今回の起業家ストーリーは番外編として、ソーシャルギフトサービス「GIFTFUL」を運営する株式会社GiftXのいいたかゆうた氏が田原にインタビュー。ソラボの誕生から、資金調達、マーケティングまでお話ししています。
「日本をハッピーに」を掲げるソラボをより知っていただけたら嬉しいです。それでは、インタビューをお楽しみください。
-interviewer- 飯髙 悠太(いいたかゆうた) / 株式会社Giftx Co-Founder 2014年株式会社ベーシックにて、マーケティングメディア『ferret』を立ち上げ、執行役員に就任。 2019年株式会社ホットリンクに入社し、執行役員CMOに就任。 2022年6月に「ひとの温か みを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftXを共同創業し、 受取り手が選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」運営。 企業のアドバイザーやマーケティング支援も実施。 著書に『僕らはSNSでモノを買う』『BtoBマーケティングの基礎知識』『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』 |
【いいたか】まずは田原さんの簡単な経歴を教えてください。
【田原】24歳の時に、資格の学校のTACで税理士講座の財務諸表論の講師をやらせてもらっていました。ここがキャリアのスタートですね。
とにかく予習復習が大変でした。1年目に色々なパターンの授業を経験したので、2年目からはスムーズに授業ができるようになり、「3分予習しておけば3時間しゃべれる!」という自信が付きました。
当時は朝と夜の授業を担当していたのですが、自信がついて余裕が生まれたので、授業のない時間に何かしたいと思うようになりました。それまで挫折することが多かったので、色々経験してアグレッシブに生きる!と決めました(笑)
税理士事務所でアルバイトしていた経験もあったので、記帳代行業を自分でやってみようと思い、まずは副業で記帳代行業務を始めました。
【いいたか】それで記帳代行を始めたんですね。当時はどうやって案件を獲得していったのでしょうか?
【田原】最初は交流会に参加して、お話しさせてもらえる経営者の方から案件をいただいていました。
【いいたか】そこから、融資の仕事も手がけるようになっていったのでしょうか?
【田原】最初にお仕事をいただいた経営者の方に「独立したばかりで不安定だからお金を借りたいんだよね」と相談されたので、「それなら融資を何とかしましょう」と融資のお手伝いをさせてもらうことになりました。
ただ、融資の経験は全くなかったのでわからないことだらけだったんですが、たまたま、知人に日本政策金融公庫の担当を知っているという人がいて紹介してもらうことができました。
その時に出逢った担当の方がとにかくいい人で、色々と教えてもらうことができたんですよ。この時に、「経理」も会社にとっては必要だけど、やっぱり「お金」はすごく大事だなと改めて思いました。
【いいたか】それが、ソラボ社が資金調達支援を始めたきっかけなのですね。
【田原】そうですね。最初に融資をお手伝いさせていただいた方は、整骨院を経営されていたんです。融資が無事に通った後に、「田原は整骨院の融資が強い」と同業の方に広めてくださったので、整骨院の融資支援の案件をいただけるようになりました。
そこから、「友だちの会社も困っているから相談にのってほしい」など、お声がけいただけるようになって、整骨院以外の方からの依頼もいただけるようになりました。
ただ、その当時はまだ、経理代行業務をやりながら必要なら融資の支援もさせてもらうという状況だったんですが、別の知人から「税理士事務所でバイトをしながら経理代行やっているというより、融資支援しかできない!というキャラの方が良いんじゃない?」と言われたんですよ。
それをきっかけに「融資支援が得意なので、何かあれば相談してください」というスタンスに切り替えました。そうしたら、交流会で知り合った方や知人の経営者から連絡が来るようになり、融資支援の対応が増え、融資支援に強くなっていきました。
ソラボの始まりは「友人との決別」税理士事務所がやれないなら・・という思いから
【いいたか】スムーズな出だしだったんですね。そこから、どういう経緯で法人化に至ったのでしょうか?
