補助金ガイド

事業再構築補助金の事業計画書の書き方と記入例を解説

2024/05/01

2022/6/25

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金の申請準備をしている人の中には、事業計画書を用意している人もいますよね。その際、事業再構築補助金の事業計画書のフォーマットがなくて困っている人もいるでしょう。

当記事では、記入例のサンプルとともに、事業再構築補助金の事業計画書の書き方を解説します。申請する枠や事業再構築の類型ごとに記載する内容もあるため、事業再構築補助金の事業計画書を準備する人は参考にしてみてください。

なお、2024年4月23日に第12回公募要領が公開されました。公募要領の改訂にともない記載内容の一部が変更となっている可能性があるため、最新の公募内容やスケジュールは事業再構築補助金の公式サイトから確認してください。

事業計画書の作成に必要な準備を事前に確認する

事業再構築補助金の申請する際は、事業計画書の作成前に申請の準備にともなう確認が必要です。なぜなら、事業再構築補助金では、申請時に規定を守らないと不採択になる可能性があるためです。

【申請前に事業者が準備すること】
申請に必要な準備 事前に確認しておく内容
事業計画書の作成 ・記載内容やファイル形式、ページ数などの確認をする
・事業計画書は事業者自身で作成する
認定支援機関の選定 ・認定支援機関の比較や選ぶ基準を決める
・認定支援機関には事業計画を立てる際に相談や確認をしてもらう
必要書類の準備 ・申請枠に応じて異なる必要書類を確認する

参考:第12回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」|事業再構築補助金

たとえば、事業計画書の作成では、事業計画書に必ず記載する内容やファイル形式などが定められています。記載内容であれば、審査で確認される要件や類型を満たしていることの記述が必要です。ファイル形式であれば、提出時にPDF形式にする必要があります。

事業計画書には、記載内容やファイル形式など細かい規定があります。事業再構築補助金では、事業計画書の作成前に申請において守る必要のある規定を確認しておきましょう。

なお、事業計画書は事業再構築補助金の審査で使われます。事業者は「事業や市場の現状」「補助事業で取組む内容」「収益計画」など、第3者が分かるように細かく記載する必要があるため、申請締切の1か月以上前などスケジュールに余裕をもって作成を始めましょう。

認定支援機関から支援を受けて事業者は事業計画書を作成する

事業再構築補助金の事業計画書は、認定支援機関の支援を受け事業者が作成します。事業再構築補助金では、申請要件の一つに認定支援機関要件があるため、事業計画は認定支援機関に相談および確認を受けることが求められます。

認定支援機関は、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験を国に認められた機関です。事業再構築補助金においては、事業者からの依頼を受け、事業再構築補助金の相談や確認の申請サポートを行ってくれます。

第10回事業再構築補助金の公募要領には、事業計画書の作成は「事業者自身で作成する」旨の記載が明記されました。事業計画書を作成する際は、認定支援機関にすべて任せず事業者自身で作成しましょう。

なお、当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)も認定支援機関であり、事業計画書の作成サポートも行っています。事業再構築補助金に採択される可能性があるか知りたい人は、無料診断からお問い合わせください。

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事業計画書は内容の書き方やページの枚数が決まっている

事業計画書は内容の書き方やページの枚数が決まっています。そのため、事業計画書を作成する際は、記載する内容やファイル形式などの細かい規定の確認が必要です。

事業再構築補助金の事業計画書は、1ページ目に記載する内容が定められています。2ページ目以降の書き方は公募要領に明記されていないため、1ページ目のみ事業計画書の参考様式をもとにした作成が求められます。

【事業計画書の様式】
様式 詳細
記載事項 ・事業計画書の1ページ目に必ず記載する項目
→ 事業者名、事業計画名、申請枠、事業再構築の類型
→ 既存製品と新製品、既存市場(顧客)と新市場(顧客)、既存事業と新事業など、今までのものとこれからのものが、それぞれ具体的に何が異なるかの記述

・2ページ目以降に記載する内容
→ 現在の事業の状況、強み・弱み、機会、脅威
→ 事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(既存事業との違い(特に顧客の違い)提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
※全て具体的に記述する
ページ数 ・原則15ページ以内
(補助金額1,500万円以下の場合は10ページ以内、複数の事業者が連携して事業に取組む場合は20ページ以内)
※各ページにページ数を記載する
サイズ ・A4サイズ
ファイル形式 ・PDF形式(電子申請システムに PDF形式のファイルを添付して申請する)
ファイル名 ・「事業計画書(事業者名)」

