補助金と助成金の違いは?相違点と共通点からそれぞれの傾向を解説

2024/03/12

2023/10/13

この記事の監修

株式会社SoLabo田原広一

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

補助金と助成金に明確な定義はなく、それぞれの違いは曖昧です。国や自治体が定義しているわけではないため、それぞれの違いを簡単に述べることはできず、補助金と助成金の違いを説明するときには、その文脈や背景によるところがあります。

ただし、補助金と助成金を比較した場合、傾向として言えることはあります。それぞれの違いを明言することはできずとも傾向として言えることはあるため、補助金と助成金の違いが気になる人は、相違点と共通点からそれぞれの傾向を確認してみましょう。 

相違点と共通点からそれぞれの傾向を押さえる

補助金と助成金を比較した場合、傾向として言えることが見えてきます。各制度を比較することにより、傾向として言えることが見えてくるため、補助金と助成金の違いが気になる人は相違点と共通点からそれぞれの傾向を確認してみましょう。

【補助金と助成金における相違点と共通点】

相違点

共通点

  • 管轄の機関
  • 制度の目的
  • 募集の期間
  • 入金の時期
  • 審査の有無
  • 返済の有無

補助金と助成金を比較するときの項目として挙げられるのは「管轄の機関」「制度の目的」「募集の期間」「受給の流れ」「審査の有無」「返済の有無」です。これらには、相違する項目と共通する項目があるため、それぞれを比較するときの項目として挙げられます。

相違点と共通点の観点から比較することにより、傾向として言えることが見えてきます。あくまでも傾向として言えることですが、補助金と助成金の違いが気になる人は補助金と助成金における相違点と共通点を確認してみましょう。

補助金と助成金の相違点

補助金と助成金を比較した場合、いくつかの相違点があります。補助金と助成金の相違点を知ることは、利用する制度を探すときの判断材料のひとつとなるため、補助金と助成金の違いが気になる人はそれぞれの相違点を確認してみましょう。

【補助金と助成金の相違点】

項目

補助金

助成金

管轄の機関

  • 経済産業省
  • 自治体
  • 厚生労働省
  • 自治体

制度の目的

  • 経済の活性化
  • 国内産業の強化
  • 雇用課題の解決
  • 労働環境の改善

募集の時期

  • 公募回ごと(年に複数回実施)
  • 通年

補助金と助成金の相違点として挙げられるのは「管轄の機関」です。政府が運営する支援制度の場合、経済産業省が管轄するものは「補助金」の名称を用いられ、厚生労働省が管轄するものは「助成金」の名称を用いられる傾向があります。

また、補助金と助成金の相違点として挙げられるのは「制度の目的」です。制度を管轄する省庁の役割が異なる関係上、補助金は経済や産業の活性化を目的とした制度となり、助成金は雇用や労働に関する課題解決を目的とした制度となる傾向があります。

そして、補助金と助成金の相違点として挙げられるのは「募集の時期」です。補助金や助成金の制度によっても異なりますが、補助金の場合は複数の公募回ごとに締め切りが設けられ、助成金の場合は年間を通して募集されている傾向があります。

ただし、今回紹介した相違点はあくまでも傾向として言えることです。補助金制度や助成金制度によっても異なる可能性があるため、補助金と助成金の違いが気になる人はその前提を踏まえつつ、補助金と助成金の違いを知る目安として留意しておきましょう。

補助金と助成金の共通点

補助金と助成金を比較した場合、いくつかの共通点があります。補助金と助成金の共通点を知ることは、補助金と助成金の全体像を把握し理解を深めることにつながるため、補助金と助成金の違いが気になる人はそれぞれの共通点も確認してみましょう。

【補助金と助成金の共通点】

項目

補助金

助成金

審査の有無

  • あり
  • あり

入金の時期

  • 後払い
  • 後払い

返済の有無

  • なし
  • なし

補助金と助成金の共通点として挙げられるのは「審査の有無」です。補助金や助成金の制度によっても異なりますが、補助金と助成金のいずれにおいても所定の審査が実施され、事前申請と実績報告の計2回の審査に分かれている傾向があります。

また、補助金と助成金の共通点として挙げられるのは「入金の時期」です。補助金や助成金によっても異なりますが、補助金と助成金のいずれにおいても前払いとはならず、事業や活動が認められた後に支給額が交付される後払い制度となる傾向があります。

そして、補助金と助成金の共通点として挙げられるのは「返済の有無」です。補助金や助成金は返済義務のない収入として扱われるため、不正受給や事業計画の未達による返還義務が発生した場合をのぞき、原則として資金を返済する必要はありません。

ただし、今回紹介した共通点はあくまでも傾向として言えることです。補助金や助成金の制度によっても異なる可能性があるため、補助金と助成金の共通点が気になる人はその前提を踏まえつつ、補助金と助成金の全体像を把握する目安として留意しておきましょう。

補助金や助成金を検討中の人は目的や地域から探す

日本国内にある補助金や助成金はさまざまです。その数は多く、地方自治体の補助金や助成金を含めれば、数千ほどの補助金や助成金があるため、補助金や助成金を検討中の人は、まずは目的別や地域別に探すことを検討してみましょう。