【田原】経理的な仕事や融資支援は依頼先の業績によっては、コストダウンなどの対象になるんですよね。
業績に応じたコストダウンは理解できるのですが、それを考えると「一生懸命対応するだけ」では難しい、厳しいなと感じて何か他に闘えるものが欲しいと思うようになりました。
そんな時に、相続のメディアを立ち上げて運営してほしいという話をもらったんです。メディアを立ち上げてというのは経験がなかったのですが、友だちの税理士に記事を書いてもらって進めようと思ったんですが、みんな忙しくてなかなか書いてもらえなくて(笑)
結局、自分で書いてTACの相続の先生にチェックしてもらっていました。この「相続メディア」が60万PVまでいったタイミングで、依頼してくれた経営者から子会社の代表の話をいただいたんです。
この子会社がソラボのスタートです。
【いいたか】じゃあ自分で起業しようっていうのは周りのいろんな影響があって、起業したに近いのですかね。
【田原】そうですね。でも、本当は税理士として独立したかったんです。
一緒に経理代行をやっていた友人の税理士と「お互い税理士事務所に所属して、主担当を増やして、29歳か30歳くらいで税理士登録できたら独立しよう!」と話してたんです。
僕としては、独立する上で相続のサイトも武器になると思ってたんですけど、友人からするとソラボという会社をはじめたということは、税理士としての独立は諦めたように見えたみたいで。
もうすぐ独立できるというタイミングで喧嘩別れみたいになってしまったんです。
この時に、一緒に勉強して努力してきた友人と一緒に税理士事務所やれないなら税理士としての道はないなと思って、ソラボに全力を注ぐことに決めました。
ソラボとしてやり始めると、単独で動く仕事が増えてきて、完全子会社だと少し問題がある感じたので、株を買わせてもらえるように相談しました。最初は40%、そこから段階を踏んで全株買取らせてもらってMBOしたという流れです。
【いいたか】この時の資金はどうしたのですか?
【田原】基本的には自己資金です。すごく頑張りました(笑)
黒字ではあったんですが、利益が潤沢にあるという訳ではなかったので企業価値が大きく上がっている状態ではありませんでした。全部で数百万円はかかったと思いますが、月額で数十万円払うという形でお願いしてなんとか払ったという感じです。
トータル借入額4億円超!?ソラボが融資を受ける理由
【いいたか】この時は、自己資金だったんですね。ソラボ社は結構、融資を受けてると思うんですけど、総額いくら融資受けてるんでしたっけ?
【田原】今8期目を迎えて、借り入れの残金は2億8,000万、トータルの借入額は4億円とちょっとです。
【いいたか】そもそも、何でそんなに借りる必要性があるのでしょうか。
【田原】僕たちは「正しく借り入れをすることで成長できます」ということを、起業家に知ってもらいたいと思っています。それを伝えるためには、借り入れのない会社より実際に借りる経験を持っている会社がちゃんと発信する方が信頼してもらえるじゃないですか。
だから「借りられるチャンスがあれば常に借り入れし続ける」という気持ちでいます。たくさん借りる必要はないという意見もあるとは思うんですけど・・・
単純に運転資金として必要という意味ももちろんあります。
ソラボの場合は、今期10億目指せるかなという規模なんですが、従業員が増えたり、それに伴ってオフィスを広くしたりすると資金が必要になりますから。成長すれば、設備資金も投資も必要です。
振り返っても、システムに対する投資や、シェアオフィスなど新たな事業を始めたり、サイトのMAなど、積極的な投資をしているのでキャッシュがないと上手く回ってなかっただろうなと思います。そもそも、キャッシュがないと積極的な挑戦もできないですからね。
【いいたか】デットにこだわっているのでしょうか?
