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小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠とは?概要と一般型との違いを解説

2021/6/7

2021/10/19

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓を支援するための補助金ですが、一般型とコロナ禍に対応して対人接触機会の減少と事業継続を両立させるための取組を支援するための「低感染リスク型ビジネス枠」があります。

今回は「低感染リスク型ビジネス枠」がどのような内容なのか、一般型との違いや押さえておくべきポイントについて解説します。

Contents

小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠とは?

小規模事業者持続化補助金とは、販路開拓に取り組む小規模事業者の方向けの補助金で、例えばECサイトを開設したい、商品の宣伝をしたい、ブランド力を高めたいといった取組にかかる費用の補助を受けることができます。小規模事業者持続化補助金には、通常の販路拡大を目指す一般型と、低感染リスク型ビジネス枠の2種類があり、低感染リスク型ビジネス枠は、コロナ禍において変性した社会に対応するための新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等を支援するのが目的です。

低感染リスク型ビジネス枠の概要

低感染リスク型ビジネス枠は、新型コロナウイルス感染症対策のために、感染リスクを低減させる新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等にかかる費用に対して利用できる補助金です。

ただ単にビジネスモデルの転換を行う場合や、感染防止対策を行うだけという場合には利用できませんので、ご注意ください。

低感染リスク型ビジネス枠の対象者

低感染リスク型ビジネス枠の対象者となるには、以下の7つの項目すべてに当てはまる必要があります。

  • 小規模事業者であること
  • 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 過去に持続化補助金(3類型)の採択を受けて、補助事業を実施した(している)者でないこと(共同申請の代表者、参画事業者の場合も含みます)。
  • 本補助金と「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」(上記(4)①を除く)において双方の採択を受けた事業者は、いずれかの補助事業の取下げ又は廃止を行わなければ補助金の交付を受けることができません(共同申請の代表者、参画事業者も含みます)。
  • 申請時に虚偽の内容を提出した事業者ではないこと
  • 「反社会的勢力排除に関する誓約事項」の「記」以下のいずれにも該当しない者であり、かつ、今後、補助事業の実施期間内・補助事業完了後も該当しないことを誓約すること

小規模事業者であること

業種ごとに、従業員数で小規模事業者であるかどうかが判断されています。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)

常時使用する従業員の数5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

常時使用する従業員の数20人以下

製造業その他

常時使用する従業員の数20人以下

資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)

株主名簿等の提出を求められる場合があります。

確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと

該当しているかどうかを確認するために、納税証明書等の提出を求められる場合があります。

過去に持続化補助金(3類型)の採択を受けて、補助事業を実施した(している)者でないこと(共同申請の代表者、参画事業者の場合も含みます)。

以下①~③に当てはまると、対象外となります。

①「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」の事業実施者で、本補助金の受付締切日の前10か月以内に採択された者

②「令和2年度補正予算小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>」

③「令和2年度第3次補正予算小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」

本補助金と「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」(上記を除く)において双方の採択を受けた事業者は、いずれかの補助事業の取下げ又は廃止を行わなければ補助金の交付を受けることができません(共同申請の代表者、参画事業者も含みます)。 

申請時に虚偽の内容を提出した事業者ではないこと

提出書類である【様式2】宣誓・同意書にも記載がありますが、「申請内容全てに虚偽がないこと」を宣誓しなければならず、違反した場合には補助金の返還する旨も一緒に同意しなければなりません。

「反社会的勢力排除に関する誓約事項(※)」の「記」以下のいずれにも該当しない者であり、かつ、今後、補助事業の実施期間内・補助事業完了後も該当しないことを誓約すること

反社会的勢力排除に関する制約事項

一般型と低感染リスク型ビジネス枠の違い

補助率と補助上限額

一般型と低感染リスク型ビジネス枠の大きな違いといえるのが、補助率と補助上限額です。

 

一般型

低感染リスク型ビジネス枠

補助上限額

50万円

100万円

補助率

2/3

3/4

 このように、一般型の補助上限は50万円、補助率は2/3に対して、低感染リスク型ビジネス枠は補助上限額が100万円、補助率も3/4と補助率・補助上限額が大きくなっています。

