補助金ガイド

ものづくり補助金の加点とは?採択率との関係性も解説

2022/5/31

2022/05/31

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

ものづくり補助金の加点とは、ものづくり補助金の審査基準のひとつです。ものづくり補助金の審査は審査項目により行いますが、加点項目の要件を満たすことで審査の評価を高めることができます。

当記事では、ものづくり補助金へ申請する事業者に向けて、加点の種類と内容、採択率との関係性を紹介します。

なお、この記事は11次ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の公募要領を元に作成しています。

ものづくり補助金の加点とは審査の評価を高めるための制度

ものづくり補助金の加点とは、事業者が審査の評価を高めるための制度です。ものづくり補助金の加点は、審査基準である「審査項目」のオプション的な立ち位置にあります。申請は任意です。

ものづくり補助金の加点に申請する場合、所定の必要書類を提出する必要があります。ものづくり補助金の必要書類については、関連記事「ものづくり補助金で申請時に必要な書類の揃え方と記載例」でも確認できます。

なお、ものづくり補助金の審査項目の概要や種類については、ものづくり補助金の公式サイトからダウンロードできる「公募要領」に記載されています。

加点の項目が多いほど採択されやすい傾向がある

ものづくり補助金の加点は、個数が多ければ多いほど採択されやすい傾向があります。加点の数が0個の人よりも1個、1個の人よりも2個のほうが採択率は上がっています。

加点が増えるほど採択率があがることは、ものづくり補助金の公式サイトの「データポータル」に掲載された「加点項目の数」のグラフから確認できます。

【加点と採択率の関係】

加点の個数

採択者の割合

トータル採択率

6次~9次採択率の合算)

0

20.5

29.4

1

29.6

49.9

2

35.2

63.9

3

12.5

73.0

※ものづくり補助金の公式サイトにある「データポータル」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、加点の数が0個の人は採択率が20.5%なのに対し、加点の数が1個の人の採択率は29.6%で9.1%高いです。過去の採択データから加点の個数が多くなるほど採択率が高くなっていることがわかります。

加点の申請は任意であるものの、加点申請を多くしたほうが採択率は高くなります。加点申請をしたい人は、まずは加点について情報収集しましょう。 

加点の種類は4種類ある

ものづくり補助金の加点は、成長性加点、政策加点、災害等加点、賃上げ加点等の4種類があります。さらに、政策加点は4つ、賃上げ加点等は2つの区分があります。

【ものづくり補助金の4種類の加点】
  1.  成長性加点:有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
  2. 政策加点:
    (ア)  創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
    (イ)  パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
    (ウ)  再生事業者
    (エ)  デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況を提出する事業者
  3. 災害等加点:
    有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者
  4. 賃上げ加点等
    4-1.以下(ア)(イ)の両方を達成する事業計画を立て実行し、事務局に誓約書を提出する事業者
    (ア)給与支給総額を年率平均2%または3%以上増加させる
    (イ)事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円または+90円以上の水準にする
    4-2.被用者保険の適用拡大の対象かつ保険の任意適用に取り組む事業者

※ものづくり補助金の公式サイトにある「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成

加点は最大6点(デジタル枠に応募の場合は最大7点)まで申請できます。加点申請する際は、それぞれの加点にあった要件を満たし、必要な申請書類を提出します。

成長性加点

成長性加点とは、事業者の事業成長を見込める際に与えられる加点です。成長性加点の要件は、事業者が有効期限内かつ承認済の経営革新計画をもっていることです。

経営革新計画は、中小企業者の経営革新をうながすために、国と自治体が実施する制度です。

経営革新計画に応募する事業者は、自らが成長のためにチャレンジしたい事業計画を考え、具体的なプランを作成します。プランの提出先は、事業者の本社所在地のある都道府県、または地方経済産業局・経済産業省です。 

ものづくり補助金と同じく、経営革新計画には要件があります。ものづくり補助金の成長加点に申請する場合、以下の要件を満たし、都道府県等に承認される必要があります。

【経営革新計画の要件】

  •  A 5つの類型に当てはまる3~5年の新事業活動に取り組む計画であること
  •  B 経営の相当程度の向上を達成できる計画であること

なお、経営革新計画についての詳細は、中小企業庁が発行する「経営革新計画進め方ガイドブック」と地方産業労働局が発行する記載要領から確認できます。

政策加点

政策加点とは、政府が推し進めている政策に該当する事業者に与えられる加点です。具体的な政策加点は、創業5年以内の事業者・パートナーシップ構築宣言を行う事業者・再生事業者・デジタル技術の取り組みを行う事業者の4種類です。

政策加点に申請する事業者は、4種類すべてに該当する必要はありません。4種類の政策加点のうち、該当する1種類のみに当てはまれば申請できます。

【政策加点の種類】

政策加点の種類

対象

1. 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)

