補助金ガイド

ものづくり補助金におけるつなぎ融資の利用と申請方法を解説

2023/10/20

2023/10/20

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

ものづくり補助金を検討している人の中には、補助事業に必要な資金に不安を感じ、つなぎ融資を検討する人もいますよね。その際、「つなぎ融資は具体的にいくらまで借りられるのか?」や「どのように申し込むべきなのか?」といった疑問を抱えている人も多いでしょう。

当記事では、ものづくり補助金でのつなぎ融資の定義や利用について解説します。また、つなぎ融資の申請方法も紹介するので、ものづくり補助金の申請を検討している人は、当記事を参考にしてみてください。

つなぎ融資とは補助金の入金までに不足する資金を補う手段

つなぎ融資とは、補助金の入金までに不足する資金を補うために金融機関から融資を受けることです。ものづくり補助金の公募要領では、つなぎ融資について、ものづくり補助金対応POファイナンスや交付決定債権譲渡と記載しています。

【公募要領でのつなぎ融資についての記載文面】

事業資金の調達については、金融機関の判断によるつなぎ融資

(①ものづくり補助金対応POファイナンス*1、②交付決定債権譲渡*2) や

概算払*3を利用することが可能です。

※引用:公募要領|ものづくり補助金 P6より

ものづくり補助金に採択されたものの、補助事業を行う運転資金が足りないために、採択を辞退する人もいます。補助事業を実施する資金がなくてものづくり補助金に申請できない人、または既に採択されたものの補助事業を行う資金が足りない人は、金融機関からの「つなぎ融資」を検討してみましょう。

補助金POファイナンスとは

補助金POファイナンスとは、金融機関と補助金申請者との間に入り、金融機関からの融資をサポートするサービスです。ものづくり補助金事務局はTranzax(トランザックス)株式会社と提携しており、Tranzax社は補助金向けのPOファイナンスを提供しています。

  • 補助金POファイナンス・・・事業者が金融機関から融資を受けられるよう、

採択された事業者の「補助金交付決定通知書」を使い、融資のサポートをするサービス

  • Tranzax社・・・ものづくり補助金で補助金POファイナンスを行う民間企業

Tranzax社について知らない人も多いと思いますが、ものづくり補助金のPOファイナンス以外にも、売掛金の早期現金化や受注時の短期資金のサポートを行っているIT企業として知られています。

交付決定通知書の電子債権化の仕組み
画像素材:補助金ガイド

※参考:Tranzax株式会社「POファイナンス®サービスのご紹介」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、事業者Aが融資でTranzax社へ申し込む場合、事業者Aはものづくり補助金の交付決定通知書の写しを送付します。その際、Tranzax社は交付決定通知書を最新のIT技術で加工(電子記録債権化)し、その後の融資の手続きを代行します。

補助金POファイナンスを利用するメリットは、「交付決定を担保にできる」「業歴が浅くても融資を受けやすい」です。デメリットには「手数料がかかる」が挙げられます。つなぎ融資は自分で申し込むことも可能ですが、融資にが初めての人や時間がない人は、「補助金POファイナンス」の利用を一度検討してみましょう。

なお、POファイナンスというサービスは以前からあり、建築業者やアパレル業者など、先に経費を支払うビジネスモデルの業者から需要があります。POファイナンスの詳細を知りたい人は、「POファイナンス®サービスのご紹介」を参考にしてみてください。

POファイナンスの申し込み手順とその後の流れ

POファイナンスへの申し込み手順は、WEBフォームから必要事項を入力し、必要書類を郵送します。POファイナンスに申し込む前には、POファイナンスとつなぎ融資の流れについて理解しておくと、つなぎ融資のあとの不要なトラブルを防げます。

POファイナンスへの申し込みは、Tranzaxの公式サイト「ご利用申し込みのご案内」から可能です。

つなぎ融資に申し込む場合、ものづくり補助金の手続きに加え、POファイナンスを通した金融機関への融資手続きが追加されることになります。通常、つなぎ融資はPOファイナンスへの申し込み後、審査を通過すると、約1週間で入金されます。

POファイナンスへの申し込みとつなぎ融資の流れ】

1.事業者が交付決定を受ける

2.事業者がPOファイナンスサービスに利用申し込み手続きを行う

3.事業者が「応募申請案件に係る採否の通知(採択通知書)」の写しを

Tranzax株式会社に送付

4.金融機関が事業者の口座に補助金額相当の資金を振り込む

抗弁切断の記録を行う

 5.事業者が補助事業を終え、全国中小企業団体中央会へ実績報告をする

 6.全国中小企業団体中央会が確定検査をする

 7.全国中小企業団体中央会が「補助金決済口座」に補助金を振り込み、

 8.事業者が受けたつなぎ融資の債務は消滅する

※参考:Tranzax株式会社「POファイナンス®サービスのご紹介」をもとに、株式会社ソラボが作成

※全国中小企業団体中央会とは、ものづくり補助金の運営組織です。

事業者がつなぎ融資を受けると、Tranzaxは「抗弁切断の記録」を行うため、事業者の「ものづくり補助金を受け取る権利」は消滅します。つなぎ融資の返済は、ものづくり補助金が入金される「補助金決済口座」から金融機関が元金一括払いで直接引き出すため、事業者は融資の返済をする必要はありません。