補助対象となる経費

もう1つ大きな違いがあるのが、補助対象経費です。

一般型には「④旅費」「⑩専門家旅費」が含まれていますが、低感染リスク型ビジネス枠は感染リスクを減らす取り組みということもあり、この2つの「旅費」が対象外となっています。

また、低感染リスク型ビジネス枠では「⑫感染防止対策費」という対象経費が追加で設けられています。

一般型

低感染リスク型ビジネス枠

①機械装置等費

②広報費

③展示会等出展費

④旅費

⑤開発費

⑥資料購入費

⑦雑役務費

⑧借料

⑨専門家謝金

⑩専門家旅費

⑪設備処分費

⑫委託費

⑬外注費

①機械装置等費

②広報費

③展示会等出展費(オンラインによる展示会に限る)

④開発費

⑤資料購入費

⑥雑役務費

⑦借料

⑧専門家謝金

⑨設備処分費

⑩委託費

⑪外注費

⑫感染防止対策費(換気設備、アクリル板、マスク等)

 低感染リスク型ビジネス枠の経費区分内訳は以下の通りです。

  • ①機械装置等費 製造装置や移動販売車両、ITツールの購入等
  • ②広報費 新サービスを紹介するチラシやネット広告の作成・配布
  • ③展示会等出展費 展示会・商談会の出展料等(オンライン開催のものに限る)
  • ④開発費 新商品・システムの試作開発費等(販売商品の原材料費は対象外)
  • ⑤資料購入費 補助事業に関連する資料・図書等
  • ⑥雑役務費 補助事業のために雇用したアルバイト・派遣社員費用
  • ⑦借料 機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
  • ⑧専門家謝金 指導を受けた専門家への謝金
  • ⑨設備処分費 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
  • ⑩委託費 専門知識が必要な業務など自社では実施困難な業務を第3者に委託(契約必須)
  • ⑪外注費 店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に外注(契約必須)
  • ⑫感染防止対策費※ 業種別ガイドラインに基づく感染防止対策(アクリル板設置等)

⑫感染防止対策費はあくまで補助的なもので、感染防止対策費のみの申請を行うことはできませんので、ご注意ください。

金額も補助金総額の1/425万円)までが上限で、緊急事態宣言における特別措置を適用する場合は補助金総額の1/250万円)まで引き上げられます。

小規模事業者持続化補助金の一般型については下記記事にて解説していますので、ご確認ください。

小規模事業者持続化補助金の〈一般型〉とは?制度の特徴や申請時のポイントなどを解説

低感染リスク型ビジネス枠に申請するには

低感染リスク型ビジネス枠に申請するには、小規模事業者であることに加えて、補助対象事業が新型コロナウイルス感染症の対策を含むものでなければなりません。また、会社そのものが小規模事業者の枠であっても、課税所得の年平均額が15億円以下であること、資本金または出資金が5億円以上の法人に100%の株式を保有されていないことが要件です。

新型コロナウイルス感染症対策事業とみなされるものには、リモート業務への転換やECサイト構築、デリバリーサービスの導入など、主に接触を減らす取組があります。また、補助金は併用できないので、すでに他の補助金や一般型の採択を受けている場合は、新たに低感染リスク型ビジネス枠に申請をすることができません

小規模事業者持続化補助金は、通年で申請を受け付けていますが、公募期間ごとに以下の日程で締め切りを設けています。この締め切りに間に合わないと次の締め切りまで採択されず、補助金が下りるまでの期間が延びてしまうので、提出するタイミングには気を付けましょう。

小規模事業者持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠のスケジュール

  • 第1回受付締切日:2021 512日(水)…受付締切
  • 第2回受付締切日:2021 7 7日(水)…受付締切
  • 第3回受付締切日:2021 9 8日(水)…受付締切
  • 第4回受付締切日:20211110日(水)
  • 第5回受付締切日:2022 112日(水)
  • 第6回受付締切日:2022 3 9日(水)

