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2024/09/17
2024/8/14
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
事業者が新たに従業員を雇用したり、従業員の労働環境を改善したりする際には、多額の費用がかかることがあります。そのような場合、事業者は費用負担を軽減するために助成金の支援制度を利用することが可能です。
当記事では、雇用に関する助成金の種類や活用方法を解説します。現在公募が行われている助成金もいくつか紹介するので、従業員の雇入れや雇用環境の改善などに助成金の申請を検討している人は、参考にしてみてください。
なお、事業者が利用できる資金援助制度には「補助金」もありますが、雇用に関する制度は「助成金」と呼ばれる傾向にあります。補助金と助成金の違いについては「補助金と助成金の違いは?相違点と共通点からそれぞれの傾向を解説」の記事で解説しています。
雇用に関する助成金は、人材の採用や働き方改革の導入など、雇用の目的によってさまざまな制度が用意されています。雇用の目的に応じて効果的に活用できるよう、どのような種類の助成金があり、どのように活用できるのかを確認してみましょう。
【雇用関連の助成金の活用例】
たとえば、高齢者や障がい者といった就職が難しいとされる求職者を雇用する際には、その雇用を支援する助成金が用意されています。また、従業員が安心して育児休業や介護休暇を取得できる環境を整備するための費用を支援する助成金もあります。
雇用に関する助成金は、事業者と従業員のニーズに応じて活用できる支援制度です。事業の成長や従業員の働きやすい環境づくりを目指す際など、それぞれの目的に合った助成金を探し、概要や申請要件を確認しましょう。
事業者の経営状況の悪化により、従業員の雇用調整で休業や出向などを実施した際は「従業員の雇用を維持」するための助成金を活用できます。従業員には働く意思があるにもかかわらずやむを得ず休ませる場合の休業手当や、出向費用などが発生した際の支援が目的です。
たとえば、事業者が休業手当や教育訓練、一時的な配置転換にかかる費用などを補填し、従業員の雇用を維持した場合の費用の一部が支援されます。また、従業員が将来的にスムーズに職場復帰できるよう、スキルアップや再教育を行う訓練の費用にも適用されることがあります。
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者は、従業員を解雇せずに休業させることや、教育訓練、出向の機会を用意することができます。その場合は、従業員の雇用維持に関する助成金の申請を検討してみましょう。
事業者が就職困難者を雇用する場合は「就職が難しいとみなされる労働者の雇入れ」を支援する助成金を活用できます。年齢や国籍、障害の有無などによって就職機会が限られている求職者の対象を確認しましょう。
【就職が困難とみなされる求職者の具体例】
就職が困難とされる特定の求職者の雇入れを支援する助成金には、高齢者や障がい者のほかにもさまざまな求職者の雇入れを支援するコースが用意されています。たとえば、就職氷河期に正規雇用の機会を逃したことで、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な人の雇入れが対象のものもあります。
事業者が「特定就職困難者」を雇用する場合、対象者の給与と支払われた金額の一部が支援される助成金を活用できます。厚生労働省や各都道府県の自治体などで異なる助成金が用意されているため、多方面から補助金を探してみてください。
事業者が従業員の長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現に向けて環境整備を行う場合は「働き方改革の導入」を支援するための助成金を活用できます。働き方改革につながる環境整備とは具体的にどのような取組みがあげられるのかを確認してみましょう。
【働き方改革につながる環境整備の一例】
たとえば、労務管理の効率化を図るために労務管理用ソフトウェアを導入することで、従業員の労働時間を適切に管理し、長時間労働の是正に取り組むことができます。また、従業員向けに柔軟な働き方の研修を実施し、リモート勤務やフレックスタイム制の導入を促進することで、働き方の多様化を推進できます。
自社の働き方改革を推進したい場合は、環境整備のためにかかった費用の一部が支援される助成金を検討してみてください。従業員の安全管理と作業効率化を図るためのデジタル式運行記録計(デジタコ)を導入する際にも活用できる場合があります。
従業員が育児や介護で離職しないように、育児休業や介護休業の制度を導入する場合は「従業員の育児や介護を支援」するための助成金を活用できます。優秀な人材の雇用を守るためには、仕事と家庭の両立を目指せる取組みを実施することが必要です。
たとえば、育児や介護のために従業員が有給休暇を取りやすい仕組みを整える場合や、休業する従業員の代替要員を確保する場合などに利用できる助成金があります。また、要介護状態の家族の介護をする労働者に時差出勤や在宅勤務制度を設ける場合に利用できる助成金もあります。
育児や介護支援のための助成金を活用することで、従業員が安心して仕事と家庭を両立できる環境を整え、優秀な人材を維持することができます。仕事と家庭の両立支援を目的とする助成金には、不妊治療や事業所内の保育所開設など、さまざまな助成内容が用意されているため、種類や概要を確認してみてください。
事業所内の「物理的な環境整備」や従業員の「労務管理体制の整備」を行う場合は、雇用関係の整備を支援するための助成金を活用できます。物理的な設備だけでなく、助成対象となる労務管理や人材育成の整備に関する項目も確認してみましょう。
【雇用環境の整備で助成対象となる内容の例】
たとえば、雇用環境の整備に活用できる助成金は、車いす利用者や、からだに障害のある人を雇用する際に、スロープや必要な設備の設置などを行う場合に支援されます。、テレワークや外国人労働者向けの環境整備、有期雇用者の正社員化など、多岐にわたる制度が用意されています。