【田原】デットにこだわっているという訳ではないんです。本来的に言えば、エクイティをもっと早く入れるべきだったと思っています。
僕たちは自分たちをベンチャー、スタートアップ企業と言っていますが、現状だと、企業価値が一気に10倍、30倍に上がる急成長するような会社にはなかなか見られにくいんですよね。急成長する企業として見てもらうための種まきは一生懸命しているのですが、SaaSプロジェクトは売上規模でみるとまだ低いです。
「今の御社はシードなの?シリーズAなの?」と聞かれると、シードとしては売上規模は大きい、でもシリーズAではSaaSのプロダクトがまだ弱い。となってしまうので、そこだけを切り取って判断がしづらく、企業価値の算定が難しいようです。
実は、業績が悪くなっているタイミングでエクイティの調達も動いたんです。そうしたら、打診している途中くらいから業績が回復してきて黒字転換できてしまって・・・。
お金も減っていないし、今、無理してエクイティから調達しなくてもいいかも。という状況になってしまったんですよね。とはいえ、将来的には金融関係やメジャーのVCからの調達やCVCからの調達は必要になると思っています。
デットにこだわっているというよりも、タイミングがまだ来てなかっただけという現状です。SaaSプロダクトでも成果が出始めているので、近い将来、エクイティの調達も積極的に動いていく予定ではあります。
融資の市場規模はどの程度?ソラボが「創業融資」をメインにする背景
【いいたか】ちなみに、融資のマーケットってどのくらいなのですか?
【田原】そうですね、独立開業する方が年間約12万人くらい、そのうち、本当にお金が必要な方は全体の9割以上いると考えています。
そうなると「創業融資」だけでも、毎年10万社以上が自分たちのターゲットになります。さらに大きいマーケットでみれば、創業融資以外のニーズもあるので、日本全体の企業数約400万社がターゲットになると考えています。
【いいたか】創業融資をメインで扱っている理由もあるのですか?
【田原】20年、30年、40年と経営をされている方は、借り入れの経験もあるはずなんです。その方々の悩みに関する相談ってなかなか受けづらいんですよ。
でも、創業1年目という方の場合、お金を借りたこともない、事業の経験も浅いという方がほとんどなので、相談したいという欲求に応えやすいなと思ったんです。
創業初期の方との接点を取ることで、その後の追加融資などのタイミングでもお手伝いさせてもらえるようにしたいと思いました。
あとは、1つの分野に強いというイメージを持ってもらいたいと思ったんです。創業融資に力を入れている日本政策金融公庫の融資支援を実施して、「日本政策金融公庫の融資だったらソラボ」という認知を取るために動きました。
【いいたか】なるほど、実際にソラボ社が選ばれてる理由ってなんだと考えていますか?
【田原】選ばれている理由でいうと、実績・経験があるっていうところが1番ですね。総支援件数は6,000件を超えました。
ここ数年で、日本政策金融公庫の元社員に入社してもらったり、元金融機関職員も増えましたね。
とはいえ、融資支援のスキルがあっても、認知が取れないと仕事に繋がらないじゃないですか、ソラボの場合は認知されているという強みもあると思います。
認知を得るために『できることを積極的』に実施する
【いいたか】最初はそこまで認知があったわけじゃないと思うのですが、認知を得るためにマーケティングで具体的にどんなことやったのですか?
【田原】最初はビジネス交流会で繋がりを持たせてもらった方からの紹介だったので、マーケティングは全くやっていませんでした。完全にオフラインで集客していて口コミで広げていただいたという感じです。
【いいたか】そこからWebマーケティングの集客を始めたきっかけみたいなことはあるのですか?
