補助金ガイド

事業再構築補助金で融資を考えるべきケースとは?

2022/3/7

2022/04/12

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

「事業再構築補助金で融資を考えるべきケースとは?」をテーマに、融資を検討するタイミングや融資を前提にした事業再構築補助金の申請から受領するまでの流れを解説します。 

事業再構築補助金は、既存の事業を再構築するために最大1億円までの補助が受けられる事業者向けの補助金ですが、採択された後すぐ補助金が振り込まれるわけではないので、事業者は補助事業実施中に必要な経費を支払う必要があります。 

せっかく採択されても、手元に資金がないと補助事業を行えず、無理に手持ちの資金でやりくりしようとして資金ショートする可能性もあります。 

高額な補助金を受ける場合、銀行などの金融機関からの融資を検討するのが定石です。

融資の活用は必須ではない

前提として、事業再構築補助金を受けるとき、融資の活用は必須ではありません。

ただし、次の場合、融資を検討するのが得策です。

  • 補助対象経費の支払いが困難な場合
  • 3,000万円を超えた補助金額を申請する場合

補助対象経費の支払いが困難な場合

十分な資金がない状態で事業再構築補助金に申請する場合、補助事業の目的で使用し、経費にできる費用(補助対象経費)を用意できず、支払いが困難な状態に陥ります。

事業再構築補助金に限らず、補助金は概して「キャッシュバック」で、使った後に支払われます。

例えば事業再構築補助金に事業計画書を提出して2,000万円の補助金が採択されても、実際に補助金事務局から補助金が振り込まれるのは補助事業実施後(例:1年後)です。

しかも、補助金には補助率(例:2/3)が指定されるため、2,000万円の補助金の場合は3,000万円以上の費用を用意する必要があります。

そのため、支払える現金が少ない事業者は、事業再構築補助金への申請と同時並行で、銀行などの金融機関の融資相談をし、補助金に採択された場合に融資してもらって補助対象経費を支払う手段をとります。

事業再構築補助金に申請した時点に手元にお金がない事業者でも、補助金を前提にした融資相談であれば金融機関側にとっても応じやすい事情があります。補助金が無事におりたら融資の返済に充てられるため、金融機関側としても貸し倒れのリスクが低いためです。

なお、つきあいのある金融機関に事業再構築補助金の融資相談するのもよいですが、できれば認定支援機関の資格を持つ金融機関か、金融機関との付き合いがある融資サポートの実績の豊富な認定支援機関に相談することをおすすめします。

*当メディアを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、融資サポートの実績も豊富、事業再構築補助金でも自社の採択実績あり・サポート実績も豊富な認定支援機関です。お気軽にご相談ください。

 

認定支援機関とは

認定支援機関(にんていしえんきかん)とは、経済産業省から許認可を受けた金融機関や税理士・コンサルタントなどを指します。

経済産業省は、日本の中小企業が成長するために金融や資金・税などの専門家の中で一定の経験とスキルをもつ対象者を認定支援機関として定め、中小企業者等が融資や補助金などを利用する際のサポーターとして位置づけています。

事業再構築補助金に応募する際には4つの要件がありますが、内1つに「認定支援機関要件」があり、事業再構築補助金に申請する事業者の事業計画書を認定支援機関が確認する必要があります。

3,000万円を超えた補助金額を申請する場合

事業再構築補助金には、申請条件が異なる応募の枠組み(補助枠)が複数あり、従業員人数数や資本金などの事業者の状況や補助枠そのものにある要件の組み合わせによって、補助金を申請できる上限金額(補助限度額)が異なります。

事業再構築補助金で3,000万円を超える補助金額を申請する事業者は、認定支援機関の資格のある金融機関に事業計画書を見せ、チェックを受ける必要があります。

金融機関には「信用金庫」や「地方銀行」などありますが、全ての金融機関が認定支援機関であるわけではありせん。

認定支援機関である金融機関については、事業再構築補助金の採択結果から閲覧できる採択者リストの右列「認定支援機関名」より探せます。

第3回公募 採択結果 全国統合版(PDF)|事業再構築補助金

3,000万円を超える補助金が必要な事業再構築補助金の事業計画書のチェックに際し、認定支援機関の金融機関は、まず事業者にその資金が手元にあるかを確認します。資金がないと判明した事業者には融資など資金調達方法の確認を経て、手段がなければ認定支援機関の金融機関から融資を受けることになるでしょう。

