補助金ガイド

小規模事業者持続化補助金の申請書類の書き方は?記入例を交えて解説

2024/04/01

2021/5/25

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

小規模事業者持続化補助金に申請する予定の事業者の中には、申請書類の書き方に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。特に、採択審査の観点となる経営計画書や補助事業計画書に関しては、記入例を参考にしたい人もいますよね。

当記事では、小規模事業者持続化補助金の申請書類の書き方を解説します。経営計画書や補助事業計画書の記入例を用いながら解説するので、これから小規模事業者持続化補助金の申請書類を作成する人は参考にしてみてください。

なお、当記事は小規模事業者持続化補助金<一般型>の第15回公募要領を参考に作成しています。

経営計画や補助事業計画の書き方のポイントを抑えておく

小規模事業者持続化補助金の「経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)」や「補助事業計画書②(様式3)」は、採択審査の対象となる書類です。まずは、採択に通る書類を作成するために押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

【申請書類の書き方・審査のポイント一例】

書き方のポイント

・要点を抑えて書く

・説明する内容を箇条書きにできる場合は箇条書きにすると書きやすくなる

・写真や表を加えて見やすい内容にする

・事業内容や業界の専門用語は使用せずに誰が読んでも理解できるように書く

・商工会・商工会議所の助言を受ける

審査のポイント

・自社の経営状況や製品・サービスなどの強みを把握しているか

・経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みや市場の特性を踏まえているか

・補助事業計画は具体的で実現可能性が高いものとなっているか

・補助事業計画は今後の経営目標を達成するために必要かつ有効なものか

・補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫があるか

・補助事業計画には、ITを有効に活用する取組みが見られるか

・事業費の計上・積算は正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか

※中小企業庁のミラサポplus「補助金虎の巻」「<一般型>ガイドブック」を参考に株式会社SoLaboが作成

たとえば、書き方のポイントの1つとして「箇条書きでまとめられる内容は箇条書きする」ことで、文章で説明するよりも格段に書きやすくなります。業界や業種の専門用語などは避け、画像や図・表などを用いた工夫で、専門知識のない人にでも理解しやすい内容で作成します。

また、審査のポイントでは「自社の強みや市場の特性を説明できる」ことや「ITを積極的に活用できているか」などの項目がいくつか挙げられています。申請者は、書類の中で「審査のポイントを踏まえた経営計画や補助事業計画」を示す必要があります。

小規模事業者持続化補助金の経営計画書や補助事業計画書は、補助金の採択審査の観点となる重要な書類です。そのため、根拠と説得力のある計画内容を示す必要があります。申請する人は、書類作成の前に書き方のポイントや審査のポイントを押さえておきましょう。

経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)に記入する3項目を把握する

経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)に記入する項目は3つあります。申請者は、決められた3項目に対する詳細を記入し、計画書を仕上げていくことになります。

【経営計画書兼補助事業計画書①の記入項目】

応募者の概要

代表者の情報、資本金の情報などを記入

経営計画

経営目標や自社の分析、市場調査の内容を踏まえた計画を記入 

補助事業計画 

計画した補助事業でどのような販路開拓に繋がるのかを記入

経営計画書兼補助事業計画書に文字数制限はないため、経営計画と補助事業計画については、出来る限り詳細に書きましょう。事業計画を詳細に書くことで、加点要素を増やせる可能性があるためです。

経営計画書兼補助事業計画書の中には、補助金に申請する事業者の「概要」「経営計画」「補助事業計画」の3項目を記入します。その際、採択審査時の加点にも繋がるよう、経営計画と補助事業計画はできる限り詳細な内容を書き表します。

なお、提出書類は経営計画と補助事業計画をあわせてWord8枚分以内にする必要があるため、決められた枚数の中で作成していきましょう。

無料診断では貴社の事業内容や補助事業の取り組みでどのような事業計画書を作成すれば良いかわかりますので、作成方法を知りたい人はお試しください。

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応募者の概要は従業員数や売上状況などを規定に沿って書く

応募者の概要は、代表者の氏名や従業員数、資本金額などの情報を規定に沿って記入します。その際、従業員数や売上に関する情報の記入に関して理解しておくべきポイントがあります。

【応募者の概要の記入例】

応募者の概要の記入例の図

出典:小規模事業者持続化補助金公式サイト

たとえば「常時使用する従業員」とは、フルタイムの働きをしている従業員のことで、個人事業主本人や同居の親族、パートタイム労働者は含まれません。代表者のみや親族で運営している場合は、常時使用する従業員がいなければ0人と記入する必要があります。

