小規模事業者持続化補助金は開業したばかりの個人事業主でも採択される?
2021/7/1
2022/04/07
個人事業主やフリーランスとして独立開業し、補助金を受けることができるのであれば、活用したいと考える方も多いでしょう。
開業前や開業初期でも採択されるのかと、当社SoLaboによくご質問がされます。
今回は、小規模事業者持続化補助金の利用を希望される個人事業主の方がよく悩まれる点や採択される方法を解説していきます。
Contents
開業したばかりの個人事業主でも採択される
小規模事業者持続化補助金は、開業したばかりの個人事業主でも採択されます。ただし、創業直後は市場の動向や、どのように利益を上げるかを具体的に書類で説明することが必要になります。
たとえば、出来たばかりのパン屋がお客様に食べたいパンに関するアンケート配って、「アンケート回答者数×アンケート人気パン単価=見込売上」と書くことで採択されている事例もあります。
小規模事業者持続化補助金の申請では、販路の拡大を通じて業績を改善することが求められます。開業直後の個人事業主は居実績のアピールが無いので、どのように売上を上昇させるのか数字を用いて説明するようにしてください。
開業後の個人事業主でないと利用できない
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者を対象とした補助金であり、法人に限らず個人事業主であっても申請することができます。
ただし、小規模事業者持続化補助金の申請時点でまだ開業していない創業予定者は利用することができません。既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外になります。
開業届に記載されている開業日後に申請すれば小規模事業者持続化補助金の対象となりますので、申請は開業後にしましょう。
給付を受けられるのは申請から1年ほど必要になる
小規模事業者持続化補助金は、申請から給付までに1年ほど必要になります。小規模事業者持続化補助金は、申請後に2か月間ほど採択結果を待ち、採択後に7か月間程の補助事業の実施期間の後、経過を報告しての申請になるためです。
そのため、小規模事業者持続化補助金は開業資金としては活用できません。開業資金が必要な場合は、補助金ではなく金融機関からの融資の利用を検討してください。
小規模事業者持続化補助金の補助対象者と業種
小規模事業者持続化補助金は、商工会議所か商工会の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者が補助対象者となります。
小規模事業者と見なされるには、以下の定義を満たす必要があります。
【小規模事業者と定義される者】
- ・商業またはサービス業(宿泊・娯楽業を除く)で常時使用する従業員の数が5人以下
- ・サービス業の内宿泊業・娯楽業で常時使用する従業員の数が20人以下
- ・製造業その他の業種において常時使用する従業員の数が20人以下
個人事業主の人であれば上記の条件を満たせるケースが多いですが、飲食店を家族経営しているなどで上記の規定を満たさないケースもあるので注意してください。
また、小規模事業者持続化補助金では、開業届を出している人であれば、基本的にどんな業種であっても対象となります。
補助対象にならない者と業種
小規模事業持続化補助金は、個人事業主であっても医師や歯科医師、助産師などの医療従事者と、系統出荷による収入のみである個人農業者は利用できません。
また、以下の様な業種は対象になりません。
事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなるおそれがあるもの、公的な支援を行うことが適当でないと認められるもの
上記に当てはまる詳しい業種は、公募要領で確認してください。
個人事業主が受けられる補助率と補助上限
小規模事業者持続化補助金を利用して、個人事業主が受けられる補助金の上限と補助率は次のようになります。
【小規模事業者持続化補助金の補助率と補助上限】
類型 |
通常枠 |
インボイス枠 |
後継者支援枠 |
補助率 |
2/3 |
2/3 |
2/3 |
補助上限 |
50万円 |
100万円 |
200万円 |
個人事業主が利用できる枠のとして、補助額の上限は200万円、補助率は2/3までになります。
通常枠以外の枠は、追加の申請要件に当てはまる事業者のみが申請可能です。たとえば、創業枠を利用するには、過去3年以内に認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者が実施した特定創業支援事業による支援を受けていることが追加の申請要件になります。
各枠の申請要件についての詳細は、小規模事業者持続化補助金の公募要領のページで説明しています。
小規模事業者持続化補助金で受け取れる金額
小規模事業者持続化補助金で申請した対象経費は全額受け取れるわけではありません。受け取れるのは対象経費に補助率をかけた金額で、枠の上限額を超える補助金は受け取れません。