参考:第12回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」|事業再構築補助金

たとえば、事業計画書の1ページ目には「製品・サービスに事業者にとっての新規性があること」や「既存市場と新市場がどのように異なるか」などを記載します。製品や市場の新規性を記載することで、事業再構築の定義に沿っていることを示せるためです。

また、事業計画書は、ファイル形式やファイルの命名形式は細かく決まっており、ファイル名が「事業再構築補助金 事業計画書」となっている場合は書類不備となります。ファイル形式がWordになっていたり、用紙サイズがB5だったりしても同様に書類不備に当たります。

事業計画書は、審査の際に1ページ目で「事業再構築の定義に合致するか」「前提要件を満たすか」を判断されます。定義に沿わないもしくは要件を満たさない場合は1ページ目の内容で不採択になる可能性があるため、事業計画書を作成する際は参考様式を確認しましょう。

事業再構築補助金で申請する枠を決める

事業再構築補助金に申請する人は、事業計画書の作成前に申請枠を決めておくことになります。なぜなら、事業再構築補助金では、事業者が申請枠の要件を満たしていることを事業計画書で示す必要があるからです。

【申請枠ごとの要件】
申請枠(事業類型) 共通の要件 申請枠ごとの要件
(A)
成長分野進出枠
(通常類型)
①事業再構築要件
②金融機関要件
③付加価値額要件

④給与総額増加要件および市場拡大要件

⑤市場縮小要件

⑥補助率等引上要(補助率引上げを受ける場合)

(B)
成長分野進出枠
(GX 進出類型)

④給与総額増加要件

⑤GX 進出要件

⑥補助率等引上要(補助率引上げを受ける場合)

⑦別事業要件(過去公募回で採択または交付決定を受けている場合)

⑧能力評価要件(過去公募回で採択または交付決定を受けている場合)

(C)
コロナ回復
加速化枠
(通常類型)

④コロナ借換要件または再生要件

(D)
コロナ回復
加速化枠
(最低賃金類型)

④コロナ借換要件(任意)※

⑤最低賃金要件

※満たさない場合は補助率引き下げ

(E)
サプライ
チェーン
強靱化枠

④国内増産要請要件

⑤市場拡大要件

⑥デジタル要件

⑦事業場内最低賃金要件

⑧給与総額増加要件

⑨パートナーシップ構築宣言要件

⑩別事業要件(過去公募回で採択または交付決定を受けている場合)

⑧能力評価要件(過去公募回で採択または交付決定を受けている場合)

(F)
卒業促進
上乗せ措置
①事業類型(A)~(D)のいずれかに申請する事業者であること

 

②卒業要件

(G)
中長期大規模
賃金引上促進
上乗せ措置

②賃金引上要件

③従業員増員要件

参考:第12回事業再構築補助金「公募要領(サプライチェーン強靭化枠は別「公募要領」)」|事業再構築補助金

申請枠ごとの要件には、全ての申請枠で共通する要件と、各申請枠に異なる要件があります。全ての申請枠で共通する要件は「事業再構築要件」「金融機関要件」「付加価値額要件」の3つあり、事業再構築補助金に申請する全員が満たす必要のある要件になります。

申請枠ごとに異なる要件は、申請枠ごとに要件の数や内容が異なります。申請枠の中でもサプライチェーン強靭化枠は要件の数が他の申請枠と比べて多いため、1つ1つの要件の確認に時間がかかる可能性があります。

申請枠を選ぶ際は、各申請枠の要件で満たさなければならない基準があるため、事業計画書を作成する人は、まず申請する枠の要件を確認しましょう。

事業再構築の類型ごとに必要な要件がある

事業再構築補助金では、事業再構築要件の中で事業再構築の類型が、要件とともに定められています。そのため、事業計画書を作成する人は、申請する事業再構築の類型を決めて、事業再構築要件を満たしていることを事業計画書で示す必要があります。

【事業再構築の類型】
事業再構築の類型  要件
新市場進出
(新分野展開、業態転換)
  • 新たな製品・商品・サービスを提供すること、又は提供方法を相当程度変更すること
  • 新たな市場に進出すること
  • 新規事業の売上高が総売上高の10%以上になること(付加価値額の場合は15%以上)
事業転換
  • 新たな製品・商品・サービスを提供すること
  • 新たな市場に進出すること
  • 主要な業種が細から中分類レベルで変わること
業種転換
  • 新たな製品・商品・サービスを提供すること
  • 新たな市場に進出すること
  • 主要な業種が細から大分類レベルで変わること
事業再編 合併や事業譲渡等の組織再編行為を補助事業開始後に行い、新たな事業形態のもとに新市場進出、事業転換、業種転換のいずれかを行う
国内回帰 海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する
地域サプライ
チェーン維持・
強靱化
地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠かつ供給に不足が生じ得る製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備すること

