ものづくり補助金のスケジュールと締め切りに合わせた段取りを解説
2024/08/29
2023/10/23
ものづくり補助金を検討している人の中には、次回の公募日程や締め切りなど、スケジュールが気になる人もいますよね。また、採択後の交付申請の手続きについて、あらかじめスケジュールを把握して段取りをつけたい人もいるでしょう。
当記事では、ものづくり補助金の募集日程や採択発表日などのスケジュールを、まとめて解説します。「いつまでに何をすればよいか」という手続きのスケジュールも紹介しますので、ものづくり補助金を検討している人は、当記事を参考にしてみてください。
Contents
ものづくり補助金は年間を通して4回の期間に分けて公募される
ものづくり補助金は年間を通して4回の期間に分けて公募されています。ものづくり補助金は「申請者の都合のよいタイミングで」申請・補助事業実施することを可能とする趣旨から、事業者は都合のよい公募回を選び、応募申請することができます。
16次 | |
申請受付~締め切り | 2023年8月18日(金)17:00~11月7日(火)17:00 →応募期間は2か月と3週間 |
採択発表予定日 | 2024年1月中旬 →締切日から約2か月後 |
15次(過去) | |
申請受付~締め切り | 2023年5月12日(金)17:00~7月28日(金)17:00 →応募期間は2か月と2週間 |
採択発表日 | 2023年9月29日17:00 →締切日から約2か月後 |
14次(過去) | |
申請受付~締め切り | 2023年3月24日(金)17:00~4月19日(金)17:00 →応募期間は1か月と3週間 |
採択発表日 | 2023年6月23日17:00 →締切日から約2か月後 |
13次(過去) | |
申請受付~締め切り | 2022年11月7日(金)17:00~12月22日(木)17:00 →応募期間は2か月と2週間 |
採択発表日 | 2023年2月20日17:00 →締切日から約2か月後 |
※ものづくり補助金の公式サイト「公募要領」にある過去の公募要領をもとに、株式会社ソラボが作成
たとえば、16次公募の場合、2024年1月中旬に採択発表されます。もし16次公募で採択されると、2月頃から補助事業を開始するため、発注する機械設備やシステムは2月~3月には納品されるべき、と予測を立てられます。
ものづくり補助金の公式サイトでは、申請受付の開始2週間ほど前になると、次の公募回の公募要領が先に公開されます。ものづくり補助金の採択には公募要領の理解が不可欠なので、申請を予定している人は、申請開始前に公式サイトで公募要領を確認しておきましょう。
なお、ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。同補助金の実施の可否は、毎年、補正予算の成立後となる12月~年明けに判明するので、目安として覚えておきましょう。
当メディアを運営する株式会社SoLaboは現在公募されている17次公募の支援を行っています。自社が対象となるか、いくらくらい補助金が受け取れそうかなどを知りたい人は診断してみてください。
無料診断令和6年のスケジュールは過去を参考に予測できる
ものづくり補助金の2024年度のスケジュールは未定ですが、過去の実績を参考にして予測を立てることができます。2023年に入ってからの公募回数はまだ3回なので、2023年中に4回目の公募が実施される見込みがあります。
年度 | 申請受付期間 |
2023年 | ① 3月~4月②5月~7月③8月~11月④未定 |
2022年 | ① (12月)~2月②3月~5月③5月~8月④8月~9月 |
2021年 | ① 4月~5月②6月~8月③9月~11月④12月(~2月) |
※ものづくり補助金の公式サイト「公募要領」にある過去の公募要領をもとに、株式会社ソラボが作成
たとえば、2021年の場合、2023年と同じように11月までの間に3回公募が実施されました。その後、最後の4回目の公募が12月から申請開始され、翌年2月に締め切られています。そのため、2023年の12月に17次が公募開始となる可能性もあります。
なお、18次は2024年1月に申請が開始され、3月に締め切られています。補助金の実施は補正予算により変わることがあるため、今後のスケジュールは確定ではありません。
