補助金ガイド

事業再構築補助金における補助対象経費は何か?対象外になる経費も解説

2024/05/08

2022/4/13

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金への申請を検討している人の中には、補助対象経費が知りたい人もいますよね。また、どんな経費が補助の対象外になるか知りたい人もいるでしょう。

当記事では、事業再構築補助金の補助対象経費を解説します。補助の対象外になる経費も解説するので、補助対象経費を詳しく知りたい人は参考にしてみてください。

なお、当記事は事業再構築補助金の第12回公募要領をもとに作成しています。

補助対象経費として認められるのは経費項目にあてはまるもの

事業再構築補助金の補助対象経費は、公募要領に記載された11個の経費項目にあてはまるものです。再構築する事業である「補助事業」で支払い予定の経費が決まっている人は、それぞれの経費項目にあてはまっているかを確認してみてください。

【補助対象経費項目】
経費項目 詳細
①建物費 建物の建築・改修、建物の撤去など

②機械装置・システム構築費

(リース料を含む)

機械装置、情報システムの購入など
③技術導入費 特許権や商標権のライセンスなど
④専門家経費 コンサル料や専門家への謝金など
⑤運搬費 運搬料、宅配・郵送料など
⑥クラウドサービス利用費 Webツールなどのクラウドサービス利用費
⑦外注費 製品開発に要する加工、設計などの費用
⑧知的財産権等関連経費 特許権に関する士業の手続代行費用など
⑨広告宣伝・販売促進費 広告作成、媒体掲載、展示会出展など
⑩研修費 教育訓練費、講座受講 などの費用
⑪廃業費  廃止手続費、解体費などの費用

参考:第12回公募要領|事業再構築補助金

たとえば「機械装置・システム構築費」のリースやレンタルは、補助事業期間内に支払った経費のみ補助対象です。仮に、リース料の支払い期間が5年で補助事業期間が12か月の場合、補助事業期間後の支払いは事業者側の負担になります。

事業再構築補助金では、経費項目にあてはまる経費が補助対象になります。申請する枠ごと対象経費が異なるため、補助してもらいたい経費が経費項目にあてはまるかを公募要領で確認しましょう。

なお、当サイトを運営する株式会社SoLaboは認定経営革新等支援機関として事業再構築補助金の申請サポートや無料診断を行っています。申請したい経費が対象となるかを確認したい人や、申請に関する相談をしたい人は下記からお問い合わせください。

無料診断電話で相談0120-188-117

事業再構築補助金の補助対象経費を利用した事例

中小企業支援の専門家として国に認められた「認定支援機関」である株式会社ソラボには、コロナや物価高騰の影響を受け、業種転換した企業の支援事例があります。事業再構築補助金の経費の使い方が知りたい人は参考にしてみてください。

【株式会社ソラボの支援事例】
利用した経費 事業内容
建物費
機械装置・システム構築費
専門家経費
<不動産業への挑戦>
・既存のリノベーション事業とセットにした、
ワンストップビジネスをはじめる。
・中古物件を低価格で購入後、
注文住宅のようにリノベーションする。

この事例では、新たに店舗運営を行うため、建物の内装工事費を「建物費」として計上しています。また「機械装置・システム構築費」には、新たなビジネスを支えるシステムの導入の経費が計上されています。

「専門家経費」は、集客サイトのコンサルティングの月額費用を計上しています。専門家経費は「公募要領で定められている金額」または「複数の見積書を取得したうえで一日上限5万円」のどちらかが上限金額になります。

事業再構築補助金の採択事例は、事業再構築補助金の公式サイト「補助金交付候補者の採択事例紹介」で確認できます。事業再構築補助金でどんな事業再構築ができるのか知りたい人は、公式サイトにある採択事例や事業計画書を参考にしてみましょう。

補助対象経費は交付決定時に確定する

事業再構築補助金における補助対象経費は、交付決定時に確定します。事業再構築補助金では、申請時に計上した経費を事務局側で精査する工程があるためです。

【事業再構築補助金における申請から入金までの流れ】

参考:第12回公募要領をもとに株式会社ソラボ作成

申請時に計上された経費は、交付申請の際に、事業者が計上した経費を事務局が精査し、補助事業で必要だと判断された経費のみが補助対象経費となります。申請時の事業計画書に記載した経費すべてが、補助対象になるわけではありません。

