小規模事業者持続化補助金の採択後の流れは?補助金の入金時期も解説
2024/04/01
2023/8/9
小規模事業者持続化補助金の採択を受けた人や、これから申請を検討する人の中には、採択審査に通った後の流れを確認したい人もいるのではないでしょうか。また、補助金の交付(申請者の口座への入金)はいつ頃になるのかも気になりますよね。
当記事では、小規模事業者持続化補助金の採択後の流れを解説します。補助金の入金時期も合わせて解説していくので、採択後の流れを知りたい人は参考にしてみてください。
なお、当記事は小規模事業者持続化補助金の「第15回公募要領」をもとに作成しています。
採択後は補助事業の実施と決められた書類の作成や提出を行う
小規模事業者持続化補助金の採択者(=採択審査に通った申請者)は、補助事業の実施に取り組み、必要書類の作成や提出を行います。提出した書類は、事務局側の審査を経て不備が無ければ補助金額が決定され、交付(=申請者の口座に入金)されるという流れで進みます。
【採択後の流れ】
商工会や商工会議所の公式サイトにて採択結果が発表されると、採択者には「交付決定通知書」が届きます。交付決定通知書を受け取ると、補助事業を開始することができます。
交付決定を受けたら、まずは約6ヶ月~7ヶ月の期間をかけて補助事業を実施しましょう。次に、取り組んだ事業の実績報告書を作成し、経費に関する証拠書類や写真などを添付し、提出します。
補助事業の実施と書類の提出まで済むと、補助金事務局による審査が行われ、提出書類に不備や問題が無ければ補助金が交付されます。小規模事業者持続化補助金の採択後は、このような流れで進み、補助金が交付されるのは採択後から約9ヶ月~10ヶ月後となります。
採択と交付決定
小規模事業者持続化補助金の採択審査には、約2ヶ月かかります。 商工会管轄の地区で補助金を申請した人は、商工会の公式サイトで採択者が発表されます。また、商工会議所管轄の地区で申請した人は、商工会議所の公式サイトにて、採択者発表を確認できます。
採択者発表後、採択者には「交付決定通知書」が届きます。交付決定通知書を確認したら、補助事業を実施します。補助事業を開始できるのは、交付決定通知書に記載された「交付決定日」からです。交付決定通知が届く前の発注や支払いに関しては、補助対象外となってしまうためです。
小規模事業者持続化補助金に申請した人は、約2ヶ月後に商工会や商工会議所の公式サイトで公開される採択者一覧で採択者を確認できます。採択者発表後に届く交付決定通知書を確認できたら、次のステップである補助事業の実施に取りかかりましょう。
補助事業の実施
交付決定通知を受けたら、申請時に提出した補助事業計画に沿って補助事業を実施します。補助事業を開始する前には、小規模事業者持続化補助金の「補助事業の手引き」に目を通し、経費の発注や支払い、書類の提出などに関する事項を確認しておく必要があります。
補助事業の「実施期間」は申請者が設定することになりますが、「補助事業終了の期日」は各公募回により設定されています。採択発表日から補助事業終了の期日までの期間は約8ヶ月です。その後の書類作成にかかる日数も加味して、補助事業は6~7ヶ月を目安に終了しておきましょう。
ただし、補助事業実施期間は変更となる可能性もあります。延長や短縮となる場合もあるため、補助事業実施期間が6~7ヶ月程度というのはあくまでも目安のひとつとして考えておいてください。
なお、申請した内容から変更が生じた場合は、変更申請が必要な場合があります。事業内容や経費の配分、事業者の登録情報などの変更がある場合は、変更申請の届出が求められるため、留意しておきましょう。
変更届に関する詳細は、「小規模事業者持続化補助金を変更申請する方法は?」も参考にしてみてください。
実績報告書の提出
補助事業の終了後は、「終了日から起算して30日後」または決められている「最終提出期限」のいずれか早い日までに「実績報告書」を提出します。実績報告書には、補助事業の実施内容や経費内容(支出内容)などを取りまとめて記載することになります。
また、「証拠書類」として、使用した経費に関する見積書や発注書、納品書、購入したものの写真などをまとめて書類に添付し、提出する必要があります。
実績報告書の作成や証拠書類の準備は骨を折る作業であるうえに、不備があった場合には再提出となり、交付も遅れてしまう可能性があります。そのため、あとで慌てることが無いよう、証拠書類として必要になるものは提出に備えて常に整理しておくと良いでしょう。
なお、実績報告書の提出方法は、補助金を申請した方法によって異なり、電子申請した人はJグランツで提出し、郵送で申請した人は郵送で提出します。最終締め切りまでに提出できなければ補助金が取り消しになることもあるため、余裕を持って準備しましょう。
