補助金ガイド

事業再構築補助金における加点項目を解説

2022/4/14

2022/04/14

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

事業再構築補助金で提出する事業計画書の審査に関わる加点項目についてわかりやすく解説します。

事業再構築補助金は事業計画書で必須の審査項目を満たした上で、加点項目を盛り込むと、審査の際に有利です。

加点項目は公募回ごとに異なります。第3回公募まで3つでしたが、第4回公募から4つになり、第6回公募では7つになっています。

事業再構築補助金の加点について

事業再構築補助金における「加点」とは、通常の審査の上でプラス要因となる審査項目です。もちろん、基本の要件を満たした上で加点を狙う必要があります。

事業再構築補助金の要件については、当サイトの以下記事もぜひ併せてご参照ください。

補助金における加点項目とは

加点方式とは、何かを審査する際にある条件(プラス要素の項目)を満たす者に対し、「加点」を追加する方式です。これにより、似たような実力の者を選ぶ際には加点項目が多い者から選ばれるため、審査の効率化につながります。

また、審査項目での評価がぎりぎりレベルの事業者も、加点によりプラス評価となり採択されるということも考えられます。

国や自治体による補助金では、加点方式をとる例が他にもあります。

例)ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金

事業再構築補助金の7つの加点項目

事業再構築補助金の審査は、事業者が提出する申請内容と事業計画書から総合的に判断されます。審査ポイントは、基本の審査項目+加点項目という2つの構成から成り立っています。

まず、審査項目は以下の4点です。

<事業再構築補助金の審査項目>

  • (1)補助対象事業としての適格性(事業再構築補助金の要件を満たした事業計画書か)
  • (2)事業化点(実際に事業として実現できる計画であるか、市場ニーズはあるのか、事業者の財務状況は問題ないか など)
  • (3)再構築点(事業再構築をする必然性があるのか、いまの事業の強みを活かした事業再構築であるのか など)
  • (4)政策点(地域や日本経済を発展させる事業計画であるか、最先端の技術を使ったグローバルにも勝てる事業計画であるか、など)
  • (5)グリーン成長点(グリーン成長枠の要件を満たすか)

参照URL:事業再構築補助金 第6回公募要領

加点項目は第三回公募まで3つでしたが、第四回公募~第六回公募で4つになり、第六回公募では7つあります。

※加点項目は事業再構築補助金の公募要領P.3840に記載されています。

次に、7つの加点項目をご紹介します。

加点項目 対象となる補助枠(第6回公募)
(1)大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点 全ての補助枠(通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠)
(2)最低賃金枠申請事業者に対する加点 最低賃金枠
(3) 経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点 全ての補助枠(通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠)
(4) パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点 大規模賃金引上枠、グリーン成長枠
(5) 事業再生を行う者に対する加点 全ての補助枠(通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠)
(6) 特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点 全ての補助枠(通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠)
(7) サプライチェーン加点 全ての補助枠(通常枠、大規模賃金引上枠、グリーン成長枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠)

では、加点項目について1点ずつ解説します。

加点項目1:コロナ禍での売上減少30%以上

1つ目のポイントは、「① 2021 年 10 月以降のいずれかの月の売上高が対 2020 年又は 2019 年同月比で 30%以上減少していること」が基準です。売上高ではなく、付加価値額を用いることも可能です。

付加価値額を使って加点を申請する際は、2021 10 月以降のいずれかの月の付加価値額が、2020 年または 2019 年同月比で 45%以上減少していることが必要で、売上高よりも高い割合が求められます。

なお、第六回公募から創設された「グリーン成長枠」の場合、他の補助枠では必須の「売上減少要件」が設定されていませんが、売上減少の加点項目を証明する書類を提出すれば、加点対象となります(20224月に事業再構築補助金の事務局に電話で確認)。

一つ目の加点については比較的ハードルが低く、対象となる事業者も多いものと思われます。

加点項目2:最低賃金枠申請事業者に対する加点

2番目の加点項目は、最低賃金枠に応募する事業者が対象となる加点です。

第六回公募の事業再構築補助金では通常枠やグリーン成長枠など全5つの補助枠がありますが、中でも「最低賃金枠」に応募する事業者は加点が与えられます。この加点では、最低賃金枠の要件を満たし、申請するだけで加点対象となります。