事業再構築補助金には、申請条件が異なる応募の枠組み(補助枠)が複数あり、従業員人数数や資本金などの事業者の状況や補助枠そのものにある要件の組み合わせによって、費用を経費として認めて補助される比率(補助率)や補助金を申請できる上限金額(補助限度額)が異なるため、補助枠の選び方にも注意してください。

事業再構築補助金の補助枠や要件、補助上限額については関連記事をご覧ください。

融資を検討すべきタイミングと流れ

事業再構築補助金を検討する事業者が、融資を検討するタイミングはいつか、最適なタイミングを解説します。

融資を検討するなら事業再構築の計画を立てるタイミングがベスト

事業再構築補助金で融資を受けるべきかを検討するなら、事業再構築の計画を立てるときがベストタイミングです。

事業再構築補助金で作成する事業計画書の内容を流用しながら、同時進行で融資用の書類作成が行えるからです。

また、融資も、申し込み後から着金までに時間がかかるので、事業再構築補助金の申請前の段階で融資相談をしておくと、採択と同時に融資の話を進め、補助事業開始時点に着金できればスムーズに補助事業をスタートできます。

事業再構築補助金で融資を活用するときの流れ

事業再構築補助金で融資を活用するパターンは大きく2つあります。

  1. 事業再構築補助金の採択結果を待たずに同時並行で融資を進めるパターン
  2. 事業再構築補助金の採択結果が出てから融資を相談するパターン

①の採択結果を待たずに同時並行で融資を進めるパターンは、事業再構築補助金の事務局に事業への取り組みに対する本気度を見せられ、補助事業をスタートするまでの時間のロスがないので、事業計画に自信のある事業者に向いている融資活用です。

ただし、補助金を採択できるか未知数なときに融資審査を受けるので、希望よりも融資金額が大きくならない可能性はあります。

②事業再構築補助金の採択結果が出てから融資を相談するパターンは、補助事業の実施に不備がなければほぼ確実に補助金の受領で返済ができるので、確実性を重視する事業者に向いている融資活用です。

ただし、採択結果が出てから融資相談すると、手元の資金で補助事業をスタートできない事業者にとっては補助事業開始までに時間のロスがあり、事業的な機会損失が生まれる可能性はあります。

なお、事業再構築補助金を申請してから採択されるまで、採択されてから補助金を受け取るにはさまざまな手続きが発生します。融資も加わると手続きが煩雑になるため、事業者自身が各手続きの流れをしっかり把握することが大切です。

事業再構築補助金と融資を同時並行で進める流れ(例)

事業再構築補助金の手続きの流れ

融資の流れ

①申請準備

  • 補助金の要件の確認
  • GビズプライムIDの取得
  • 事業再構築の計画を立てる
  • 必要書類の準備

【実施目安:応募日から1~1.5か月以上前】

①申請準備

  • 融資の要件の確認
  • 必要書類の準備
  • 事業計画書を作成する

【実施目安:応募日から1か月以上前】

②申請

  • 電話連絡
  • 書類持参で面談

②申請

  • 事業再構築補助金の特設サイトより電子申請

③審査

③審査

④審査結果の連絡

【実施目安:応募日から3週間~1か月あと】

④採択結果連絡

【実施目安:応募日から2か月あと】

⑤(融資に通った場合)着金

【実施目安:応募日から1~2か月あと】

⑤交付決定通知書の受領

【実施目安:応募日から2か月あと】

⑤事業計画をスタート

【実施目安:1.5~2か月あと】

⑥補助事業をスタート(補助対象経費の支払い)

【実施目安:応募日から2か月あと】

⑦実績報告書の提出

【実施目安:採択後から14か月後】

⑥返済スタート

【実施目安:融資契約条件による】

⑧確定通知書の受領・確認

【実施目安:採択後から14か月後】

 

⑨精算払い請求書を提出

【実施目安:採択後から14か月後】

 

⑩補助金を受領する

【実施目安:採択後から14か月後】

 

融資を相談できる金融機関

金融機関は誰にでも融資をしてくれるわけではなく、きちんと返済してくれる見込みのある事業者にしか融資しません。

初めて申し込みをする場合や、業績が悪化していると、融資を受けるのが難しい場合が多いので、事業再構築補助金を申請する売上減少要件を満たしている事業者は融資相談が難しいように思えます。

