小規模事業者持続化補助金は複数回の申請ができるのか?
2024/04/18
2022/8/23
過去の小規模事業者持続化補助金で採択されて補助金を受けとった経験者の中には、2回目以降の申請を検討している人もいますよね。また、過去の公募回において不採択となった人の中にも、再チャレンジの申請を検討している人はいるのではないでしょうか。
当記事では、小規模事業者持続化補助金における複数回の申請が可能かどうかを解説します。小規模事業者持続化補助金の2回目以降の申請を希望し、情報を調べている人は参考にしてみてください。
なお、当記事は小規模事業者持続化補助金の第15回公募要領をもとに作成しています。
採択された人も複数回の申請ができる
小規模事業者持続化補助金は、過去の採択者で補助金を受け取ったことのある人でも複数回の申請ができます。ただし、2回目以降の申請者に向けて決められた条件を満たしている事業者のみが申請可能となります。
【複数回の申請が認められる事業者の条件】
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小規模事業者持続化補助金に2回目以降の申請をする場合は「前回の補助事業実施期間が終了した月の翌月から1年を経過している」必要があります。令和6年4月の時点で第11回以降の採択者が第15回公募に申請できないのは、前回の補助事業から1年が経過しないためです。
また「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等報告書(様式14」が補助金事務局に受理されていることも複数回の申請条件の1つです。様式14は、前回の補助事業から約1年後に事業の効果や賃上げの状況を報告する書類です。
ほかには「前回の公募で卒業枠の採択を受けていないこと」が条件に挙げられています。卒業枠の採択者は、補助事業後には小規模事業者の定義から外れることになるため、以降の小規模事業者持続化補助金には申請することができません。
小規模事業者持続化補助金に複数回申請するためには、前回の補助事業終了から1年あけることや、卒業枠での採択を受けていないことが必須です。条件を理解したうえで2回目以降の申請を進めましょう。
なお、複数回申請の場合は、過去に採択を受けた補助事業とは違う内容の事業計画とする必要があります。そのため、2回目以降の申請の場合は申請書類に「前回の補助事業との違い」を明記しなければならないことを留意しておきましょう。
採択されていない人は何度でも再申請できる
過去の小規模事業者持続化補助金で採択されていない人は、申請の内容やタイミングに関わらず何度でも小規模事業者持続化補助金に申請できます。そのため、小規模事業者持続化補助金への申請を行い、不採択になった人は再申請が可能です。
小規模事業者持続化補助金で不採択になった場合、不採択の理由は公開されません。ただし、不採択理由が書類不備だった場合、採択結果が発表される際に書類不備があったことが補助金事務局から通達されます。
そのため、不採択になった人が小規模事業者持続化補助金に再申請する場合は、不採択理由が書類不備ではないかを、申請に使用した「JGrants(Jグランツ)」から確認しておきましょう。その際、不採択理由が書類不備だった場合は再申請で提出する書類を修正してみてください。
なお、再申請をする場合、新たに申請する受付回の書類の様式や申請の条件が新しくなっていることがあります。再申請をする際は、小規模事業者持続化補助金の公式サイトから最新の「公募要領」「参考資料」「応募時提出資料・様式集」を確認して再申請を行いましょう。
補助金を受け取った採択者が申請する場合は減点調整がある
過去の採択者が2回目以降の申請をする場合は、過去の補助事業の実施回数に応じて段階的に減点調整が行われます。まだ補助を受けたことのない、より多く事業者が小規模事業者持続化補助金の補助事業を実施できるようにするためです。
また、過去の小規模事業者持続化補助金の採択者で補助金を受け取った人が再申請をする場合は、審査項目が追加されます。
【補助事業を実施した事業者に追加される審査項目】
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小規模事業者持続化補助金に2回目以降の申請をする事業者は、追加された審査項目を満たす補助事業計画を作成する必要があります。小規模事業者持続化補助金に再申請する際は、過去の補助事業と新たに提出する事業計画の内容を比較し、差別化できているかを確認しましょう。
なお、このサイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)では、小規模事業者持続化補助金の申請サポートを行っています。「採択された事業実施結果を踏まえた補助事業計画」の書き方や「過去の補助事業と比較し、明確に異なる新たな事業」だと示す方法をお伝えできるので、再申請の際の書類作成に自信のない方は、無料診断よりご相談ください。
無料診断再申請する際は加点項目を意識する