参考:「第12回公募要領」|事業再構築補助金

事業再構築の類型によって、満たす必要のある要件の内容が異なります。事業再構築の類型ごとの要件について詳しく知りたい場合は「事業再構築補助金の事業再構築要件とは?類型ごとの要件も解説」から確認できます。

事業再構築補助金の事業計画書に盛り込む項目は大きく4つある

事業再構築補助金の事業計画書に盛り込む項目は、大きく4つあります。4つの項目を通して、事業計画書を作成する人は、申請に必要な要件を満たすことを示すために必要な情報や審査項目に沿っていると示すための情報を記載していきます。

【事業計画書の主な項目】
①補助事業の具体的取組内容
②将来の展望
③本事業で取得する主な資産
④収益計画

参考:第12回「公募要領」|事業再構築補助金

事業計画書の作成の前に、事業計画の立て方が分からない場合は、まず「自社の目標やありたい姿」と「現状」とのギャップを言語化し、どのような再構築が必要かを書き出します。そして、市場や競合などの環境や自社の分析を行い、事業計画を具体化します。

事業計画書を作成する際、補助事業の具体的取組内容を記載する場合は、具体的な事業概要や事業再構築の必要性などを伝えます。事業計画書を作る時は、それぞれの項目で事業再構築の類型や申請する枠の要件を満たしていることを確認しながら作成することになります。

なお、事業計画書の作成の際に図表や写真などを使う場合は、図表や写真がA4サイズで視認できる画質や大きさである必要があります。事業計画書を作成する際は、第3者が記載内容を見やすいかどうかを確認しましょう。

補助事業の具体的取組内容には事業再構築の必要性や詳細を示す

事業計画書の「補助事業の具体的取組内容」では、事業再構築補助金の要件に該当していることを示すための情報を具体的に記載します。現在の事業状況だけでなく今後の計画内容にも要件が関連するため、事業計画書を作成する人は漏らさず記載する必要があります。

【補助事業の具体的取組内容に記載する内容の例】

ページ数 記載内容 備考
1ページ目 ・事業者名
・事業計画名
・申請枠
・事業再構築の類型
・既存製品と新製品、既存市場(顧客)と新市場(顧客)、既存事業と新事業など、今までのものとこれからのものが、それぞれ具体的に何が異なるかの記述
・「事業再構築」の定義に合致するかを審査で確認される
2ページ目以降 ・現在の事業の状況
・自社の強みや弱み、機会、脅威、事業環境
・事業再構築の必要性
・事業再構築の具体的内容(既存事業との違い(特に顧客の違い)提供する製品やサービス、導入する設備、工事等)
・補助事業の計画内容や必要性を具体的に記述する

参考:第12回「公募要領」|事業再構築補助金

事業再構築の必要性を示す情報を記載する場合は、過去の売上高や来客数などの情報を記載します。事業再構築の具体的な計画内容を記載する場合は、事業再構築の具体的な計画を通して事業終了後に付加価値額が増加することも記載します。

事業計画書の「補助事業の具体的取組内容」では、1ページ目で事業再構築の定義に合致しているかを示し、2ページ目以降で現状や補助事業の取組内容を記載します。必要に応じて図表や写真等を用いて、取り組み内容が伝わるよう具体的に記載するよう心がけましょう。

事業再構築の類型と申請する枠の要件を満たしていることを記載する

補助事業の具体的取組内容には、事業計画書の1ページ目に「補助事業の概要」、2ページ目以降に「取組内容の詳細」を記載して、事業再構築要件を満たしていることを示します。事業計画書を作成する人は、要件に当てはまることを示す分かりやすい記載が必要です。

【1ページ目の事業計画書の例】

たとえば、事業計画書の1ページ目には「図や表を用いて既存の事業から新しくどのような事業をするのか」「業種の種別」「要件を満たしているか」などを端的に伝えます。その際、1ページ目の記載内容は決まっているため、記載内容に漏れがないか確認が必要です。

2ページ目以降には、より具体的な「現在の事業状況」「自社の強みや弱み」「事業再構築の必要性」などを記載します。1ページ目で記載した既存事業と新事業の製品やサービスの違いを、事業再構築が必要な理由とあわせて伝える必要があります。

なお、サプライチェーン強靭化枠のみ、事業計画書の参考様式が異なります。サプライチェーン強靭化枠に申請する際は、事業再構築補助金の公式サイトにある公募要領や参考様式等を確認しましょう。