実績報告書の詳細については、「小規模事業者持続化補助金の実績報告書を作成する手順と書き方を解説」を参考にしてみてください。
確定審査・補助金額の確定
提出された実績報告書は、補助金事務局によって審査されます。提出物が全て揃っていることや、申請内容が補助対象経費として適正であることが判断されると、補助金額が計算されます。補助金額の確定後、申請者宛に「確定通知書」が送付されることになります。
また、審査の際、内容に不備があった場合は、事務局の指示に従い修正や再提出を求められることがあります。再提出となると、その分補助金の交付が当初の予定よりも遅れてしまうので、気を付けたいポイントです。
なお、小規模事業者持続化補助金の確定審査にかかる期間は、実績報告書の提出から約1ヶ月とされています。提出物の内容に不備や不正があった場合には、補助金額の減少や、交付を受けられない可能性もあるため、実績報告書や証拠書類の準備は慎重に行いましょう。
補助金の請求と入金
審査にて補助金額が確定すると、申請者には「補助金確定通知書」が届きます。確定通知書には、「補助金清算払請求書」が同封されているので、必要事項の記入と押印、通帳のコピーを合わせて事務局へ提出します。
また、補助金清算払請求書に関しても、補助金の申請を電子申請で行った人はJグランツでの手続きを行い、郵送で補助金申請した人は郵送での手続きとなります。
請求書提出後から入金までにかかる期間は、約数週間~1ヶ月とされています。なお、振込完了の通知はされないため、申請者は通帳にて入金を確認する必要があります。
事業効果報告の提出
小規模事業者持続化補助金の支払いを受けたすべての事業者は、「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」を提出する必要があります。事業実施期間終了日の翌月から1年間の事業効果の状況を補助金事務局に報告します。
また、「賃金引上げ枠」や「卒業枠」の申請枠で申請した人には、申請枠ごとの要件に対しての達成状況についても併せて報告が求められています。
事業効果報告も、補助金申請を電子申請した人はJグランツで行い、郵送で申請した人は郵送で提出することになります。
なお、実績報告書に使用した証拠書類は5年間の保存が義務付けられています。後に会計検査が行われることもあり、その際、不備が見つかった場合は補助金の返還を命じられる可能性もあります。そのため、補助金交付後も書類を紛失しないように保存しておきましょう。
補助金を受け取るための注意点を確認する
採択後にいよいよ補助事業を実施する段階に進むと、事業者は把握しておくべき注意点が多いので、事業を開始する前に確認しておきましょう。注意点を見逃していたことで、申請した経費が認められず、補助対象外となってしまうことがあるためです。
【補助事業実施における注意点の一例】
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小規模事業者持続化補助金の公式サイト内では、過去に補助金を受け取れなかった事例が紹介されています。その一例として、採択を確認できた事業者が「交付決定通知」が届く前に発注した機材に対して「補助対象外」となってしまった例がありました。
また、10万円を超える現金購入や、小切手や商品券を使った購入も補助対象外です。現金やクレジットカードを使用した購入による失敗を防ぐためには、全ての経費の支払いを銀行振り込みに統一することで対策できます。
せっかく採択されて補助事業を行ったのにもかかわらず、支払い方法や必要書類の不備などの理由で、申請した経費が補助対象外となることがあります。申請した金額を確実に受け取れるよう、事業開始前には補助事業の手引きに目を通し、ルールを確認しておきましょう。
この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金の採択後は、約6~7ヶ月間で補助事業を実施します。補助事業の実施後は、「実績報告書」の作成と、証拠書類となる見積書や発注書、納品書などの書類や写真などを規定に沿って添付し、提出します。
実績報告書を受け取った補助金事務局は、確定審査を行い、提出された書類に不備が無ければ補助金額を確定し、「補助金確定通知書」を発送します。確定通知書を受け取った事業者は、「補助金清算払請求書」を記入し、通帳のコピーを合わせて事務局へ提出します。
補助金清算払い請求書を提出後は、約1ヶ月で事業者の口座へ補助金が入金されます。その際、振込完了の通知はされないため、申請者は通帳にて入金を確認する必要があります。
小規模事業者持続化補助金の採択後から交付までには約10ヶ月かかることが想定されます。