LED照明の導入に使える補助金はある?事業者向けの補助金を紹介

2024/07/11

2024/7/11

この記事の監修

株式会社SoLabo田原広一

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業者の中には、事業所や店舗の照明をLEDにしたいと考えている人もいますよね。また、LED照明の導入や買い替えに利用できる補助金があるのか気になる人もいるでしょう。

当記事では、LED照明の導入に利用できる事業者向けの補助金を紹介します。LED照明に使える補助金を探している人は、当記事を参考にしてみてください。

LED照明の導入に利用できる補助金がある

LED照明の導入に利用できる補助金や助成金などの支援制度には、国を財源とするもののほか、自治体が主体となって行っているものもあります。自治体が実施している支援制度は、管轄する都道府県や市区町村において事業を行っていることが申請の条件となる傾向にあるため、自社が対象となるかどうかを申請前に確認しましょう。

【LED照明の導入に利用できる補助金の具体例】

運営元 制度の具体例
  • 先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金
  • 既存建築物省エネ化推進事業
都道府県
  • LED照明等節電促進助成金(東京都)
  • 省エネルギー設備導入支援事業費補助金(北海道)
  • 中小事業者LED照明導入促進補助金(大阪府)
市区町村
  • 集合住宅・事業所等LED照明設置費補助金(足立区)
  • エネルギー価格高騰対策LED照明器具導入支援補助金(川越市)

たとえば、東京都の足立区で事業を営む場合は、「国」「東京都」「足立区」が運営している補助金が対象となります。そのため、国が運営する「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」や、東京都が運営する「LED照明等節電促進助成金」、足立区が運営する「集合住宅・事業所等LED照明設置費補助金」を利用できる可能性があります。

補助金の情報は、各自治体や省庁のホームページに記載されています。また、国や都道府県の補助金なら「Jグランツ>補助金を探す」や中小企業向け「ミラサポ>制度を探す(制度ナビ)」から検索できます。

なお、国の補助金は官公庁だけでなく、執行団体が委託を受けて補助金の交付、審査、事務処理などを行っている場合もあります。LED照明の購入や買い替えに利用できるの補助金を探している人は、LEDの補助金を公募している執行団体の公式サイトも確認しましょう。

補助金を探すときは条件や公募期間を確認する

補助金を探すときは、補助金の申請条件や公募期間などの各補助金の募集要項を確認しましょう。補助金ごとに、募集の対象や補助額も変わるためです。

【補助金の募集要項】

  • 対象者(事業者向けか家庭向けか)
  • 対象経費
  • 補助額
  • 公募期間   など

たとえば、経済産業省主体の先進的省エネルギー投資促進支援事業では、LED照明器具と制御器具が設備費として補助対象です。一方、国土交通省主体の既存建築物省エネ化推進事業では、要件を満たす省エネ設備と工事費が補助対象です。

また、公募期間も先進的省エネルギー投資促進支援事業が「令和6年2月5日(月)~2月26日(月)12時00分」であるのに対し、既存建築物省エネ化推進事業の場合は「令和6年4月24日(水)~令和6年5月29日(水)」と時期や期間が異なります。

補助金を探している人は、自社が申請可能な補助金を見つけるため公募期間や対象経費など補助金の募集要項を確認してみてください。

なお、補助金は年度予算から下りるため、時期によっては申込が終了している補助金もあります。来年度の予算が組まれている場合は来年度にも公募される可能性があるため、申請したい補助金がある人は今年度のみでなく来年度の公募も確認してみましょう。

LEDに利用できる全国の事業者向けの補助金

全国の事業者が対象となるLED補助金は、すべて省エネ関連ですが各省庁によって補助金の内容はさまざまです。各省庁の方針に合う補助金の内容になっているためです。

たとえば、環境省では、CO2削減を推進する事業を行っています。PCBという光源が使われている照明器具を、LED照明器具に交換する取り組み費用を一部補助する事業です。

一方、国土交通省では、建築資産の省エネ化推進及び関連投資の活性化を図る事業を行っています。おもに民間事業者等が行う省エネルギー改修工事を、改修後の省エネ性能を表示することなどを要件に、費用の一部を支援する取り組みをしています。

各省庁の補助金は、募集目的によって対象者や対象経費が異なります。補助金を探している人は、自社で利用できる補助金はどれか、各公式サイトで募集の内容を確認しましょう。

省エネ設備への更新支援(省エネ補助金)

省エネ設備への更新支援は、経済産業省による「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の執行団体として一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が実施する補助金です。通称「省エネ補助金」とも呼ばれ、省エネ設備や機器の導入により、省エネ対策に取り組む企業や個人事業主を支援する制度です。

省エネ補助金は補助金の利用目的に応じて4つの類型に分かれており、LEDに利用できる類型は「(Ⅲ)設備単位型」です。

【省エネ補助金(Ⅲ)設備単位型の概要】

項目

詳細

対象者

  • 法人
  • 個人事業主

要件

  • 補助対象設備として登録されている指定設備へ更新する事業を行うこと
  • SIIが定めたエネルギー消費効率等の基準を満たす設備を導入すること

対象経費

設備費

【具体例】

  • 制御機能付きLED照明器具
  • 高効率空調
  • 高性能ボイラ
  • 低炭素工業炉

補助金額

30万円円~1億円(事業全体)

補助率

1/3以内

公募期間

2024年5月27日(水)~7月1日(月)