また、売上高や売上総利益を記入する際は、法人・個人事業主ごとに「損益計算書」や「確定申告書」に記載されている金額を転記する必要があります。設立から間がなく、一度も決算期を迎えていない場合は「売上高」・「売上総利益」に0円と記入し、「決算期間」も0か月と記入します。

応募者の概要は、常時使用する従業員数や直近1期の売上などの情報を公募要領の規定に沿って記入します。その際、常時使用する従業員数の判断や売上高・利益に関する記入に迷った場合は地域の商工会議所に問い合わせてみましょう

経営計画は自社の経営状況分析を詳細に示して書く

経営計画の記入項目は4つあります。項目に沿って自社の経営分析を詳細に書き込んでいきましょう。

【経営計画の記入項目】

項目

記入内容

1.企業概要

概要・沿革、基本情報、商品構成・利益構成 

2.顧客ニーズと市場の動向

・顧客が求めている商品・サービスは何か

・競合他社や顧客の増減、これからの市場環境の見通し

3.自社や自社の提供する

商品・サービスの強み

・商品・サービスが他社に比べて優れている点

・顧客に評価を受けている点(お客様の声やアンケート結果)

4.経営方針・目標と今後の

プラン

13を踏まえたこれからの方針

・具体的な数字の目標(○年までに来店客数△%増、客単価○○円)

※経済産業省「ミラサポplus」を参考に株式会社SoLaboが作成

経営計画では、1~3に記入した内容をもとに4経営方針・目標と今後のプランを作成します。そのため、経営の目標を明確にし、それを達成するために自社が行った分析や市場の調査の内容を記入していきます。

経営計画の記入項目は「企業概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「経営方針・目標と今後のプラン」の4つです。記入例を見ながら、項目ごとの内容を確認していきましょう。

企業概要

企業概要の項目では、自社の概要や事業で提供するサービス・商品の情報、利益構成などを記入します。その際、代表の経歴などが自社のサービスや商品にどのような影響を与えているかを記入することで、自社の特徴や強みをアピールできます。

また、これ以降の項目で記入する市場分析などで、審査員が内容を理解しやすくなる場合があるため、基本理念や人員体制、店舗の立地などの情報も記入します。

【企業概要の記入例】

1, 企業概要

2010 年設立 ○○県の国道〇号沿いの海鮮居酒屋。
座席数は 60 週6日 11:00 23:00 営業(月曜休業)
厨房2人、接客2人(3人がシフト制)

売り上げ全体の6割は、周辺に立地する企業の従業員が訪れるランチ(単価平均 900 円)、残りの 4 割のうち約半分(2割)が 6人以上による宴会、残り2割が人以下の少人数による夕食。

代表の○○は、海鮮料理を提供する○○という料亭で5年間働いたのちに、現在の店舗を開業しました。

参考:小規模事業者持続化補助金公式サイト

記入例では、サービスや製品について「売り上げ」や「利益を上げている順」に表で示し、ひと目で主力商品を伝えることができるよう工夫されています。

自社のサービスや製品について把握していることは、書面審査の評価項目の1つである「自社の経営状況分析の妥当性」の内容に相当します。このように評価項目を計画書の中に取り入れていくことで、採択審査時の加点を重ねることに繋がります

小規模事業者持続化補助金の加点審査についての詳しい情報は「小規模事業者持続化補助金における加点について解説」を参考にしてみてください。

 顧客ニーズと市場の動向

顧客ニーズと市場の動向は、売上を左右する環境について記入します。具体的には、顧客が求めるサービスについて、競合他社があるのか、見込み顧客は増減しているかなどがあります。

【顧客ニーズと市場の動向の記入例】

2.顧客ニーズと市場の動向

  • 平日のランチは、競合店がラーメン店1店舗(短歌600円程度)ファミレス1店舗(短歌800円程度)のみ。

 

単価

席数

定休日

当店

900円

60席

月曜日

ラーメン店

600

15席

水曜日

ファミレス

800

80

なし

  • 12時~13時半の間は満席行列もできる(12時半ころには10人を超える)。
  • 夕食・宴会については国道沿いと立地上、アルコールを飲まない一見のお客さまが7~8割を占める
  • 常連のお客様は、約5年前には50名ほどいたが、周辺地域で少子高齢化が進み、現在では10名程度まで減少。
  • 夕食では、寿司だけを注文するお客様が約半数、揚げ物・焼き物等寿司以外のメニューを注文するお客さまが約半数。
  • 2017年3月に約2km先にチェーン店の「回転寿司A」が開業して以来、売上げが2割低下した。

