補助金ガイド

飲食店での小規模事業者持続化補助金の活用方法や事例を紹介

2021/7/14

2021/10/19

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象とした補助金であり、飲食店の方でも利用できる可能性があります。では、どのような飲食店であれば利用できるのでしょうか?今回は飲食店での小規模事業者持続化補助金の活用方法や事例を紹介します。

Contents

飲食店が小規模事業者持続化補助金を受ける方法

小規模事業者持続化補助金の対象となる飲食店

小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、以下の要件を満たす小規模事業者です。

  1. 小規模事業者であること
  2. 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に 100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  3. 直近過去3年分の課税所得年平均額が15億円を超えていないこと
  4. 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
  5. 本事業への応募の前提として、持続的な経営に向けた経営計画を策定していること
  6. 本補助金の受付締切日の前10か月以内に、補助事業を実施した(している)者でないこと
  7. 一般型と低感染リスク型ビジネス枠の両方を採択していないこと
  8. 反社会的勢力に該当しないこと

特に飲食店の場合は従業員の人数に気をつける必要があります。小規模事業者としての判定は、常時使用する従業員の数で行われます。

飲食店では常時使用する従業員数が5人以下の場合、小規模事業者持続化補助金の対象となります。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)

常時使用する従業員の数5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

常時使用する従業員の数20人以下

製造業その他

常時使用する従業員の数20人以下

この「常時使用する従業員数」とは、いわゆる正社員とは意味合いが異なります。公募要領内では、会社役員(ただし、従業員との兼務役員を除く)、個人事業主本人、および同居の親族従業員、育児休業中・休職中などの社員は「常時使用する従業員」に含めないものとするという記載があります。

また、「申請時によくあるご質問」の中に以下記述があり、パート、アルバイトの従業員は状況次第では含まれる場合もあり、注意が必要です。

また、雇用契約期間の短い者や、正社員よりも所定労働時間・日数の短い者は、パート労働者として、「常時使用する従業員」の数には含めない場合があります。

引用:小規模事業者持続化補助金|申請時によくあるご質問

自身が小規模事業者に該当するかどうかは商工会議所や補助金の専門家に一度相談するのがよいでしょう。

飲食店が小規模事業者持続化補助金を受ける流れ

飲食店が小規模事業者持続化補助金を受けるまでの流れは、以下の通りです。

  1. 経営計画書・補助事業計画書を作成する
  2. 商工会議所で事業支援計画書の作成を依頼する
  3. 日本商工会議所(補助金事務局)あてに申請書類を送る
  4. 日本商工会議所で審査が行われる
  5. 実際に販路開拓の取組を行う
  6. 実際に行った取り組みに関して実績報告書などを提出する
  7. 日本商工会議所に報告内容が確認される
  8. 補助金の請求を行う
  9. 補助金の清算

①経営計画書・補助事業計画書を作成する

経営計画書や補助事業計画書といった提出書類を作成します。提出書類には様式155種類があります。

様式1,2,3,5は日本商工会議所ホームページの小規模事業者持続化補助金の詳細ページにてダウンロードすることができます。様式4に関しては少し特殊で、商工会議所に作成してもらう書類のため、自分で書く必要はありません。

小規模事業者持続化補助金|申請書式ダウンロード

事業計画書の書き方については下記記事で解説していますので、ご確認ください。

小規模事業者持続化補助金 一般型における事業計画書の書き方を解説

②商工会議所で事業支援計画書の作成を依頼する

上述の様式4の書類が、この「事業支援計画書」です。事業支援計画書は自分で書くのではなく、商工会議所に依頼して作成してもらいます。商工会議所は会員制の組織ではありますが、事業支援計画書の作成は会員にならなくても依頼することができます。

注意点として、商工会議所によっては書類作成に時間がかかる場合があります。早めに作成依頼を出しておかないと、小規模事業者持続化補助金の公募期間に間に合わない可能性があるので、しっかり逆算して依頼を出しましょう。

③日本商工会議所(補助金事務局)宛てに申請書類を送る

提出書類がそろったら、日本商工会議所に書類を送付します。送付時には過不足がないかしっかり確認をしておきましょう。

④日本商工会議所で審査が行われる

提出した書類をもとに日本商工会議所で審査が行われます。審査を通過すると次の段階に進むことができます。もし審査を落ちた場合は、計画を立て直して次回公募時に再び応募しましょう。

⑤実際に販路開拓の取組を行う

審査に通過したら、計画にのっとって実際に販路拡大の取組を行います。この時に計画外の取組をしてしまうと、後に補助金が下りなくなってしまうので、しっかりと事前に建てた事業計画に沿った取組を行いましょう。