たとえば、30万円の経費申請をした場合、受け取れる給付額は補助率2/3をかけた20万円までです。通常枠で100万円の経費を申請した場合、補助率2/3を掛けた値は75万円ですが、上限額の50万円の給付になります。
そのため、小規模事業者持続化補助金で対象経費を満額受け取ることは出来ません。補助金を目当てにした無理な投資は抑えておいた方が良いでしょう。
小規模事業者持続化補助金を申請する際の必要書類
個人事業主が小規模事業者持続化補助金を申請する際には以下の書類が必要です。
- 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(様式1-1)
- 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2-1)
- 補助事業計画書②(様式3-1)
- 事業支援計画書(様式4)
- 小規模事業者持続化補助金交付申請書(様式5)
- 税務署印付きの確定申告書(直近分)
採択に関して特に重要になるのは、経営計画県補助事業計画書①(様式2-1)と補助事業計画書②(様式3-1)です。事業支援計画書(様式4)に関しては商工会議所、または商工会が作成する物であり、申請者側が作成する必要はありません。
必要な書類の準備の仕方や書き方については、次のページを参考にしてください。
2期目以降なら確定申告をしてないと申請できない
小規模事業者持続化補助金の申請には、2期目以降であるなら税務署印付きの確定申告書(直近分)が必要になります。
一度も決算期を迎えておらず、確定申告書が存在しない場合は、開業届で代用可能です。
確定申告書も開業届も提出打出来ない場合は、書類不備となり不採択になります。
小規模事業者持続化補助金に採択されるポイント
小規模事業者持続化補助金に個人事業主が採択されるには、以下のようなポイントに注意して申請する必要があります。
- 販路拡大に関する対象経費として申請する
- 補助金を利用することの成果を分かりやすく記入する
ポイントになるのは、事業拡大に関する施策を第三者にもわかるように書類作成をすることです。自分で分かりやすい書類を作成するのが難しいようなら、専門家に書類作成をサポートしてもらうのも一つの手段になります。当社SoLaboでは小規模事業者持続化補助金の書類サポートを実施しておりますので、書類作成に不安がある場合はお問い合わせください。
無料診断販路拡大の対象経費として申請する
小規模事業者持続化補助金で採択されるには、販路拡大に関する対象経費として書類を作成し、申請する必要があります。小規模事業者持続化補助金では補助対象となる経費が決まっており、その経費は販路拡大の施策ために使われることを目標とされているためです。
小規模事業者持続化補助金で対象となるのは、以下の経費です。
①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、⑫委託費、⑬外注費 |
上記以外の経費は小規模事業者持続化補助金では利用できません。
また、申請する際にもこれらの費用を使ってどのように販路を拡大していくのかを、書類を通して説明していくことが必要です。
補助金を受けることの成果を分かりやすく書類作成をする
小規模事業者持続化補助金に採択されるには、補助金を利用することの成果を分かりやすく書類で伝える必要があります。
小規模事業者持続化補助金の書類審査では、施策を実行して成果のありそうかが評価されます。そのため、対象経費でどのような成果が出るのかを具体的に記載する必要があります。
また、小規模事業者持続化補助金の書類を審査するのは、特定事業の専門家ではありません。たとえば、IT系の事業者がWEB系の専門用語を利用して書類を作成しても、審査担当者は内容を精査できないため、不採択になる可能性が上がってしまいます。
そのため、書類作成では内容を分かりやすく、専門家でなくとも理解できるように記載するようにしてください。
2022年の締め切りスケジュール
小規模事業者持続化補助金の2022年のスケジュールは以下のようになります。
- 第8回締め切り:2022年6月3日(事業支援計画書は2022年5月27日)
- 第9回締め切り:2022年9月中旬(事業支援計画書は2022年9月上旬)
- 第10回締め切り:2022年12月上旬(事業支援計画書は2022年12月上旬)
- 第11回締め切り:2023年2月下旬(事業支援計画書は2023年2月中旬)
開業直後に補助金申請をしたい場合、上記スケジュールに前もって開業をしておくと良いでしょう。
この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金は、個人事業主・フリーランスの方でも申請することができます。法人であっても個人事業主であっても、補助金を申請する上で大きな差はありません。そのため、満たすべき要件や申請時の注意点を理解し、小規模事業者持続化補助金の採択を目指しましょう。