過去の採択者が小規模事業者持続化補助金に再申請する際は、減点調整が行われる分、加点項目を意識して書類を作成しましょう。小規模事業者持続化補助金の「政策加点項目」は、条件を満たしていると判断された場合に優先採択のための加点措置を受けられます。
【小規模事業者持続化補助金における政策加点審査の加点項目】
加点項目 | 加点対象 | |
重点政策加点
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赤字賃上げ加点 | 賃金引上げ枠に申請する事業者のうち赤字である事業者 |
事業環境変化加点 | ウクライナ情勢や原油価格、LPガス価格などの高騰で影響を受けている事業者 | |
東日本大震災加点 | 福島第一原子力発電所の影響を受け、避難指示の対象となった地域の事業者、被害を受けた水産加工業者 | |
くるみん・えるぼし加点 | 1. 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事者 2. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者 |
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政策加点
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パワーアップ型加点 | ・地域資源型 地域資源等を活用し、地域外への販売や新規事業のたち上げを行う計画 ・地域コミュニティ型 地域の課題解決や暮らしの実需に応えるサービスを提供し、地域内の需要喚起を目的とした取組などを行う計画 |
経営力向上計画加点 | 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者 | |
事業承継加点 | 年齢が満60歳以上となる代表者で、かつ、後継者候補が補助事業を中心になって行っている環境の事業者 | |
過疎地域加点 | 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に定める過疎地域に所在し、地域経済の持続的発展につながる 取り組みを行う事業者 |
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一般事業主行動計画策定加点 | 1. 従業員100人以下の事業者で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者 2. 従業員100人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者 |
参考:第15回公募要領|小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金の政策加点項目は、「重点政策加点」と「政策加点」に分けられています。加点を申請する際は、重点政策加点と政策加点の項目から1つずつ、合計2つまでが申請可能です。
たとえば、重点政策加点の「事業環境変化加点」は、原油やLPガスの価格高騰で厳しい影響を受けた事業者に加点されます。また、政策加点の「パワーアップ型加点」は、地域の特化した物に着目し、事業計画に取り入れることで加点されます。
ただし、加点項目を満たしていても必ず採択されるわけではありません。「補助事業計画が審査項目に沿った内容になっているか」や「申請している経費が補助事業に必要であるか」などもあらためて確認が必要です。
なお、再申請の際は、補助事業内容を見直すために小規模事業者持続化補助金に詳しい専門家から申請サポートを受けるのも1つの手段です。申請サポートは、専門家から書類作成のアドバイスや書類準備のサポートを受けられます。
このサイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、小規模事業者持続化補助金の支援をしている認定支援機関です。事業状況にあった加点について相談したい人は、無料診断からお問い合わせください。
無料診断この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金は、過去の採択者で補助金を受け取ったことのある人でも複数回の申請ができます。ただし、2回目以降の申請の場合は、複数回申請者に向けて定められた3つの条件を満たしている事業者のみが申請可能です。
①前回の補助事業実施期間終了日の翌月から1年が経過していること
②前回の補助事業終了後に提出した「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」が補助金事務局に受理されていること
③卒業枠で申請して採択を受けていないこと
また、前回の採択結果が不採択だった人の再申請の場合は、間をあけずに次の公募回にも申請でき、採択されるまで何回でも申請可能です。
なお、小規模事業者持続化補助金に複数回申請する人は、過去の補助事業の実施回数に応じて段階的に減点調整が行われます。減点分は、事業計画の内容や加点で補いましょう。