補助金ガイド

ものづくり補助金の採択結果はいつ分かるのか?過去のスケジュールから解説

2024/07/05

2024/7/4

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

ものづくり補助金は申請したあと、採択結果が分かるまで時間がかかります。ものづくり補助金の採択者に選ばれたあとは交付申請を行う必要があるため、申請した人の中には、採択結果が発表される時期を予想し、次の工程の準備を進める人もいるでしょう。

当記事では、ものづくり補助金の採択結果がいつ分かるのかを解説します。過去のスケジュールや公式サイトから分かる情報を解説しているため、ものづくり補助金の採択結果の発表日の情報が知りたい人は参考にしてみてください。

ものづくり補助金の採択結果は締切の約2か月後に発表される

ものづくり補助金の採択結果は申請締切の約2か月後に発表される傾向があります。過去の公募回の申請締切日と結果発表日を確認することにより、ものづくり補助金の結果発表は申請締切日からおよそ2か月後に発表されていることが分かります。

【過去のものづくり補助金の採択結果発表日】

公募回

申請締切日

結果発表日

17次

令和631

令和6520日(月)

16次

令和5117

令和6119日(金)

15次

令和5728

令和5929日(金)

14次

令和5419

令和5623日(金)

13次

令和41222

令和5220日(月)

参考:公式サイト「採択結果」|ものづくり補助金

ものづくり補助金の15次公募回の結果発表日は令和5929日でした。申請締切日は令和5728日だったため、約2か月後に採択結果が発表されています。

ものづくり補助金の17次公募回の結果発表日は令和6520日でした。申請締切日は令和631日だったため、2か月と20日程度の日数が経ったころに、ものづくり補助金の採択結果が発表されています。

なお、採択結果は公式サイト上での発表となります。公式サイトに採択者一覧が掲載されるため、ものづくり補助金に申請した人は公式サイトでの発表を確認するようにしましょう。

18次の採択結果は申請締切から約3か月後に発表された

ものづくり補助金の18次公募回の採択結果は、申請締切から約3か月後の令和6年6月25日(火)に発表されました。過去の傾向よりも1か月程遅いスケジュールでの発表となりました。

18次の公募スケジュール】

公募回

申請締切日

結果発表日

18次

令和6327

令和6625日(火)

参考:公式サイト「スケジュール」|ものづくり補助金

ものづくり補助金の18次公募回の申請締切日は令和6327日でした。採択結果の発表は令和6625日に行われたため、過去のスケジュールと比較すると1か月程遅く、3か月程の審査期間を経て採択結果が発表されたことになります。

ものづくり補助金の18次公募回の補助事業完了期限は令和61210日です。18次公募回の採択者は、補助事業完了期限までの約6か月の間に、「設備の導入」「事業の効果検証」などの補助事業を実施することになります。

なお、「16次」「17次」「18次」の補助事業完了期限はすべて令和6年12月10日です。公募回によって補助事業の実施期間は異なるため、ものづくり補助金に申請している人は補助事業完了期限を確認し、採択後のスケジュール調整を行うようにしましょう。

採択されたあとは交付申請の手続きを行う

ものづくり補助金に採択されたあとは、交付申請の手続きを行います。交付申請を行い、ものづくり補助金事務局からの交付決定通知を受けなければ、補助事業の実施ができないため、採択されたあとは速やかに交付申請の手続きを行うことになります。

【交付申請を速やかに実施するためのポイント】
  • 見積書を準備する
  • 申請内容を再確認する
  • 関係者との連携を確認する

交付申請は採択後から1か月以内を目安に行います。交付申請にかかる日数が長ければ長いほど、交付決定通知を受けるまでの期間が長くなるおそれがあるため、ものづくり補助金を申請している人は交付申請を速やかに実施するためのポイントを押さえておくようにしましょう。

交付申請に関する情報が知りたい人は「ものづくり補助金の交付申請とは?必要書類や期限を解説」の記事も参考にしてみてください。

見積書を準備する

交付申請を速やかに実施するためのポイントとして「見積書を準備する」点が挙げられます。交付申請では、補助事業の対象経費を精査する関係上、見積書の提出が求められるため、ものづくり補助金を申請した人は採択結果が発表される前に見積書の準備を検討することになります。

【見積書を準備するときの注意点】

項目

注意点

見積書の日付

見積書の日付が、交付申請日において有効であること

見積書の金額表記

見積書の金額表記に、税抜き価格の表示があること

相見積り

  • 単価50万円(税抜き)以上の費用が発生する場合はすべて相見積りを取得すること
  • 「同一条件」「同一仕様」での相見積りを取得すること

参考:補助事業の手引き 交付申請の説明動画 |ものづくり補助金

見積書を準備するときの注意点のひとつは「見積書の日付」です。提出する見積書は「交付申請日において有効であること」が求められるため、見積書を業者から取得するときは交付申請日においても有効である旨を記載してもらうことになります。

見積書を準備するときの注意点のひとつは「相見積り」です。機械装置に限らず、単価50万円以上の費用は2者以上の相見積もりを取得することが求められるため、該当する費用は同一条件や同一仕様での相見積りを取得しておくことになります。

