補助金ガイド

事業再構築補助金はフランチャイズも利用できる?採択事例も解説

2024/05/13

2021/6/24

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金の利用を考えている人の中には、フランチャイズでも利用できるのか知りたい人もいますよね。また、何の経費に対して補助金が使えるのか知りたい人もいるでしょう。

事業再構築補助金とは、思い切った事業再構築を支援する補助金です。申請後、審査に通った事業者が、事業再構築を行った後に必要な手続きをして、補助金を受け取れます。

当記事では、事業再構築補助金のフランチャイズ事業での利用について紹介します。事業再構築補助金を利用したフランチャイズの事例も紹介するので、参考にしてみてください。

なお、当記事は事業再構築補助金の第12回公募要領をもとに作成しています。

事業再構築補助金はフランチャイズも利用できる

事業再構築補助金は、フランチャイズも利用できます。おもにコロナや物価高騰などの社会変化に対応するための、新分野展開や業種転換などに取り組めます。

事業再構築補助金に申請できるのは、中小企業や、資本金10億円未満、または従業員2,000人以下の中堅企業に該当する事業者です。ただし、中小企業の場合は業種ごとに資本金額や従業員数の上限が決められています。

【中小企業者(会社または個人事業主)の定義】※下表の数字以下となること
業種 資本金 従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業 ~3億円 ~300人
卸売業 ~1億円 ~100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
~5,000万円 ~100人
小売業 ~5,000万円 ~50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに
工業用ベルト製造業を除く)
~3億円 ~900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 ~3億円 ~300人
旅館業 ~5,000万円 ~200人
その他の業種(上記以外) ~3億円 ~300人

参考:第12回「公募要領」|事業再構築補助金

たとえば、飲食サービス業の場合はサービス業にあてはまるため、資本金が5,000万円以下または従業員数100人以下であれば申請できます。また、旅館業の場合、資本金5,000万円以下または従業員数200人以下であれば申請可能です。

ただし、旅館業を除く宿泊業の場合は、サービス業に該当します。宿泊業の中でも、ホテルや民宿経営などの場合は資本金5,000万円以下かつ従業員数100人以下が申請の対象になります。

事業再構築補助金は、対象者の条件や申請の要件を満たしていれば、新たにフランチャイズ事業に挑戦する取り組みや、既存のフランチャイズ事業から業種転換する取り組みなどに活用できます。

なお、事業再構築補助金の対象経費や要件などの概要を詳しく知りたい人は「事業再構築補助金とは?対象や要件など概要をわかりやすく解説」を参考にしてみてください。

第10回および第9回公募のフランチャイズ事業にかかわる採択事例

第10回および第9回事業再構築補助金でも、フランチャイズ事業にかかわる事業計画が採択されています。

【フランチャイズ事業にかかわる採択事例】
新たにフランチャイズ事業へ挑戦する取り組み
既存の業種 内容
卸売業・小売業 【取り組み概要】
「貿易輸出入事業」から「カフェ事業」を展開
【詳細】
・輸入事業で韓国から食品・雑貨などを日本に輸入・販売している
・漫画の世界感を表現した2Dカフェ事業を行う
・大阪の「YONA CARTOON CAFÉ」のフランチャイズ運営となる
卸売業・小売業 【取り組み概要】
「書店チェーン経営事業」から
「知育玩具販売の体験型店舗のフランチャイズ事業化」へ挑戦
【詳細】
・本離れを懸念し、知育用玩具や絵本雑貨などを扱う
 「子育て世代向け体験型ショップ」を展開
・フランチャイズ化して収益拡大を図る
建設業 【取り組み概要】
「工事請負建設業」から「コインランドリー事業」へ挑戦
【詳細】
・コインランドリーの需要増加を受け、フランチャイズ経営に挑戦
・コインランドリーの施工実績を活かした経営を目指す
建設業 【取り組み概要】
法人からの請負業務「賃貸住宅の内装・リフォーム事業」から
フランチャイズ加盟により「清掃サービス業」へ挑戦
【詳細】
・既存事業がコロナ後、施工延期・単価減少で赤字になる
・おそうじ本舗のフランチャイジー店舗として清掃業務を開始
・「内装施工+清掃+顧客対応」の一貫対応のサービスを行う
宿泊業・飲食サービス業 【取り組み概要】
ワインバー経営事業をフランチャイズ展開
【詳細】
・ワインバー直営4店舗を18年間経営してきた経験を活かし、
 テイスティング体験可能なワインバーをフランチャイズ事業化
学術研究・専門・技術サービス業 【取り組み概要】
「デジタルマーケティング事業」から
「パーソナルボクシングジム事業」を開始
【詳細】
・WEB集客のノウハウを活かし、IOTサンドバッグを備えた
 日本初のパーソナルボクシングジムを全国展開
・新しいフランチャイズ方式で新分野展開を図る
不動産業・物品賃貸業 【取り組み概要】
「不動産賃貸業」から
「児童発達支援・放課後等デイサービス事業」へ進出
【詳細】
・不動産賃貸業のノウハウを活かして教室物件を選定
・フランチャイズのブロッサムジュニアに加入し、
 良質な事業所を展開する
フランチャイズ事業から異なる業種へ挑戦する取り組み
既存の業種 内容
宿泊業・飲食サービス業 【取り組み概要】
「飲食のフランチャイズ事業」から「レストラン事業」を開始
【詳細】
・居酒屋のフランチャイズ契約を解約
・ジビエ肉や地元野菜を提供するレストラン事業を開始
宿泊業・飲食サービス業 【取り組み概要】
「飲食のフランチャイズ事業」から
「卸事業・EC商品販売事業」を開始
【詳細】
・ワインバー直営4店舗を18年間経営してきた経験を活かし、
 テイスティング体験可能なワインバーをフランチャイズ事業化
生活関連サービス業・娯楽業 【取り組み概要】
「会員ジム経営事業」から
「高齢者向けメディカルジム事業」へ転換
【詳細】
・コロナの影響で会員数が減少
・代表の経営知識と店舗立地の強みを活用し、
 高齢者向けのメディカルジム事業へ転換
・フランチャイズ加盟店との連携体制を活かして業績回復を図る