事業再構築補助金で融資相談できる金融機関について解説します。

懇意にしている金融機関

不利な状況でも融資を受けるには、まず懇意にしている金融機関に相談するのがよいでしょう。

また、金融機関によっては補助金と融資併用時の専用の金融商品があり、金利優遇が受けられるケースもあります。

参考:「事業再構築補助金」が交付されるまでのつなぎ資金として、補助金活用支援保証制度「セットアッパー」がご利用いただけます(千葉県信用保証協会)

懇意にしている、つまり常日頃から取引のある金融機関であれば「この人ならきちんと返済してくれる」という信頼関係が築けているはずです。

信頼関係があれば多少業績が悪くても、補助金を前提に融資相談を受けてもらえる可能性がありますが、必ず融資を進められるとは限らないので、時間に余裕がない事業者は次にご説明する「認定支援機関である金融機関」を優先することをおすすめします。

認定支援機関である金融機関

事業再構築補助金では、申請する際に「認定支援機関に事業計画書を確認してもらう」という「認定支援機関要件」があります。

もし認定支援機関ではない金融機関から融資を受ける場合、事業再構築補助金へ応募する際に別途認定支援機関を探さなくてはいけないため、手間がかかります。

金融機関が認定支援機関も兼ねているのであれば、事業再構築補需金で連絡をとるべき人が限定されるうえ、事業再構築補助金についての認定支援機関の金融機関に説明する必要はないため、時間短縮かつ確実に融資の話を進められます。

ただし、認定支援機関である金融機関を利用して融資を受ける前提で話が進むため、融資の返済条件や金利が事業者の希望通りにはいかない可能性はあります。

日本政策金融公庫

付き合いのある金融機関がない事業者は日本政策金融公庫を検討するのがよいでしょう。

日本政策金融公庫は政府が100%出資する金融機関で、民間の金融機関の支援が届かない中小企業や小規模事業者を対象としています。

雇用の維持・創出など地域経済を支える中小企業を支援することを目的としているため、今まで取引したことがない場合でも、融資が受けやすいといえます。

金融機関で融資を受ける際に必要な書類

事業再構築補助金に申請する際はさまざまな書類を準備する必要がありますが、金融機関で融資を受ける際も同じような準備が必要です。

金融機関で融資を受ける際に必要な書類

法人

個人事業主

  • 借入申込書
  • 登記簿謄本
  • 決算書2期分(損益計算書・貸借対象場など)
  • 企業概要書
  • 事業計画書
  • 資金繰り表
  • 資金使途証明書類(見積書など)
  • 納税証明書
  • 印鑑証明
  • 借入申込書
  • 確定申告書2期分
  • 企業概要書
  • 事業計画書
  • 資金繰り表
  • 資金使途証明書類(見積書など)
  • 納税証明書
  • 印鑑証明

融資の申し込みに必要な書類と事業再構築補助金で必要な書類では、「決算書」や「資金繰り表」など一部重なっています。事業再構築補助金の必要書類を準備するのにあわせて、融資の必要書類も準備するとスムーズです。

事業計画書に関しては、提出先が融資では金融機関宛、事業再構築補助金では補助金の運営事務局宛と異なるので、内容は提出先の読み手にあわせて調整する必要があります。

事業再構築補助金で融資を活用するメリットとデメリット

事業再構築補助金の例に限らず、融資を受けたことで補助金での審査が有利となり、結果的に補助金の審査と資金繰りがスムーズになった事業者もいます。一方で、補助金で返済リスクは低いとはいえ、融資に少なからず抵抗感のある事業者はいます。

事業再構築補助金で融資を活用する場合、メリットとデメリットの双方を把握し、活用しましょう。

メリット1:事業計画の実現に計画的な姿勢が採択につながりやすい

補助金と融資では、執り行う組織が国と金融機関という違いこそありますが、基本的に「計画がしっかりした事業を資金面で支援する」という存在意義は同じです。

事業再構築補助金では、事業者が要件通りに既存の事業を再び構築できる事業計画書を立てられているのかを審査し、妥当な計画で実現性が高いと認められる必要があるため、事業再構築補助金で提出する事業計画を提出する時点で金融機関からの融資に成功している場合は「金融機関に評価された事業計画を提出している」というアドバンテージになります。