⑥実際に行った取り組みに関して実績報告書などを提出する

実際に取組を行った後、実際に行った内容に関して実績報告書を作成、提出します。実際に行った取り組み内容と、その結果を間違いの内容に報告しましょう。

⑦日本商工会議所に報告内容が確認される

報告を上げると、日本商工会議所に確認されて、その内容に応じて補助金の交付が決定されます。

⑧補助金の請求を行う

補助金の交付が決定したら、補助金の請求申請を行います。

⑨補助金の清算

補助金の請求申請が受け付けられると、実際に補助金が支払われます。

飲食店での小規模事業者持続化補助金の活用方法

小規模事業者持続化補助金の金額は、一般型で50万円、低感染リスク型ビジネス枠で100万円が上限です。また、補助の割合は取組に使用した額の2/3です。

例えば、60万円かかる取り組みを行った場合はどちらの型でも40万円が補助金額となります。90万円かかる取り組みを行った場合、2/360万円なので、一般型では上限の50万円、低感染リスク型ビジネス枠では60万円の補助となります。

小規模事業者持続化補助金の一般型が使える経費

小規模事業者持続化補助金の一般型で使える経費は以下の通りです。

①機械装置等費

補助事業を実施するための機械装置購入費用が該当します。物理的に存在する機械装置だけでなく、パソコンで使用するソフトウェアも対象です。

ただし、通常の飲食店業務で扱う機械装置は対象になりません。あくまでも補助事業のために必要となる機械装置でなければなりません。例えば、常に米製品を扱っている和食店で新たに炊飯器を購入しても対象にはなりませんが、今まで米製品を扱っていなかったピザ専門店が客層拡大のための新メニュー開発で炊飯器を購入するなら対象になる可能性があります。

また商品開発や販路拡大のためであっても、パソコン等の汎用性が高く、補助対象事業以外での使用が可能であるものは対象外です。

②広告費

パンフレットやチラシ、広報用WEBサイトなどの作成費が該当する経費です。

補助対象事業に関する広報目的の物が補助対象で単純な会社やお店のPRでは補助対象になりません。ただし、WEBサイトを作成しての販路拡大そのものが補助事業である場合はWEBサイト作成費用も広告費として扱われます。

③展示会等出展費

補助事業上の新商品などを展示会や商談会に出展するための費用です。飲食店ではあまりなじみがないかもしれませんが、新商品の試食会のようなものであれば経費として認められる可能性があります。

④旅費

情報収集や各種調査を行うための旅費です。公共交通機関の移動費と宿泊費が対象となっています。宿泊時に温泉や食事がついている場合はその分を旅費から引いて計算したものが補助対象となります。また、公共機関以外の移動費に関しても補助対象外です。

⑤開発費

開発費は、新商品試作用の包装や原材料費用などの経費です。あくまで試作品のための開発費であり、販売用の商品の包装や材料費は対象外となります。

⑥資料購入費

補助事業のための情報を得る書物の購入費です。単価10万円未満、1種類につき1部のみ対象となります。

⑦雑役務費

補助事業のための臨時アルバイトや派遣労働者の給料や交通費です。あくまで補助事業のための臨時の従業員のみで、補助事業以外の仕事をする場合や、臨時でない継続して働く従業員の場合は対象経費にはなりません。

⑧借料

補助事業のための機器や設備のリース、レンタル料金です。機材のレンタル費用が当てはまりますが、サブスクリプション購入等の場合は①機械装置等費に該当します。新商品PRのためのイベント会場等の借料も含まれますが、店舗のための家賃などは該当しません。借用のための見積書や契約書が必要なので、必ず保管しておきましょう。

⑨専門家謝金

補助事業に関して指導や助言を依頼した専門家への謝礼です。指導・助言以外の委託を行う場合は「⑫委託費」に分類されます。

⑩専門家旅費

内容は「④旅費」とほぼ同様で、専門家が指導や助言を行う場合の旅費が対象となります。

⑪設備処分費

販路拡大のための作業スペース確保等の目的で設備機器等の廃棄処分を行う費用です。また、リース、レンタルしていた機械設備の返却を行うための修理、原状回復費用も含まれます。この項目のみ、上限が補助対象経費総額の1/2となっている点にも注意が必要です。

⑫委託費

上記①~⑪すべてに該当せず、第三者に業務を委託する場合にかかる報酬です。飲食店の場合、業務委託してのデリバリー販売の手数料などが該当します。

⑬外注費

上記①~⑫すべてに該当せず、事業遂行に必要な業務の一部を補助する項目です。店舗の改装工事などを行う場合が該当するので、飲食店でも補助事業のために利用できる可能性の高い経費です。

小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠が使える経費

基本的には一般型と同様ですが、一部異なりますので、ご注意ください。

低感染リスク型ビジネス枠

①機械装置等費

②広報費

③展示会等出展費(オンラインによる展示会に限る)

④開発費

⑤資料購入費

⑥雑役務費

⑦借料

⑧専門家謝金

⑨設備処分費

⑩委託費

⑪外注費

⑫感染防止対策費(換気設備、アクリル板、マスク等)

③展示会等出展費は、補助事業上の新商品などを展示会や商談会に出展するための費用です。低感染リスク型ビジネス枠では、当然大人数が集まるイベントは推奨されず、対象はオンラインでの展示会に限ります。

また⑫感染防止対策費は、業種・業態に応じて該当する業種別ガイドラインに合った必要最小限の新型コロナウイルス感染症感染防止対策を行う費用です。補助金総額の1/4がこの項目の上限に設定されていて、感染防止対策費のみでの申請をすることができません。補助対象経費区分が変わる可能性もあるので、業種別ガイドラインを必ず確認しておく必要があります。

