エアコン購入に使える補助金とは?事業者と個人に分けて解説

2024/04/01

2024/1/10

この記事の監修

株式会社SoLabo田原広一

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

企業や店舗、住宅に必要であるエアコンなどの空調設備の購入、買い替えの費用は、工事費も含め高くなってしまいます。少しでもコストを抑えるにはどうすればいいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、国や自治体が運用しているエアコン購入に使える補助金について解説します。事業者や個人で使える補助金をそれぞれ紹介するので、補助金の利用を検討している人は、参考にしてみてください。

事業者がエアコン購入に使える補助金

事業者がエアコンの購入に使える補助金は、国や自治体が運用している制度があります。また、事業者が活用できる補助金のほかに助成金があり、要件を満たし採択されることで費用の負担を軽減することが可能です。

【事業者がエアコン購入に使える補助金例】

補助金・助成金名

特徴

小規模事業者持続化補助金

・経済産業省が運用
・事業所向け

脱炭素設備投資促進補助金

・自治体が運用(神奈川県平塚市)
・事業所向け

新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度

・自治体が運用(東京都新宿区)
・事業所向け

立川市中小企業二酸化炭素排出量削減事業施設改修費補助金

・自治体が運用(東京都立川市)
・事業所向け

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・
運用改善支援事業

・助成金
・事業所向け

地球温暖化対策助成制度(事業所用高効率空調機器(エアコン))

・助成金
・事業所向け

再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成

・助成金
・事業所向け

たとえば、経済産業省が実施している小規模事業者持続化補助金の場合、販路開拓する取り組みのみに使用するエアコンであれば補助対象経費の機械装置等費に該当します。自治体が運営している補助金は、既存の空調設備から買い替える場合や省エネルギーのエアコンが対象です。

エアコンを購入することで、事業所では室内の温度管理が安定し作業環境が向上され業務効率化につながります。使用目的や場所に合ったエアコンの補助金などを検討できるように、利用可能な補助金や助成金の情報収集をしましょう。

エアコン購入費が小規模事業者持続化補助金の補助対象になる場合

小規模事業者持続化補助金を活用してエアコンを導入するには、販路開拓するために必要なものと認められる必要があります。小規模事業者持続化補助金の目的は、商工会・商工会議所のサポートを受けながら小規模事業者が取り組む販路開拓や業務効率化などを支援することだからです。

【小規模事業者持続化補助金(通常枠)の特徴】

項目

概要

対象者

・小規模事業者
・個人事業主

※小規模事業者の判断は業種ごとの従業員数で決まる

要件

・資本金または出資金が5億円以上の法人に直接、間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)

・直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと

・卒業枠で採択され事業を実施した事業者ではないこと

補助率

2/3

補助上限

50万円

たとえば、食品の製造場所に冷暖房設備がなく温度調節が難しいため、補助金を使いエアコンを導入することで作業の効率が向上され新商品の開発が可能です。通常枠の場合、補助上限額50万円以内であり補助金のすべての要件を満たし集客力を向上させるなどの補助事業の遂行に要するエアコンならば補助対象経費になります。

ただし、小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金などの注意事項に記載している汎用性があり補助事業以外にも使用が可能なものに該当した場合は対象外です。補助事業のみに使用することが明確であれば、補助対象経費となるため補助事業の遂行に必要であると判断されるような使用目的の場合に補助金を利用しましょう。

なお、事業者が検討しているエアコンの使用目的は補助対象となるのか分からない場合は、申請の準備をする前に補助金事務局に問い合わせてみましょう。小規模事業者持続化補助金の公募要領を確認したい人は、商工会議所地区公式サイト「小規模事業者持続化補助金(一般型)」をご覧ください。

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自治体によっては事業者がエアコン購入に使える補助金がある

自治体によっては事業者がエアコン購入費に使える補助金があります。地域ごとに補助金の補助対象機器に指定があり、要件なども異なるため、かならず制度を利用する前に各自治体の公募要領を確認しましょう。

【事業者がエアコン購入に使える自治体の補助金の特徴】

自治体

補助金名

特徴

神奈川県平塚市

脱炭素設備投資促進補助金

【対象】

・平塚市内に事業所がある中小事業者

・既存の設備と比較して、二酸化炭素の排出量が
年間2%以上削減されること

・事前に二酸化炭素排出量の削減効果の内容が
確認されていること

・平塚市内に設置される新品の設備であること

・申請者自らが使用すること

・本体価格30万円(税抜)以上の設備であること

【補助率】

1/5

【対象経費】

設備導入に要する本体価格及び設置工事費(税抜)

東京都新宿区

新宿区省エネルギー及び
創エネルギー機器等補助制度

【対象】

・新宿区内に事業所を持ち補助対象機器等を設置した
中小企業者、個人事業者

・施工及び支払いまで完了し申請書及び各添付書類等が
提出可能であること

・施工完了日と支払完了日の間は1年以内であること
・補助対象機器等が新品、未使用であること
・過去に本制度に基づく同一機器の補助を受けていないこと

【補助率】

施工経費(税抜)50%(上限50万円)

