補助金ガイド

事業再構築補助金で不採択の理由が分からない時の対応は?再申請についても解説

2023/06/21

2022/10/31

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金で不採択になった人のなかには、不採択になった理由を知りたい人もいるでしょう。また、再申請に向けて準備していきたい人もいますよね。

当記事では、不採択になった人が再申請に向けてどのような準備をすればいいかを解説していきます。不採択になるおもな理由についても紹介しているため、参考にしてみてください。

なお、この記事は第10回事業再構築補助金の「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに作成しています。

不採択の通知で理由が分からない時は事務局に問い合わせる

事業再構築補助金では、不採択の理由が分からない場合、事務局に問い合わせて不採択の理由を聞くことができます。問い合わせは電話で行うため、不採択理由を事前にメモの準備が必要です。

【当社SoLabo(ソラボ)が不採択になった理由の事務局側のコメント抜粋】
  • 新たに展開するシェアオフィス事業であるが補助対象額の内、ハードおよびシステム導入費がやや過大ではないでしょうか。そこまで費用(投資)額を膨らませなくても、同様の事業のスタートアップ化は可能と考えます。とくに、広告宣伝費の額および比率が課題です。
  •  シェアオフィス事業は競合が多く、それらとの差別化も考慮されてはいるが市場性の調査がやや弱いと感じました。
  • もと事業の目的に沿った事業実施のための体制の記述がなく、この事業を適切に遂行できるかどうか蓋然性に乏しいです。補助事業の成果の事業化が寄与するユーザーマーケットの記述があるものの、自社商圏の市場規模の記述がなく明確とは言い難いです。
  • 事業化に至るまでの遂行方法およびスケジュールの記述はあるものの、2年目以降が毎年同じ内容の繰り返しとなっており、新規大学の発掘等もと事業に必要と思われる記述がなく、妥当とは言い難いです。

たとえば、株式会社SoLabo(ソラボ)が第1回事業再構築補助金で不採択になった時に事務局に問い合わせた事例があります。その際、不採択の理由は、おもに審査項目の事業化点と再構築点の観点から教えてもらいました。

また、書類に不備があった場合は、足りなかった書類や修正が必要な書類を教えてもらえます。書類の不備で不採択になり、再申請を検討している人は、次回の申請に備えて事務局から教えてもらった修正箇所をもとに、提出書類の修正が必要です。

再申請しない人も、事務局から事業計画で根拠の不足している箇所を指摘してもらうことで、自社の事業に今後必要な課題を洗い出すことができます。事業再構築補助金に再申請する予定の人は、事務局に問い合わせて次回の申請で必要な修正や準備を行いましょう。

なお、当メディアを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、不採択になった理由を改善して第2回公募で採択された経験を活かし、申請サポートを行っています。事業計画の作成サポートを検討している人は、無料診断からお問い合わせください。

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不採択になったら再申請に向けて審査項目や必要書類を再度確認する

事業再構築補助金では、不採択になったら再申請に向けて、審査項目や必要書類を再度確認することが望ましいです。なぜなら、事業再構築補助金の審査は審査項目をもとにして行われ、必要書類は書き方やファイル形式などが決まっていることがあるためです。

【再申請に向けた準備】
  • 事業計画書の内容が審査項目に沿っているかを見直す
  • 必要書類の確認(提出書類の種類、記載の仕方、ファイル形式など)
  • 認定支援機関への依頼内容を見直す
  • 申請前に最新の公募要領を確認する

たとえば、事業計画の見直しをする場合は、収益計画の根拠となる計算が記述されていることを確認します。何年後にいくら収益が出る見込みかを記述することで、根拠を明確にし、補助事業で採算が取れるか第3者目線で確認できるためです。

必要書類の見直しは「記載が必要な内容が事業計画書に書いてあるか」だけでなく「ファイル形式」などの確認が求められます。公募要領には、事業計画書に記載する内容だけでなく、ページ数の制限や申請時に添付するファイル形式も決まっているためです。

事業再構築補助金に再申請する際は、申請前に再度、事業再構築補助金で決められたことが守られているか確認が必要です。また、再申請をするために事業計画を修正する際は、事業計画の作成が得意とする認定支援機関に変更することも検討してみましょう。

