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2024/08/13
2024/8/13
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
社内で行う研修や外部講師を招いた講習など従業員のスキルを上げるためには研修が必要だと考える人は多いのではないでしょうか。しかし、研修にかかる費用は高額になる傾向にあり、どのように研修費を抑えようか悩んでいる人もいるでしょう。
当記事では研修費に使える補助金について、種類と特徴を解説します。研修に使える補助金を知りたい人は、参考にしてみてください。
目 次
研修に使える補助金には、国が実施する制度だけでなく都道府県や市区町村の自治体が実施する制度も含めさまざまな種類があります。制度によって目的や対象、受給できる金額などが異なるため、複数の補助金を比較して自社に合う補助金を選びましょう。
【研修に使える補助金一覧】
管轄 |
補助金名 |
制度の概要 |
対象となる研修費 |
国 |
中小企業等の思い切った事業再構築を支援する |
等 |
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生産性向上につながるITツールの導入および導入関連費用を支援する |
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事業主等が雇用する労働者に対して実施する研修費の一部を支援する |
等 |
||
自治体 |
(大分県大分市) |
企業が従業員へ研修を実施する場合の費用や外部研修への参加費用の一部を支援する |
【自主研修事業】
【外部研修事業】
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(千葉県千葉市) |
業務に必要な技術・知識習得のための研修や、資格取得のための研修にかかる費用の一部を支援する |
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(富山県) |
従業員の再教育にかかる研修費用の一部を支援する |
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経済産業省が実施する事業再構築補助金は、中小企業や個人事業主等の思い切った事業再構築を支援する補助金制度です。補助事業の実施に必要な知識やスキルを習得するための研修費として「教育訓練」「講座受講」等に係る経費が補助対象となります。
とやま人材リスキリング補助金は、富山県が実施する補助金であり、従業員の再教育にかかる研修費用の一部を支援する制度です。国が実施する「人材開発支援助成金」の対象とならない短期間の教育訓練を支援対象としており、研修の受講料や研修期間中の従業員の賃金などが補助対象となります。
社内研修費や外部講習の受講料、研修教材等諸費などの対象経費は補助金ごとに異なるため、研修費として補助金を利用する際は各補助金が指定する条件の確認が必要です。また、補助金によっては企業の要望に合わせたオーダーメイド型研修の費用も補助できる可能性もあります。
補助金を活用することにより、従業員の研修にかかる費用を抑えることができます。補助金によって対象となる経費や受け取れる補助額が異なるため、申請を検討している人は各補助金に定められている要件を確認した上で自社に合った補助金を選びましょう。
経済産業省が実施する事業再構築補助金は、思い切った事業再構築にともなう研修を実施する場合に利用できます。新たに事業に取り組む際に、補助事業に必要となる研修や講座受講にかかる経費が補助対象です。
【事業再構築補助金の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の思い切った事業再構築を支援する |
対象者 |
|
補助額 |
最大1.5億円 ※申請枠や事業規模により異なる |
補助率 |
1/3~3/4 ※申請枠や事業規模により異なる |
対象経費 |
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公式サイト |
事業再構築補助金の研修費は、補助事業に関係する知識やスキルを向上させるための研修費を補助対象経費総額である1/3まで申請できます。ただし、補助事業と関連しない研修費や研修に行くための交通費などの研修受講以外の費用は補助対象外です。
また、申請をする際に提出する事業計画書において、研修内容や受講費など研修を計上するために必要な項目が記載されていない場合は補助対象経費として申請できません。
事業再構築補助金の研修費は、通常業務に就きながら行う教育訓練や補助事業に必要ない講座受講等は補助金の対象外です。研修費が対象経費として認められるのは、新たな事業を遂行するために必要な研修を行う費用であることに留意しておきましょう。
なお、事業再構築補助金について詳しく知りたい人は「事業再構築補助金とは?対象や要件など概要をわかりやすく解説」の記事を参考にしてみてください。
経済産業省が実施するIT導入補助金は、事業者の生産性向上を目的に、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入に利用できる補助金です。社内研修向けのITツールの導入費用や、ITツールの導入研修費用としての役務費用などが補助対象となります。