なお、審査項目「経営方針・目標と今後のプランの適切性」では、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているかが評価項目に挙げられています。

 そのため、競合他社の単価調査や自社との比較、市場の見込み顧客数などは、特に詳しい調査内容を記入するようにしましょう。

自社や自社の提供する商品・サービスの強み             

自社や自社の提供する商品・サービスの強みの項目は、自社や自社の商品・サービスが他社に比べて優れていると思われる点を記入します。また、自社の商品やサービスの強みを分析した内容も記入していきます。

補足として、クチコミやアンケートなどで実際に顧客から受けた評価を加えることで、客観的な意見を審査員へアピールできるため参考にしてみてください。

【自社や自社の提供する商品・サービスの強みの記入例】

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み

当店は、約10Km 先の漁港における漁師 4名と専売契約を結んでおり、その日の朝に水揚げされた魚を刺身・寿司として提供している。その質・味については評価が高く2016年には雑誌○○に「○○県の名店100選」として取り上げられたこともある。

また、最近立地した回転寿司Aと比較すると、宴会平均単価は2倍近く高いが、それは味・質をお客様が評価されていることを示している。

実際に、グルメサイト○○では5点満点で3.5点の評価があり、クチコミでは「鮮度の高い刺身が味わえるお店でまた行きたいです」など好評を頂いています。

書面審査の項目「自社の経営状況分析の妥当性」では、自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているかを評価されます。  そのため、実際に強みやサービスが評価されている内容があれば、自社の製品・サービスや自社の強みに加えて記入しましょう。

また、SWOT分析では、自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の洗い出しと可視化をすることで、目指す販路開拓や生産性向上の明確化に役立ちます。課題が明確になると事業戦略の方針も立てやすくなるため、中小企業庁の公式サイトでも推奨されています。

SWOT分析の詳細はミラサポplusの「マンガでわかる「SWOT分析」で確認できます。

経営方針・目標と今後のプラン

経営方針・目標と今後のプランは、経営計画書1~3の項目で記入したことを踏まえ、経営方針・目標を達成するための具体的行動や実施時期を記入します。経営計画の項目で書いた内容と矛盾しないよう、自社の強みや市場の動向なども確認しながらプランを作成しましょう。

【経営方針・目標と今後のプランの記入例】

<割烹○○が今後目指すべきこと>

価格の値下げ圧力に負けない経営を目指すとともに、常連のお客様からいただいている評価に甘んじることなく、当店の魚料理のおいしさを一人でも多くの人に伝えたい。
しかし、近年のポストコロナや長期的な物価上昇を踏まえると、売上予測は難しいことも事実である。
堅実な売上獲得のために、割烹○○としては以下の計画を実行する。

① お客様から味・品質について高く評価いただいているランチメニューのサービス内容に本日の小鉢1品を追加
(食品ロスを抑えるための工夫で品目は日替わりとする)し、単価を 100 円ずつ引き上げる。

②顧客増加を図るため、デリバリーを開始する。
 当店からの徒歩圏内の人口は減少しているものの、バイクによる配送 20 分以内の範囲には多くの住居が存在し、特に高齢世帯が多く内食する方が多いため、売上増加が期待される。
まずは本年8月までにデリバリーにも適した新メニューを考案・整備を行い、9 月中にメニューと写真付き広告チラシを10Km 圏内の全家庭にポスティング、Uber Eatsや出前館の活用検討、10月からデリバリーサービスを開始する。

記入例の中では、割烹料理店のメニュー改新による単価の引き上げやデリバリーサービス開始による販路開拓の実施内容や時期もあわせて書かれています。チラシの配布圏内や、Uber Eatsをはじめとしたデリバリー代行サービスの導入などのプランを詳細に説明しています。

経営方針・目標と今後のプランは、「自社の強み」や「対象とする市場の特性」を踏まえて作成されているかを審査されます。また、表や図を用いた実施内容やスケジュールを加えることで、明確で説得力のあるプランを説明できるため、活用していきましょう。

補助事業計画は具体的な計画や取り組み方をわかりやすく示して書く

経営計画の項目を記入したら、次は補助事業計画の具体的な計画や取り組み方をわかりやすく記入していきます。補助事業計画の記入項目は4つあります。

【補助事業計画の記入項目】

項目      

記入内容

1.補助事業で行う事業名

事業名を30文字以内で記入

(例:○○○○の開発・販路開拓)

