補助金ガイド

事業再構築補助金に申請するのに満たしているべき要件を解説

2021/10/6

2022/04/13

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

事業再構築補助金は令和3年度限定で最高1億円までの補助が出るため、大変注目を浴びている補助金です。しかし同時に、要件の多い補助金として事業者からは「厳しい」という声も少なからず寄せられています。事業再構築補助金を申請するにあたっての規則を定めた公募要領があります。公募要領は、長文で詳しい要件などについて記載されていますが、補助金の知識がないとなかなか内容を理解するのは大変といえます。そこで今回は、事業再構築補助金に申請するのに満たしていなければならない必須の要件だけをセレクトし、できるだけ簡潔に説明していきたいと思います。

なお、事業再構築補助金の対象となる事業者について知りたい方は、こちらの記事も是非あわせてご覧ください。

事業再構築補助金の対象となる事業者・経費などをわかりやすく解説

事業再構築補助金で満たしているべき4つの要件

事業再構築補助金には満たさなければいけない要件がいくつもあり、それらを把握するだけでも時間がかかります。まずは、どんな事業者でも絶対に満たす必要がある要件だけをピックアップすると、以下の4つとなります。

  • ①事業再構築要件
  • ②認定支援機関要件
  • ③売上高減少要件
  • ④付加価値額要件

ここでは各4つの要件の内容を順番にみていきましょう。

①事業再構築要件

事業再構築要件とは、いまの事業を廃業せずに別の形で存続させる「事業再構築」のための事業計画を立てることです。この補助金を主催する経済産業省では、事業再構築には5つのパターンがあるとし、事業再構築指針の手引きという資料の中で、詳しく解説しています。

事業者は、この事業再構築指針に書かれている5つの事業再構築でどれかに該当する事業再構築を実施しないと、事業再構築補助金の対象とはなりません。5つの事業再構築の種類は、以下の通りです。

  1. 新分野展開(今の事業を続けつつ、新たな商品やサービスを通して新しい事業を始める)
  2. 事業転換(今の事業の業種は変えずに、別の事業を始める)
  3. 業種転換(今の事業の業種を変えて、新しい事業を始める)
  4. 業態転換(今の事業を続けつつ、別の製法で作成した製品・サービス等の販売や別の提供方法で製品・サービス等を販売する)
  5. 事業再編(異なる2つ以上の事業が株式交換などで合併し、①~④の事業再構築を行う)

これらの事業再構築ですが、例えば元々持っていたオーブンを使い別の商品を作る、資金のかからない無料サービスを使ってデリバリーを始める、という方法は、事業再構築には該当しません。また、各5つの事業再構築にはそれぞれ別途4つの要件が設定されています。

5つの型の具体例は、ぜひこちらの関連記事もご覧ください。

事業再構築を満たす事業計画書は、補助金事務局とは別の第三者による審査委員会が設置され、事業計画の優劣を判定します。

hojyokin
いずれの事業再構築でも、補助金の対象となる「補助対象経費」を事業者が最初に支払う必要があります。事業再構築補助金の対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費などです。

②売上高減少要件

売上減少要件とは、コロナ禍とコロナ前とで事業の売上が5~10%以上減少することです。申請する事業再構築補助金のタイプ(通常枠など)により、何%減少するかの数値は変わります。通常枠と卒業枠の場合は10%で、グローバルV字回復枠という海外展開を目指す事業の場合は15%が最低ラインです。

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること等。

引用:事業再構築補助金 公募要領

また、「緊急事態宣言特別枠」というコロナ禍の売上減少が著しかった事業者向けの補助枠では、売上減少比が30%以上必要です。緊急事態宣言特別枠で申請する場合は、上記の通常枠の要件に加え、令和3年の日本政府による緊急事態宣言で時短や自粛の影響を受けた一部の地域(下記参照)の事業者またはその影響を受けた事業者でなくてはいけません。

北海道、栃木県、埼玉県、 東京都、千葉県、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、沖縄県

③認定支援機関要件

事業再構築補助金は、事業者が「このような事業再構築をします」と詳細な事業計画を提出することで審査される補助金です。事業計画は事業者のみが単独で作成するのではなく、必ず「認定支援機関」という経済産業省から認可を受けた税理士などと共同で作成する必要があります。

また、申請する補助金額が 3,000 万円を超えるのであれば、認定支援機関だけでなく信用金庫などの金融機関にも事業計画書をチェックしてもらう必要があります。

hojyokin
金融機関で認定支援機関も兼ねる機関ですが、みずほやUFJ、三井住友のメガバンクから野村證券のような証券会社まで、ほぼ全ての金融機関が該当します。

④付加価値額要件

最後の要件は、提出する事業計画が「付加価値額」をアップするものでなくてはいけない、という要件です。付加価値額とは聞きなれない言葉ですが、具体的には以下の算式で計算できます。

不可価値額=営業利益+人件費+減価償却費

つまり、現在の事業を事業再構築することで、今より営業利益が上がり、人の雇用も増え、設備やシステムなどの減価償却費が増えることにより事業が成長することが目的です。

事業再構築補助金に採択された場合、事業者は提出した事業計画書通りに事業再構築を約12か月という期間で行います。その後、3~5 年で付加価値額が補助事業開始時と比較し年率平均 3%以上増加することが求められます。

または、付加価値額は従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%を計算する方法でもOKです。従業員一人当たりの付加価値額は、以下の算式で計算できます。

画像素材:補助金ガイド

事業再構築補助金で使える「事前着手申請」とは?

