それぞれの重なりを可視化することで覚悟の醸成をする

－株式会社サインコサインは株式会社セプテーニのグループ内ベンチャー企業として起業されたという噂をお聞きしました。これって本当ですか？

加来氏：はい、本当ですよ。セプテーニグループ内における新規事業コンテストへの出場を通じて、2018年4月に設立しました。

－なるほど。そもそもなぜ起業されようと思われたんですか？

加来氏：ぼくはセプテーニでクリエイティブディレクターとして戦略PRやキャンペーン企画、テレビCM、ソーシャルメディアマーケティングなど様々な領域・タイプのお仕事をしてきていたんですが、その一方でプライベートな時間を使ってタイムチケットというスキルシェアサービスも行っていたんです。「それだ！感のあるネーミングつくります。」というチケットで、これまで400名以上の方にご利用いただきました。

－そうだったんですね。

加来氏：このタイムチケットの中で行っていたのが一方的にクリエイティブを提供するのではなく、一緒に考えるための場を作り、共創していくスタイルでした。やり方としては「意思決定者に会い、質問しながら聞き、その内容を変換して提案し、もっと聞いて、もっと提案していく」というものです。

すごく単純なことですが、本業でも実践してみると従来のワークフローではとても発想も合意もできなかったようなクリエイティブが生まれたり、クリエイターではない代理店スタッフや広告主企業のクリエイティブに対する当事者意識を高めることができました。

と同時に「あらゆる可能性を追求し、選択する・その責任を各人が持って自由に作る」ことが本当に課題を解決するようなアイデアの発想や実行につながるのだと確信しました。

それでこの体験をより多くの人に提供するために起業することにしたんです。

－なるほど。実際に起業されてみてどうでしたか？

加来氏：覚悟を持つということがいかに大切なのか、ってことが本当によくわかります。

ここでいう覚悟っていうのは「自分はこれを信じているから、この選択をする」という意志のことで、これがないと一緒に働いているみんなも共感できず、ついてこなくなります。そうなると、会社として信念の先に生み出すべきパフォーマンスにも影響が出て、結果もついてこなくなってしまう。

企業や個人の理念、ブランドのネーミングやタグラインでも覚悟がこもっている言葉が大切なんです。そのためにはしっかりと自分の言葉で語れる具体的な体験や経験に向き合うことが重要ですね。

－そういったことは案外意識の表象には表れにくいものですもんね。そう考えると加来様の共創のプロセスはカウンセラーのようにも思えます。

加来氏：ちょっと似てるかもしれませんね。

自分の人生を自分で選択することが当たり前の世界に

－加来様は企業理念だけでなく、個人の理念に関しても盛んに啓発を行われていますよね。個人の理念も大切なんですか？

加来氏：大切です。個人理念とは個人の覚悟の象徴であり、選択の動機や基準になります。この個人理念が企業理念と重なっていると、多様な選択肢があふれる現代において「あえて」そこを選んだ最大の理由であり、それぞれの理念の実現に向けた行動の最大の動機となるからです。

様々な啓発活動を通じて企業やブランドはもちろん、職種や役職に関わらずひとりひとりの個人も理念を掲げることで自分の人生を自分で選択することが当たり前の世界に貢献していきたいですね。

－本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。最後にこのサイトを読んでいる読者の方々に何か一言お願いします！

加来氏：株式会社サインコサインでは「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す。」という理念を掲げて、企業や個人の理念、ブランドのネーミングやタグラインなどの共創や、それぞれの重なりを可視化することで覚悟の醸成を支援しています。

覚悟の持てる理念やネーミングなどを共創したいニーズのある企業やブランド・企業やブランドの理念とひとりひとりの社員の理念の重なりを可視化したい企業やブランドの皆様は是非お声掛けください！