ものづくり補助金では補助金POファイナンスにはWEBフォームと郵送で申し込めるので、自宅にいながらつなぎ融資を受けられます。一方、つなぎ融資ではPOファイナンスへの手数料と融資の金利がかかるので、手数料を含めて申し込むべきかを検討してみてください。

借りられる金額は補助対象経費の満額ではない

TranzaxのPOファイナンスを利用する場合、つなぎ融資で借りられる金額は補助対象経費の満額ではありません。つなぎ融資を受けても、残りの補助対象経費は事業者が支払う必要があるので、ものづくり補助金に申請する際は資金繰りを考慮するようにしましょう。

ものづくり補助金の補助金POファイナンスで借りられる金額は、基本的に、交付決定額と同一です。交付決定額は、事業者が申請する補助対象経費に補助率をかけた金額となります。そのため、補助事業をするためにはつなぎ融資だけでは足りない計算になります。

【補助対象経費における補助金額と自己負担額】

交付決定額=補助対象経費×補助率

交付決定額:100万円=補助対象経費:150万円×補助率:2/3

【補助金額】100万円

【自己負担額】50万円

たとえば、小規模事業者が100万円の補助対象経費で申請した場合、Tranzax経由のつなぎ融資で借りられる金額は100万円です。

一方、ものづくり補助金は補助対象経費の100%を補助するわけではありません。小規模事業者が補助率2/3、補助対象経費を100万円で申請する場合、実際の補助対象経費は150万円かかるため、残りの50万円は事業者が準備する必要があります。

つなぎ融資を利用しても、ものづくり補助金の補助対象経費に支払える資金が全くない場合は、補助事業は実施できません。つなぎ融資で借りられるのは補助対象経費の6割または5割であると認識しておきましょう。

提携する金融機関は複数ある

POファイナンスサービスで事業者が利用できる金融機関は、複数あります。Tranzax株式会社のPOファイナンスサービスの場合、政府系金融機関の「商工組合中央金庫」や地方銀行の「横浜銀行」、信用金庫の「城南信用金庫」と提携しています

Tranzaxの補助金POファイナンスサービスと提携する金融機関の例】※一部抜粋

種別 金融機関名
政府系金融機関 商工組合中央金庫
地方銀行
  • 横浜銀行
  • 中国銀行
  • 西京銀行
  • 福岡銀行 など
信用金庫・信用組合
  • 城南信用金庫
  • 西武信用金庫
  • 大阪シティ信用金庫
  • 城北信用金庫 など
金融機関以外 東京・大阪で契約できる人のみ
  • 株式会社セゾンファンデックス
事業再構築補助金とものづくり補助金のみ
  • AGビジネスサポート株式会社

Tranzax公式サイト「交付が決まったら早期資金化」をもとに、株式会社ソラボが作成

たとえば、商工組合中央金庫からつなぎ融資を受ける場合、事業者がPOファイナンスサービスを利用するのはTranzaxで、融資を受けるのは商工組合中央金庫となります。そのため、事業者はつなぎ融資に申し込む際に商工組合中央金庫の審査を受けることになります。

ものづくり補助金でつなぎ融資を受ける事業者は、金融機関の審査に必要な決算書や納税証明書などの書類を提出します。補助金の交付決定を受けたという担保はありますが、つなぎ融資の審査も通常の融資の審査のように書類提出があるので、覚えておきましょう。

資金調達には概算請求も利用できる

事業者の資金調達には、ものづくり補助金事務局が実施する「概算請求」も利用できます。つなぎ融資の書類準備や手数料が気になる人は、ものづくり補助金の公募要領に記載された概算払いの制度についても確認しておきましょう。

概算払いとは、補助金交付決定額の90%を上限として、全国中小企業団体中央会が「支払済み補助対象経費×補助率」の額を支払う制度のことです。概算払いについては、ものづくり補助金の公募要領に以下のように記載があります。

【公募要領での概算払いについての記載文面】

補助金交付決定額の90%を上限として、「支払済み補助対象経費×補助率」の額を

支払う制度。なお、支払済み経費の証憑(請求書及び金融機関の振込金受取書等)の

提出が必要。

※引用:16次公募要領|ものづくり補助金 P6より

事業者がものづくり補助金で交付決定を受けた場合は、概算払い請求をして補助金の受け取り時期を早めることができます。ただし、概算払いの場合も、先に事業者が補助対象経費を支払う必要があり、概算払いには請求書と振込明細が必要な点に留意しておきましょう。

この記事のまとめ

つなぎ融資とは、補助金の入金までに不足する資金を補う手段です。ものづくり補助金で補助金が入金されるのは交付決定から約1年後なので、採択された事業者が補助事業のための費用を先に払えない場合、つなぎ融資を資金調達として利用することがあります。

ものづくり補助金の場合、電子記録債権機関の1つであるTranzaxと提携しているため、補助金POファイナンスを利用できます。補助金POファイナンスとは、補助金の交付決定通知書を電子債権化して、金融機関から融資を受けるサポートをしてくれるサービスです。

通常、つなぎ融資は金融機関に申し込み、審査が通れば融資のお金はすぐに入金されます。そのため、事業者はつなぎ融資のお金で補助事業を実施できます。一方、つなぎ融資をする場合はPOファイナンスへ手数料、金融機関に金利を支払う必要があります。

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