事業再構築補助金の要件を見て、「最初に補助対象経費を払わなくてはいけない」のがネックになる方や「補助金に採択されたあとに支払った経費でないと、補助対象経費として認められない」のがネックになる方がいます。

まず、補助金はキャッシュバックの制度なので、最初に機械装置費や専門家経費などの補助対象経費を支払う資金がない事業者は、事業再構築補助金に申請できません。(補助金の申請時に、補助対象経費を支払える資金の出どころを記入しなくてはいけないからです)今すぐ事業で使うお金が欲しい方は、補助金より先に、低金利や実質ゼロ金利で借りられる融資を利用するのもひとつの方法です。

融資について詳しく知りたいからは、下記リンクから、当サイトの関連サイト「創業融資ガイド」をご覧ください。

創業融資ガイド: 日本政策金融公庫での融資のご相談なら

また、事業再構築補助金では「中古の機器で、時期を待つと売れてしまう」などの特別な事情のある事業者のために、例外的に事業再構築補助金では「事前着手申請制度」があります。

hojyokin
事前着手金制度とは、事業再構築補助金の申請とは別に、事業再構築補助金事務局に必要な事項を記入した「事前着手承認申請書」を送付することで、事前購入分の経費が補助対象として認められる制度です。詳細は、事業再構築補助金の公募要領をご参照ください。

参照URL事業再構築補助金 公募要領

あなたは要件を満たしている?事業再構築補助金の要件チェックシート

では、最後にあなたの事業が事業再構築補助金の要件を満たしているのかを簡単にチェックするために、以下に4つの要件を含む事業再構築補助金の要件を羅列しました。認定支援機関や金融機関に問い合わせる前に、ぜひ一度、ご自身でも要件を満たしているのかご確認ください。

<事業再構築の要件>

<提出書類>

  1. 事業計画書
  2. 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  3. コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類(売上高等減少要件を付加価値額の減少により満たす場合、不要)
  4. コロナ以前に比べて付加価値額が減少したことを示す書類(売上高等減少要件を売上高の減少により満たす場合、不要)
  5. 決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
  6. ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報
  7. 賃金引上げ計画の表明書(大規模賃金引上枠のみ)
  8. 海外事業の準備状況を示す書類(卒業枠(グローバル展開を実施する場合に限る)・グローバルV字回復枠のみ)
  9. 従業員数を示す書類(卒業枠、グローバルV字回復枠は不要)
  10. 事業場内最低賃金を示す書類(最低賃金枠のみ)
  11. 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021年1月~8月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していることを証明する書類(緊急事態宣言特別枠で提出は【必須】となります)
  12. 2021年1月~8月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類(緊急事態宣言特別枠で提出は【任意】となります)審査における
  13. 加点を希望する場合に必要な追加書類等(加点を希望する業者のみ)

<公募締め切りの要件>

<公募締め切りの要件>

  • J.申請は公募期間中に行うか。
    ※公募は令和3年度末までに合計5回

<対象外の要件に当てはまらない要件>

  • K.建物・土地の購入、不動産賃貸業、補助金申請に関わる専門家費用の計上、補助事業以外の自社の広告宣伝費の計上、補助事業に必要ない研修費の計上、振り込み以外の経費支払い、新型コロナ感染症を原因としない売上の減少、農業従事者が単に別の品目を生産する場合(二次、三次産業分野での事業計画は対象)ではない。

この記事のまとめ

・事業再構築補助金で最低限クリアしなければいけない要件は、①事業再構築要件②売上減少要件③認定支援機関要件④付加価値額要件の4つです。

・この中で特に重要視されるのは①の事業再構築要件で、5つの事業再構築の型にあてはまる事業計画を立てるだけでなく、各事業再構築に設定されている4つの要件も満たさなければいけません。

事業性資金の資金調達に関する疑問や相談

株式会社ソラボと
上場企業の株式会社ライトアップが
補助金申請をサポートします。

  • ◇補助金・助成金の申請実績1万件以上
  • ◇ヒアリングシート記入だけで申請支援します
  • ◇事業再構築補助金の申請が通るか無料診断可能

share!!

更新履歴

10/6 ②売上高減少要件の%と引用文の内容と引用リンクを最新のものに修正。