加点項目3:経済産業省が行うEBPMの取組に対する協力

EBPMとは、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング」の略で、日本語に訳すと「証拠に基づく政策立案」という意味です。

政策をその場限りのエピソードで立案するのではなく、合理的根拠(エビデンス)に基づく政策を立案するという考え方で、近年、日本政府はこの考えを重視しています。内閣府の公式ホームページでも取り組みが紹介されています。

参照:内閣府におけるEBPMへの取組|内閣府

加点項目4:パートナーシップ構築宣言の加点

4つ目の加点項目は、大規模賃金引上枠またはグリーン成長枠に応募する事業者が「パートナーシップ構築宣言」を行った際に、加点として申請できます。

パートナーシップ構築宣言とは、大企業と中小企業が連携することで、より効率よく国内全体の経済を活性化させる意図で、中小企業庁により企画されています。

要は、暴力団や下請け企業と発注企業による癒着など、日本経済を活性化するための悪しき慣習を減少させ、よりよい好循環をつくるための試みです。

加点項目5:事業再生を行う事業者に対する加点

「事業再生」とは、20224月に経済産業省が発足した「中小企業活性化協議会」を通じ、中小企業者が借金を減らし、収益をあげる骨太体質へと生まれ変わるための一連の活動です。

中小企業活性化協議会から既に支援を受けている、または独立行政法人中小企業基盤整備機構などが策定した再生計画にもとづき事業を行う事業者は、事業再構築補助金での審査で加点となります。

(加点対象となる再生計画の例)

  1. 中小企業活性化協議会が策定を支援した再生計画
  2.  独立行政法人中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画
  3.  産業復興相談センターが策定を支援した再生計画
  4.  株式会社整理回収機構が策定を支援した再生計画
  5.  「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画

参照:事業再構築補助金 公募要領  第6回|事業再構築補助金事務局

加点項目6:特定事業者で、中小企業者でない者に対する加点

特定の事業者で、中小企業者(資本金:5千万円~3億円以下、従業員数:50300人以下)にあてはまらない企業、つまり「従業員数が300500人以下」であり、「資本金10億円以下」であれば加点対象となります。

業種

常勤従業員数

製造業、建設業、運輸業

500 人

卸売業

400 人

サービス業又は小売業

(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

300 人

その他の業種(上記以外)

500 人

また、要件を満たす「組合」も、特例として事業再構築補助金の第六回公募から申請できます。

具体的には、以下の組合です。

  • 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
  • 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
  • 内航海運組合、内航海運組合連合会
  • 技術研究組合

参照:事業再構築補助金 公募要領 第6回|事業再構築補助金事務局

事業再構築補助金の特徴として、コロナ禍で売上を落とした小規模事業者向けの事業立て直し資金としての側面もありますが、第六回公募からは組合特例やグリーン成長枠が追加されるなど、大企業等の大きな組織向けの施策も充実しています。

加点項目7:サプライチェーン加点

「サプライチェーン」とは、ある商品・製品を開発し、原材料を調達し、生産して消費者に届けるまでの一連の流れのことです。

サプライチェーン加点とは、異なるサプライチェーンをもつ事業者が連携し、1年以上の取引関係を経て連携して申請する場合に、加点となる仕組みです。

例えば、AとBと異なる事業の事業者同士が取引関係をもち、例えばアパレルとシューズのように、双方のサプライチェーンを利用できるようにすれば、加点対象となります。

事業再構築補助金で加点を得るための具体的な方法

事業再構築補助金で加点を得るには、申請時に必要項目にチェックを入れる、または申請時に書類を添付で送信する、という2つの方法に分かれています。

例えば、EBPMとパートナーシップ構築宣言の加点では添付書類は必要なく、電子申請時にレ点を入れるだけです。

その他の加点では、すべて加点のための別書類の添付が必要です。

事業再構築補助金の申請方法は、電子申請のみです。具体的な申請方法は、以下の関連記事をご参照ください。

電子申請の「A.応募申請者のプロフィール」で加点にチェックをいれる

加点に申請したい事業者は、事業再構築補助金の電子申請をする際に表示される、「A.応募申請者のプロフィール」部分で、該当の加点項目にチェックを入れます。

最低賃金枠のように、対象の補助枠に応募していない場合は、表示されない加点項目もあります。

大きく売上を落としていることを証明する書類を添付する

1つ目の加点項目である、大きく売上を落としていている点を満たすためには、以下に該当する書類を電子申請で添付します。

202110月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以 36 上減少していること(又は、202110月以降のいずれかの月の付加価値額が、対 2020年又は2019年同月比で45%以上減少していること)を示す書類