なお、見積書にはすべての内訳が記載されていることを確認しましょう。「○○一式」表記では、見積書の内訳が確認できず、交付申請時に差し戻しとなるおそれがあるため、見積書を取得するときは内訳をすべて明確に記載してもらうように依頼しましょう。

申請内容を再確認する

交付申請を速やかに実施するためのポイントとして「申請内容を再確認する」点が挙げられます。交付申請では、申請した内容を再度確認や修正する工程があるため、ものづくり補助金を申請した人は、採択結果が発表される前に申請内容の再確認を検討することになります。

【申請内容の再確認事項の例】

確認項目

確認事項の例

基本事項

  • 担当者の連絡先が正しいかどうか
  • 履歴事項全部証明書と実態の内容が一致しているかどうか
  • 従業員数は応募時の人数を正確に記載しているかどうか

計画内容

  • 基準年度の数値が確定しているかどうか
  • 事業計画の数値に変更があるかどうか
  • 補助対象外の経費が含まれていないかどうか

参考:補助事業の手引き 交付申請の説明動画|ものづくり補助金

再確認が必要な申請内容のひとつは「基本事項」です。「担当者のメールアドレスが誤っていた」「従業員数に代表取締役を含めていた」など、基本事項に誤りがある可能性があるため、採択結果の発表前に再確認しておく余地があります。

再確認が必要な申請内容のひとつは「計画内容」です。「決算を迎え、基準年度の数値が確定した」「補助対象外の経費を申請していた」など、計画内容が変更となる可能性があるため、採択結果の発表前に再確認しておく余地があります。

なお、「成果における計画縮小や減少」「補助金の交付申請額の増額」は認められていません。交付申請では、申請時よりも計画を下方修正することや、補助金額を上乗せすることは認められていない点を留意しておきましょう。

関係者との連携を確認する

交付申請を速やかに実施するためのポイントとして「関係者との連携を確認する」点が挙げられます。ものづくり補助金が入金されるまでの工程は、第三者と連携を取りながら進めていく場面があるため、ものづくり補助金を申請している人は採択結果の発表前に関係者との連携の確認を検討することになります。

【関係者との連携の確認例】

関係者

連携例

設備の発注先

  • 設備の見積書を依頼する
  • 設備の納品時期を確認する
  • 設備の支払時期を確認する

金融機関

  • 資金調達の可否を確認する
  • 資金調達の時期を確認する
  • 資金調達の条件を確認する

参考:補助事業の手引き 交付申請の説明動画|ものづくり補助金

関係者との連携を確認する例として「設備の発注先」が挙げられます。交付決定から補助事業完了までは期限が決められているため、「設備の納品時期」「設備の支払時期」など、発注先と採択結果の発表前に調整しておくことになります。

 関係者との連携を確認する例として「金融機関」が挙げられます。補助金は後払いとなる性質上、資金繰りを円滑に行うために金融機関から資金調達を行う場合は、「資金調達の時期」「資金調達の条件」など、採択結果の発表前に金融機関と調整しておくことになります。

なお、交付決定前に「発注した経費」や「支払った経費」は補助対象外となります。「交付決定前に機械装置を発注した」「交付決定前に発注先へ材料代を支払った」場合の経費は、ものづくり補助金の補助対象外となるため、費用のやり取りは交付決定後に行うようにしましょう。

 不採択でも再申請ができる場合もある

ものづくり補助金の採択結果が発表され、不採択だった場合は、再申請ができる可能性があります。ものづくり補助金は再申請ができない条件が明記されているため、再申請ができない条件に当てはまらない場合は再申請ができます。

 【ものづくり補助金に再申請できない条件例】

  • 10か月以内にものづくり補助金の交付決定を受けた場合
  • 過去にものづくり補助金を採択されたものの、補助事業実績報告書が未提出の場合
  • 17次公募の省力化(オーダーメイド枠)に申請した場合

参考:公募要領 18次締切分(p.2|ものづくり補助金

再申請できない条件のひとつは、10か月以内にものづくり補助金の交付決定を受けた場合です。公募回の応募締切日から起算し、10か月以内にものづくり補助金の交付決定を受けた事業者は、再申請はできません。

再申請できない条件のひとつは、17次公募回に申請した場合です。18次公募要領では、17次公募回に申請した事業者は、不採択であっても18次公募回に再申請することは認められていませんでした。

なお、公募要領には、ものづくり補助金に以前申請した事業者も再申請できるとも記載されています。再申請できない条件に当てはまらなければ、何度でも再申請できるため、不採択となった場合であっても、次回以降に再申請することを検討してみましょう。

この記事のまとめ

ものづくり補助金の採択結果は申請締切の約2か月後に発表される傾向があります。過去の公募回の申請締切日と結果発表日を確認することにより、ものづくり補助金の結果発表は申請締切日からおよそ2か月後に発表されていることが分かります。

ものづくり補助金に採択されたあとは、交付申請の手続きを行います。交付申請を行い、ものづくり補助金事務局からの交付決定通知を受けなければ、補助事業の実施ができないため、採択されたあとは1か月以内を目安に交付申請の手続きを行うことになります。

なお、ものづくり補助金の採択結果が発表され、不採択だった場合であっても、再申請ができる可能性があります。再申請できない条件に当てはまらなければ、何度でも再申請できるため、不採択となった場合であっても、再申請することを検討してみましょう。

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