今後のものづくり補助金のスケジュールが気になる人は、定期的に公式サイトを閲覧しましょう。公式サイトの「スケジュール」を見て、随時、最新情報を確認してみてください。
申請から入金までのスケジュール
ものづくり補助金に申請してから入金までは、約1年以上あります。ものづくり補助金に採択されると、補助金の入金までの間、補助事業の実施や報告書の提出などが必要です。各事務手続きには、締め切りが設けられている場合があります。
事務手続き | スケジュール |
補助金交付候補者(採択)の発表 | 申請締切日から約2か月後 |
交付申請・交付決定 |
いつまでという締め切りはないが、遅れると補助事業の 実施が遅れる |
補助事業の実施 |
交付決定後、約10か月以内に実施する 以内に実施する |
実績報告書の提出 |
報告基準日の翌月15日(土日祝日の場合は次の平日) まで |
確定検査 | 実績報告書の提出後、速やかに実施する |
精算払請求 | 確定検査後、速やかに実施する |
入金 | 概算払い請求を行い、振り込まれる |
※ものづくり補助金公式サイトにある「公募要領」「交付規程」をもとに、株式会社ソラボが作成
たとえば、交付申請の場合、補助金に申請し、補助金交付候補者(採択)となった事業者が行う手続きです。交付申請には正式な締め切りは設けられていませんが、補助事業期間には締め切りがあるため、交付申請が遅れると交付決定も遅れ、補助事業期間が短くなります。
また、補助事業の実施の場合は、事業者が申請した補助対象経費を取引先へ発注し、事業計画に記載した計画を行います。補助事業を行う期間は交付決定から約10か月間と定められているため、事業計画通りに実行できるか、納品に遅れがないか等を留意する必要があります。
ものづくり補助金で補助金をスムーズに受け取るには、応募申請のスケジュールだけでなく、その後の手続きのスケジュール管理も重要です。やるべき事を忘れて補助金をもらい損ねないように、各種手続きのスケジュールも確認しましょう。
なお、ものづくり補助金の交付申請では、一度Jグランツでアップロードした事業計画を、事業者がダウンロードして再確認します。交付申請の手続きや交付決定を知りたい人は、「ものづくり補助金における交付申請を解説」を参考にしてみてください。
発表日は申請締切日から約2か月後
採択発表日は申請締切日から約2か月後となります。採択結果で不採択となった場合は次の回に申請できますが、採択発表から次の回の締め切りまでは約1か月と1週間なので、とても短いスケジュールです。
16次(今後) | |
採択発表予定日 | 2024年1月中旬 →締切日から約2か月後 |
15次(過去) | |
採択発表日 | 2023年9月29日17:00 →締切日から約2か月後 |
14次(過去) | |
採択発表日 | 2023年6月23日17:00 →締切日から約2か月後 |
13次(過去) | |
採択発表日 | 2023年2月20日17:00 →締切日から約2か月後 |
※ものづくり補助金の公式サイト「公募要領」にある過去の公募要領をもとに、株式会社ソラボが作成
たとえば、15次公募の場合、採択発表日は2023年9月29日(金)でした。不採択となり16次に申請したいなら、16次の申請締め切りは11月7日(火)なので、1か月と1週間の間に次の申請に向けて不採択理由を改善する必要があります。
ものづくり補助金の採択結果は、公式サイトの「採択結果」での発表と共に、申請者全員にe-メールでも採択結果が通知されます。過去に実施された14次公募では、発表が2か月ちょうどでなされない場合もありますので、若干の遅れは予測しておくと良いでしょう。
なお、ものづくり補助金で補助金交付候補者(採択)となった場合は、交付申請をする必要があります。採択後の流れについては、「ものづくり補助金における採択後の流れを解説」を参考にしてみてください。
補助事業を行う期間は交付決定から最大10か月間
補助事業を行う期間は、交付決定から最大で10か月間です。ただし、グローバル市場開拓枠の場合は、交付決定から最大12か月間です。また、各公募回では補助事業期間の締め切りが設けられており、16次公募の場合、令和6年12月10日までとなります。
