補助金ガイド

事業再構築補助金の実績報告とは?申請方法も解説

2024/05/07

2023/3/15

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金で採択された人の中には、実績報告について気になっている人もいますよね。また、実績報告の申請方法について知りたい人もいるでしょう。

当記事では、事業再構築補助金の実績報告について解説します。差し戻しの再申請についても解説していますので、実績報告について知りたい人は参考にしてみてください。

なお、2024年4月23日に第12回公募要領が公開されました。公募要領の改訂にともない記載内容の一部が変更となっている可能性があるため、最新の公募内容やスケジュールは事業再構築補助金の公式サイトから確認してください。

実績報告とは補助事業の実施結果を事務局に報告する手続きのこと

実績報告とは、補助事業の実施結果を事業者が事務局に報告する手続きのことです。実績報告では、補助事業実績報告書の入力および決められた様式の書類の添付、補助事業で購入した写真や証拠書類の添付などが必要です。

たとえば、建物費の場合、見積依頼書や請求書などの書類だけでなく、完了後のPDF化した写真や図面が必要です。また、申請時は、どの経費に対する証拠書類なのか事務局側が分かるように「実績報告書等作成マニュアル(P10)」を参考に付番しPDF化します。

実績報告では、補助事業実績報告書の入力および決められた様式の「別紙」と経費に関する「証拠書類」を添付する必要があります。事業者によっては添付書類が多いため、採択後に一度実績報告で添付する書類をあらかじめ確認しておきましょう。

実績報告の期限は補助事業完了日から30日後か補助事業完了期限日のどちらか早い方

実績報告の期限は、補助事業完了日から30日後か補助事業完了期限日のどちらか早い方です。実績報告のために、補助事業中に必要な証拠書類をそろえ、実績報告を期限日までに行う必要があります。

たとえば、補助事業完了期限日までに補助事業を完了し、補助事業の完了日が11月29日だった場合、29日を含んで数えた31日目である12月29日が実績報告の期限日です。

また、補助事業完了日から、補助事業完了期限日までの日数が30日もない場合、補助事業完了期限日までの短期間に実績報告を完了する必要があります。

実績報告の期限は、補助事業の完了日によって異なります。採択された人は、補助事業完了日を確認し、実績報告を期限内に行えるよう計画を立てておきましょう。

なお、実績報告が終わり補助金確定通知書を受け取った後は、精算払請求が必要です。精算払請求について詳しく知りたい人は「事業再構築補助金の精算払請求について解説」で解説しています。

実績報告前に実績報告で添付する書類の準備をしておく

実績報告を行う前に、実績報告で必要な添付書類の準備をしましょう。添付書類の中には、すぐに準備できない書類もあるためです。

たとえば、実績報告で添付する書類には、決められた様式の書類と証拠書類が必要です。決められた様式の書類は申請する経費によって異なります。また、証拠書類は経費ごとに書類の多さが異なり、場合によって補助事業期間内でしか準備できない書類があります。

実績報告前に、実績報告で必要な様式や証拠書類を準備しましょう。決められた様式は、電子申請システムにログイン後、ダウンロードできます。また、経費ごとの証拠書類は、事業再構築補助金公式サイトの「実績報告書等作成マニュアル」で確認しましょう。

なお、実績報告で申請する入力内容は「様式第補6 補助事業実績報告書」で確認できます。補助事業実績報告書は事業再構築補助金公式サイトの「採択後の流れ・資料>様式集 第6回公募以降用」からダウンロードしてみてください。

証拠書類は補助事業期間内に準備しておく

実績報告で必要な証拠書類は補助事業期間内に準備しておきましょう。実績報告では電子申請する補助事業実績報告書と添付する証拠書類があり、証拠書類の中には補助事業期間内でなければ揃えられないものがあるためです。

【機械装置・システム構築費と研修費の証拠書類比較】
経費項目 機械装置・システム構築費 研修費
共通の
証拠書類
・出納帳のコピー
(参考様式19を使っても可)
・通帳のコピー
・見積書
・請求書
・代金支払済みを示す証票※1
・領収書
(存在する場合)
・預り金元帳<参考様式19>※2
・源泉所得税の納付書のコピー※2
証拠書類

①見積依頼書
(仕様書)
②相見積書
(1者のみの場合は業者選定理由書)
③契約書
④納品書または引渡書または完了報告書
⑤設置後の写真

①申込書
②契約書
(存在する場合)
③研修終了が確認できる書類
備考 ①相見積書がある場合は、
相見積書の見積依頼書も提出。
③発注書または注文書と、
請書または注文確認書でも代用可。
⑤製造番号の記載があるものは、
製造番号が明示されている部分の写真。
※システム構築の場合は、
システム等のトップ画面のスクリーンショット画像。
(画像データ用台紙<参考様式17>に貼りつけ、
PDF化したもの)
③受講確認書、
終了証、参加証明書等。