【田原】相続のメディアの経験から、融資に特化したメディアを作れば集客できると思い、オウンドメディアを構築したんです。
融資に関する記事をリリースし続けたら4カ月経ったあたりから、問い合わせが取れるようになりました。
そこから、さらに問い合わせをとるためにリスティング広告を掛け合わせたら、ちゃんと問い合わせが増えたんです。このタイミングで、今の役員である大石田や村野が入ってくれました。2人に融資を任せて、僕はSEOに力をいれるようになったんです。
最初は100件くらいだった問い合わせが、翌年に300件、翌年に500件、翌年に700件、1,000件とどんどん、問い合わせが増えるようになりましたね。
【いいたか】SEOを中心に開拓していったんですね。
【田原】はい。でも、SEOはGoogleの匙加減のようなところもあるので、SEOに依存しない方法も考えた方がいいなとは思っていました。
もともと、紹介でお仕事をいただいていたという経緯もあるので紹介は無くさないようにしようと考え、士業の方と提携して一緒に仕事をしていきたいと考えて、「融資対応が自社では難しいという時は紹介してください。」と士業の方々に営業をさせてもらいました。
その結果、士業との提携も1,500件を超えることができました。そこからのご紹介も毎月150件くらいいただいてます。
【いいたか】結構、積極的な展開していますよね。
【田原】そうですね。チャレンジ精神旺盛なんです(笑)
最近は、融資入口のみだと急成長が難しく感じてきたので、自社での利用経験もある補助金のサポートも始めました。
補助金は先にお金を使って、使った分の一部が後から入ってくるという仕組みです。補助金に受かっても資金繰りが一時的に悪化するんです。そうなると、補助事業を実行するために融資を受けたいという経営者の方もいるはずなんです。それであれば、ソラボとして補助金のサポートは絶対に必要だと思いました。
補助金のサポートを強化できたことで、事業再構築補助金は4回〜8回まで5回連続で採択支援件数は日本一を取ることができました。
事業再構築補助金以外の補助金もサポートできる体制も作れたので、補助金と融資を合わせて、月間2000件くらいまでは問い合わせを伸ばすことができました。
【いいたか】SEOでリード獲得できるようになった後にコロナがありましたね。コロナによって変化したことや、元々やれたことができなくなって、今そこをこういう風に解決しようみたいなのはありますか?
【田原】コロナ前との一番の変化は、会わずに進められるお客様が増えたということですね。
コロナ前は、基本的にはお会いして進めることが前提だったので、対応する工数は結構多かったと思います。でも、コロナによって「会う」ということが難しい状況になり、そこに対応するためにやり方を変えた結果、会わなくてもスムーズに進められる形が作れました。
会わずに進めるために対応方法も変更しました。
以前は電話を受けた担当が電話対応から融資対応まで1人で対応してたんですが、今は受付担当、書類作成担当、コンサルティング担当とチームで業務を行う形になりました。1つ1つの作業に集中できる環境になったことで結果的に工数の削減に繋がっています。
【いいたか】これはBtoBの綺麗なモデルですよね。マーケティングが機能していて、インサイドセールスがいて、フィールドセールスがいて、カスタマーサクセスがあって。
【田原】そうですね。
【いいたか】じゃあ、もうオフィスはこの広さいらないですね(笑)
【田原】そうですね(笑)リモートでの業務もできるようになったので、広さはいらないかもしれないですが(笑)
融資や補助金の業務はお電話で対応させていただくことが多いのですが、お金の話しになるので出来れば近くに人がいないほうが良いと感じるお客様もいらっしゃいます。秋葉原のオフィスは個室を多く作っているので、個室を活用してお客様の対応をすることができるというメリットがあります。
(画像:SoLabo秋葉原オフィス8階)
コンテンツマーケティングを開始したきっかけは?
(画像:創業融資ガイド-トップページ)
【いいたか】マーケティングはコンテンツ周りが多いと思うんですけど、そもそもなぜやろうと思ったのですか?
【田原】元々の親会社がリスティングの会社だったのと、SEOからスタートしたというのが大きいとは思います。最初はマーケティングの「マ」の字もわからなくて(笑)
リスティングとは何かと聞かれてもわからない、アフェリエイトとは何かもわからない、アドセンスもわからない。という状態でした。
でも、相続のメディアが上手くいって、融資のメディアも上手くいって、成功も失敗も体験できたので、「僕がやったら絶対にあたる」という自信は持っています(笑)SEOからスタートしたという経験からコンテンツ回りが増えていっていたという感じですね。
【いいたか】ソラボ社はマーケティングのコンサルティング支援もやってると思うのですが、こちらも最初はSEOからスタートしたのですか?
【田原】はい。3年目くらいまでは、僕が1人で3~4社くらいのSEOのコンサルティングをやっていました。記事作成も依頼されることもありましたが、基本的には創業初期はSEOコンサルティングだけという感じですね。
マーケティングのコンサルティングをやろうと思ってスタートしたというよりも、集客したいけど何かやってもらえないかという相談をもらって、その相談に応えるという形ではじまったという感じです。僕としても、ソラボが融資支援だけというのは少し不安だなと感じる部分もあったので。
【いいたか】そこからリスティングの運用も始めたのですか?