新型コロナウイルス感染症感染症対策|業種ごとの感染拡大予防ガイドライン一覧

飲食店で小規模事業者持続化補助金が採択された事例

小規模事業者持続化補助金を利用した飲食店の事例では、テイクアウト商品の開発とWEB注文による販売効率化を目指したものや、料理教室を行うことで新たな顧客獲得を目指したものがあります。

他にも小規模事業者持続化補助金のホームページでは、採択者一覧ページがあり、どういった事業者がどのような事業(補助事業の名称)で採択されたのかを見ることができます。その中から一部を紹介しますので、参考にしてみるといいでしょう。

小規模事業者持続化補助金|採択者一覧ページ

事例コーヒー店の場合

非対面型テイクアウト専門コーヒー店へと改装することで、コロナ禍の中にあっても感染リスクを減らしつつ集客を行いました。飲食店では同様に、新型コロナウイルス対策として非接触型の業務形態に変更する事例が増えています。

事例和食店の場合

店舗改装と、月額制のサブスクリプション導入による弁当販売を行うことで、店舗内での感染リスク低減と、安定的に弁当販売の収入を狙いました。サブスクリプション式の事業は、月額の安定した収入が見込めるので収益が確保しやすいので少しずつ増えています。

事例中華料理店の場合

主力商品であるチャーハンの品質向上による売り上げ向上を狙う。また、洗浄機を導入することで食器洗浄効率を上げ、回転率上昇も並行して狙う。既存の商品アップグレードと業務効率化にそれぞれ補助金を利用した事例です。小規模事業者持続化補助金は上限までなら複数の補助事業を行うこともできます。

事例ハンバーグ店の場合

オフィシャルサイトを立ち上げホームページ上でクーポン券の発行をすることで、地元産豚100%ハンバーグ店としての認知度をアップさせ、広範囲からの集客を狙う。飲食店のみに関わらず多いのが、広告としてホームページを制作する事例です。今回はクーポン券も発行することで訴求力やリピーターの確保を狙っています。

事例ラーメン店の場合

店頭販売や通信販売ができる冷凍ラーメンを開発し、ECサイトを通じて全国に販売することで販路開拓を狙う。コロナ禍で店舗集客が落ちているために、通信販売で広範囲の顧客への販路開拓を狙う補助事業です。新商品開発費用とECサイト制作、通信販売体制の確保等、この事例も複数の補助事業を行っています。

事例カフェの場合

大人女子向けコラボ企画実施により、コンセプトカフェとしてターゲットとなる女性客への知名度、集客力アップを狙い新たな客層を開拓する。特定ターゲット層を狙い撃ちした施策です。広く広げるよりもピンポイントで固定客を狙っていきます。

小規模事業者持続化補助金申請の3つの注意点

(1)他の補助金と同時申請ができない

小規模事業者持続化補助金に限ったことではありませんが、補助金は他の補助金との併用はできません。複数の事業を並行して行っている場合でも、事業者が同じ場合は全ての事業合わせて1度しか申請を行うことができません。

また複数の事業を行っている場合、全ての事業の常時使用する従業員を合わせて5人以下でないと小規模事業者とみなされない点にも注意が必要です。

(2)補助金着金は補助事業を行った後

補助金の着金は補助事業を行った後、補助金事業の実績報告を行った後になります。つまり、事業を実際に行う段階では補助金が下りていないので、運転資金は別途用意する必要があります。

運転資金が自己資金のみでは足りない場合は、融資を受けるなどして別途運転資金を確保しなければなりません。小規模事業者持続化補助金ガイドを運営している当社株式会社SoLabo(ソラボ)では、融資の相談に対しても無料で受け付けております。融資を検討されている方も、ぜひ一度ご相談ください。

無料相談電話で相談0120-356-117

(3)公募要領を常にチェックする

公募要領は小規模事業者持続化補助金の公募を行う上での指針で、不定期に新しい情報にアップデートされます

場合によっては経費区分が見直されるなど、大きな変化がある場合もありますので、補助事業計画を立てる際や申請を行う前に必ずチェックし、以前と変わった点はないかといった点に注意しなければなりません。

最新の公募要領は小規模事業者持続化補助金の特設ページより確認できます。

https://r1.jizokukahojokin.info/index.php/sinsei/

この記事のまとめ

小規模事業者持続化補助金は、飲食店にとって非常に頼りになる補助金です。特に低感染リスク型ビジネス枠はコロナ禍において大きなダメージを負った飲食店には非常にありがたいものとなっています。 受けるための要件や注意点にはしっかり気を付けて、補助金の申請を行いましょう。もし思い切った事業転換や事業再編を考えているのであれば、「事業再構築補助金」を検討するのも選択肢のひとつです。 事業再構築補助金について知りたい方は当社株式会社SoLabo(ソラボ)が運営する「事業再構築補助金ガイド」を参考にしてみてください。事業再構築補助金ガイドはこちら→https://so-labo.co.jp/hojyokin/meti/

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