【IT導入補助金の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
中小企業等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツールの導入を支援する |
対象者 |
|
補助額 |
通常枠:最大450万円 インボイス枠:最大350万円(ハードウェアは最大20万円) セキュリティ対策推進枠:最大100万円 ※事業規模や導入するITツールにより異なる |
補助率 |
1/2~4/5 ※申請枠や事業規模により異なる |
対象経費 |
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公式サイト |
IT導入補助金では、ITツールである「ソフトウェア」「ハードウェア」などが補助対象となります。研修費用としてIT導入補助金を利用する場合、セキュリティ研修やeラーニングの作成・配信機能を持つソフトウェアなど、社内向けの研修ツールを対象経費として申請できます。
また、ITツールの導入に関連する「オプション」「役務」も対象経費となります。ITツールの導入にあたって、ツールの使用方法や運用に関する研修を実施する場合、研修にかかる費用を役務費用として申請できます。
なお、IT導入補助金は申請枠によって対象経費が異なり、社内研修向けのITツールを導入できるのは通常枠のみです。IT導入補助金について詳しく知りたい人は「IT導入補助金とは?図解を用いてわかりやすく解説」の記事を参考にしてみてください。
厚生労働省が管轄する人材開発支援助成金は、人材育成や技術向上に活用できる助成金です。事業主等が雇用する労働者に対して、業務関連の専門的な知識や技術を習得するための研修を実施する際の経費の一部が対象となります。
【人材開発支援助成金の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
職務に関連する専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練等により、従業員の人材育成およびスキルアップをはかる |
対象者 |
|
補助額 |
コースや訓練内容により異なる 【具体例】 人材育成支援コース(人材育成訓練):最大960円(1人1時間あたり) 教育訓練休暇等付与コース(教育訓練休暇制度):最大36万円(①事業主あたり) |
補助率 |
コースや訓練内容により異なる 【具体例】 人材育成支援コース(人材育成訓練):最大100% 教育訓練休暇等付与コース(教育訓練休暇制度):定額 事業展開等リスキリング支援コース:最大75% |
対象経費 |
等 |
公式サイト |
人材開発支援助成金には、目的に応じて7つのコースに分かれています。コースによって対象となる研修内容が異なるため、人材開発支援助成金への申請を検討する際は自身が申請したいコースの対象条件の確認が必要です。
人材育成支援コースではOFF-JT(座学)を 10時間以上行う人材育成訓練の実施やOFF-JとOJT(実務研修)を組み合わせた研修、パートやアルバイトが正規雇用を目指す研修を行った場合に費用の一部が助成されます。また、人への投資を促進することが目的のIT分野の人材を育成する研修やサブスクリプション型の研修などが対象となる「人への投資促進コース」もあります。
人材開発支援金を活用することにより、従業員の研修にかかる費用の負担を軽減することが可能です。人材開発支援助成金について詳しく知りたい人は、厚生労働省の公式サイト「人材開発支援助成金」を確認してください。
大分県大分市が実施する中小企業者経営力強化促進補助金は、市内の中小企業者を対象に人材育成や知的財産権の取得など、経営力の強化に向けた取り組みを支援する制度です。研修費用として利用する場合、人材育成応援事業として自社研修の実施費用や外部研修への参加費用などが補助対象となります。
【中小企業者経営力強化促進補助金(人材育成応援事業)の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
中小企業等に対して、従業員等の業務上必要な技術・知識等の習得のための研修費用の一部を支援し経営力強化をはかる |
対象者 |
市内の中小企業者および個人事業主 |
補助額 |
研修対象者1人あたり10万円 (1企業につき最大30万円) |
補助率 |
1/2 ※DX研修は3分の2 |
対象経費 |
【自主研修事業】
【外部研修事業】
|
公式サイト |
中小企業者経営力強化促進補助金の対象となる研修には、自社で講師を呼び研修を行う「自主研修」と外部で開催される研修へ参加する「外部研修」の2種類があります。自主研修の場合は会場の利用や講師への依頼にかかる費用、外部研修の場合は研修の受講料や移動に掛かる費用などが補助対象となります。
補助率は通常1/2ですが、デジタルリテラシーの習得やデジタル人材の育成を目的とするDX研修の場合は2/3に引き上げられます。研修を受ける従業員1人当たり最大10万円が補助され、補助金額の合計が10万円に達するまでであれば同一年度内に同一の従業員が複数の外部研修を受講することも可能です。
中小企業者経営力強化促進補助金(人材育成応援事業)を活用することにより、経営力強化につながる従業員の研修費用を抑えることができます。中小企業者経営力強化促進補助金について詳しく知りたい人は、大分市の公式サイト「中小企業者経営力強化促進補助金」を確認してみてください。
