補助金ガイド

事業再構築補助金における理由書の書き方と記入例を解説

2023/04/17

2022/3/8

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金の理由書は、申請時や採択後に一定の条件から逸脱する事業者が提出を求められる書類です。

この記事では、事業再構築補助金で「理由書」を提出することになる条件や記入例を解説します。

事業再構築補助金の理由書を提出する条件は理由書の種類によって異なる

事業再構築補助金の理由書を提出すべき条件は理由書の種類によって異なります。理由書には補助金の申請時に提出する「補助対象経費理由書」と、採択後に提出する「業者選定理由書」の種類によって条件が異なるからです。

【理由書の種類と条件】
種類 条件
補助対象経費理由書 ①資産性のない補助対象経費のみを計上する場合
②補助対象経費の中で偏りがある場合
業者選定理由書
単価50万円以上の支出に対し相見積がない場合

たとえば、事業再構築補助金に申請する場合、申請予定の経費に偏りがあると短期間で利用する経費だと判断されて不採択になる場合があります。そのため、経費を利用して継続的な事業に繋げられる旨や、経費が偏る理由をあらかじめ理由書で提出しておく必要があります。

理由書が必要な条件に当てはまっているのに、理由書を提出していないと不採択になる可能性や、補助事業開始が遅れる可能性もあります事業再構築補助金を利用したい人は、理由書が必要な条件に当てはまらないかを確認しておきましょう。

補助対象経費理由書は申請時に提出する書類

補助対象経費理由書は申請時に提出する書類です。資産性のない補助対象経費のみを計上する場合や補助対象経費の中で偏りがある場合に提出することになります。

たとえば、コンサルティング料や外注費など、資産にならない費用のみを経費として計上して事業再構築に取り組む場合は、説明のために理由書の提出が求められます。事業再構築補助金は「コロナ禍で売上を落とした事業者」の「事業拡大につながる事業資産への投資」を支援する補助金のため、資産にならない経費のみで申請するときは説明する必要があります。

また、ある特定の項目だけが過半数を占める事業の場合も、継続的に事業を行わない「一過性の支出」と判断されてしまう可能性があるため、理由書の提出が求められます。事業再構築補助金で求められる補助事業は、機械設備費や建物費など、複数の経費が必要となるのが一般的です。

事業再構築補助金の審査は面談はなく書類審査のみのため、理由書の条件に該当する場合は、理由書やその他の提出書類のみで説明しなければなりません。理由書の提出を忘れて不採択にならないよう、条件に当てはまる人は、忘れずに理由書を作成しましょう。

業者選定理由書は採択後に提出する書類

業者選定理由書は、採択後にある交付申請時に提出する書類です。事業再構築補助金では、事業者が単価50万円以上の「建物費」「機械装置」「システム構築費」を補助対象経費として申請する場合、2社以上の業者から同一条件での相見積を取るルールがあるため、ルールから逸脱する場合は理由書を提出することになるからです。

たとえば、事業再構築補助金の申請時に見積を1社分しか提出していない場合、採択後に行う手続き交付申請で追加の見積書を提出することになります。その際、何らかの事情で、2社目の見積を提出できないのであれば、交付申請時に理由書を添付し、相見積ができない理由について事務局へ釈明しなければいけません。

単価50万円以上の設備を導入する予定で1社以下しか見積もりがとれないときは、業者選定理由書を提出することになります。理由書がない場合、交付申請が差し戻されて補助事業実施までに時間がかかる可能性があるため、相見積もりが取れないときは理由書を提出しましょう。

中古品の場合は3社以上の見積が必要

事業再再構築補助金では新品の機器・設備だけでなく、中古品の機器・設備の購入費用も補助対象です。その際、中古品の場合は3社以上の見積が必要になります。

たとえば、中古品で工作機械を購入する場合、型番を揃えた見積もりを3社以上からとることになります。

なお、3社以上の見積もりがとれない場合は、事業再構築補助金の補助対象外になります。理由書を提出しても認められないため、必ず3社以上の見積もりをとるようにしましょう。