ある事業において創業してから5年以内の事業者、または、ある事業において経営者が変わり事業が生まれ変わってから5年以内の事業者

2. パートナーシップ構築宣言を行っている事業者

パートナーシップ構築宣言の公式サイトから宣言を登録する事業者

3.再生事業者

債務超過などで倒産状態に陥り、中小企業再生支援協議会等から支援を受けて再生計画を策定中または策定が認可されてから3年以内の事業者

4. デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ、任意)

デジタル技術等の活用の方向性の公表状況や体制の提示等の取組状況を提出する事業者

※ものづくり補助金の公式サイトにある「公募要領」と「<別紙4>「再生事業者」の定義について」をもとに株式会社ソラボ作成

災害等加点

災害等加点とは、「事業継続力強化計画」を立て、経済産業大臣に認められた事業者に与えられる加点です。事業継続力強化計画とは、事業所のある地域での災害への備え、そして減災を目的として、事業者自身が作成するプランです。

【事業継続力強化計画の要件】

  •  A 「事業継続力強化計画策定の手引」を参照し、規定のステップを踏み、作成すること
  •  B 事業継続力強化計画を作成する際は、あわせて感染症対策についても取り組むこと

参照元:中小企業庁の公式サイトにある「事業継続力強化計画策定の手引」をもとに株式会社ソラボ作成

事業継続力強化計画が経済産業大臣に認められると、その事業継続力強化計画は3年間有効になります。災害等加点に申請する際は、有効期限内の事業継続力強化計画を、申請時に添付します。

なお、事業継続力強化計画の対象者や具体的な申請方法については、中小企業庁がまとめている「事業継続力強化計画 策定の手引き」から内容を確認できます。

賃上げ加点等

賃上げ加点等とは、事業者が従業員等への賃上げなどを行うことで与えられる加点です。賃上げ加点等の内容は2種類あります。具体的には、「従業員等へ、所定の数値以上の賃上げを宣言し、実行すること」と、「該当事業者が任意保険の適用をする」の2つです。

【賃上げ加点等の要件】
  1.  従業員への賃上げ
    補助事業を行う期間中に「従業員へ支払う給与総額を年率平均2%あげる計画」と「事業場内最低賃金を地域別最低賃金の+60円以上にする計画」の両方を立てる
  2. 従業員への保険適用
    被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が任意適用に取り組む

※ものづくり補助金の公式サイトにある「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成

1つ目の要件については、賃上げの対象は従業員だけでなく、役員も対象となります。これに対し、2つ目の要件については、役員は被用者保険の被用者とはならないため、役員は対象外となります。

なお、賃上げ加点等に申請する事業者は、2点ともに該当する必要はありません。賃上げ加点等のうち該当するどちらか片方の加点のみに申請することも可能です。

加点の申請はものづくり補助金の申請と同時に行う

加点の申請は、ものづくり補助金の申請と同時に行います。ものづくり補助金の申請方法はパソコンによる電子申請のみですが、申請画面の表示に沿って入力すると、加点項目でチェックを入れる欄が表示されます。

加点項目の欄にチェックを入れ、加点申請で必要な書類を添付して送付すると申請は完了です。加点申請の必要書類の内容が認められれば、加点申請は受理されます。

加点の申請に必要な追加書類は加点項目ごとに異なる

ものづくり補助金で加点申請する場合は追加書類が必要ですが、追加書類の種類は加点の種類により異なります。 

【ものづくり補助金の加点申請で必要な書類】

①成長性加点

経営革新計画承認書

②政策加点

-1:開業届

-2:パートナーシップ構築宣言の登録

-3:再生事業者に関わる確認書

-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況

③災害等加点

事業継続力強化計画、または連携事業継続力強化計画

④賃上げ加点

賃金引上げ計画の誓約書、または特定適用事業所該当通知書

※ものづくり補助金の公式サイトにある「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成 

たとえば、賃上げ加点等で従業員への賃上げを選択する場合、ものづくり補助金の申請時に賃金引上げ計画の誓約書を提出します。また、同じく賃上げ加点等で従業員への保険適用の方を選択する場合は、特定適用事業所該当通知書を加点申請の根拠として提出します。 

ものづくり補助金の加点に申請する人は、申請する加点項目に応じた追加書類を準備しましょう

加点だけでなく減点項目もある

ものづくり補助金には、加点だけでなく減点項目もあります。ものづくり補助金の減点項目は、2種類あります。

【ものづくり補助金の減点項目】

  1. 過去3年以内にものづくり補助金の交付決定を受けた事業者である
  2. 回復型賃上げ・雇用拡大枠で課税所得控除を繰越欠損金によって満たし要件を満たした事業者である

ものづくり補助金に申請する人は、減点項目に該当しないことをチェックしましょう。

この記事のまとめ

ものづくり補助金の加点とは、ものづくり補助金の審査基準のひとつです。ものづくり補助金の加点は申請数が多いほど採択されやすい傾向があります。加点申請する場合は、ものづくり補助金の基本要件以外にも加点の要件を満たし、追加書類を提出する必要があります。   ただし、ものづくり補助金の加点は、審査項目と違い義務ではなく、申請は任意です。加点の要件を満たせる事業者は、加点の申請も検討してみてください。  

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