なお、事業計画書の作成の仕方をあらためて確認したい人は「事業再構築補助金の事業計画書の書き方と記入例を解説」を参考にしてみてください。

審査の観点から事業計画を見直す

事業再構築補助金で不採択になった時は、審査の観点から事業計画を見直すことで、再申請の際に採択される可能性があります。審査される内容は、公募要領に審査項目として記載されているため、事業計画を作成後は、内容が審査項目に沿っているかの確認が必要です。

【審査項目のおもな内容】
おもな審査項目 内容
①補助対象事業としての適格性 「各申請枠の要件を満たし、補助事業後3年~5年で付加価値額をもと準値以上の増加を達成する取組であること」を確認する審査項目
②事業化点 「補助事業で行う事業が、戦略的にも資金的にも適当であること」を確認する審査項目
③再構築点 「事業再構築補助金の目的に合った補助事業であること」を確認する審査項目
④政策点 「地域や国の経済成長に貢献し得る事業であること」を確認する審査項目

参考:第10回事業再構築補助金の「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、事業化点では「市場調査や市場ニーズの有無を検証していること」を事業計画で示すことが求められます。その場合、統計データをもとにした市場分析や顧客情報が事業計画書に記載されているかを確認します。

政策点では「日本の経済成長に貢献する技術を活用していること」を事業計画で示す必要があります。その場合、先端的なデジタル技術や低炭素技術などの技術を、補助事業でどのように活用していくかの記載が事業計画書にあることを確認します。

事業再構築補助金の再申請の際は、審査で確認される項目を見直しておくことで、次回の公募で採択される可能性があります。事業再構築補助金で再申請を検討している人は、各審査項目の内容を確認して、それぞれ根拠が示せているかを確認しましょう。

なお、事業再構築補助金では、申請する経費のほとんどが補助対象外の経費である場合、補助事業の円滑な実施が困難であると判断され、不採択および採択取消になります。事業計画を見直す際は「経費項目が補助対象経費であるか」の確認もしておくことが望ましいです。

必要書類に不備がないかを確認する

事業再構築補助金で再申請する場合は「提出した必要書類に不備がないか」を再度、確認しておくことが必要です。なぜなら、事業再構築補助金の提出書類には、記載する内容だけでなくファイル形式やページ数なども決まっているためです。

【必要書類の確認項目】
確認項目 詳細
必要書類の種類 ・申請枠や経費など、申請する内容に合った必要書類が準備できているか
※事業再構築補助金公式サイト「電子申請用資料>
添付書類確認シート」参照
記載の仕方 ・公募要領で定められた内容が書かれているか
(事業計画書の場合、1ページ目に事業再構築の定義に合致するかを判断するための内容になっているか
※「電子申請用資料>事業計画書表紙(Word)」参照)
ファイル形式 ・添付する書類は決められたファイル形式になっているか
(事業計画書はPDF形式)
ページ数 ・決められたページ数に収まっているか
(事業計画書は基本15ページだが、補助金額によって異なる)
ファイルの命名規則 ・ファイル名は公募要領の「ファイル名確認シート」通りにつけられているか
※「公募要領>ファイル名確認シート」参照

参考:第10回事業再構築補助金の「公募要領」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、記載の仕方を確認する時は、書類によってはどこに何を記載するかが定められています。事業計画書の場合は、第10回公募から1ページ目の記載内容が定められたため、事業計画書の1ページ目には、事業再構築の定義を満たす旨を記載する必要があります。

また、ファイル形式が決まっている書類もあります。事業計画書の場合は、電子申請でファイルを添付する前にPDF形式に変換しておく必要があります。Wordなどの文書作成ソフトで作成した際は、すぐにPDF形式に変換しておくことが望ましいです。

事業再構築補助金では、提出する必要書類に細かい規定があります。事業再構築補助金に再申請する際は、必要書類に不備がないか「公募要領」や「添付書類確認シート」で確認してみてください。

なお、第10回の公募要領には「事業計画書の1ページ目で事業再構築の定義に合致しないと判断された場合、不採択になる」旨が明記されています。事業計画書の1ページ目の内容は、事業再構築補助金の公式サイトにある「事業計画書表紙(参考様式)」で確認できます。

認定支援機関への依頼内容を見直す

事業再構築補助金で不採択になった場合は、認定支援機関への依頼内容の見直しも必要です。必要書類の確認や事業計画のサポートなど、不採択になった原因を解消できるような内容を認定支援機関に依頼することが望ましいです。