※1銀行の振込金受領書または支払証明書等、ネット銀行の場合は代金支払済みを示す取引記録等の画面のコピー

※2個人事業主と取引し源泉徴収を行った場合

たとえば、証拠書類は経費ごとに揃える書類が異なります。機械装置・システム構築費の場合、どの経費でも共通の必要書類である見積書や請求書のほかに、設置後の写真や検収書、システム等のトップ画面のスクリーンショット画像などが必要です。

対して、研修費はどの経費でも共通の必要書類以外に、申込書や研修終了が証明できる書類が必要です。また、契約書があれば契約書も必要です。

証拠書類には、補助事業期間内でしか準備できない書類があります。実績報告が円滑に進められるよう、できるだけ補助事業期間内に経費や購入品ごとの証拠書類を整理しておきましょう。

なお、証拠書類は、どの備品の書類なのかを第3者が見て分かるように附番し、附番した証拠書類ごとにPDFを作成して決められたファイル名を付けます。書類の整理方法の詳細は、事業再構築補助金公式サイトの「実績報告書等作成マニュアル(P15)」で確認できます。

申請時のファイル添付は1項目16MBまで

実績報告の申請時、1項目のファイル添付は16MBまでです。実績報告では、申請の基本情報や補助対象経費の金額などを入力後、提出書類を添付する項目があります。

たとえば、添付資料の欄には様式を添付する項目と、証拠書類を添付する欄に分かれています。証拠書類が添付できる項目は4項目で、それぞれ16MBまでが上限です。フォルダ内のファイルをすべて選択し、マウスを右クリックすることでZipファイルに圧縮できます。

ただし、証拠書類が多い人は圧縮後でも1項目16MBを超えてしまい、すべての証拠書類を添付できない場合があります。その際は、ファイル一つ一つを圧縮する必要があります。

実績報告で添付できるファイルは1項目16MBの Zipファイル1つです。ファイルの形式は定められていませんが、容量が上限を超えてしまうと申請エラーになる可能性があります。証拠書類が多い人は、事前に証拠書類の準備段階で圧縮作業まで行っておきましょう。

なお、圧縮方法は明確に定められていません。通常の方法でZipファイルにしてもファイルの容量が合計64MB以上になる人は、事務局へ問い合わせましょう。

実績報告で添付する様式は経費によって異なる

実績報告で添付する様式は経費によって異なります。事業再構築補助金の実績報告で用意されている様式は「様式第6の別紙1~4」「様式第7」があります。

たとえば「様式第6の別紙1」と「様式第6の別紙4」は、補助事業実績報告書やクラウドサービス利用費を計上したときに使用する様式です。「様式第6の別紙2」「様式第6の別紙3」は、経費明細表および費目別明細書の報告で使います。

また「様式第7」は、取得財産等管理台帳です。補助事業で取得したか効用が増加した税抜きの単価50万円以上の財産について入力します。取得財産等管理台帳の報告が必要な経費は「建物費」「機械装置・システム構築費」「外注費」「広告宣伝・販売促進費」です。

実績報告では、経費によって添付する様式が異なります。各様式の具体的な記入例は、事業再構築補助金公式サイトにある「実績報告書等作成マニュアル(P10)」を見てみてください。

なお「様式第6の別紙1~4」および「様式第7」は交付決定後電子申請システムにログイン後ダウンロードできます。また「様式第6補助事業実績報告書」は事業再構築補助金公式サイトの「採択後の流れ・資料>様式集第6回公募以降用」からダウンロードできます。