2.販路開拓等

(生産性向上)の取組内容 

「事業概要」「これまでの取組との違い」「創意工夫

した点・特長」「事業の具体的な進め方」を記入

3.業務効率化

(生産性向上)の取組内容

業務効率化によって従業員の労働環境を改善するなどの

取組があれば記入

4.補助事業の効果

「売上等への効果」「取引先への波及効果」「地域社会

への波及効果」を記入

補助事業計画では、計画した補助事業を行うことで「どのように生産性向上につながるのか」を記入します。

また、補助事業計画は、「経営方針・目標と今後のプランを達成するために必要かつ有効なものか」が審査基準の1つであるため、経営計画の項目に記入した内容を踏まえて、補助事業計画を作成するようにしましょう。

販路開拓等(生産性向上)の取組内容

販路開拓等(生産性向上)の取組内容では、これまでの自社または他社の取組と異なる点、創意工夫した点、取組の特徴などを記入します。

販路開拓とは、既存の販売経路のほかに新しい販売先や流通経路をつくることです。小規模事業者持続化補助金の公式サイトにある「公募要領」では、補助対象となり得る販路開拓等(生産性向上)の取組事例が公開されています。

【公募要領で公開される販路開拓の一例】
  • 新たな販促用チラシの作成、送付
  • ネット販売システムの構築
  • 新商品の開発

また、開拓する販路として対象とすることができる市場の範囲について公募要領では、消費者向け、企業向け取引のいずれも対象になるとされています。

【販路開拓等(生産性向上)の取組内容の記入例】

2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容

  • 鱈バーガーの開発・販路開拓:バイクで 20 分以内の配送が可能な範囲に居住のシニア世代をターゲットとし、鱈のすり身フライのバーガーを開発。
  • デリバリーで販売するので、20 分経っても味が衰えないようなものを研究し開発する。
  • 地域にあるハンバーガーチェーン店よりもやや高い単価 500 円と設定するが、○○市マッチングフェアへの出店・顧客へのⅮⅯ発送・地域 住民へのポスティングを通してPRを行い、一日平均6個程度の販売を見込む。

補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫や特徴があるかについては審査のポイントにも挙げられているため、自身の事業で工夫する部分と理由については具体的に記入するようにしましょう。

業務効率化(生産性向上)の取組内容

業務効率化(生産性向上)の取組内容は、「販路開拓と併せて業務効率化に該当する取組をおこなう場合」に記入します。業務効率化には「サービス提供等のプロセス改善」と「IT利活用」が該当します。

【業務効率化(生産性向上)の取組内容の記入例】

  1. 業務効率化(生産性向上)の取組内容

 「販路開拓等の取組」とあわせて、あらたに労務管理システムのソフトウェアを購入し、
出退勤管理を含む、人事、給与管理業務の効率化を図る。

業務効率化(生産性向上)は任意記入欄なので、特になければ空欄のまま提出することも可能です。しかし、審査基準の1つに「補助事業計画には、ITを有効に活用する取組みが見られるか」の項目があるため、IT利活用を絡めた取組み内容を考えてみましょう。

【公募要領で公開されているIT利活用の取組事例】

・新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理を効率化する

・新たに POS レジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する

・新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する

また、これまでの採択事例が「ミラサポplus」で公開されているため、ITを活用した取組が思いつかない場合は参考にしてみてください。

補助事業の効果   

補助事業の効果には、補助事業を実施することによって想定できる売上や取引先などへの効果を具体的に記入します。その際、補助事業が売上や取引先へ効果を与える理由も加えて書いていきましょう。

【補助事業の効果の記入例】

4.補助事業の効果【必須記入】

  • 鱈バーガーをデリバリーの目玉商品として広告する一方、常連のお客様の口コミによる知名度の向上で 1か月10 万円程度の売上増加を図る。
  • 新たにPOSレジソフトウェアを導入することで、売上管理業務の効率が上昇するため、空いた時間で営業活動や近隣でのポスティングなどをおこなうことができるようになる。
  • 新商品の売上原価は7割弱と見積もり、新事業の実施にあたって新たに設備投資等費などで約65 万円の初期投資が発生するが、2年程度で投資を回収する。

補助事業計画が、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要なものになっているかを示すため「補助事業を行うことで、どのような効果があるか」について記入することを意識しましょう。

また、経営計画の項目で作成した自社の強みや市場の動向を含め、具体的な数字で補助事業計画の目標を立てる事で、審査基準の「補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか」の項目で評価を得られる可能性があります。

株式会社SoLaboは国から認められた認定支援機関として、審査や加点されるポイントを踏まえた小規模事業者持続化補助金の事業計画書の作成支援を行っています。無料診断では、貴社の事業内容や経費の使い道でどのような内容を書けばよいかわかりますので、ご興味のある人はご利用ください。

