許申請のための翻訳料
外注費

補助事業で必要なWebデザインなどの作業の一部を外部に

委託する際の費用

※事業計画自体の企画を外注するのはNG

専門家経費

補助事業のためにコンサルティングや相談を大学教授などの

専門家に支払われる費用

クラウドサービス利用費

補助事業のためだけに必要となるクラウドサービス費用

※自社が保有するサーバーの利用料は対象外

原材料費

補助事業の試作品づくりのために必要な原材料および副材料の

購入費用

ものづくり補助金の公式サイト「17次公募要領」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、農家の人が単価50万円以上の肥料散布機を挿入する場合、機械装置費と関連する運搬費も補助の対象です。

一方、印刷業の人が単価50万円未満のICTシステム導入をする場合は、ICTシステムが50万円未満のため、ICTシステムも他の関連費用も補助の対象外になります。

ものづくり補助金の補助対象経費は、単価50万円以上の機械装置・システム構築費とその関連経費です。少額の外注費や原材料費などを主に申請する場合は補助の対象外となる点に留意してください。

なお、ものづくり補助金に申請する際は、補助対象経費の金額の妥当性を確認するため、事業者は機械設備やシステムの見積もりを提出することになります。申請時に提出できない場合は、採択されたあとに提出することになるので、見積もりが必要なことは覚えておきましょう。

ものづくり補助金の対象となるかは下記無料診断フォームより確認できます。事業内容や規模からものづくり補助金の対象となるか、導入したい設備が対象となるか、いくら補助金が受け取れるかを知りたい人は診断してみてください。

無料診断

ものづくり補助金の主な対象事業者は中小事業者

ものづくり補助金の対象事業者は中小事業者で、組合、一部のNPO法人も対象です。業種による制限は特になく、手に取れる製品を作れない情報通信業やサービス業や情報の場合でも、生産性を高める取り組みやシステム導入の計画で、採択されることがあります。

【ものづくり補助金の対象事業者】
中小企業者
資本金 常時雇用する従業員数

5,000万円~3億円以下

※業種により異なる

50人~300人以下
小規模事業者
5人~20人以下
※従業員なしも対象

ものづくり補助金の公式サイト「17次公募要領」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、製造業の企業の場合、資本金3億円以下、常時雇用する従業員数が300人以下であれば対象事業者となります。

一方、飲食業の個人事業主の場合は、資本金がないため資本金の条件はありません。常時雇用する従業員数が5人以下なら、ものづくり補助金の対象事業者です。

ものづくり補助金の対象事業者には常時使用する従業員数の下限が設定されていないので、従業員がいない事業者も対象です。自社が対象となるか詳しく確認したい人は、ものづくり補助金の公式サイトにある公募要領で「補助対象者」や「対象事業者」の説明文を確認してみましょう。

なお、業種による制限は特に設けられていませんが、対象外の事業については制限があります。資産運用的性格の強い無人駐車場や公序良俗に反する事業などはものづくり補助金の対象外なので、留意してください。

 基本要件を満たす事業計画の作成が必要

ものづくり補助金では、基本要件を満たす事業計画の作成が必要です。ものづくり補助金の基本要件とは、ものづくり補助金の申請時に満たさなければならない条件を指します。事業計画とは、どのような機械設備やシステム導入を行い、どのように生産性を向上させるかを説明する計画です。


基本要件は3点あり、主に雇用する従業員および役員の給与を賃上げすることに関わります。

【ものづくり補助金の3つの基本要件】
①給与支給総額の増加

事業計画期間において、給与支給総額を

年平均成長率1.5%以上増加させること。

②最低賃金の引き上げ

事業計画期間において、事業場内最低賃金

(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、

毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とすること。

③付加価値額の増加

事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を

年平均成長率 3%以上増加させること。

ものづくり補助金の公式サイト「17次公募要領」をもとに、株式会社ソラボが作成

給与支給総額とは従業員に支払う給料、残業代、賞与の合算した金額で、最低賃金とは事業者が支払う給料を時給換算した中で最も低い額です。一方、付加価値額とは営業利益と人件費と減価償却費を足した金額となります。

ものづくり補助金を利用する事業者は、機械設備やシステム導入により従業員の給料を賃上げし、減価償却費を高める計画を立てます。事業計画を立てる際、専門的なアドバイスやサポートが必要な場合は認定支援機関や商工会などにサポートも依頼できるので、状況に応じて検討しましょう。

ものづくり補助金の対象とならない場合は他の補助金も確認する

ものづくり補助金が対象とならない場合、他の補助金の申請を検討しましょう。
申請の条件や補助対象となる経費などは補助金によって異なるため、ものづくり補助金で対象とならない場合でも他の補助金に申請できる可能性があります。

【全国で利用できる補助金】
補助金名 補助額 申請要件
小規模事業者持続化補助金 通常枠:50万円
特別枠:200万円
インボイス特例:上記金額に+50万円

・小規模事業者であること

事業再構築補助金 中小企業 最大1億円
中堅企業 最大1.5億円
・付加価値額を年率平均3%~5%向上させること
・事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
IT導入補助金 通常枠:450万円
インボイス枠:350万円
セキュリティ対策推進枠:100万円
・中小企業、小規模事業者
・デジタル化による業務効率化や生産性の向上、セキュリティ対策関連の取り組みを評価