補助対象経費は、交付申請時に必要書類とともに事務局側に精査された後、交付決定時に確定します。事業再構築補助金がどんな補助金であるか詳しく知りたい人は「事業再構築補助金とは?対象や要件など概要をわかりやすく解説」を参考にしてみてください。

補助対象経費の契約先を選ぶ際は可能な限り相見積をとる

事業再構築補助金における補助対象経費の契約先を選ぶ際は、可能な限り相見積をとることが求められます。相見積書は交付申請時に提出するため、申請準備の段階で相見積を行い、速やかに補助事業に取りかかれる状態にしておくことが望ましいです。

事業再構築補助金では、交付申請の際に条件に応じて2者もしくは3者以上の相見積書の提出を求められます。また、相見積を取れない場合や最低価格でないものを選定した場合は「業者選定理由書」と「価格が妥当であることを示す書類」の提出が必要です。

ペーパーカンパニーや販売実績がまったくない業者からの相見積は認められません。仮に、ペーパーカンパニーや実績のない業者から相見積をしたことが発覚した場合、不採択または採択取消となります。

事業再構築補助金の公募要領には「本事業における契約(発注)先の選定は、可能な範囲において相見積を取り、相見積の中で最低価格を提示した者を選定」する旨の記載があります。補助対象経費にかかわる契約先は、可能な範囲で複数社から見積を取りましょう。

なお、補助対象経費理由書の書き方は「事業再構築補助金における理由書の書き方と記入例を解説」で解説しています。

補助対象経費の項目にあてはまらない場合は対象外になる

申請時に計上する経費は、補助対象経費の項目にあてはまらない場合、補助の対象外となります。補助事業で支払う予定の経費がわかっている場合は、補助の対象外でないかを公募要領で確認しておきましょう。

【事業再構築補助金の対象外となる経費の具体例】※公募要領より一部抜粋
認められない経費項目 具体例
詳細が確認できない経費 諸経費、雑費など
事業に係る従業員の人件費、旅費 従業員への給与や交通費など
不動産、株式 単なる建物・土地の購入、事務所の家賃など
公道を走る車 社用車、バスなど
汎用性のある機器・備品 パソコン、スマートフォン、家具など
フランチャイズ加盟料 フランチャイズに加盟する際の初期費用
消耗品費 事務用品など
光熱水費 ガス代・水道代など
通信費 携帯代・インターネット代など
公租公課 消費税および地方消費税額など

参考:第12回公募要領|事業再構築補助金

たとえば「パソコン」「エアコン」「公道を走る車」などの購入費は、補助事業以外にも利用できる汎用性のある経費であるため、補助の対象外です。

また、補助対象経費は補助事業でのみ利用する経費であることが前提です。第12回公募の公募要領には「補助対象経費を補助事業以外の事業で用いた場合は、残存簿価相当額等を国庫に返納が必要」である旨の記載があることから、既存事業での使用はできません。

事業再構築補助金において、補助対象経費の項目にあてはまらない経費は、補助の対象外です。申請する経費の大半が補助の対象外の場合、申請時の審査で不採択または採択後に採択取消となるため、経費が補助対象であるか判断する際は必ず公募要領を確認してください。

    この記事のまとめ

    事業再構築補助金における補助対象経費は、公募要領に記載された11個の経費項目にあてはまるものです。事業再構築補助金の経費項目にあてはまらない経費や補助事業以外で使う経費は補助対象になりません。申請予定の人は、公募要領で経費項目を確認しましょう。

    補助対象となる経費は、審査を通過し「補助金交付候補者のとして採択」された後の交付決定の段階で決まります。また、事業再構築補助金において、補助対象経費にかかわる契約先は可能な限り相見積が必要であり、交付申請時に相見積書の提出が求められます。

    事業再構築補助金で利用される補助対象経費は、事業内容によってさまざまです。事業再構築補助金の事例は事業再構築補助金の公式サイト「補助金交付候補者の採択事例」で確認できるため、申請予定の人は参考にしてみてください。

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