【田原】親会社から独立して数年後に、元親会社を買収するという話しがでたんです。親会社と敵対していた訳ではないので、順調に話しが進んでいました。元親会社はリスティング会社だったので、そのノウハウとソラボのSEOノウハウを合わせることで、できることが増えるなと思いました。
ところが、直前で買収の話しが立ち消えてしまったんです。
その時に元親会社のメンバーがソラボで働きたいと言ってくれたので入社してもらいました。メンバーが入ってくれたのでリスティングもできるようになったというタイミングで、リスティングの大きな案件の依頼が来たんです。これはもう、本格的にリスティングをやっていこう!という流れになったという感じです。
【いいたか】なるほど。
コロナ禍で本格的にスタートした動画マーケティング
(画像:YouTubeチャンネル「創業大学」)
【田原】でも、リスティングとSEOだけでは他のマーケティング会社との差別化もできないなと思ってたんです。
そして、その矢先にコロナ禍になったんですよ。当時、リスティングの案件をいただいていた企業がコロナの影響を直に受けているような業態だったので、当然予算も下がるわけで・・・
その瞬間に、「これはまじでやべぇ」と思いましたね。
さらに、緊急事態宣言も出て、マーケティンング案件が一気に解約となり、売上も上がらない。どうしようかなと考えて動画制作を強化しよう!と思いました。
それまでも動画はやっていたんですが、ちょこちょこやっているだけという状態だったんです。なんでもチャレンジしていきたいのでやってみてるという程度でした。
ただ、こんな状況なのでやれることをしっかりやろうと、動画制作の担当を1人から3人に増やしました。でも、動画に出るのは僕1人なので編集3人分の動画を撮らないいけないということに後から気づいたんですけど(笑)
【いいたか】動画マーケティングのメリットはありましたか?
【田原】YouTubeからの問い合わせ獲得ができるようになったので、問い合わせのチャネルを増やすことは出来ましたが、マーケティングというよりも経験としてのメリットが大きいと思います。実際に自社で実施することで動画のノウハウも身についたと思います。動画編集ができるメンバーが増えたことも大きなメリットです。
ただ動画は自社集客の1つであり、事業としてという点では少し足りないかもしれないと思いました。コロナ禍を経て、安定して売上を確保していくために資金調達支援以外に、どんな分野でやるべきかを考えました。
起業家支援を掲げている会社である以上、創業者の悩みや課題を解決するという軸は変えずに、企業が潰れずに成長していくために必要な部分を補うためには、何をすべきかを考えた時に、動画よりもホームページなどWEB制作が出来た方がいいなと思いました。
お客様からも「ホームページは作れませんか?」と聞かれることが多かったので、やるべきだなと思っていました。
メディア運用、リスティング広告、動画制作を経てたどり着いた「ホームページ制作」そして「伴走支援」
【いいたか】それまでホームページ制作はしたことあったのですか?