たとえば、不採択の理由で市場調査が甘いと指摘された場合は、認定支援機関に市場調査を依頼することができます。また、事業計画書の添削が一度のプランだった場合は、課題を解決できるまで複数回添削してもらえるプランに変えることもできます。

不採択になった場合、再申請する時は認定支援機関を選び直すこともできます。不採択の理由を解消できるような認定支援機関に依頼するようにしましょう。

なお、当社SoLabo(ソラボ)は第4回~第9回事業再構築補助金の採択者の支援数が全国でTOPでした。再申請を検討している方は、まず無料診断をご利用ください。

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再申請前に最新の公募要領を確認する

事業再構築補助金で不採択になった場合は、最新の公募要領を確認する必要があります。事業再構築補助金の公募要領は、随時変更があり、申請受付の開始後でも改訂されることがあるので、申請前に「事業再構築補助金公募要領(第10回)の改訂履歴」の確認が必要です。

たとえば、令和5年6月15日現在、第10回公募の最新の改訂では、これまでになかった「機械装置・システム構築費の下限の金額」が設定されました。また、申請前の説明会の参加が、公募要領公開時点では必須でしたが申請前に限っては任意に変更されました。

第10回事業再構築補助金の公募要領は、公募要領の公開日から申請受付日までに3回、申請受付後に1回改訂されています。第10回公募に再申請する人は、事業計画作成後であっても申請前に「事業再構築補助金公募要領(第10回)の改訂履歴」の確認をしましょう。

なお、第10回の公募要領は2種類作成されており、事業再構築金の公式サイトに掲載されています。第10回の公募要領で、変更点の概要を把握したい人は「第10回事業再構築補助金の概要や申請枠の変更点を解説」を参考にしてみてください。

事業再構築補助金は採択されるまで再申請ができる

事業再構築補助金では、補助金交付候補者として採択されるまで次の公募回で再申請できます。基本的に、過去の公募回で採択された人は再申請できませんが、不採択になった人や採択を辞退した人は、再度事業再構築補助金へ挑戦できます。

【事業再構築補助金に再申請できる申請枠】
  • 「グリーン成長枠」「サプライチェーン強靭化枠」「産業構造転換枠」に申請して不採択だった場合、定められた要件を満たすことで再申請できる
  • 「グリーン成長枠」「産業構造転換枠」は第1回~第9回公募でグリーン成長枠に採択されていると再申請できないが、採択を辞退していれば申請できる

参考:第10回事業再構築補助金の「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」をもとに株式会社ソラボ作成

たとえば、第8回公募で不採択の場合、第8回公募の補助金交付候補者の採択結果公表後に第9回公募の申請ができます。その際、第8回公募の採択結果が公表されるまでは、システム上で申請は受け付けられません。

また、事業再構築補助金では、基本的に過去の公募回で採択され、交付決定を受けた人は原則再申請できません。ただし、申請した枠によっては申請できる場合があるため、過去に採択を受けた経験がある人は、申請枠と申請枠に伴う要件の確認が必要です。

事業再構築補助金で不採択になった人は、次の公募回で再申請できます。過去の採択者で、再申請を予定している人は、申請する枠の要件を確認し、再申請できることを確認しましょう。

なお「グリーン成長枠」と「産業構造転換枠」に再申請する際、過去に採択または交付決定受けている場合は、審査で一定の減点があります。事業再構築補助金で再申請をする際は、事業計画作成時に審査項目とあわせて加点および減点項目の確認もしておきましょう。

この記事のまとめ

事業再構築補助金では、事務局に問い合わせて不採択の理由を聞くことができます。審査の観点から不採択の理由を教えてもらえます。また、書類の不備がある場合は、修正が必要な箇所や不足していた書類を教えてもらうことができます。

事業再構築補助金では、不採択になったら再申請に向けて審査項目や必要書類を再度確認しておきましょう。事業計画や必要書類の見直しだけでなく、認定支援機関の変更や最新の公募要領もあわせて確認が必要です。

事業再構築補助金では、不採択になった場合は次の公募回で再申請できます。再申請する際は、申請した公募回の採択結果が公表されてから申請します。また、申請枠によっては、前回公募で採択されていたとしても、条件を満たすことで申請できる場合があります。

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