参考:「採択結果」|事業再構築補助金

どの事例も、コロナの影響や現在の社会変化に対応するために既存の事業の強みやノウハウを活かし、異なる事業や業種へ挑戦する取り組みが見受けられます。

また、新たにフランチャイズ事業に挑戦する取り組みだけでなく、フランチャイズ事業から異なる事業に挑戦する取り組みに事業再構築補助金を活用している事例もあります。

事業再構築補助金では、再構築を行う事業で「フランチャイズ事業への挑戦」や「フランチャイズ事業から異なる事業への挑戦」が可能です。フランチャイズ事業を開業したいと考えている人は、事業再構築補助金の利用を検討してみてください。

なお、自社が事業再構築補助金を利用できるか知りたい人は、当メディアを運営する株式会社SoLaboの無料診断からお問い合わせください。

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フランチャイズ加盟料は補助の対象外になる

事業再構築補助金において、フランチャイズ加盟料は補助の対象外です。事業再構築補助金では補助対象外になる経費が決まっており、申請する経費の大半が補助の対象外の経費である場合、審査で不採択または採択取消になります。

【補助の対象外経費例】※一部抜粋
  • フランチャイズ加盟料
  • 事務所にかかる家賃や保証料、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • 不動産や構築物の購入費
  • 諸経費、会社経費、一般管理費、現場管理費、雑費など詳細が確認できない経費
  • 事業にかかる自社の人件費や旅費
  • PCやプリンタ、家具や公道を自走する車両などの汎用性のある経費
  • 既存事業に活用するなど、補助事業のために使用されると認められない経費 など

たとえば、フランチャイズ事業を開業する際、事務所にかかる家賃や保証金は補助の対象外です。事業再構築補助金では、補助事業(再構築のために実施する事業)以外で使われる可能性のある経費は補助の対象外となるため、汎用性のある経費も補助されません。

また、フランチャイズ事業を始めるために土地や建物を購入する場合、土地や建物の購入費は補助の対象外です。事業再構築補助金において、不動産の購入費も補助の対象外であるためです。

事業再構築補助金を利用してフランチャイズ事業を始める際、フランチャイズ加盟料や建物の購入費および諸経費は補助の対象外になります。補助対象になる経費が知りたい人は「事業再構築補助金における補助対象経費は何か?対象外になる経費も解説」を参考にしてみてください。

この記事のまとめ

事業再構築補助金は、再構築を行う事業で「フランチャイズ事業への挑戦」や「フランチャイズ事業から異なる事業への挑戦」などのフランチャイズにかかわる事業に利用できます。

過去の公募ではフランチャイズ業を営む事業者や、これからフランチャイズに参入する事業者が採択された事例があるため、事業計画をたてる際の参考にしてみてください。

なお、フランチャイズ加盟料や不動産の購入費などは補助の対象外です。また、既存事業に活用するなど、補助事業のためだけに使用される経費でなければ補助の対象外となるため注意しましょう。

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