IT導入補助金の対象になるソフトウェアとは?検索方法を解説
2024/04/19
2022/7/26
ソフトウェアの導入を検討している人のなかには、IT導入補助金の活用を考えている人もいますよね。また、IT導入補助金の対象になるソフトウェアが知りたい人もいるでしょう。
当記事では、IT導入補助金の対象になるソフトウェアを解説します。ソフトウェアの検索方法も紹介するので、IT導入補助金の対象になるソフトウェアを探している人は参考にしてみてください。
なお、当記事は「IT導入補助金2024 公募要領 」を参考に作成しています。
目次
IT導入補助金へ申請するにはソフトウェアの導入が必要
IT導入補助金の「通常枠」または「インボイス枠(インボイス対応類型)」に申請するには、ソフトウェアの導入が必須の要件です。IT導入補助金の申請時に認められるソフトウェアは、補助金事務局で定めたプロセス(工程)に該当する機能を持つものです。
たとえば、会計・財務・経営プロセスには「会計ソフト」や「経営分析ソフト」があります。また、決済・債権債務・資金回収プロセスには「決済ソフト」や「受発注ソフト」などがあります。
「インボイス枠(インボイス対応類型)」に申請する場合は、導入するソフトウェアに関連するハードウェアも一緒に導入できます。生産性の向上やインボイス対応のためにソフトウェアの導入を考えている人は、IT導入補助金の活用を検討してみてください
なお、IT導入支援事業者が補助金事務局へ登録したソフトウェアは、公式サイト「ITツール・IT導入支援事業者検索」から確認できます。
ソフトウェアに関連するITツールが補助対象になる
IT導入補助金では、ソフトウェアに関連するITツールが補助対象になります。IT導入補助金におけるITツールとは、ソフトウェア、オプション、役務、ハードウェアを総称したものです。
【申請する枠ごとのITツール分類】
分類 | 対象 |
大分類Ⅰソフトウェア | 補助対象になるソフトウェア |
大分類Ⅱオプション | 機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ |
大分類Ⅲ役務 | 導入コンサルティング・保守サポート・導入設定 |
大分類Ⅳハードウェア ※インボイス対応類型のみ |
PC・タブレット・POSレジ・券売機 |
たとえば、会計ソフトを導入する場合、導入する会計ソフトの拡張機能と保守サポートサービスにかかる経費が補助対象になります。また、パソコンやタブレットなどのハードウェアを申請する場合、導入するソフトウェアを活用するために必要なものが対象です。
一方で、ソフトウェアに関連しないオプションや役務、ハードウェアを単独で申請することはできません。オプションや役務、ハードウェアを申請する場合は、導入する大分類Ⅰソフトウェアに関連するものが補助対象として認められます。
なお、ハードウェアの導入にかかる経費は、インボイス枠(インボイス対応類型)で補助対象になります。ハードウェアの導入を検討している人は、「IT導入補助金のインボイス枠とは?PCやレジなどの対象経費も解説」の記事を参考にしてみましょう。
補助対象になるソフトウェアの機能は申請する枠によって異なる
補助対象になるソフトウェアの機能は、申請する枠によって異なります。IT導入補助金で公募されている枠は「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「セキュリティ対策推進枠」の3つです。
【枠ごとの補助対象になるソフトウェアの機能】
分類 | 対象 |
通常枠 | 補助金事務局で定めたプロセスに該当する機能を持つもの (例)顧客対応・決済・在庫・会計・総務・人事・業種固有プロセス・汎用・自動化・分析ツール など |
インボイス枠(インボイス対応類型) | 「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を1つ以上持つもの |
セキュリティ対策推進枠 | 「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているもの |
たとえば、インボイス枠のインボイス対応類型の場合、会計や受発注の機能を持つソフトウェアが補助対象になります。また、通常枠の場合は、在庫管理機能や人事管理機能をもつソフトウェアなどが補助対象になります。
なお、IT導入補助金の枠は、それぞれ申請の要件が異なります。それぞれの枠の概要が気になる人は「IT導入補助金とは?対象や流れをわかりやすく解説」の記事を参考にしてみましょう。
要件を満たせば一回の申請で複数の枠に申請できる
異なる機能をもつソフトウェアを複数申請したい場合、同期間中に公募される「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「セキュリティ対策推進枠」の複数の枠へ、同時に申請することができます。