※詳しい申請要件は、申請する枠などによって異なります。

これらの補助金は国で公募されている補助金で、年間を通して募集されています。申請要件には補助金にはものづくり補助金に必要な給与支給総額や賃金の上昇がないため、個人事業主や新規事業の開拓にも活用しやすいという特徴があります。
ものづくり補助金の基本要件に満たない場合は、必要な補助額と照らし合わせて他の補助金の活用を検討してみてください。

ものづくり補助金の申請は電子申請システムで行う

ものづくり補助金の申請は、パソコンから電子申請システムで行います。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。GビズIDプライムアカウントは「Gビズホーム」から無料で作成できるアカウントで、申請からIDを取得するまで2週間から3週間かかります。

【GビズIDプライムアカウントの取得方法】
手順 郵送申請の場合 オンライン申請の場合
①必要なものを準備する
  • 印鑑登録証明書(個人事業主)
  • 印鑑証明書(法人)
  • パソコン
  • メールアドレス
  • SMS受信用のスマートフォン

または携帯電話

  • マイナンバーカード
  • パソコン
  • メールアドレス
  • マイナンバーカード

読み取り、SMS受信用の

スマートフォンまたは携帯電話

②GビズIDの申請ページに

アクセスする

書類郵送申請
※クリックするとGビズIDの

ページへ移動します

オンライン申請
※クリックするとGビズIDの

ページへ移動します

③「申請を始める」ボタン

をクリックして手続きを

行う

申請ページを下部へスクロールすると「申請を始める」ボタンが

あります

GビズIDアカウントには「プライム」と「エントリー」の2種類があります。ものづくり補助金の電子申請に使うアカウントは「プライム」となります。

ものづくり補助金に申請する人は、ものづくり補助金の公式サイトにある「電子申請」画面へGビズIDプライムでログインします。公募期間によっては申請期間が短いこともあるので、ものづくり補助金に申請したい人は早めに準備をするようにしましょう。

17回ものづくり補助金では省力化枠のみの公募

17回ものづくり補助金では、省力化枠のみが公募されます。17回公募に新設された「省力化(オーダーメイド)枠」は補助上限額が大幅に引き上げられ、省力化投資を重点的に支援する申請枠となっています。

省力化投資とは、一人当たりの作業時間を減らすために機械設備やシステムを導入することです。

【省力化(オーダーメイド枠の概要】
辞書での意味 作業負担の削減
→ 一人当たりの作業時間を減らすこと
ものづくり補助金における省力化の例
  • 野生動物の行動把握調査を大幅に省力化する

映像スマートロガーの試作開発

  • 加工・販売原料の高鮮度化、製品積み作業の

省力化を目指す製造ラインの構築

  • 三次元計測技術を利用したBIMモデルの

作成による施工プロセスの省力化

ものづくり補助金は時期を反映する申請枠があり、17回公募の場合、省力化がテーマとなっています。省力化(オーダーメイド)枠の公募要領をみると、システムインテグレータ(SIer)といった外部との連携が必要と記載されているので、申請したい人は公募要領で確認してみてください。

なお、18回公募以降は「省力化(オーダーメイド)枠」に加え「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」で公募される予定です。詳細は、令和5年12月に中小企業庁より発表された資料「ものづくり・商業・サービス 生産性向上促進補助金について」を参考にしてみてください。

今後のものづくり補助金のスケジュール

今後のものづくり補助金のスケジュールは、令和6年度2月13日(火)17時に締め切りの「17次公募」以降、まだ未定です。ものづくり補助金のスケジュールを知りたい人は、公式サイトの「スケジュール」で定期的に確認してみましょう。

過去のものづくり補助金を参考にすると、ものづくり補助金はこれまで、1年に4回、約2〜3か月に一度の割合で公募されてきました。ものづくり補助金のスケジュールが気になる人は「ものづくり補助金のスケジュールと締め切りに合わせた段取りを解説」を参考にしてみてください。

この記事のまとめ

ものづくり補助金とは設備投資に使える補助金です。一般的に設備投資とは、事業者が長期的な利益の増加や生産性向上のために機械の購入や技術の向上をすることを指します。ものづくり補助金を使えば、事業者が高額な費用がかかる設備投資の負担を軽減することが可能です。

ものづくり補助金の補助金額は最大8,000万円です。事業者が受け取れる補助金額は、事業者が支払う補助対象経費と補助率により異なります。ものづくり補助金の補助金額は、事業者が補助対象経費を支払うほど増え、従業員数が多ければ多いほど増える仕組みになっています。

ものづくり補助金の補助対象経費は、単価50万円以上の機械装置・システム構築費とその関連経費です。 少額の外注費や原材料費などを主に申請する場合は補助の対象外となるので、留意しましょう。

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ものづくり補助金(17次)

公募締切:2024年3月1日(金)

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