初めて外国人雇用する際の注意点を外国人材活用のプロにインタビュー

2022/5/11


今回は「初めて外国人を雇用する際の注意点」をテーマに、外国人材紹介事業などを展開する株式会社ASEAN HOUSE(アセアン ハウス)代表の佐々さんに、インタビューさせていただきます。

中小企業の事業経営者が、外国人を雇用するときに知っておくべきポイントについて解説します。

株式会社ASEAN HOUSEの佐々代表のプロフェッショナルな背景

――初めて外国人雇用する際の注意について教えていただく前に、まずは、佐々さんがどういう方か、外国人と多く関わる事業を起業した経緯など、そのプロフェッショナルな背景を伺います。

株式会社ASEAN HOUSE代表の佐々と申します。「特定技能」という在留資格のある外国人を中心に、紹介事業をしています。

学生時代にはミャンマーという国で起業したり、フィリピンに留学したり、はたまた彼女がミャンマー人だったり、東南アジア漬けの人生を送ってきました。

一方で前職リクルート勤務時代には、人手不足で悩む中小企業の経営者様と向き合ってきました。

そんな事業者様と、働きたくて仕方がない東南アジア人を結びつけることができたら、日本の人手不足も解決し、僕の大好きな東南アジア人も沢山、日本に来てくれる(笑)し、いいじゃん!ということで起業に至りました。

初めて外国人雇用する際の注意点

――さっそく、外国人材活用のプロに、外国人を雇用するときの注意点を教えていただきましょう。そもそも、日本国内で事業経営する人は、日本にいる外国人なら、誰でも雇えるものでしょうか?

残念ながら、外国籍の方は日本にいれば誰でも雇えるわけではありません。

まず、日本にずっと居られる「永住者」や、日本国籍を持つ方の家族の「日本人の配偶者等」、同じく永住権を持つ方の家族の「永住者の配偶者等」、諸事情で居住を認められている「定住者」であれば、外国人でも就労の制限はありません。

日本人と同様、どんな仕事にも就けるので、外国人雇用の手続きも特に必要はありません。

ただし、それ以外の方は、外国人が日本にいる間、活動範囲が定められる「在留資格」を確認し、外国人雇用の手続きをする必要があります。

また、雇用後は外国人との文化の違いを理解して接しないと、トラブルにつながる恐れがあります。

――確かに「観光ビザでは働けない」と聞きますし、雇用手続きなどのルールは難しそうですね。

外国人労働者の雇用を希望する事業者は「手続きの手間をかけてでも、安い賃金の外国人を雇いたい」と考えているイメージがありますが、実際はどうなんでしょうか?

「外国人材の方が賃金が安い」というのは完全に誤解です。

「同一労働・同一賃金」が基本なので、むしろ賃金を日本人材よりも安くすると、違法行為となり、就労ビザは発給されません。

外国人材を求める事業者の主な狙いは、人手不足の解消です。

異文化を持つ外国人材だからこその新しいアイデアの創出、海外進出の足がかりなどの狙いもあるかと思います。

――外国人の雇用を希望する事業者が、外国人雇用の第一歩をためらう一番の要因はなんだと思われますか?

最初の行政への手続きが非常に煩雑で、手間がかかることですかね。外国人材を活用して、事業をよりよくしていこうとする「覚悟」が必要だと思います。

そもそも、外国人材が定着するかどうかは経営層だけでなく現場の協力があってこそ、です。社内の理解と、外国人材を活用していく上での事業のビジョンを共有、社内フローの見直しを伴う業務マニュアルの整備は必須になると考えます。

――ただ外国人材を雇用するだけでなく、定着してもらわないと意味がないですものね。事業者が初めて外国人雇用しようとするとき、自社だけで内製できるものなのでしょうか?

外国人材に直接、採用活動するだけなら、何とかなるかと思いますが、最初の行政への手続きや、在留資格の難しいルールの理解、採用した外国人材への言語対応などがあるので、最初から内製化はかなり難易度が高いです。

初めては外国人材特化の人材紹介会社に外注し、慣れてきたら内製化を検討するのが妥当かと思います。あんまり「人手不足を補う」ためだけとは言いたくありません。「異文化を持つ外国人材だからこその新しいアイデアの創出、海外進出の足がかりなどの狙いもあるかと思います。」と前述しているので。

外国人を雇用する時に確認すること

――外国人を雇用するときに確認すべきことを教えてください。

外国人雇用には「在留資格を確認する」・「外国人雇用の手続きを確認する」・「文化の違いを確認する」の3つが大切です。

在留資格を確認する

「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」以外は在留資格によって働ける仕事の範囲が定められています。業種によっても、それぞれどの在留資格で働けるのかが限定され、外国人技能実習制度の理解が必要です。

