補助金ガイド

小規模事業者持続化補助金の広告費の対象とは?リスティング広告は対象になる?

2024/04/10

2022/1/12

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

小規模事業者持続化補助金では、販路開拓のための広告費も補助対象の経費に含まれています。今回の記事では、小規模事業者持続化補助金の広告費の対象範囲やウェブ広告で利用する場合について紹介します。

なお、当記事は小規模事業者持続化補助金の「第15回公募要領」を元に作成しています。

広告費は販路開拓につながるものが対象になる

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営を見つめ直し販路開拓の取組みとして、パンフレットやポスターなどを活用する際の広告費が対象です。小規模事業者持続化補助金で広告費を活用する場合は、補助対象経費の「広報費」や「ウェブサイト関連費」で申請します。

【広告費が補助対象になる例】
経費科目 対象となる経費例
広報費 ・チラシやカタログの外注や発送
・看板の制作や設置に関する費用
ウェブサイト関連費 ・リスティング広告に関する費用
(運用費・リンク先ページの作成費用)
・ホームページの構築、改修、運用に関する費用

たとえば、商品の宣伝のためにチラシの制作やポスティングなどの広告費は、広報費として申請できます。一方で、リスティング広告に関する広告費は、ウェブサイト関連費の対象になります。

小規模事業者持続化補助金で広告費の活用を検討している事業者は、活用する広告の種類によって申請する補助対象経費の種類が異なることに留意しておきましょう。

なお、小規模事業者持続化補助金の広報費として認められるものが詳しく知りたい場合は「小規模事業者持続化補助金における広報費とは?」を確認してみてください。

無料診断では、業種や事業規模から小規模事業者持続化補助金の対象となるかを診断できます。小規模事業者持続化補助金に申請できるか、いくらくらいもらえそうか知りたい人は診断してみてください。

無料診断

受け取れる補助金額は補助率と補助上限額で計算する

小規模事業者持続化補助金で受け取れる補助金額は、公募要領で定められている「補助率」と「補助上限額」を使用して計算します。

【補助率と補助上限額】
補助率 通常枠:2/3
特別枠(※):最大3/4
補助上限額 通常枠:50万円
特別枠(※):最大200万円
※賃金引上げ枠、 卒業枠、 後継者支援枠、創業枠

たとえば、小規模事業者持続化補助金の通常枠で広告費を30万円支払う場合、受け取れる補助金額は補助率2/3を掛けた20万円です。一方で、補助金額の計算結果が50万円以上になる場合、受け取れる補助金額は補助上限額の50万円です。

なお、小規模事業者持続化補助金の補助率や補助上限額は申請する枠によって異なります。そのため、小規模事業者持続化補助金へ申請を検討している事業者は、枠ごとの補助率や補助上限額を確認しておきましょう。

小規模事業者持続化補助金で受け取れる補助金額の計算方法を知りたい場合は「いくら受け取れる?小規模事業者持続化補助金の補助率と補助金額の関係性を解説」の記事を参考にしてください。

ウェブサイト関連費の補助上限額は1/4

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費の補助上限額は、補助金交付申請額の1/4までです。

たとえば、受け取れる補助金額が50万円の場合は、50万円のうちウェブサイト関連費は12.5万円までが上限です。残りの交付申請額37.5万円は、広報費や機械装置等費など別の経費を申請する必要があります。

なお、小規模事業者持続化補助金は、ウェブサイト関連費単独で申請できません。ウェブサイト関連費の活用を検討している事業者は、広報費や機械装置等費などと組み合わせて申請しましょう。

小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費を活用してホームページ制作を検討している事業者は「小規模事業者持続化補助金を活用してホームページを制作する方法を解説」を参考にしてみてください。

広告費は補助事業期間中に制作や支払いを完了させる

小規模事業者持続化補助金の広告費を活用する場合は、補助事業期間中に依頼や制作、支払いを完了させる必要があります。補助対象経費に認められる条件が「補助対象事業の実施期間内に成果物が完成しており、経費の支払が完了していること」だからです。

たとえば、ホームページ制作の納品が補助対象期間を過ぎた場合、経費の支払いが終わっていても補助対象経費として認められません。また、補助事業期間が始まる前に発注したホームページも小規模事業者持続化補助金の補助対象外です。

小規模事業者持続化補助金を活用してホームページ制作を依頼する事業者は、あらかじめ発注日や納期、支払い日を依頼先へ確認して、補助事業期間中に完了できるようにしておきましょう。

リスティング広告で申請する時に必要な資料

小規模事業者持続化補助金を活用してリスティング広告で小規模事業者持続化補助金の補助金を受け取るためには、いくつかの資料の添付が必要です。

リスティング広告にかかった費用を補助対象経費とする場合には、経費の流れをより明確化することが大切です。

広告運用を依頼している場合には、外注先に補助金申請のための画面キャプチャを協力してもらうなど申請に向けた準備をしっかりと実施しましょう。

添付資料1:見積り(広告予算)

