弊社株式会社SoLabo(ソラボ)のサービスを利用してくださった合同会社どすこいファームの楠目謙吾様にインタビューをさせていただきました。
こだわりの野菜を販売!合同会社どすこいファーム
合同会社どすこいファームは兵庫県淡路島で青果卸業をしています。SNSのライブ配信を行いながら販売を行う「Live Commerce」を用いて野菜の販売をしているため、商品の説明や美味しい食べ方なども聞きやすく、安心して購入することができます。
合同会社どすこいファーム SNS:https://www.instagram.com/dosukoi_farm/
「農家さんの役に立ちたい」という想いから開業
―青果卸業の開業の経緯をお聞かせください。
前職で青果卸の営業を7年やっていて、農家さんとメーカーの関係性や青果物を加工する立場を経験させていただく中で、自分の思うところが徐々に出てきました。ただ、当時は社員だったので、会社組織の中でやっているという事もあって、思っていることを通せない時がありました。
それで、自分の年齢も考えたところで、このままずっと雇われの身でやるのもいいけれど、不完全燃焼で終わるかもしれないというのと、農家さんの話を聞いてどうにかしてあげたいと考えた時に、独立するしかないよねっていう選択肢になり開業しました。
―社員として働かれている中で、現場の課題に気づきご開業されたのですね。当時の農家さんの課題はどのような課題があったのでしょうか?
自分たちが子供の時に、作物の収穫体験とかがあったと思うんですけど、そういったものが年々減っているんです。なんで減っているのかを追求すると、農家さんの高齢者問題や担い手不足、農家さんがSNSなどを使って広めたい思いがあってもそこまでの力がないとか、いろいろな事が合わさって自分たちの子供に収穫体験などの食育がやりづらくなってきているという課題がありました。
―自分もさつまいもの収穫体験をした記憶があります。楽しかった覚えがあるので、今の子供にもぜひ体験して欲しいですけど、難しくなってきているんですね。他にも課題はあったのでしょうか?
もちろんありました。1つ質問なのですが、農業を始めるハードルって低いと思いますか?
―いろいろ機材を用意したりする必要があると思いますけど、機材と土地があればできるのではないですか?
実は農業ってそんなに簡単に出来ないんですよ。みなさん結構簡単にできると思っているところもあると思います。僕も正直1年前までは簡単にできると思ってました。でも、僕がいざ農業を始めようとした時に、まず土地がなかったんですね。土地を持っていない場合はその市町村の役場に行くと農業委員会というところがあって、そこで欲しい土地を見つけて申請をするんですよ。僕もこの手順でやっていて、この土地で農業をやりたいって申請したんです。そしたら、ここで大きな問題があって、申請できなかったんです。なんだと思いますか?
―資金面とかですか?
違うんですよ。「あなたは元農家ですか?農業経験ありますか?」って聞かれるんです。僕は農業経験がなくて、実家も農家ではなかったので、「違います。経験もありません。」って言ったら、都道府県単位の就農研修を2年間受けてくださいって言われたんです。しかもその2年間の収益は自分の蓄えでやってください、補助金もありませんって言われました。僕は知り合いで仲良くさせていただいてた農家さんがいたので、卸業から入って農業をちょっとずつ手伝いながら就農を2年3年かけてやることになりましたけど、農業経験もない人は2年は研修を受けないと農家になることができないんです。
―2年間も研修を受けないと農家さんになれないんですね。しかも補助金もなしで自己資金のみで生活をするのはかなり厳しいと思います。
しかもこれの何が問題かというと、現状では日本の農家さんも高齢になってきて、あと1年2年で辞めちゃうかもしれないのに、この問題を無視して2年間を棒に振ってやらないといけない。今だったら農家さんと協力して、教えてもらいながら一緒に農業ができるのに、それすらできない制度になってるんです。そのくせ国産の受給率をあげなさいって国の人は言ってるんですよ。
―とても大きな課題があるんですね。他にも農家さん増えない理由などはあるのでしょうか?
