ものづくり補助金で採択後に変更したい場合の手続きを解説
2024/04/22
2022/9/8
ものづくり補助金で採択されたあと、何らかの事情で申請内容を変更をしたい場合もありますよね。その際、どのように変更手続きをすればよいのか迷う人もいることでしょう。
当記事では、ものづくり補助金で採択後に申請内容を変更したい場合の手続きを解説します。ものづくり補助金に採択された人、申請してから変更したい箇所が見つかった人は、当記事で手続きを確認してみてください。
なお、当記事は「ものづくり補助金公式サイト」「補助事業の手引(18次締切)1.0版」と「交付規定」を元に作成しています。
Contents
ものづくり補助金で採択後に変更したい場合は所定の手続きが必要
ものづくり補助金で事業者が採択後に事業計画や補助対象経費などを変更したい場合は、所定の手続きが必要です。 手続きの方法と申請期限は変更内容により異なります。事前に各手続きと申請期限を確認しておきましょう。
【採択後の変更内容別の手続きと期限】
変更したい内容 | 手続き名(手続き場所) | 申請期限 |
申請した各補助対象経費の区分ごとの金額を変更したい | 事業計画の変更(Jグランツ) | 随時 ※ただし、交付決定前が望ましい |
補助事業実施場所を変更したい | 変更が必要となったら即時 | |
小規模企業者・事業者から中小企業者へ変更となるため、補助率を変更したい | 交付決定前 | |
事業計画の変更・一部中止・廃止をしたい | 変更が必要となったら即時 ※補助対象経費を支払ったあとであれば、支払った金額は事業者負担となる |
|
を変更したい |
Jグランツの登録事業者情報変更(GビズID) | 随時 ※ただし、補助事業終了の間際は避けたほうがよい |
参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版|ものづくり補助金
参考2:業経営支援等対策費補助金(中小企業生産性革命推進事業) ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 交付規程|ものづくり補助金
たとえば、補助対象経費で申請した金額を変更する場合は、Jグランツから事業計画の変更手続きが必要です。また、法人名の変更をする場合は、Jグランツの登録事業者情報変更が必要です。
ものづくり補助金で採択後に行う変更手続きは、変更内容により手続きを行う場所が異なります。変更内容により、交付決定前でないと受付けてもらえないこともあるので、変更したい事情が出た時点でものづくり補助金の事務局に早めに相談しましょう。
補助対象経費の割合や金額の変更
ものづくり補助金の補助対象経費の割合や金額を変更したい場合は、Jグランツからマイページにログインし、計画変更手続きで申請します。計画変更の画面を表示させたら、表示された内容から該当するものを選び、変更の詳細、変更の理由を入力します。
まず、Jグランツの最初の画面では、変更前の補助対象経費の金額はJグランツの画面でプレ入力されているので、申請者は変更後の金額のみを入力します。補助金の配分額や補助率が変更となる場合には、ものづくり補助金の公式サイトからダウンロードできる「様式第3-1 別紙 計画変更申請」(新旧対比表)」というExcelファイルも添付します。
【様式第3-1 別紙(新旧対比表)の記載例】
項目 | 変更前(交付決定額) | 変更後 | ||||
補助事業にかかる経費と補助率 | (A)事業に要する経費 (税込みの額) |
(B)補助対象経費 (税抜きの額) |
(C)補助金交付申請額 | (A)事業に要する経費 (税込みの額) |
(B)補助対象経費 (税抜きの額) |
(C)補助金交付申請額 |
(D)補助率 1/2 | (D)補助率 1/2 | |||||
機械装置・システム構築費 (単価50万円以上) |
600,000 | 540,000 | 270,000 | 800,000 | 720,000 | 360,000 |
※積算基礎の列は省略
※(C)補助金交付申請額の(B)補助対象経費×補助率以内(税抜きの額))をスペースの都合上で省略
参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 【補助事業の手引き】 (16次締切)|ものづくり補助金