【対象経費】

・高効率空調設備
・東京都中小企業向け省エネ促進税対象機器となっているもの
・既存設備の従来型からの交換であること

東京都立川市

立川市中小企業二酸化炭素排出量削減事業
施設改修費補助金

【対象】

・立川市内において事業を行う中小企業であること
・補助対象事業について、市及び東京都の補助を受けていないこと
・省エネルギー診断を受けていること

・過去1年間のエネルギー使用量や料金に関するデータを
把握し、省エネ改修後に二酸化炭素排出量削減効果の報告を
2年間行うこと

【補助率】

補助対象経費(設計費・設備改修費)の1/3以内(上限50万円)

【対象経費】

省エネルギー診断の改善提案に基づく業務用エアコンなど

たとえば、神奈川県平塚市が実施している「脱炭素設備投資促進補助金」では、既存の設備と比べて二酸化炭素の排出量が年間2%以上削減される省エネのエアコンにかかる費用が補助対象です。本体価格30万円(税抜き)以上の新品のエアコンであることが必須であり、二酸化炭素排出量の削減効果がある内容であるか省エネ診断などによって確認されていることが必要です。

また、東京都新宿区が運用している制度は、従来品から少ないエネルギーで動かせる新品の高効率空調設備に買い替える際に使え、中古品やリユース品は対象外となります。東京都立川市が行っている補助金の場合、省エネルギー診断を受けその時に改善提案をされたことに基づいた業務用エアコンの改修に利用できます。

事業者向けのエアコン購入費に利用できる補助金は、制度を運用している地域に事業所があることが対象です。そのため、事業で使うエアコン購入の補助金を探す場合は、事業所の所在地を管轄する自治体のホームページを確認しましょう。

事業者がエアコン購入に使える助成金もある

補助金以外にも、自治体が運用している事業者がエアコン購入に使える助成金もあります。東京都が実施している助成金は主に、廃棄物の排出をゼロにするゼロエミッション化や温室効果ガスの排出量を削減することが目的です。

【事業者がエアコン購入に使える助成金の特徴】

自治体

助成金名

特徴

東京都環境公社

ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・
運用改善支援事業

【対象】

・東京都内に中小規模事業所を持つ中小企業者、
個人事業主など

・東京都内に持つ中小規模事業所で省エネ設備の
導入を行うこと

・事前に省エネ診断を受診し、
この提案に基づき、省エネ設備の導入を行うこと

・省エネ設備の更新前後の比較により、
省エネ化が見込まれること

・地球温暖化対策報告書を提出すること(工事完了時※
及び工事完了の翌年度から2年間)

【助成率】

2/3または3/4

【助成対象経費】

省エネ設備の導入に係る経費
(設計費、設備費、工事費)

東京都港区

地球温暖化対策助成制度
(事業所用高効率空調機器(エアコン))

【対象】

・中小企業者、個人事業者

・工事の着工前であること

・過去、同住所の同じ建物で空調機器の助成金の申請を行っていない

・新築に伴う申請ではないこと

【助成率】

設置に要する経費1/3(上限60万円)

【対象機器要件】

・東京都環境局による「省エネ促進税制対象機器」に登録されている新品の機器

・従来機の入れ替えであること

東京都北区

再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成

【対象】

・申請者が中小企業者等であること

・北区内に事業所を持つ中小企業者等

・事業所に自ら使用する目的で助成対象機器等を購入、設置または施工すること

・導入しようとする機器等が、未使用のものであること

・同一年度内に、この助成制度に基づく同じ種類の機器等に対して助成を受けていないこと

・導入しようとする機器等について北区の助成を受けていないこと

【助成率】

助成対象経費の 20(限度額 100万円)

【助成対象機器要件】

・事業用途にのみ使用するエアコンであること

・都内の中小規模事業所における
地球温暖化対策推進のための
導入推奨機器指定要綱第2の指定基準を満たすものであること

たとえば、東京都内に中小規模事業所がある事業主が対象の省エネ設備導入・運用改善支援事業では、省エネ診断を実施して改善案に基づく省エネ効果が見込まれるエアコンの費用の一部が助成対象となります。

地球温暖化対策助成制度では、東京都環境局による「省エネ促進税制対象機器」に登録されているエアコンのみが補助対象です。また、従来機の入れ替えを行うことなど対象機器の要件をすべて満たすことで、設置に要する経費の1/3が助成されます。

省エネルギー機器等導入助成の場合は、地球温暖化対策推進のための導入推奨機器指定要綱に指定されたエアコンの基準を満たすものが対象です。なお、事業所に使える自治体の助成金は事業用途のみに使用することが要件のため、住宅で使用するエアコン購入費は助成対象外です。