全然あります。今だと世間が値上げをしている現状があるじゃないですか。そんな中で消費者の方は安いものを買う傾向が増えている状況になってきているんです。
消費者の方にお話を聞いてみたら「安い国産がいい」っていう回答が圧倒的に多いんですよ。やっぱり農薬の問題とか味の問題とかで、中国産とかアメリカ産ってなった時に渋る方が多いんです。でも実際購入するときはどうですかって聞いたら、「安いならなんでもいい」とか「国産がいいけど高いから外国産にする」みたいな傾向があるんですよね。
また加工食品を作るメーカーさんにお話を聞いてみたら「野菜の値段が高くても、出来る限り安心安全な国産を使用したい」っていう話が多かったんです。ですが、やはり国産の方がいいとは言っても、冷凍食品のカレーだとかチャーハンに使われている野菜となると、国産のものってほとんど使われていないんですよ。
こうなってくると、日本の農家さんは利益が出ないんで、農業を続けようとは思わなくなってしまうんです。
―確かに利益が出ないのならやり続けようとは思わないですよね。
しかも、それに拍車をかけたのは今も流行しているコロナなんです。
2019年くらいにコロナが流行し始めて、ちょうど淡路島産の玉ねぎの収穫時期の4月~5月にかけて、全国一斉休校になったんです。それもあって物流が一気に減ったんですね。それが原因で、例年20kgが2,300円くらいの玉ねぎが、淡路島で20kg、50円になったんですよ。そうなってしまったら農家さんもやっていけないし、やる気も起きないですよ。
こうなると農家さんもどんどん辞めていって、このままだと僕らが売る野菜もなくなってしまうんです。
―そんなにも安くなってしまったんですね。そんなに安くなってしまったら、農家さんの生活もままならないですよね。
そうなんです。消費者はやっぱり本当は国産がいいって言うんです。でも農家さんはそんなこと言われても農協の値段があがらないし、そんな利益もなく生活していくのもギリギリなので、農業をやっている意味がないっていう思いをさせてしまっている課題がありますね。
今後の展望 農業にとどまらない地域貢献を!
―今後やりたいことなどをお聞かせください。
今後やりたいことは山のようにあります。
まず、短期的な目標であった会社を創るということは達成することができました。次に中期的な目標は農福連携をかけたいという目標があります。これは農業と福祉を連携させるというやり方で、前職の介護職員という経験もあってなのですが、障がい者雇用の促進を図りたいと思っています。
長期的な目標として考えているのが2つありまして、1つ目がフードサプライチェーンを作りたいと考えています。生産者・青果卸・中卸・問屋・消費者という流れの中で、間の不要な部分を削減してその分浮いたコストを農家の方に還元したいと考えています。そうすることで、農家の方に利益が出るので、継続した農業ができるし、買っていただけた方にも新鮮な野菜を提供できると考えています。
2つ目が、食育をしたいと考えています。これは自分たちが子供の頃にやっていた、収穫体験を行政と絡めてもう一回やらせてあげるというのを考えています。子供らに体験してもらって、実際に農業に参加してもらう、先ほどのフードサプライチェーンで農業が儲かるようにして、現状の課題を解決するということを考えています。
この考えもあって、僕の会社名もどすこいファームという名前にしました。「どすこい」って一回聞いたら子供に覚えてもらいやすいし、「ファーム」って聞いたら農業をやってることが子供にもわかりやすいと思います。
やりたいことは山ほどあるんですけど、短期的・中期的・長期的な目標はこの内容を目標に頑張っていきたいと思っています。
おまけ:どすこいファームおすすめ 玉ねぎのおすすめの食べ方
―玉ねぎを使ったおすすめの食べ方ってありますか?
ど定番の質問ですね(笑)
作り方は次の手順でやっていただけたらと思います。
1.玉ねぎの上と下を切る
2.玉ねぎに十字の切れ目を入れる
3.ラップをかけて600Wで4分半~6分加熱する
4.鰹節と、ポン酢・めんつゆのどちらかをかける
5.お好みでマヨネーズを付けたら完成です
簡単に出来て、やっていただけた方から好評をいただいてるので、ぜひ試してみてください!
―楠目様、貴重なお話をしていただきありがとうございました!
店舗情報
合同会社どすこいファーム SNS:https://www.instagram.com/dosukoi_farm/
所在地:兵庫県南あわじ市山添82-1
YodaAkane
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