参考:令和5年度補正予算省エネルギー投資促進支援事業費補助金公募要領

省エネ補助金の(Ⅲ)設備単位型では、制御機能付きのLED照明機器が補助対象となります。対象範囲として「無線式調光制御設備」「有線式調光制御設備」「人感・明るさセンサ付調光制御設備」が定められており、照明機器本体のほかリモコンや制御装置なども対象です。

なお、省エネ補助金の募集は2024年7月1日に2次公募が終了しました。今後の募集に関する情報は「省エネ設備への更新支援(省エネ補助金)」の公式サイトを確認してください。

建築物省エネ化推進事業

既存建築物省エネ化推進事業は、国土交通省が行っています。既存建築物省エネ化推進事業の目的は建築資産の省エネ化の推進と関連投資の活性化であり、民間事業者等が行う省エネルギー改修工事やバリアフリー工事などを支援します。

【既存建築物省エネ化推進事業の概要】

項目

詳細

対象者

既存のオフィスビル等の建築物の改修工事を行う事業者

要件

  • 躯体(壁・天井等)の省エネ改修を伴うこと
  • 改修前と比較して20%以上の省エネ効果が見込まれること
  • 改修後に一定の省エネ性能に関する基準を満たすこと
  • 省エネ性能を表示すること
  • 改修後に耐震性を有すること

対象経費

  • 省エネルギー改修工事に要する費用
  • エネルギー使用量の計測等に要する費用
  • バリアフリー改修工事に要する費用
  • 省エネルギー性能の表示に要する費用

補助額

5,000万円以内

(設備部分は2,500万円以内)

補助率

省エネ工事費(天井・外壁・窓等)と既定の設備費等の合計の1/3以内

公募期間

令和6年4月24日(水)~令和6年5月29日(水)

参考:既存建築物省エネ化推進事業公式サイト

既存建築物省エネ化推進事業では、省エネ化につながる建築物の改修や、省エネ化とあわせて行うバリアフリー改修の費用が補助されます。過去の公募の採択事例では事務所や学校、福祉施設などにおける照明のLED化への取り組みが採択されています。

なお、令和6年度における既存建築物省エネ化推進事業の1次公募は2024年5月29日に終了しましたが、2次公募や来年度以降の公募がおこなわれる可能性があります。次回以降の応募を検討する人は、国土交通省のホームページ「支援事業」から最新の情報を確認してみてください。

LEDに利用できる地方自治体の補助金

LEDの導入に利用できる補助金には、地方自治体が独自に実施しているものもあります。地方自治体が実施する補助金や助成金などの支援制度は全国各地に複数存在するため、LEDに利用できる制度の具体例として5つの制度を紹介します。

【LEDに利用できる地方自治体の補助金】

制度名

対象者

補助率/補助額

LED照明等節電促進助成金

(東京都)

都内で製造業を営む中小企業者等

【補助率】

1/2以内

【補助額】

30万円~1,500万円

省エネルギー設備導入支援事業費補助金

(北海道)

道内に事務所又は事業所を有する法人

【補助率】

1/2以内

【補助額】

最大500万円

(コンソーシアムは最大1,000万円)

中小事業者LED照明導入促進補助金

(大阪府)

①府内で運営している工場・事業場の照明設備をLED照明へ更新する者

②大阪府の脱炭素経営宣言登録制度に基づき脱炭素経営宣言を行った者

【補助率】

1/2以内

【補助額】

20万円~1,500万円

集合住宅・事業所等LED照明設置費補助金

(足立区)

区内に事業所を置く民間団体、中小企業、個人事業主等

【補助率】

1/3以内

【補助額】

最大30万円

エネルギー価格高騰対策LED照明器具導入支援補助金

(川越市)

市内事業所の既存照明設備(LED以外)をLED照明器具に更新する中小企業者等

【補助率】

1/2以内

【補助額】

最大30万円

たとえば、LEDに利用できる地方自治体の補助金には、東京都が実施する「LED照明等節電促進助成金」があります。年度内に複数回の募集があり、節電につながる計画に必要なLED照明器具やデマンド監視装置などの導入費用の一部が補助されます。

また、LEDに利用できる地方自治体の補助金には、埼玉県越谷市が実施する「エネルギー価格高騰対策LED照明器具導入支援補助金」があります。LED以外の照明機器からLED照明へ更新する市内の事業者を対象としており、令和6年度の予算750万円に達するまで先着順での支給となります。

全国には複数の自治体があり、LEDに利用できる補助金や助成金などの支援制度にもさまざまな種類があります。中小機構が運営するポータルサイト「J-Net21」では、地域を絞り込んで支援制度を検索できるため、自社が対象となる補助金を検索したい人は支援情報の検索を活用してみてください。

まとめ

LED照明の導入に利用できる補助金には、国や自治体が主体で行っているものがあります。国の補助金は、執行団体が公募をしている場合もあるため、申請予定の補助金がある人は、各自治体や省庁の公式サイトだけでなく、執行団体のサイトの募集要領も確認しましょう。

補助金は、補助金ごとに募集目的によって対象者や対象経費が異なります。補助金を探している人は、目的に合った補助金を見つけるため、対象者や対象経費などの詳細を募集要項で確認してみてください。

国が行っている事業者向けLED補助金のなかには、今年度の募集が終わっている補助金もあります。しかし、毎年行っている補助金の場合は来年度も募集をする可能性があります。申請したい補助金がある人は、各省庁の公式サイトで次回公募や来年度の募集を確認しましょう。

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