たとえば、補助事業全体で支払う金額を60万円から80万円に変更する場合、(A)事業に要する経費の金額を80万円に変更します。また、補助対象経費の金額を54万円から72万円に変更する場合は、(B)補助対象経費の金額を72万円に変更します。
Jグランツに入力する変更理由には「昨今の半導体不足の影響を受け、◯◯社から取得した見積書の見積金額が当初より変更となったため」のように、変更のな理由を記載します。
変更後の補助対象経費が事務局により承認されると、事業者は新たな補助対象経費をもとに機械設備やシステム構築などの発注ができるようになります。補助対象経費の割合変更・金額変更をしたい人は、必ず事務局の承認を得てから補助対象経費の支払いをしてください。
補助対象経費の変更で事務局に連絡不要のケースもある
ものづくり補助金の補助対象経費の割合や金額の変更では、事務局への連絡が不要な場合があります。補助対象経費で最も割合が低い品目の20%以内の変更については、連絡の必要がないからです。
【補助対象経費の変更で連絡不要の例】
ものづくり補助金では変更割合が20%以内の補助対象経費の配分変更は、承認不要と認められています。
ものづくり補助金では変更割合が20%以内の補助対象経費の配分変更は、承認不要と認められています。ものづくり補助金の「交付規定」の第10条には、連絡が必要な場合について記載があるため、変更申請について迷うときは確認してみましょう。
Jグランツの登録情報の変更
Jグランツに登録されている情報を変更する際は、GビズIDサイトから登録情報を変更する方法と、GビズID運用センターまで申請書を送付する方法があります。そのため、Jグランツの登録情報を変更する場合は、どちらの方法で変更できるのかをあらかじめ確認します。
【Jグランツの登録情報変更時の変更項目】
方法 | 変更項目 |
GビズIDサイト上の変更 |
|
申請書の送付での変更 |
|
参考:事業者向けQA一覧|GビズID
たとえば、法人名や本店所在地を変更する場合は、GビズIDサイトから直接変更します。また、代表者氏名と印鑑登録証明書住所を変更する場合は、GビズIDに連絡し、変更申請書を郵送します。
Jグランツの登録情報の変更は特に期限が決められていないので、随時変更が可能です。ただし、事務局とやりとりをする上で不要なトラブルを防ぐために、代表者氏名や印鑑登録は補助事業の完了間際は避けておきましょう。
なお、GビズID運用センターに送る変更申請書は、GビズIDへログイン後、マイページからダウンロードできます。変更申請書に記入・押印をしたら、印鑑証明書(原本)とともにGビズID運用センターまで送付しましょう。
ものづくり補助金では申請後または採択後に変更が認められない内容もある
ものづくり補助金では申請後または採択後に変更が認められない内容もあります。そのため、ものづくり補助金で変更手続きをしたい事業者は、事前に変更が認められない内容を確認しておきましょう。
【変更申請が認められないタイミングと内容】
タイミング | 変更が認められない内容 |
申請後 |
|
交付決定後 |
|
参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版|ものづくり補助金
たとえば、省力化(オーダーメイド)枠から申請した場合、グローバル枠への変更することはできません。
また、ものづくり補助金の対象事業者となるために、交付決定前に一時的に資本金と従業員数を減らし、補助事業期間終了後に資本金と従業員数を増やした場合は、虚偽報告となり交付取消や補助金の返還などを事務局から指示される可能性があります。
ものづくり補助金の採択後の変更は、タイミングにより承認されない場合があります。変更手続きをする場合は、承認されるタイミングなのかを確認してから変更手続きをしましょう。
この記事のまとめ
ものづくり補助金で事業者が採択後に事業計画や補助対象経費などを変更したい場合は、所定の手続きが必要です。
軽微な変更や補助事業の実施に影響がないと思われる変更の場合は、変更手続きが不要な場合もあります。一方で、省力化(オーダーメイド)枠やグローバル枠などの申請枠や、雇用する従業員数のように、申請後交付決定後に変更できない場合もあります。
これからものづくり補助金で変更を検討している事業者は、まず変更可能な内容なのかを当記事やGビズIDのよくある質問で確認してみてください。