リスティング広告を出稿する場合、キーワードの予算を決めて入札を行います。小規模事業者持続化補助金を活用する場合は、リスティング広告の管理画面から、予算の履歴が確認できるページを見積りとして提出する必要があります。

【予算の履歴が確認できるページ例】

Google広告管理画面
出典:補助金ガイド

添付資料2:発注(広告登録)

小規模事業者持続化補助金でリスティング広告の登録をする場合は、補助対象事業の実施期間(補助金の交付決定日から補助事業完了日まで)に登録する必要があります。リスティング広告の場合、広告登録を発注とみなすからです。

そのため、小規模事業者持続化補助金を活用する場合に提出する登録開始日の証明は、広告の管理画面など登録日の履歴がわかるページを提出します。

【登録日の履歴が確認できるページ例】

Google広告管理画面2

出典:補助金ガイド

予算左側のキャンペーンをクリックして、詳細を選択するとこの画面が表示されます。

小規模事業者持続化補助金では、補助対象事業開始日よりも前に登録し運用している広告は対象にはならないので、注意してください。

添付資料3:納品・完了・検収(広告費用)

小規模事業者持続化補助金では、補助事業として実施したリスティング広告の掲載期間に対して発生したコストが確認できるページを提出する必要があります。

【リスティング広告のコストが確認できるページ例】

Google広告管理画面③

出典:補助金ガイド

添付資料4:請求(代理店を利用している場合)

小規模事業者持続化補助金で出稿するリスティング広告の運用を代理店に依頼している場合は、依頼した代理店が発行する請求書を提出します。

広告出稿に関する予算が100万円を超える場合、2社以上の相見積もりが必要になります。リスティング広告運用を代理店に依頼して100万円以上の見積が出された場合、他の代理店にも問い合わせてより安価な方に依頼してください。

なお、リスティング広告は、クレジットカードなどで事前に予算を入金し、デポジットされた金額からクリックされるたびに、支払が発生する仕組みです。そのため、代理店を経由せずに自分でリスティング広告を運用している場合には、まとめた請求はないので留意しておきましょう。

補助対象事業実施期間以前から代理店に広告運用を依頼している場合

小規模事業者持続化補助金の補助対象事業の実施期間(補助金の交付決定日から補助事業完了日まで)以前から代理店にリスティング広告運用を依頼している場合、請求明細に補助対象期間外の費用も含まれている可能性があります。

この場合、添付資料3(納品・完了・検収)で補助対象期間の経費を証明できることがあります。ただし、可能であれば、補助対象となる広告費がわかるように、補助対象期間前の経費とわけて記載してもらうように依頼先の代理店へ依頼しましょう。

添付資料5:支払い証明

小規模事業者持続化補助金の補助対象事業の実施期間にリスティング広告費用として支払いをしたことを証明するために、引落しが分かるページの通帳の写しや振込受領書などを準備します。

【支払い証明になる添付資料例】

  • 通帳の写し
  •  取引明細(ネットバンクの場合)
  •  振込受領書

    また、広告の費用がクレジットカード払い事業者は、クレジットカード会社が発行する明細書も必要です。

    ただし、広告費がクレジットカード払いの場合、口座引き落とし日が補助対象事業の実施期間を過ぎている場合は、口座引き落とし日が支払い日とみなされるため補助対象の経費から外れてしまうので留意しておきましょう。

    添付資料6:掲載証明

    小規模事業者持続化補助金を活用してリスティング広告を出稿する場合、実際にどのような広告を出稿したのか証明する添付資料が必要です。添付資料は、広告が表示されている画面のキャプチャや、広告のリンク先ページなどを提出します。

    下記のような検索結果ページのキャプチャが用意できる場合は、掲載証明資料として用意します。

    【掲載証明資料の例】


    出典:補助金ガイド

    ただし、リスティング広告は検索した際に必ず表示されるわけではありません。そのため、広告運用の管理画面からキャンペーン詳細を選択してサンプル広告部分も資料として準備しておくことを検討しましょう。

    【サンプル広告のキャプチャ例】

    Google広告管理画面

    出典:補助金ガイド

    この記事のまとめ

    小規模事業者持続化補助金は、販路拡大のために必要な広告費を申請できます。広告費は、小規模事業者持続化補助金の補助対象経費のうち、「広報費」または「ウェブサイト関連費」の対象です。

    小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費は、リスティング広告やホームページ制作などウェブに関連する経費が該当します。一方で、ウェブに関連しない、チラシや看板に関わる費用は広報費に含まれます。

    なお、小規模事業者持続化補助金を活用して広告費を申請する場合は、必要に応じて追加の書類や成果物の写真が必要になるので留意しておきましょう。

    小規模事業者持続化補助金の申請をご検討中の方

    株式会社SoLaboが適切な申請枠や対象経費を提案し
    書類作成のサポートをいたします。

    当社のサポート内容や小規模事業者持続化補助金で
    いくら補助が受けられそうか気になる方は、
    以下の無料診断よりお問い合わせください。

    share!!