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補助事業計画書②(様式3)に記入する2項目を把握する

補助事業計画書②の項目は「経費明細表」と「資金調達方法」の2つがあります。

補助事業計画書②についても、経営計画書兼補助事業計画書①と同様に書面審査の対象とされています。そのため、審査項目の「積算の透明・適切性」を考慮し、補助事業で活用する費目や経費の予定を記入時点でわかる範囲で具体的に記入しましょう

補助事業計画に沿った適正な経費明細を書く

経費区分

内容・必要理由

経費内訳
(
単価×回数)

補助対象経費
(
税抜)

①機械装置等費

POSレジソフトウェア
売上管理の効率化を図るため

110,000円

(概算)

100,000

②広報費

チラシ印刷費 ・新商品宣伝のため

500枚・55,000円 (概算)

50,000

⑬外注費

新たにデリバリーを行うための店舗

駐輪場の拡幅工事

220,000円

200,000

(1)補助対象経費合計   

 

350,000

(2)補助金交付申請額 (1)×補助率2/3以内(円未満

切捨て)             

233,333

経費区分は、選択式となっており実際の表ではドロップダウン形式で経費区分を選択できます。

経費内訳については、概算で計上可能とされているため作成時点でわかる範囲の金額を入力します。また、経費額の詳細な内容がわかるように記入します。たとえば、チラシの場合、500枚・55,000円のように何枚発注する計算なのかがわかるように入力します。

補助対象経費は、課税事業者は「税抜」その他の事業者は「税込」を選択して入力します。課税事業者と免税事業者について知りたい場合は、国税庁の公式サイトから確認してみてください。

補助対象経費の資金調達方法を正確に書く

資金調達方法には<補助対象経費の調達一覧>と<「2.補助金」相当額の手当て方法>の2つの項目を正確に記入します。

【補助対象経費の調達一覧の記入例】

<補助対象経費の調達一覧>には、「補助事業にかかる経費はどのような内訳で支払うか」を記入します。<「2.補助金」相当額の手当て方法>の項目は、経費明細表で記入した補助金交付申請額と一致するように記入しましょう。

また、<「2.補助金」相当額の手当て方法>には、補助事業期間の資金区分を記入します。小規模事業者持続化補助金は、補助事業終了後に補助金の清算を行うため、それまでに事業者が経費をどのように準備するのかを明らかにしておく必要があるためです。

資金調達方法には、「補助対象経費の調達一覧」と「2.補助金相当額の手当て方法」の両項目を正確に記入します。補助事業を行う資金が自己資金だけではなく、融資を受ける予定であれば、資金調達先の金融機関名と借入金額を記入しましょう。

採択後も規定に沿った申請書類の作成と提出が求められる

小規模事業者持続化補助金の採択審査に通過すると、いよいよ補助事業を開始します。そして約7ヶ月間の補助事業実施後には「実績報告書」をはじめとする申請書類の作成と提出が求められます。

書類の作成や提出は、提出期限や書類の作成方法、添付書類などにおける規定に沿って進めていく必要があります。

【採択後の提出書類】

・経費支出管理表

・実績報告書

・補助対象経費とする証拠書類

・収益納付に関わる報告書(対象者のみ)

・支出内訳書

たとえば、実績報告書は「事業終了日から起算して30日後」または「最終提出期限」のいずれか早い日までの提出が定められています。また、不備があった場合には再提出となり、補助金の交付も遅れてしまう可能性があるため、正確に作成しなければなりません。

なお、書類を作成する際のフォーマットは公式サイトからダウンロードできます。提出は、補助金に申請した時と同じ方法(Jグランツでの電子申請か郵送申請)にて行いましょう。

実績報告書の書き方の詳細については「小規模事業者持続化補助金の実績報告書を作成する手順と書き方を解説」を参考にしてみてください。

この記事のまとめ

小規模事業者持続化補助金の「経営計画書兼補助事業計画書①」「補助事業計画書②」は、補助金の採択審査において審査の観点となる書類です。事業者は、明確で説得力のある「審査に通る計画書」を作成するために、書き方や審査のポイントを押さえておきましょう。

経営計画を書く際は「企業概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する
商品・サービスの強み」「経営方針・目標と今後のプラン」の項目を記入します。審査員にわかり易く、見易い内容にするために、写真や表、図などを活用しましょう。

補助事業計画を書く際は、「補助事業で行う事業名」「販路開拓等(生産向上)の取り組み内容」「業務効率化(生産性向上)の取り組み内容」「補助事業の効果」の項目を記入します。補助事業を行うことで今後どのような効果があるかを、理由も加え具体的に伝えましょう。

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