【田原】簡単なメディア用のサイトやLPくらいは作ったことはあるんですが、ちゃんとしたものは作ったことがなかったです。
なので、最初は10万円くらいでテンプレートのような形で作って売って行こう!と始めたんです。スタートは10社限定で、10万円でホームページ作りますと募集をかけたら、ありがたいことにすぐに埋まりました。
テンプレートでサクサクホームページを作るというイメージだったんですが、いただくオーダーが全然、テンプレートで対応できなくて(笑)
創業直後の名刺代わりなホームページを低額で提供したいというイメージだったんですが、結果的にオーダーに応えて制作をしているので、10万円では安すぎるなと感じてきました。その結果、少しづつ金額を改訂し、現状はオウンドメディアの制作は60万円~、ホームページ制作は150万円~で対応させてもらってます。
それでも、金額的にはかなり安いと思っています。
ホームページ制作では、自社でメディアを運営して得たSEOのノウハウを活かした形にしたいと考えています。お客様が本当に求めていることをホームページに反映することで、成果がでるホームページが作れると思っています。実際に成果がでているお客様が多いです。
結果としてこれが新たなサービスの入口になったと思います。
ホームページは作るだけでは宝の持ち腐れで、成長させることが大事です。成長させるために何ができるかを考えた時に、クライアントの持っているホームページを含めたWEBサイトを成長させるための支援が必要だと考えて「伴走支援」を始めました。
【いいたか】これはSEO、リスティングとかいろんなことができるようになったからこその伴走支援ですね。
【田原】そうですね。
SEO対策だけをすればいいのではなく、お客様の感じる課題を見つけて、課題を解決するためのタスク出しをして、そのタスクを進める方法を伝えられれば、お客様の経営も支援できるなと思いました。お客様の悩みはお客様の数だけあるので、自社とは違う悩みに触れることができます。
その悩みを解決するために、調べたり、他社のコンサルティングを受けたりとすることでお客様の課題の数だけ、ソラボが出来ることが増えて、サービス力を評価していただけるようになりました。
【いいたか】マーケティング事業部も、順調に進んでますね。
【田原】そうなんです。サイト制作や伴走支援など出来ることは増えてるんですよ。出来ることは増えているんですが、マーケティングをやっているという認知がないので、マーケティング会社としての魅力がないんです。
マーケティング会社として魅力を上げていくために、キーになる商材が必要だよねとなり、「LINE」を始めました。LINEは個人アカウントが主流で法人アカウントはそれほど広まっていなかったんですが、2019年からLINE公式アカウントに無料プランができたことで、法人アカウントも増えてきました。
何か新しい施策をやっておいた方がいいと感じていたので、LINEが面白そうだからやりませんかと言われて、自社で創業融資ガイドの公式アカウントを作りました。
その時に、LINEに詳しいメンバーがソラボに加わってくれることになり、LINEノウハウが一気に広がりました。
LINEはコンテンツとの関係も大事になるので、SEOコンテンツに強いメンバー、CVR改善や分析に強いメンバーなど、それぞれの強みが創業以来培ってきたノウハウと合わさった感じがします。
【いいたか】今では他社案件も多くやっていますよね。
【田原】そうなんです。LINEに関しては1件目の案件から年商600億円~700億円の企業様の案件をいただくことができて、しっかり成果がでました。そこから、新しい案件もいただけるようになりました。
最近はセミナーもやった方が良いというご意見をいただいたので、セミナーにも力を入れています。特に、コラボセミナーはコラボ先のリードにも発信できるので、認知を拡大するには非常に効果的だと感じています。
自社のハウスリストを生かすために、DMなど集客のための施策はデータを細かくとるようにして、勝ちパターンを見つけるようにしています。前は、意識してデータをとるとかはしてなかったんですよ(笑)
セミナーは回数を重ねるうちに申し込み数もお問い合わせも増えるようになり、コラボの依頼も増えて、コラボ先から何か支援してほしいとご相談もいただけるようになり、マーケティングの案件がすごく増えました。
【いいたか】施策が幅広いですね。
【田原】はい(笑)僕は、「本当にいいよ」と言われたものは、すぐにチャレンジしちゃうんですよ。チャレンジしたら、ノウハウが身について、他の人にも興味を持ってもらえて、その人にサービス提供できるんです。
「日本をハッピーに」ソラボが目指す未来
【いいたか】最後に、今後ソラボ社をどんな会社にしていきたいか、会社としてどんな社会に貢献したいか教えてください。
【田原】僕自身が人に感謝してもらえることが何よりも嬉しいことなんです。だから、やっぱりお客様に笑顔になってもらえる、お客様に感謝されるというソラボの原点を続けていきたいと思います。
お客様の課題を解決し、ハッピーにしていくことを続けることで、日本の起業家全体が活性化されて創業市場が今以上に盛り上がるんじゃないかなと思っています。
日本の創業率って5%くらいで、他の国と比べるとかなり低いんです。
ソラボが起業家支援をすることで、日本の創業率を上げて、「起業は当たり前」と思える世の中にしていきたいですね。僕たちは最終的には「日本をハッピーに」したいと思ってます。
日本の創業分母を増やすことは、ユニコーン企業を増やすことにも繋がると思っています。
Saori
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