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『行動と実践の積み重ねが今につながっている』行政書士法人ファーストグループ代表の塩谷さんへのインタビュー

起業家ストーリー ファーストグループ 塩谷豪

行政書士法人、社会保険労務士法人、労働保険事務組合 ファーストグループ

ファーストグループは、許認可(建設業許可・各種許認可)に関する手続きを行い、国内でもトップクラスの実績をもって運営されています。代表の塩谷さんは、行政書士として建設業関連許認可、産廃業許可などの許認可部門と、社会保険手続きや助成金サポート、労災特別加入などの人事労務部門を柱に事務所運営を行われています。

会社HP:https://fstg.co.jp/

塩谷さんのプロフィールのページ:https://fstg.co.jp/office/

「勤め人になるイメージが湧かない」と感じていた学生時代から行政書士として独立するまで

ファーストグループ 塩谷豪

―――塩谷さんが行政書士として独立しようと思った理由やきっかけをお伺いしたいと思います。早速ですが、最初に起業を意識されたのはいつだったのでしょうか?

そうですね...事業をやり始めたのは27歳くらいでした。実は、意識的に起業したというよりも、結構追い詰められて起業に至りました。

若い頃から一般企業で「お勤め」しているイメージがあまり湧かない感じで。振り返ってみると親には申し訳ないのですが、結局大学時代に就職活動はせず、一社も受けなかったんですよね。

―――それは珍しいですね!学生の時から「勤め人としては生きていけないんじゃないか」と感じていたのには理由があったのでしょうか?

うちの家系が昔から代々続いている老舗の商売みたいなことをやっていて、親父が社長でおじさんが専務みたいな会社で……親族みんなが経営層の人たちでした。親戚がそういう(商売人気質な)感じなので、いわゆる「お勤め人」の感覚が初めからなかったのはありますね。

―――ご家族の影響があったということですね。行政書士を取るまでの経緯はどうだったのでしょうか?

学生時代から「友達が就職活動している間に、自分も何か将来の準備をしなきゃいけないけど、組織の中では生きていけないかも知れない」と思って、在学中に行政書士の試験を受けました。行政書士を取ったのは、単純に法学部にいたのと、一番手っ取り早く取れそうで、やってみようかなと思って……独立しようと思って取ったわけではなかったです。

大学を卒業してからはずっと飲食店で働いていたんですけど、25歳くらいの時の「俺もしかして、この飲食の業界にずっといるのはあかんのやないか……」という気持ちになってきていた頃、店のお客さんとして来ていた弁護士さんに「俺を働かせてくれ!」と頼みこんで、弁護士事務所に入ったんですよ。

――― へー!そこで初めてサラリーマンの経験を?

そうですね!そこで「士業事務所で働く訓練をしてから独立しようかな」みたいなことを考え始めた感じです。

―――弁護士と行政書士の業務って近しいところもあれば、ちょっと遠いところもあるんじゃないかなと思います。その弁護士事務所で経験したことを生かして独立されたんですか?

そこでは、それまで全くしたことのなかった事務仕事を経験しました。士業事務所で独特の業務ってありますよね、書類をそろえて役所のスケジュールに合わせて...というような。そういう基礎的な素養みたいなことはやっぱり勉強させてもらいましたし、お世話になった弁護士さんからは、色々と面白いことも教わってきました。

軌道に乗った秘訣は「ひたすら行動しながら周囲の力も借りたこと」

―――独立するまでは弁護士事務所で働いていた経験のみで、かつ行政書士としてのご経験があるわけではなかったと思うんですけど、独立してすぐに行政書士として活動できたのでしょうか?

そこは結構、ラッキーが重なってましたね!弁護士事務所で働いていたので、行政書士として登録するタイミングがありました。それから、当時流行っていた「週末起業」みたいなメルマガとかを読んでて、少額で紹介されていたセミナーを受けに行ったら、そこで出会った人の紹介で、行政書士業務に関する手続きを頼まれるようになりました。

あとは、業界のコンサルをやっている人にも出会い、その人から行政書士業務を教えてもらったり、門下生の手続きを振ってもらえたりして、仕事の数も増えて色々と経験しながら覚えていきました。

―――行政書士になる前に何か教育などは受けましたか?

いや、僕はそういう実務的なセミナーなどには全然行かないので、ご相談いただいたものを自分で調べながら、役所と話しながらやる以外のスタイルが無いですね。

でも集客面に関しては、営業セミナーに参加したり、マーケティングの本を読んだり、Webサイトのコンテンツ管理システムの使い方の本などを買って、見様見真似で作ってみたりもしました!

―――「知識や能力をつけてからはじめる」のではなく、「現場の数だけ成長していった」感じですね!

そうですね。周りの人たちにも恵まれていましたし、行動と実践の積み重ねが今につながっていると思います。

建設業許可の仕事をウェブ経由で獲得したことが規模拡大のきっかけに

―――建設業許可の仕事に辿り着いた理由をもう少し深掘りさせてください。当時どのような経緯で建設業許可に行きついたのでしょう?

今は業界の勢力図も変わってきていますが、当時は各エリアに老舗の事務所があって、「建設業か自動車登録」って相場が決まっていたんです。なので、儲かる仕事はこの2つというのが前提としてあって、さらに「大きく事業を展開しているところは、どこも建設業をやっている」というひとつの事実にたどり着きました。

建設業と自動車登録どちらかを選択するか考えてみると、建設業の方が自分にはフィットした感じだったので、建設業に決めた感じですね。

―――最初はどういう感じで一件目、二件目の仕事を取りに行ったんですか?