事業再構築補助金の理由書の書き方

事業再構築補助金の理由書の書き方を「補助対象経費理由書」「業者選定理由書」のそれぞれで紹介します。

理由書のフォーマットは、事業再構築補助金の公式サイトにあります。できあがった理由書は、PDF形式に保存して電子申請時に添付します。

補助対象経費理由書の記入例

補助対象経費理由書の書式は、A4サイズ1枚で、4項目を記入します。

事業再構築補助金の理由書の書き方(項目・記入例)

項目

記入例

作成日

202〇年〇月〇日

申請者(本社所在地・商号または名称・代表者氏名)

東京都〇〇区〇丁目〇〇−〇〇 〇〇ビル 〇階・株式会社〇〇・補助金 太郎

経費区分(技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産 権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費等から選択)

(1)専門家経費

(2)研修費

計上の考え方

当社では、事業再構築の取組として、飲食業の新分野展開を行うこととしており、新商品の開発のためには、〇〇技術習得及び広報が必須の技能となる。そのため、当該事業を遂行していくためには、〇〇の専門家による〇〇の技術的な指導に加えて、〇〇の技能を習得を計画している。技能習得にあたり、〇〇事業所、〇〇事業所の約〇名の従業員に対して、〇〇の講座(3ヶ月)を受講させることにより、全従業員の半数に〇〇の知見を習得させ、〇〇に関する資格取得を行う。このため、補助対象経費の総額に対して、補助対象経費のX%を専門家経費、Y%を研修費として大半を計上している。

補助対象経費理由書を作成する際は、経費が偏る理由や資産にならない経費を計上する根拠を明確に伝える必要があります。そのため、具体的な数字を用いて説明するようにしましょう。

業者選定理由書の記入例

業者選定理由書の書式はA4サイズ1枚で、4項目を記入します。

事業再構築補助金の理由書の書き方(項目・記入例)

項目

記入例

受付番号(公募申請完了時に事務局から案内されるRで始まる11桁の番号)

R0000000000

作成日

202〇年〇月〇日

申請者情報(本社所在地・商号または名称・代表者氏名)

東京都〇〇区〇丁目〇〇−〇〇 〇〇ビル 〇階・株式会社〇〇・補助金 太郎

業務内容

(1)費目

機械装置・システム構築費

業務内容

(2)内容

請求管理システム

選定業者名

〇〇株式会社

選定理由

今回、対象経費として申請する「ロボットペイメント請求管理ロボ」は業界内で唯一の〇〇機能をもつクラウドシステムであり、同機能をもつシステムが業界内では存在しない。

似たようなサービスである「請求管理奉行」と相見積することも検討したが、〇〇の機能までしか実装されておらず、機能が異なるため、見積が1社分のみとなった次第である。

業者選定理由書を作成する際は、相見積がとれない根拠を明確に伝える必要があります。そのため、特許や機能など客観性のある理由を説明するようにしましょう。

相見積をとらない理由には客観性が求められる

相見積をとらない理由には客観性が求められます。そのため、客観性のないと判断される理由は却下される可能性があります。

【客観性のない内容の例】

  • かねてより当該企業と付き合いがある
  • 商業習慣である
  • アフターフォローが充実している

たとえば、自社の慣例でお付き合いのある会社を優先したい場合は、客観性のある理由として認められません。

50万円以上の設備を購入予定で相見積もりが2社以上取れない場合は、業者選定理由書で客観的に認められる理由を記載する必要があります。相見積がない理由は何でも承認されるわけではないので、客観性をもった内容を記載しましょう。

なお、当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、交付申請や理由書の作成、計画変更時の手続きなど、採択後のアフターサポートもしている会社です。想定している理由の客観性を確認したい場合や、手続きのサポートを受けたい場合は、アフターサポートの相談から相談してみましょう。

この記事のまとめ

・事業再構築補助金の「理由書」は、採択された事業者が「交付申請」手続きをする際、条件にあてはまると提出を求められる書類です。

・理由書をつけるべき条件は、資産性のない補助対象経費を計上している、補助対象経費の機械設備・システム構築費等の利用で単価50万円以上の契約時に相見積がついていない、補助対象経費に偏りがある、の3点です。

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