事業概要をもとに事業再構築の必要性を伝える

補助事業の具体的取組内容では、事業概要をもとに事業再構築の必要性を伝えます。事業再構築の必要性を伝えるために、事業計画書を作成する人は、もともと運営していた事業がどのような事業で、どのような事業再構築が必要であるかを記載します。

【第二回公募で採択された当社SoLabo(ソラボ)の事業概要】

事業計画書記入例(1)

事業概要を記載する場合は、事業内容だけでなく事業の強みや弱み、外部環境における機会や脅威について整理して記載することでより客観的な内容になります。

事業再構築の必要性を記載する場合は、コロナによる事業への影響や再構築の内容を書く時は、売上高や来客数などの数字を用いると具体的に示せます。現状の分析をする際は、SWOT分析を利用することが望ましいです。

補助事業の具体的取組内容では、自社の分析や現状を第3者に分かるように明記する必要があります。補助事業の具体的取組内容を記載する際は、なぜ再構築が必要であるかの根拠を示すため、SWOT分析や事業の売上に関連する数値を書き出しておきましょう。

事業再構築の具体的な計画を伝える

補助事業の具体的取組内容では、提供する製品やサービスのビジネスモデルなどの事業再構築後の事業内容と、スケジュールや実施体制などの事業再構築の計画を伝えます。また、導入する設備や実施場所などの詳細を記載するとことで計画の具体性が増します。

【第二回公募で採択された当社SoLabo(ソラボ)の事業再構築の計画】

事業計画書記入例(2) 事業計画書記入例(3)

たとえば、事業の競争力をアピールしたい場合は、事業再構築後の事業内容で競合との差別化ポイントを明らかにすると、事業の競争力を示せます。また、組織図や部署内の人数などの情報があると、読み手は実施体制を具体的にイメージすることができます。

補助事業の具体的取組内容では、再構築の計画の詳細を記載する必要があります。補助事業後の内容や計画内容を伝える場合は、表や図を用いてどのような事業内容か、いつまでに何を実施するかが第3者に分かりやすいように示しましょう。

なお「複数の事業者が連携して遂行する事業を申請する場合」は、各事業者の取組内容や役割を記載します。また「事業の縮小により従業員の解雇を行う場合」は、再就職支援の計画を記載します。事業計画書を作成する人は、申請時の状況や計画にあわせて追記しましょう

将来の展望には補助事業の市場での優位性や収益性を示す

参考:事業再構築補助金公式サイト「補助金交付候補者の採択事例」より一部抜粋事業計画書の「将来の展望」では、想定している具体的な顧客や市場規模、市場環境における事業の優位性について記載します。また「将来の展望」において、事業者は事業の目標を達成する時期や計画の遂行時に想定される課題、その解決策などを示します。

【統計データを活用している例】
事業者名  類型  業種
株式会社M&Aナビ 業種転換  学術研究、専門・技術サービス業
株式会社八芳園 業態転換  その他生活関連サービス業
十勝シティデザイン株式会社 新分野展開  宿泊業

参考:「補助金交付候補者の採択事例」|事業再構築補助金公式サイト

たとえば、市場環境を示す時は、統計データを用いるとより客観的な内容になります。実際に、公募要領では経済産業省が公開している「グラレスタ」という統計分析ツールがあり、事業再構築補助金に採択されている事業計画書でも統計データが散見されます。

事業計画書を作成する際は、客観的な市場環境の記載とともに想定する市場環境で自身の事業が勝ち残る要因を、性能や価格の優位性をもとに伝えます。また、事業計画は環境や市場の状況変化に対応できるように、起こりうる課題を複数検討して解決策を考えましょう。

本事業で取得する主な資産には補助事業で購入する資産の金額や名称を記載する

事業計画書の「本事業で取得する主な資産」では、事業再構築で必要な資産の一覧を記載します。資産の一覧には、単価50万円以上の建物や機械装置・システムなどの資産ごとに、「名称」「分類」「取得予定価格」などの必要な情報を記載します。

【本事業で取得する主な資産の記載例】

名称

分類

取得予定価格

建設又は設置などを行う事業実施場所

配膳ロボット

機械装置

4,000万円

本社

電気配線工事

建物費

100万円

本社

外販マーケティングシステム

広告宣伝費

300万円

たとえば、表にある「分類」を記載する時は、公募要領にある経費区分や総務省の日本標準商品分類などを利用します。公募要領で分類方法の指定はされていないため「本事業で取得する主な資産」を記載する人は、作成している事業計画書に合う分類で記載が必要です。