電子申請の入力手順を確認しておく

実績報告の申請時は、電子申請システムにログイン後、jGrantsのマイページで申請したい補助金を探し、該当の補助金から申請を行います。

【電子申請の入力手順】
手順 詳細
①電子申請システムに
ログイン
・「電子申請システムにアクセスし、
「GビズIDでログインする方はこちら」から
GビズIDプライムアカウントでログインする。
②様式のテンプレートを
ダウンロード
・申請状況から、
必要な様式のテンプレートを「ダウンロード」する。
・「様式第6補助事業実績報告書」は、事業再構築補助金公式サイトの
採択後の流れ・資料」>様式集 第6回公募以降用より確認する。
③添付する書類を
すべて準備する
・ダウンロードしたテンプレートの入力と、
証拠書類をすべて決められた附番、PDF化した状態でそろえる。
④マイページの申請履歴から
申請する事業を選択
・マイページをクリックし、
申請履歴から該当する事業を選択して詳細画面を開く。
⑤「提出可能な申請」一覧から
「実績報告」を申請
・「事業の詳細」画面を下方にスクロールし
「提出可能な申請」一覧から「実績報告」をクリックする。
⑥基本情報を確認し、
受付番号と枝番を入力
・申請画面が表示される。
・基本情報の修正が必要な場合は、
事前にGビズIDのウェブサイトにアクセスして修正する。
・受付番号(11桁)と枝番を入力する。
※枝番=メールでの交付決定案内時に、
受付番号に続いて表示されている3桁の数字。
⑦補助事業実施期間を入力
(補助事業実績報告書)
・事業計画の変更日欄は、
事業計画の変更があった場合に直近の計画変更承認日を書く。
・事業終了日(実績)は、実績報告提出期限内であるか確認する。
⑧概算払情報を入力
(補助事業実績報告書)
・概算払請求の承認を受けた場合は、
概算払受領年月日と概算払受領済額をそれぞれの項目に入力する。
⑨補助事業に要した経費を入力
(補助事業実績報告書)
・補助事業で実際にかかった経費の全額(実績)を入力する。
⑩補助対象経費を入力
(補助事業実績報告書)
・補助対象経費(実績)を入力する。
⑪補助金交付申請額を入力
(補助事業実績報告書)
・補助金の確定額を入力する。
⑫提出資料を添付 ・それぞれの項目に
「様式第6の別紙1及び別紙4.xlsx 」
「様式第6の別紙2及び別紙3.xlsx」を添付する。
・該当する場合は「様式第7 取得財産等管理台帳.xlsx」を添付する。
⑬備考・その他に
証拠書類を添付
・備考は補足事項がある場合に入力する。
・⑪以外の添付書類をその他添付資料に添付する。
⑭申請 ・申請内容に間違いがなければ申請ボタンを押す。
・ポップアップ画面に出てくる「申請する」を押すと修正不可能。
⑮申請状況を確認 ・申請後OKを押し、マイページに戻った後、
「作成済みの申請」の申請状況が
「申請済み」になっていることを確認する。

具体的には、電子申請システムにログイン後、添付する様式のテンプレートをダウンロードし、提出する様式と証拠書類の準備を行います。書類の準備が完了後、申請画面に進み実績報告を行います。

また、申請画面の最後で「一時保存」も可能です。一度申請ボタンを押すと修正不可能なため、申請前に必ず申請内容の確認を行いましょう。

実績報告を行う前に、事前に電子申請システムにログインし、各様式のテンプレートのダウンロードが必要です。実績報告の手順の詳細は、事業再構築補助金公式サイトの「採択後の流れ・資料」>Jグランツ入力ガイドから実績報告の操作マニュアルを確認しましょう。