また、融資の審査の途中の場合でも「事業計画の実現に積極的な姿勢がある」と一定の評価を受けられる可能性があります。

メリット2:補助対象経費の支払い後の資金繰りに余裕ができる

繰り返しとなりますが、事業再構築補助金に採択されてもすぐに補助金を手にできるわけではありません。まずは事業主が事業計画書に記載した計画の通り、補助事業を実施し、必要な報告書の提出を行ったあと約1年後に事業者に補助金が振り込まれます。

流れ 補助金振込
画像素材:補助金ガイド

つまり、事業再構築補助金の補助対象経費の支払いで、事業者の手元にある資金は一時的に大きく減ります。1年後に補助金を無事に受け取れれば問題はないのですが、新たな事業をはじめて予期せぬことが起こる可能性もあります。

手元にある程度まとまった資金があれば解決できることもあるため、融資で資金繰りに余裕を持たせるのはリスクヘッジになります。

メリット3:補助金を前提にした返済計画であれば融資審査に通りやすくロスがない

融資の審査では、事業者の事業計画や信用情報などを総合的に審査したうえで、最終的には、「使いみちは明確か」や「返済能力があるか」という基準を満たせるかを判断します。

融資を受ける理由が「事業再構築補助金で補助対象経費の支払い」であれば、融資の審査で求められる「資金の使いみちが明確である」点はクリアできます。

さらに、事業計画書の完成度が高い場合、補助金に採択される可能性も高いため「返済能力の高い事業者」としてみなされて、融資の審査で有利になります。

デメリット1:融資の返済を事業計画書に組み込まなくてはいけない

融資は返済が必要な資金調達方法であるため、借りた金額に金利をつけて指定の条件通りに返済していく必要があります。事業再構築補助金のために申請や手続きのスケジュールを立てるのとは別に、融資の返済計画を立て、それも事業計画書の資金計画の部分に組みこむ必要があります。

補助事業でかかる初期費用の支払いと毎月の収益・運営費の計算、融資を受けた銀行への返済を同時にコントロールするのは慣れが必要なので、できるだけ事業計画の時点で詳細を詰めておく必要があります。

デメリット2:補助金の金額を融資で充分にまかなえない可能性がある

融資が初回であれば、自己資金額の3倍程度までしか借りられないのが融資の定説と言われます。

例えば、事業再構築補助金の補助事業に必要な金額は1,500万円で、自己資金は200万円しかない場合、融資で調達できる可能性が高いのは、600万円程度です。

これまで金融機関とつきあいのない事業者はもちろん、融資を受けて返済計画に従って資金繰りをしたことのない事業者は、事業再構築補助金の採択があったとしても、必要な資金の満額を融資で調達できない可能性があります。

デメリット3:補助金が受給できなかった場合の負担が大きい

事業再構築補助金の受給は、補助事業が計画通りに進められたという実績を報告してはじめて受給できます。事業計画通りに事業を進められれば、金利分の上乗せも含め、問題なく返済できることでしょう。

しかし、「競合が突然周辺に店を出した」「スタッフ採用がうまくいかない」などの理由で、事業再構築計画が難航した場合、事業からの収益がとだえるうえ、事業再構築補助金の受給金額も少なくなる可能性があるため、借りた融資の返済負担が大きくなり、補助事業後の事業者の資金繰りに影響する可能性があります。

この記事のまとめ

・事業再構築補助金で融資を検討すべきケースとは、事業再構築の事業計画を遂行するための資金が不足している場合、3,000万円以上の補助金額を申請する場合が挙げられます。

・事業再構築補助金で融資を検討するベストなタイミングは、事業再構築補助金の事業計画書を作成している時期です。

・事業再構築補助金とともに融資を受けることは、補助事業を資金不足に陥ることなくスムーズに実行できるなどのメリットがありますが、返済計画を事業計画書に組み込む煩雑さなど、デメリットもあります。

事業再構築補助金は後払いのため、融資を併用して運転資金や設備資金を確保することで、万が一の事態や資金不足のリスクを軽減することができます。事業再構築補助金を検討している場合は、融資の活用も合わせて検討するのがよいでしょう。

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