千葉県千葉市が実施する中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金は、市内の中小企業者等を対象に従業員等の研修を通した人材育成や能力開発を支援する制度です。研修の受講料やテキスト代のほか、資格取得にかかる諸費用も補助対象となります。
【中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
市内の中小企業における従業員への研修費用の一部を補助し、安定的な人材確保や経営基盤の強化を支援する |
対象者 |
市内の中小企業者および個人事業主 |
補助額 |
最大10万円 ※研修計画を策定しない事業者は最大5万円 |
補助率 |
1/2 |
対象経費 |
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公式サイト |
中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金では、研修計画の策定有無により補助額の上限が異なります。研修計画は実施する研修内容や研修の実施時期などを明記した計画のことであり、研修計画を策定した場合は最大10万円、研修計画を策定しなかった場合は最大5万円が補助されます。
また、中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金では研修費用に加えて資格の取得にかかる費用も補助対象となります。さまざまな資格取得費用が対象となりますが、普通自動車第一種免許をはじめとする一部の資格は補助対象外となるため、取得したい資格が補助対象となるかどうかの確認が必要です。
中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金を活用することにより、研修や資格取得の費用負担を抑え、従業員のスキルアップを促進することが可能です。中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金について詳しく知りたい人は千葉市の公式サイト「中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金」を確認してみてください。
とやま人材リスキリング補助金は、県内の中小企業者等を対象に生産性の向上や成長分野へのチャレンジ等を目的として行う「リスキリング」の取組みに対し、その経費の一部を補助する制度です。研修にかかる受講料や教材費などの諸費用と、研修期間中の従業員の賃金に相当する金額が補助されます。
【中小企業者経営力強化促進補助金(人材育成応援事業)の概要】
項目 |
内容 |
制度概要 |
従業員の再教育にかかる経費の一部を補助することにより、県内企業の生産性向上や成長分野へのチャレンジを支援する |
対象者 |
県内の中小企業等 |
補助額 |
最大100万円 (1社1年度あたり) |
補助率 |
受講料等:75% 賃金:960円(1人1時間あたり) |
対象経費 |
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公式サイト |
とやま人材リスキリング補助金は、従業員の再教育である「リスキリング」において必要となる経費の一部が補助されます。県内企業におけるリスキリングの取り組みの実施により、生産性向上や成長分野へのチャレンジを促進することを目的としています。
また、とやま人材リスキリング補助金の対象となるのは、教育訓練機関が提供する教育訓練のうち10時間未満の教育訓練です。夜間や休日など、所定労働時間外に受講させた教育訓練にかかった費用も補助対象となります。
とやま人材リスキリング補助金を活用することにより、リスキリングの研修にかかる費用の一部が補助され、事業の発展や新たなチャレンジにつなげることが可能です。とやま人材リスキリング補助金について詳しく知りたい人は、富山県の公式サイト「とやま人材リスキリング補助金」を確認してみてください。
社内で行う研修や外部講師を招いた講習など従業員のスキルを上げるための研修にかかる費用を抑えることは可能です。研修費用に対する支援制度として、国や地域の自治体が実施する補助金や助成金を活用できるからです。
国が実施する支援制度には、経済産業省が実施する「事業再構築補助金」「IT導入補助金」や、厚生労働省が実施する「人材開発支援助成金」が挙げられます。全国の中小企業や個人事業主等に対して研修費用が補助されますが、制度の目的に合った取り組みに必要だと認められる研修のみが補助される傾向にあります。
自治体が実施する支援制度には「中小企業者経営力強化促進補助金」「中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金」「とやま人材リスキリング補助金」などが挙げられます。自治体が管轄する地域の中小企業や個人事業主等に対して研修費用が補助されますが、対象となる経費の詳細は制度によって異なります。
補助金制度ごとに対象者や対象経費、満たすべき要件などが異なります。研修に使える補助金への申請を検討する人は「どのような補助金が自社の研修に使えるのか」「どのような研修費用を賄うことができるのか」を確認した上で申請する制度を選びましょう。
使いたい補助金が決まっているので、
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