なお、申請後は「事業の詳細」の「作成済みの申請」に表示されている申請項目の「申請番号」は、差戻しの際にどの申請かの確認で使用するため、メモをしておきましょう。

申請前によくある質問を確認しておく

申請前には、よくある質問を確認しておきましょう。実績報告では、申請時や添付時にエラーが発生する場合があるからです。

【申請時によくある質問】
No. 質問 対応方法
1 添付可能なファイル数は? ・1つの項目には1ファイルまで添付可能。
・書類が複数の場合はzipファイルにまとめる必要あり。
2 添付ファイルの
アップロードエラーの場合の対応は?
・非推奨のブラウザ使用時や、
ファイルアップロード中の画面のリロード、
または画面を閉じる等の操作をすると、
添付ファイルが正常にアップロードできない。
・以下の手順で確認。
①利用中のブラウザを確認。
特に推奨するブラウザはGoogle Chrome。
(Internet Explorer での添付資料のアップロードは
できない。)
②申請する前に1、2を確認。問題があった場合は、
しばらく時間を置き、
申請の作成・修正画面の添付ファイルを、
右側「×」マークを押下して削除した上で、
再度ファイル添付を試す。
1. 添付資料をアップロードし、
添付した資料が青文字で表示され、
リンクをクリックするとダウンロードが
可能であること。
2. 「一時保存」を押下し、
入力内容及び添付資料が保存できていていること。
以下資料参照。
(「ファイルアップロードエラー発生時の操作方法」)
3 添付ファイルの
アップロードが適切にされ、
申請ができているのか確認する方法は?
・以下の手順で確認。
①マイページから申請事業を検索し、
対象の事業を選択。
②作成済みの申請から該当の申請を選択。
③申請フォーム画面から
添付資料のリンクをクリックし、
ダウンロードできることを確認。
4 「申請する」ボタンを押しても、
申請確認のポップアップが表示されない
・1、2、3を確認する。
1. 必須入力項目の入力漏れ。
2. 必須添付ファイルの添付漏れ。
3. 項目ごとに設定されている、
・個別の入力チェックの違反。
(例:半角英数字のみ入力可能な項目に、
全角かなで入力しているなど)
5 申請の提出が
完了できているかの確認方法は?
・以下の手順で確認。
①「マイページ」から該当の事業をクリック。
②事業詳細画面の「作成済みの申請」の一覧。
③該当の申請の「申請状況」および「申請完了日時」を
確認。
→ 申請状況が 「申請済み」かつ申請完了日時に、
日付と時間が入っていれば申請は提出完了している。
→ 申請状況が「下書き中」かつ申請完了日時が、
空欄の場合は事務局への提出は完了していない。
6 提出した申請情報に誤りがあった、
または書類の添付漏れがあった際の
修正方法は?
・申請済の申請の修正が必要な場合は、
問い合わせ窓口へ問合せる。
(申請の提出が完了した申請について、
事業者側からの編集はできない。)

参考:「事業者向けQA一覧」|jグランツ

たとえば、ファイルのアップロードができない場合があります。その際、利用しているブラウザが事務局側の推奨ブラウザであるか確認します。事務局の推奨ブラウザはWindowsでは「chrome」「firefox」「edge」、macOSは「chrome」「firefox」「safari」が推奨です。

また、ファイルが添付できているかの確認は「添付したファイル名が青色になり、クリックしてダウンロードできるか」「一時保存をして添付資料が保存できているか」をチェックします。それでも添付できていない場合は、再度添付しなおしてください。

申請時やファイル添付時のエラーは、さまざまな原因が考えられますが、まずは決められた入力ができているか操作マニュアルで確認しましょう。どうしても解決できない場合は問い合わせ窓口へ問い合わせましょう。

差し戻しの再申請は作成済みの申請から処理をする

差し戻しの再申請は「作成済みの申請」から「差戻し対応中」になっているものを処理します。再申請の際は、事務局からメールアドレスに送られてきたURLからログインできます。

【差戻しの再申請手順】
①ログインする
②マイページから補助金を検索し、申請した事業を選択して詳細画面を開く。
③「作成済みの申請」からステータスが「差戻し対応中」になっている項目をクリックする。
④申請画面で差戻しコメントをもとに修正を行う。
⑤修正後、再度申請する場合は「申請する」をクリックする。
⑥ポップアップ画面の「申請する」を押し、OKをクリック。
※ポップアップ画面の「申請する」を押すと修正不可能。
⑦申請履歴から「作成済みの申請」のステータスが「申請済み」になっていることを確認する。

たとえば、再申請は必ず「作成済みの申請」から処理しましょう。新規で申請した場合、新規で申請した「申請済み」項目は差し戻され、事務局から連絡がきます。2つの申請項目が「差戻し対応中」に変更後、申請完了日が古い方または申請番号が若い方を選択しましょう。

差し戻しの再申請をする際は、新規で申請しないようにしましょう。新規で申請した場合、間違えて申請した項目は削除できない旨が操作マニュアルに記載されています。新規で申請した人は、事務局に問い合わせるか、または事務局からの連絡を待ちましょう。

なお、実績報告は提出書類が多いだけでなく、提出の仕方や確認項目が多い手続きです。第3者から見て「何の経費の何の購入品」の証拠書類なのかが分かるように、申請前に再度「実績報告書等作成マニュアル」を確認しましょう。

この記事のまとめ

実績報告とは、補助事業の実施結果を事業者が事務局に報告する手続きのことです。実績報告では、補助事業実績報告書の入力および決められた様式の「別紙」と経費に関する「証拠書類」を添付する必要があります。

実績報告の期限は、補助事業の完了日によって異なります。実績報告の期限は、補助事業完了日から30日後か補助事業完了期限日のどちらか早い方です。実績報告の添付書類は様式と証拠書類があり、証拠書類には補助事業期間内でなければ揃えられないものがあります。

実績報告の申請時は、様式のテンプレートをダウンロード後、書類作成をしてから電子申請システムで申請を行います。証拠書類の量は多く、書類整理の仕方やファイルの命名規則があります。差し戻しがないように事前に「実績報告書等作成マニュアル」を確認しましょう。

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