たとえば、3つの種類のソフトウェアを導入する場合、通常枠で「顧客管理ソフト」、デジタル化基盤導入類型で「会計ソフト」、セキュリティ対策推進枠で「セキュリティサービス」を同期間中に公募される枠で申請できます。
ただし、申請している複数の枠で同じソフトウェアの経費を計上(二重計上)した場合は、補助金の全額返還を求められる場合があります。そのため、併願する際はIT導入支援事業者と申請内容を相談してITツールの導入を実行します。
なお「複数社連携IT導入枠」に参画して申請する人は、セキュリティ対策推進枠以外の枠との複数申請は認められていません。複数社連携IT導入枠とその他の枠で申請を検討していた人は、同時に申請ができないことに注意しましょう。
補助対象になるソフトウェアは公式サイトで検索できる
補助対象になるソフトウェアはIT導入補助金の公式サイト「ITツール・IT導入支援事業者検索」から検索できます。公式サイトでは、特定のITツールの名称やソフトウェアの機能などの条件を指定して検索できます。
たとえば、会計機能をもつソフトウェアを検索した場合は、会計機能をもつITツールを提供しているIT導入支援事業者のみが表示されます。さらに、検索結果からIT導入支援事業者の詳細を確認すると提供しているITツール一覧を確認できます。
ただし、IT導入補助金の補助対象になるソフトウェアは、IT導入支援事業者が登録したもののみです。提供しているIT導入支援事業者がいないソフトウェアは、IT導入補助金の補助対象外なので、補助対象になるソフトウェアを検討しましょう。
複数社からのソフトウェア導入はコンソーシアムを活用する
複数社からソフトウェアを導入する場合は、コンソーシアムを活用します。コンソーシアムは、補助金事務局に認められて形成される登録形態の1つで、登録された複数社で補助事業者をサポートできるからです。
たとえば、事業者Aと事業者Bがコンソーシアムを組んでいる場合、事業者Aから会計ソフト、事業者Bから受発注ソフトの導入ができます。
一方、事業者Aと事業者Bがコンソーシアムを組んでいない場合は、1回の申請において事業者AまたはBの1社からしかソフトウェアを導入できません。導入する複数のソフトウェアが1社で提供されていない場合は、コンソーシアムの構成員が提供しているソフトウェアを確認してみましょう。
なお、IT導入支援事業者の概要や選び方について知りたい人は「IT導入補助金の支援事業者とは?サポート内容や選び方を解説」の記事も確認してみてください。
ソフトウェアの活用事例
IT導入補助金の採択事例から、ソフトウェアの活用事例を紹介します。導入するソフトウェアに悩んでいる人は参考にしてみましょう。
【会計ソフトの活用事例】
項目 | 詳細 |
補助金申請前の課題 | オフラインの会計ソフトを使用しており、同時作業が不可能で、仕訳の大半を手入力で行う必要があった。 |
補助金申請後 | クラウド会計ソフトを導入し、オンラインバンキングとの連携により入出金履歴を自動的に取り込むことが可能となった。 |
ITツール導入成果 | 作業時間が3割程度削減できた。 |
【総務ソフトの活用事例】
項目 | 詳細 |
補助金申請前の課題 | 従業員の給与明細を配布する作業や日々のタイムカードの集計などを手作業で行っていたため、業務負担が大きかった。 |
補助金申請後 | クラウド対応した総務ソフトを導入したことで給与関係の業務が効率化され、給与明細の配布作業がなくなった。 |
ITツール導入成果 | 配布業務や年末調整に携わる人件費と遠方の現場にいる従業員への郵送費等が削減され、年間60万円以上のコスト削減できた。 |
参考:「ITツール活用事例」|IT導入補助金2024の公式サイト
なお、IT導入補助金の事務局を管理する独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営する「IT戦略ナビ」の「IT戦略マップ・導入プラン」では、Web上でITツールの提案を受けることができます。ITツールの選定に悩んでいる人は、中小機構のサービスを活用してみましょう。
この記事のまとめ
IT導入補助金の「通常枠」または「インボイス対応類型」は、かならず1つ以上のソフトウェアの導入が必要です。また、ソフトウェアは、IT導入支援事業者が提供しているものが補助対象です。
IT導入補助金の補助対象になるソフトウェアの機能は、申請する枠によって異なります。申請するソフトウェアの機能を決めたら、IT導入補助金の申請する枠の要件の確認が必要です。
なお、ソフトウェアを導入する場合、かならずIT導入支援事業者のサポートを受ける必要があります。IT導入支援事業者について知りたい人は「IT導入補助金の支援事業者とは?サポート内容や選び方を解説」の記事を確認してみましょう。