雇用環境の整備に活用できる助成金は、物理的な設備の導入だけでなく、労務管理や人材育成など幅広い取組みに支援が提供されます。助成金を活用して従業員が働きやすい環境を整えることは企業の持続的な成長につながるため、自社のニーズに合った助成金を確認し、申請を検討しましょう。
雇用機会が不足している地域で事業主が事業所の設置や整備を行い、その地域に移住する求職者を雇用する場合、地方雇用の創出を支援するための助成金を活用できます。地域に密着し、地域経済の発展に貢献する業種が対象となります。
【業種別の地域雇用創出例】
業種 | 雇用創出例 |
製造業 | 地域特産品を生産する新工場を設立し、地元の人材を雇用して生産ラインを拡大 |
観光業 | 地域の歴史や文化を活かしたツアープログラムを展開し、現地ガイドやスタッフを新規採用 |
農林水産業 | 地元で収穫した作物を加工する施設を新設し、地元農家と協力して雇用を創出 ※1 |
介護・福祉業 | 地方で高齢者や障がい者向けのサービスを提供し、雇用を生み出す事業 ※2 |
宿泊業 | 古民家を改装するなど新たな宿泊施設を設立し、地域住民の雇用を促進する事業 |
※1 系統出荷のみを行う事業者の場合は対象外となる可能性がある
※2 介護報酬を得る事業者の場合は対象外となる可能性がある
たとえば、観光業では、地域の歴史や文化を活かしたツアーを企画し、現地ガイドやスタッフを新規採用することで、地域の観光資源を活用した雇用創出が可能です。また、高齢者向けの宅食デリバリーを開始し、地域密着型のサービスを提供することで、新たな雇用の創出も期待できます。
地域雇用創出のための助成金は、地域の特性を活かし、雇用機会を増やす事業に活用できます。首都圏から離れた特定の地域で事業を営む事業者は、助成金の概要を確認し、申請を検討してみてください。
国や地方自治体が提供する雇用に関する助成金は、雇入れ支援だけでなく、従業員の雇用環境改善にも幅広く利用できるものが揃っています。今回は、雇用に関する助成金の具体例を一覧にしてまとめたので、これから助成金の申請を検討する人は参考にしてみてください。
【雇用に関する助成金や補助金の具体例】
助成金・補助金名 | 概要 |
雇用調整助成金(厚生労働省) |
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キャリアアップ助成金(厚生労働省) |
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トライアル雇用助成金(厚生労働省) |
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両立支援等助成金(厚生労働省) |
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奨学金返還支援事業(都道府県や地方自治体) |
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人材確保等支援助成金<外国人労働者就労環境整備コース>(厚生労働省) |
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高年齢者雇用安定助成金(厚生労働省) |
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テレワーク導入助成金(東京仕事財団、厚生労働省) |
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地域雇用開発助成金(厚生労働省) |
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障害者雇用助成金(厚生労働省) |
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人材確保等支援補助金<人事評価改善等助成コース>(厚生労働省) |
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早期再就職支援等助成金<雇入れ支援コース>(厚生労働省) |
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早期再就職支援等助成金<再就職支援コース>(厚生労働省) |
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たとえば、厚生労働省のキャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)では「年収の壁対策」として、労働者1人に対して1人50万円までを助成する制度が開始されました。労働者は年収の壁を意識せずに働くことができ、社会保険に加入することで処遇改善につながるため、事業主の人手不足改善が見込まれます。
また、紹介した助成金以外にも、男性の育休を積極的に支援するものや、スタートアップ企業の人材確保など、多方面での支援制度が用意されていました。
人材雇用に関する助成金は多岐に渡り、就職が困難とみなされる対象者の雇入れ支援に力を入れているほか、従業員の雇用を守るための助成金なども充実しています。そのため、雇用に関する取組みを実施する際は、対象になる助成金があるかどうかを調べてみましょう。
雇用に関する助成金は、従業員の雇用や働き方改革、職場環境の改善を支援するため、幅広く活用できる制度です。制度を利用することで、事業者はコストを抑えながら従業員が働きやすい環境を整備し、事業の持続的な成長を促進できます。
また、助成金の申請には一定の要件や期限があるため、最新情報を確認することが重要です。自社に合った助成金を探し、必要な手続きを早めに進めることで、効果的に雇用支援を活用しましょう。
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