参照:外国人技能実習制度について|厚生労働省

ただし、外国人技能実習制度の内容は頻繁に変わるので、中小企業が外国人材を雇用する場合、株式会社ASEAN HOUSEのような外国人材紹介会社などを介するのが一般的です。

外国人雇用の手続きを確認する

外国人材を採用できたとしても、ビザ申請や住居の手配、入社後の生活サポートなどが大変です。特定産業分野に従事する「特定技能」の外国人材であれば、登録支援機関へ依頼します(株式会社ASEAN HOUSEは登録支援機関です)。

【特定技能制度における外国人の受け入れ分野(特定産業分野)】

特定1号 介護分野、ビルクリーニング分野、素形材産業分野、産業機械製造業分野、電気電子情報関連産業分野、建設分野、造船・舶用工業分野、自動車整備分野、航空分野、宿泊分野、農業分野、漁業分野、飲食料品製造業分野、外食業分野
特定2号

建設分野、造船・舶用工業分野(令和4年3月31日時点)*。

*最新の情報は「特定技能外国人受入れに関する運用要領」でご確認ください。今後、特定産業分野が変わる可能性があるため、運用要領の内容にも日付が記載されています。

参照:特定技能外国人受入れに関する運用要領|出入国在留管理庁

「特定技能」の外国人材は10の支援項目が義務付けられており、内製できない場合、登録支援機関に外注する必要があります。空港からの送迎、電気・ガス・水道などの手続きや住民票の手続きの同行、日本語指導やトラブル時の対応、行政への提起報告などをサポートします。

特定技能の外国人は、基本的な日本語が理解できる技量くらいの日本語能力試験(JLPT)N4レベルが基準ですが、それ以上のN3やN2の方もいます。どのレベルであっても雇用後、言語面のサポートが必須です。

参考:N1〜N5の認定目安|日本語能力試験(JLPT)

外国人材の住居は寮を用意するのが一般的ですが、なければ家賃補助を出すのが一般的です。外国人材の住居選びなどを登録支援機関が請け負うこともあります。

文化の違いを確認する

外国人雇用には、まずは言語の壁があることを前提に、事業フローを見直す必要があります。中には、業務マニュアルを日本語の「話す・聞く」はできても「読み・書き」を苦手とするなど、外国人材によっては日本語の技量がアンバランスなこともあります。

「会話できているから、読めるだろう」・「マニュアルを読み取っているから、話も聞き取れているはずだ」という思い込みには注意が必要です。

外国人材は日本語を勉強してきていますが、言葉のニュアンスの違いで認識違いや齟齬が起きることはよくあります。日本独特の「空気を読む」ような話をしても、外国人に伝わりません。まず、雇用する側が、異文化の違いを受け入れる姿勢、異文化理解が必要です。

――育ってきた環境の違う新入社員は、ジェネレーションギャップもあるので、こちらの常識を押し付けずに指導をするものですが、外国人材でも、似た配慮が必要そうですね。

初めて外国人雇用するときの相談先・外国人雇用の流れ

――最後に、初めて外国人雇用するときの相談先・外国人雇用の流れを教えてください。

初めて外国人雇用を考えている事業者は、株式会社Eのように、外国人材に特化した人材紹介会社にご相談ください。すぐに外国人材を紹介してくれる可能性が高く、登録支援機関であれば外国人材の雇用後の生活サポートもしてもらえます。

もし顔馴染みの方がいるなら、行政書士にまず相談するのも一つの手です。外国人雇用の手続き面やルールには詳しい方であれば、相談にのってくれるはずです。

ただし、行政書士の場合、外国人の採用支援や言語対応を含めた雇用後のサポートは期待できません。

外国人雇用の流れは、次の表の通り、求人から入社までを外注するのが一般的です。

【外国人雇用の流れ】

特定技能の場合 (人材紹介会社などで)求人応募→面接→内定→雇用契約書締結→ビザ申請(→入国)→入社
技能実習の場合 (管理団体を通して)求人応募→面接→内定→契約書締結→ビザ申請→入国→入社

外国人材の活用のご相談は「株式会社ASEAN HOUSE」へ

佐々代表、ありがとうございました。

外国人材活用のプロ・佐々さんに、初めて外国人雇用する際の注意点について教えていただきました。

株式会社ASEAN HOUSEは特定技能特化の外国人材特化のソリューションカンパニーです。

外国人のことならASEAN HOUSEにご相談ください。

株式会社ASEAN HOUSE ホームページ

登録支援機関として生活サポートもしています。東南アジア人向けシェアハウスも経営しているので住居支援にも強みがあります。

介護、外食、宿泊、食品製造業など14業種、ベトナム・ミャンマー・インドネシア人などをご紹介しています。

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