また、低感染リスク型ビジネス枠は、JGrantsJグランツ)という経済産業省の電子申請システムを利用して申し込まなければなりません。JグランツはGoogle chromefirefoxMicrosoft edgesafariといったブラウザで利用することができ、24時間申請することができます。一般型とは違い、郵送での受付はしていないので注意しましょう。

また、利用のためには事前にGビズIDを取得する必要があります。GビズIDには23週間程度時間がかかりますので、早めに取得するようにしましょう。

GビズIDの取得は下記よりできますので、ご確認ください。

https://gbiz-id.go.jp/top/ 

低感染リスク型ビジネス枠の申請に必要な書類

小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠の申請に必要な書類は以下の通りです。

必須書類

【様式1】経営計画及び補助事業計画

【様式2】宣誓・同意書

【様式3】月間事業収入減少証明※緊急事態措置に伴う特別措置を使う方

いずれかの場合

①個人事業主の場合

・直近の確定申告書(第一表・第二表)税務署の収受日付印が必要

・所得税青色申告決算書1~4面全て(白色申告の場合、収支内訳書12面で可)

➁法人の場合

・貸借対照表損益計算書(直近1期分)

・損益計算書(直近1期分)

③特定非営利活動法人(NPO法人)の場合

・貸借対照表及び活動計算書(直近1期分)

・現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(申請書の提出日から3か月以内の日付のもの)

・法人税確定申告書(表紙(収容日付のある用紙)及び別表4(所得の簡易計算))直近1期分)

任意で提出する書類

【参考様式1】賃上げ表明書(給与支給額)

【参考様式2】賃上げ表明書(事業場内最低賃金)

支援機関確認書 ※支援を受けた商工会・商工会議所から発行されます。

一般型とは様式が異なりますので、注意しましょう。

低感染リスク型ビジネス枠の申請書類は下記よりダウンロードできますので、ご確認ください。

https://www.jizokuka-post-corona.jp/download/

小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠の3つのポイント

(1)低感染リスク型ビジネス枠はオンライン申請のみ

一般型は郵送とオンライン申請がありますが、低感染リスク型ビジネス枠はオンラインのみでの申請であるため、必ずGビズIDの取得が必要です。GビズIDを取得するために23週間ほど期間が必要ですので、申請予定日から逆算して先に準備を進めておきましょう。

(2)対人接触機会減少のための取組にかかる費用のみが補助対象経費

一般型と低感染リスク型ビジネス枠は経費区分自体に大きな違いはありませんが、申請可能な対象経費とみなされるのが、対人接触機会減少のための取組にかかる費用のみですので、ご注意ください。

(3)一般型と違って、201818日からの遡及適用が可能

一般型とは違い、201818日から現在までの感染対策事業にかかった経費に関して遡っての適用が可能です。申請を考えている場合はしっかり金額の確認と領収書などを準備しておきましょう。

低感染リスク型ビジネス枠の活用例

低感染リスク型ビジネス枠の採択を受けた事業者一覧が公開されています。詳細な事業内容までは確認することはできませんが、補助事業名は確認できますので、いくつか実際に採択された一例を紹介します。

  • テイクアウト販売拡大の為の店舗改修とセントラルキッチンの整備
  • 専用ソフトを利用した積算業務で、対面機会減少と売上回復
  • 宿泊部屋を個室食事部屋へ改装し感染症対策強化と顧客満足度向上

引用:採択者一覧| 小規模事業者持続化補助金 <低感染リスク型ビジネス枠>

またミラサポplusにおいても、事例をまとめていますので、自身の計画作成時に役立つでしょう。ミラサポplusとは、中小企業や小規模事業者向けて、補助金などの申請や事業のサポートを目的とした、国のwebサイトです。

持続化補助金 採択結果|ミラサポplus

この記事のまとめ

小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠は、一般型と比較すると補助上限が大きく、コロナ禍に対応するために事業の転換を図る小規模事業者にとって有用な補助金です。コロナ禍で事業を成長させるためにも、小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠の内容をしっかりと理解し、申請内容に不備がないように気を付けつつ、採択を目指しましょう。

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