個人がエアコン購入に使える補助金もある

事業者向けの制度のほかに、一般家庭である個人住宅が対象のエアコン購入に使える補助金もあります。省エネ家電製品買換え促進補助金や省エネ機器エネルギー源転換補助金は主に省エネ機器に買い替えることが条件です。

【個人がエアコン購入に使える補助金の特徴】

自治体

補助金名

特徴

大阪府枚方市

省エネ家電製品買換え促進補助金

【対象】

・枚方市内に所在する実店舗(インターネットショッピング等は不可)において、
合計5万円(税抜)以上の補助対象の
同種・同数の省エネ家電に買換え、
枚方市内の自宅に設置された個人

・家電リサイクル法に基づき、買換え前の同一種類の古い家電を処分していること

・補助金の申込日において、枚方市に住民登録がある方

【補助額】

・合計15万円以上の購入 3万円
・合計10万円以上15万円未満の購入 2万円
・合計5万円以上10万円未満の購入 1万円

【対象家電】

・統一省エネラベル2つ星以上(目標年度2027年度)や統一省エネラベル4つ星以上(目標年度2010年度)のエアコン

北海道札幌市

省エネ機器エネルギー源転換補助金

【対象】

・札幌市民であること

・自ら居住する札幌市内の住宅に、対象機器を自ら購入、設置する者であること

・札幌市が毎年行うモニター調査に回答すること

・既存の暖房が灯油を使用する機器であること

・既存の設備を撤去、電気やガスを使用する対象機器に更新すること

・国、札幌市等による同様の補助金等の交付を受けないこと

・耐用年数期間中は撤去した設備に代わる灯油の機器を設置しないこと

【補助率】

1/2(上限35万円)

【対象家電】

寒冷地エアコン(JIS C 9612:2013解説表に記載の寒冷地最低外気温度(-15℃以下)で、JIS B 8615-1:2013の運転性能要求事項を満たすこと、通年エネルギー消費効率(APF)5.1以上)

たとえば、大阪府枚方市が行っている省エネ家電製品買換え促進補助金では、枚方市内にある実店舗で購入した統一省エネラベル2つ星以上または4つ星以上のエアコンが対象家電です。統一省エネラベルは、省エネ基準に達成している性能ランクを表示したラベルとなります。

北海道札幌市が運営している補助金は、既存の灯油を使用する暖房機器から暖房性能が高い寒冷地エアコンに転換する場合に費用の一部を補助する制度です。既存の暖房機器に比べCO2 の削減による30%以上の省エネ効果が得ることや毎年行うモニター調査に回答することが補助を受けられる条件です。

枚方市の補助金は買い替え前の同一種類の古い家電を処分していることが要件であり、札幌市もエアコンの機器要件が指定されています。個人向けの補助金でも、対象者や条件が決められていてすべて満たす必要があるため、自身が利用できる補助金を探しましょう。

エアコン購入に使える補助金を調べる方法

エアコン購入に使える補助金について調べる方法を把握して、自社や家庭に合った補助金を検索してみましょう。補助金によっては、対象経費や応募期間などの公募要領が変わる場合があるため、定期的に情報を確認することが必要です。

【エアコン購入に使える補助金を調べる方法】

  • 地域のホームページを確認してみる

  • 自治体に問い合わせてみる

  • 検索サイトで調べる

たとえば、事業所や住宅がある地域のホームページでは、実施している補助金や助成金の情報が記載されている場合があり、サイト内検索でキーワード入力してみましょう。ホームページを確認して見つからない場合は、電話や訪問で自治体に問い合わせることでエアコンに使える補助金の情報を聞けます。

また、空調を取り扱っている企業が運営している補助金の検索サイトや事業所向けの補助金検索サイト「ミラサポplus」にて調べることが可能です。過去に実施している補助金や申請期間中のエアコンに使える補助金の公募要領を確認することができます。

なお、Googleといった検索システムにてキーワード検索する場合は、「地域名 エアコン 補助金」というように地域名とともに入力することで見つかりやすくなります。事業所で使用するエアコンの費用を抑えるために補助金を検索したい場合は、経済産業省が運用している公式サイト「ミラサポplus」にて調べてみましょう。

まとめ

エアコン購入に使える補助金や助成金には経済産業省が運用しているもの、自治体が実施している制度などさまざまあります。また、事業目的で使える制度や個人で購入する際に利用するなど利用者の使用目的によって使える制度は異なります。

エアコンを購入することで、作業環境が向上され業務効率化につながる場合や温度調節が難しい商品を開発する際に使って生産性が向上するなどのメリットがあります。

なお、補助金や助成金の公募要項は実施しているところによって違うため、必ず自身に合った制度はあるのか情報収集を行った後に検討してみましょう。

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