たとえば、16次公募の通常枠で2月1日に交付決定を受けた場合、補助事業期間は2月1日から10か月後の12月1日迄です。交付決定から10か月後の日付が補助事業の締切日を超えないため、10か月後の日付が補助事業の締切日となります。
一方、3月1日に交付決定を受けた場合は、3月1日から10か月後は補助事業の締め切り:12月10日を超えます。そのため、3月1日に交付決定を受けた事業者は12月10日までに補助事業を終えることになります。
16次の公募要領には、17次、18次の補助事業の締め切りは12月10日と明記されています。補助事業の締め切りが変わらないということは、年の後半の公募回では補助事業期間が短いということになります。補助事業期間が短いと補助事業の実施が困難な人は、できるだけ年の前半の公募回に申請するようにしましょう。
ものづくり補助金が入金されるのは確定検査から1か月後
ものづくり補助金が入金されるのは確定検査から1か月後です。ものづくり補助金で交付決定を受けたら、約10か月以内に補助事業を行います。その後、ものづくり補助金事務局に対して実績報告をし、確定検査を受けて通過するまでに約1か月かかります。
たとえば、ものづくり補助金の補助事業を8月1日に終えた場合、8月半ばに実績報告をすると、確定検査は9月になります。確定検査を9月半ばに通過すると、事業者はものづくり補助金の事務局に対して「精算払い請求」ができるようになります。
ものづくり補助金で実際に補助金が振り込まれるのは、確定検査の審査を通過し、事業者が精算払い請求をしたあとです。ものづくり補助金に申請してから補助金を受け取るには約1年かかるので、その期間に補助事業ができる資金を確保しておくようにしましょう。
なお、ものづくり補助金では高額な設備を導入するだけの資金が不足している人のために、つなぎ融資や概算払の利用を紹介しています。ものづくり補助金での資金調達に関心のある人は、「ものづくり補助金におけるつなぎ融資の利用と申請方法を解説」を参考にしてみてください。
不採択理由を改善して再申請すれば採択の可能性がある
不採択の理由を改善して再申請すれば、ものづくり補助金で採択される可能性があります。不採択の事業者は次の公募回にすぐ申請ができますが、申請内容が変わらない場合はまた不採択になります。ものづくり補助金に再申請する場合は、不採択理由を改善してから申請しましょう。
不採択理由を改善するには、まず、不採択理由を特定する必要があります。ものづくり補助金では、不採択になった事業者がものづくり補助金事務所に電話をすると、不採択理由を口頭で教えてもらえます。
読み上げてくれるので、電話で確かめてみる
―事業計画書の内容が不十分 ―書類不備がある ―加点が不足している |
当サイトを運営する株式会社SoLaboは、一度ものづくり補助金に不採択となりましたが、事業計画を改善することで14次公募では採択されました。
ものづくり補助金で不採択になる理由はさまざまですが、中には見直すことができる不採択理由もあります。ものづくり補助金で不採択になった後に再申請したい場合は、まず不採択理由を確認し、改善した上で次の公募回に挑戦してみましょう。
なお、ものづくり補助金の不採択理由は、「要件の一部を満たしていない」「補助対象経費に不備がある」等さまざまです。ものづくり補助金の不採択理由知りたい人は、「ものづくり補助金で不採択になる理由と改善策を解説」を参考にしてみてください。
無料診断では、貴社の事業内容や補助事業の内容より不採択の理由がわかりますので、再申請のポイントを知りたい人は診断してみてください。
無料診断この記事のまとめ
ものづくり補助金は年間を通して4回の期間に分けて公募されています。過去の実績を参考にすると、1月、2月以外は毎月、年間を通して申請が可能でした。また、ものづくり補助金の採択発表のスケジュールは、各申請締め切りのあと、約2か月後となります。
ものづくり補助金の実施は補正予算の確定後でないと決まらないため、半年~1年後のスケジュールは公開されていません。事業者は次回やその次の公募のスケジュールをみて、事業計画や添付書類の準備をすることになります。
また、ものづくり補助金では採択されたあとに交付申請という手続きが必要です。また、補助金を受け取る前には補助事業の実施と実績報告が必要です。交付申請が遅くなると、補助事業を行うのも遅くなり、補助金を受け取れる時期も遅くなるため、採択された際は、交付申請を早めに済ませましょう。