一件目はまた完全にラッキーで、身近に大工さんが居たんです!

その方は一人親方の、もうおじいちゃんの大工さんだったので、「自分のところでは別に建設業の許可なんて取らなくたって構わないんだけどね……」という感じだったなか、なんとか一件目を練習でやらせてもらって、何も知らない状況で調べながらやってみるうちに詳しくなっていったので、それを元に事業所のウェブサイトも作りました。

―――低単価でやってみて少しずつ単価を上げていったみたいな感じですかね?

そうですね。当時27歳位だったので、ウェブサイト経由で問い合わせを頂いたお客さんからも買い叩かれるというか、「安くないと頼まないです!」という感じでしたが、実績が無い分、低単価で仕事を受けて、経験を買うような気持ちで取り組んできました。

―――「建設業は大手がやっているから、まだ駆け出しの自分はやめておこう」という考えにとどまらずにチャレンジしていけた理由には、何かご自身の強みなどもあったのでしょうか?

理由は単純です。その当時はまだウェブ上で「うちで許認可やりますよ」とアピールして広告を出している行政書士事務所がどこにもなかったので、「ウェブから入ってくるお客さんだったら獲得できる!」という発見がありました。

それから、「建設業の許認可のサイトをつくっている人は居るのかな」と探してみたら、全国に数件だけあって……見てみると明らかに「これはお客さんが来てるな!」という雰囲気を感じて(笑)

「だったら、これを自分の地域でもやろう!」という感じでした。

創業初期に苦労したこと

―――起業してからどんなことに苦労しましたか?

思い出すとどんどん暗い気持ちになっていくんですけど……(笑)

一番はお金ですよね!それなりにキャッシュフローが安定した形になるところまでは、いつ仕事が途切れるかも分からないし、いつ入金になるかもわからないし……みたいなことを毎日考えていたので、資金繰りなどのお金の問題に苦労することが一番多かったと感じます。

―――創業当初から借入もされていましたか?

ちょっとだけ。日本政策金融公庫で150万くらいだけ借りました。

―――そのお金を大切に使いながら、規模を拡大されていった感じですね。創業時はそのお金以外にも結構お金を貯めてから独立しましたか?

いや、そんなことはないですね。個人事業の方を完全にやめた時は結婚した直後だったので、結婚式にお金も使ってしまいました……。結婚半年で、塩谷家としては30万もないくらいだったかも。

―――それはちょっと怖いとこありますね(笑) 

今になってあの時こうしておけばよかったとか、創業当時こういうことをやっておけば良かったと思うようなことはありますか?

そうですね……今になって思えば、当時はお金が貯まるまで「アレが買えない」「引越しできない」ということの連続で、成長のスピードがすごく遅かったです。

事業をひとつ立ち上げるために何をすればいいかはだいたいわかっていたので、それならはじめに公庫から500万くらい借り入れて、事務所借りて、人入れて……とやっていったら、あの数字は帳尻を合わせられたんだろうな、と今になって思いますね。

―――なるべく多くお金を借りてスタートダッシュを切って、余裕をもってやりたかった感じですね。起業したみなさん、そうおっしゃいます(笑)

塩谷さんご自身の今後の展望として、どんなことをしたいと考えていらっしゃいますか?

たとえば税理士事務所さんの場合、すごく大きいところで300人くらい居るような事務所もざらにあって、その規模でお客様のニーズに応えているという状況だと思うのですが、私の見立てだと、行政書士の業界はまだその域に達していないと思っています。

お客様のニーズを満たし切れていないので、「こちらから提案する」というより、「お客様からのご依頼にアップアップになっている」という現状です。なので、まずは自分たちの業界をクライアントさんが求めるサービス水準まで上げていくことが課題ですね。

実務能力を高めることに加え、経営を安定させて人数を増やし、大きい会社さんからのご依頼にも対応していけるだけの規模を作っていくことに尽力していく必要があると考えています。

――ありがとうございます!最後になりますが、起業を検討されている方にぜひメッセージをいただけると嬉しいです。

私は起業って「険しい道」だと思っています。面倒くさいことや悲しいこともたくさんありますが、やりたいと思うなら、とにかく一刻も早くやった方がいい。

若くて体力があるうちにはじめて、なるべく早く苦労もしながら「トンネル」を抜けていける方がいい。あなたが「起業したい!」と思ったなら、すぐにでもやったらいいと思います!

――確かに!なるべく若いうちに、苦労もしながら起業の壁を超えていくことで、お金では買えない貴重な経験値が貯まりますよね!塩谷さんのお話を伺って、事業を軌道に乗せるには行動と実践をどれだけ積み重ねていけるかだと改めて感じました!本日はありがとうございました!

ありがとうございました!

ファーストグループさんでは、建設業の許可管理、労務、会計のお悩み解決を発信する「建設業運営ガイド」も運営されています。建設業で課題をお持ちの経営者の皆様は、是非ご覧ください。

事務所情報

会社名:ファーストグループ

代表:塩谷豪(行政書士)

ファーストグループHP:https://fstg.co.jp/

税理士事務所:https://fstg.co.jp/tax/

建設業運営ガイド:https://fstg.co.jp/blog/

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