最低賃金枠に応募するなら、独自の要件を満たす

最低賃金枠に応募する事業者は、加点が与えられます。最低賃金枠の要件は、以下の要件です。

①「2020 年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年又は前々年同月比で 30%以上減少してい ること(又は、2020 年4月以降のいずれかの月の付加価値額が、対前年又は前々年同月比で 45%以上減少していること)を示す書類」を提出する【最低賃金枠の追加提出書類】

②以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【最賃売上高等減要件】 (ア)2020 4 月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比 で 30%以上減少していること

(イ)(ア)を満たさない場合には、2020 4 月以降のいずれかの月の付加 価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること

2020 10 月から 2021 6 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以 内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】

参照:事業再構築補助金 公募要領 第6回|事業再構築補助金事務局

EBPMへの協力の場合

加点項目のひとつ「EBPMへの協力」ですが、具体的にわたしたち事業者が何をすればいいのか言うと、事業再構築補助金の電子申請をする際に、加点項目のリストで「EBPMの取組に対する協力する」という欄にチェックマークを入れればいいのです。特に何か、別の書式を提出する必要はありません。

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ただし、EBPMへの協力にチェックマークを入れると、以下の2点に同意することになります。

  • ①補助金に採択されなくても数年間にわたりミラサポplusにログインして財務情報を入力する
  • ②そのデータを経済産業省が閲覧することに了承する

パートナーシップ構築宣言の加点追加方法

https://www.biz-partnership.jp/

パートナーシップ構築宣言は、上記のサイト上で登録を希望する企業がオンラインで登録できます。企業が登録することで加点対象となります。登録する企業は要件を満たす必要があり、サイト内の概要でご確認いただけます。

サプライチェーン加点に応募するなら、決算書や売上台帳を追加で添付する

サプライチェーン加点に応募する事業者は、電子申請時の加点で「サプライチェーン」にチェックを入れます。そして、以下の内容がわかる決算書や売上台帳を添付します。

  • 直近 1 年間の、該当の事業者の連携体間の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類

なお、サプライチェーンとして連携していると申請するすべての事業者は、実際に取引関係がある必要があります。

加点に申請する際に気を付けたい3つの注意点

事業再構築補助金で加点項目を申請するときに気をつけたい点は3つあります。

注意点1:売上減少ではなく付加価値額減少で申請するなら45%減となる

事業再構築補助金では1つめの加点項目として、大きく売上を落とした加点で30%という数値を示しています。これは売上ではなく付加価値額(=営業利益 + 人件費 + 減価償却費)を代わりにすることもできますが、その場合、加点の要件となる%は30%でなく、45%になります。

注意点2:加点の逆:グリーン成長枠では減点項目がある

グリーン成長枠は第六回公募から始まった新しい補助枠で、他の補助枠とは要件や仕組みが異なります。

グリーン成長枠は、一度採択された事業者でも、要件を満たすと2度目の申請が可能です。

しかし、2度目の申請の場合は他の応募者よりも「減点」対象となり、減点項目が追加されてしまいます。

注意点3:EBPMに協力すると、数年にわたる財務情報の協力が必要

事業再構築補助金の申請時に「EBPMに協力する」にチェックを入れると、補助金に不採択となった場合でも、数年にわたりミラサポPLUSで継続的に財務情報を入力しなければいけません。そのため、財務情報の入力が面倒だと思う事業者は、加点に申請するかをよく検討しましょう。

<事業再構築補助金の電子申請時の加点入力欄>

電子申請 加点 入力欄
引用:事業再構築補助金の電子申請時の加点入力欄

※引用:事業再構築補助金 電子申請システム 操作マニュアル

この記事のまとめ

・事業再構築補助金の加点項目は①売上減少30%以上②固定費が協力金を上回る③経済産業省のEBPMに協力する、の3点です。

・いずれもハードル自体は高くありませんが、特に3点目は不採択時でも事業者の負担が増えることになるので、加点に申請するかはよく検討すべきです。

・そもそも事業再構築補助金の事業計画書が要件を満たさない場合は、加点を追加しても不採択となります。加点項目も重要ですが、そもそもの審査項目を意識した事業計画の作成が必要です。

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