「本事業で取得する主な資産」は、補助事業で購入する資産の金額や名称を記載します。どの備品やシステムがどこに設置され、いくらかかったのかが第3者に分かるよう明記しましょう。

収益計画には補助事業の実施スケジュールや想定の収益金額を記載する

事業計画書の「収益計画」では、想定している「収益計画」と「スケジュール」を記載します。特に、収益計画では、事業再構築をしたことで事業が好転し「売上高」「利益」「付加価値額」などが上る見込みであることを表で伝えます。

【収益計画の記載例】

 

直近
(実績)

補助事業
年度

1年後

2年後

3年後

①売上高
②営業利益
③経常利益
④人件費
⑤減価償却費
付加価値額(②+④+⑤)
伸び率(%)
従業員数
従業員一人あたりの
付加価値額

 

 

 

 

 

(計算方法)
・付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
・伸び率 (%)=(伸び率を確認したい年度の経常利益 ― 直近期末の経常利益額 )÷ 直近期末の経常利益額
・従業員一人あたりの付加価値額 = 従業員一人当たりの売上高(売上高÷従業員数)× 付加価値率(付加価値額 ÷ 売上高)

たとえば、付加価値額要件は、事業再構築補助金の全ての枠で共通の要件です。そのため、事業計画書では補助事業終了後3~5年で「付加価値額の年率平均」または「従業員一人あたりの付加価値額」を基準値以上増加する計画であることを伝えなければなりません。

また、付加価値額要件の根拠を示すには、付加価値額を構成する「営業利益」「人件費」「減価償却費」を収益計画に記載する必要があります。その際、申請する要件に合わせて「付加価値額」または「従業員一人あたりの付加価値額」の伸び率の記載も必要です。

事業計画書の「収益計画」では「付加価値額要件を満たす根拠」を数値で表すことが求められます。「収益計画」を作成する際は、1年後や3年後に再構築する事業がどの程度の収益を上げているかを明記しましょう。

なお、収益計画で示された数値は、補助事業終了後も毎年度の事業化状況等報告で確認されるため、根拠のある数字を記載する必要があります。事業者は認定支援機関と相談して、実現可能性のある3~5年の収益計画を記入しましょう。

事業計画書は提出する前に審査項目を満たす内容になっているか確認する

事業計画書を作成した人は、提出する前に審査項目を満たす内容になっているか確認する必要があります。事業再構築補助金の共通する審査項目は5つあり、事業計画書を提出前に確認する際は、全ての審査項目に対応していることを一つ一つ確かめていきます。

審査項目 概要
①補助対象事業としての適格性 事業再構築補助金の趣旨に合った取り組みであるか
②新規事業の有望度 補助事業として取り組む新規事業に成長性や差別化が見込まれるか
③事業の実現可能性 事業化に向けたスケジュールや資金調達の計画が適切か
④公的補助の必要性 地域社会の課題解決やイノベーションにつながるか
⑤政策点 事業再構築をすることによって今後の日本経済の成長や構造転換につながるか

参考:第12回「公募要領」|事業再構築補助金

事業再構築補助金では、事業計画書をはじめとする提出書類をもとに審査が行われます。そのため、審査項目に沿った事業計画書を作成することは採択の可能性を高めることにつながります。

また、共通の審査項目に加えて特定の申請枠や事業内容の場合に追加で確認される審査項目があります。事業再構築補助金に申請する人は、全ての申請枠に共通する5つの審査項目だけでなく、特定の枠に関連する審査項目も確認しましょう。

なお、審査項目には必ず満たすべき項目以外に、任意で取得できる加点項目も存在します。加点を取得することにより審査で有利になる可能性があるため、加点項目について詳しく知りたい人は「事業再構築補助金における加点項目を解説」を参考にしてみてください。

この記事のまとめ

事業再構築補助金の事業計画書には、1ページ目に記載する項目やサイズおよびファイル形式など、守らなければならない様式はありますが、基本的に規定のフォーマットがありません。そのため、申請する枠や申請者の状況に合わせて事業計画書を作成する必要があります。

事業計画書を作成する人は「補助事業の具体的取組内容」「将来の展望」「本事業で取得する主な資産」「収益計画」の4項目で、事業再構築や枠などの要件を満たしていることや、審査項目に沿っていることを伝えます。

「補助事業の具体的取組内容」「将来の展望」「本事業で取得する主な資産」「収益計画」のの記入例を知りたい時は、事業再構築補助金の公式サイトの採択事例紹介にある事業計画書を参考にしてみましょう。

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