 【補助金や助成金を探すときの具体例】

項目

目的別と地域別の具体例

補助金と助成金の具体例

目的別

新規事業

  • 創業助成事業
  • 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

人材育成

  • ものづくり人材育成支援事業
  • キャリアアップ助成金

販路開拓

  • 販路拡大支援事業助成金
  • 地域中小企業応援ファンド

地域別

全国対象

  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金

都道府県

  • 山梨県産業集積促進助成金(製造業)
  • 大阪府資格取得等人材育成支援事業補助金

市区町村

  • 千代田区商店街創業支援事業
  • 京丹後市SDGsチャレンジ支援事業補助金

目的別に探す場合、「新規事業」「人材育成」「販路拡大」などの分野が挙げられます。「新規事業」「人材育成」「販路拡大」などの分野に絞ることにより、探すときの範囲を限定できるため、補助金や助成金を探すときには目的別に探すことも方法のひとつです。

地域別に探す場合、「全国対象」「都道府県」「市区町村」などの分野が挙げられます。「全国対象」「都道府県」「市区町村」などの分野に絞ることにより、探すときの範囲を限定できるため、補助金や助成金を探すときには地域別に探すことも方法のひとつです。

なお、補助金や助成金に関する情報は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」から検索できます。補助金や助成金などの支援制度を目的別や地域別に検索することができるため、補助金や助成金を探している人は活用することを検討してみましょう。

その他の支援制度も検討する余地がある

国や自治体の支援制度はいろいろあります。あらゆる支援制度を比較検討することにより、補助金や助成金以外の選択肢も見えてくるため、補助金や助成金を検討中の人はその前提を踏まえつつ、その他の支援制度を探すことも検討してみましょう。

【支援制度の一覧】

項目

概要

給付金

給付金とは、生活や雇用に関する支援が必要な人へ一時金を給付する制度のこと。

生活や雇用の課題解決を目的とするため、個人を対象としている傾向がある。

支援金

支援金とは、地震や台風などの災害により被害を受けた人々や地域を支援する制度のこと。

被災地の復興を目的とするため、NPOやボランティア団体を対象としている傾向がある。

交付金

交付金とは、まちづくりや地域課題の解決など、特定の目的を持って国が自治体を支援する制度のこと。

自治体が実施するプロジェクトに使用されるため、参画する企業や団体を対象としている傾向がある。

補助金や助成金以外の支援制度として挙げられるのは「給付金」です。給付金は生活や雇用の課題を解決するための支援制度を指し、育児や介護、失業などによる支援が必要な人への一時金の支給となるため、個人を対象としている傾向があります。

また、補助金や助成金以外の支援制度として挙げられるのは「支援金」です。支援金は災害によって被災した人々や地域への支援制度を指し、地震や台風、津波などによる被災地の復興に使用されるため、NPOやボランティア団体を対象としている傾向があります。

そして、補助金や助成金以外の支援制度として挙げられるのは「交付金」です。交付金は特定の目的を持って国から自治体へ向けて実施される支援制度を指し、自治体が立ち上げるプロジェクトに使用されるため、参画する企業や団体を対象としている傾向があります。

ただし、補助金や助成金と同様、その他の支援制度も境界線は曖昧です。国や自治体は明確に定義しておらず、補助金や助成金と性質が似ている支援制度もあるため、補助や助成を受けたい人は自身の状況や目的からその他の支援制度を探すことも検討してみましょう。

補助金と助成金に関するQA

馴染みがないことにより、気になる点や知りたい点はいろいろあると思います。今回は補助金や助成金に関する情報を調査している人が気になりそうな点をQ&A方式にまとめているため、補助金や助成金に関する情報を調査している人は参考にしてみてください。

【補助金や助成金におけるQA

質問

回答

補助金と助成金の併用は可能ですか?

利用する補助金や助成金にもよるが、併用が不可となる場合がある。

併用が不可となる場合は公式サイトや公募要領にその旨が記載されているため、併用したいときは事前確認が必要になる。

補助金と助成金は税金の面に違いがありますか?

補助金と助成金のいずれにおいても原則として消費税の対象とはならないが、「法人の場合は法人税の課税対象」「個人事業主の場合は所得税の課税対象」など、いくつかの留意すべき点がある。

利用しやすいのは補助金と助成金のどちらですか?

「法人や個人事業主などの事業者を対象にしたもの」や「個人を対象にしたもの」など、補助金や助成金はいろいろあるため、利用のしやすさは一概に言えず、申請者の背景や目的にもよる。

日本国内にある補助金や助成金はさまざまです。その数は多く、都道府県や市区町村などの自治体が募集している補助金や助成金を含めれば、あらゆる種類が存在するため、補助金や助成金が気になる人は自身の状況や目的に合うものを探すところから始めてみましょう。

補助金や助成金が気になる人は専門家に相談することも検討する

補助金や助成金が気になる人は、専門家に相談することも検討してみてください。補助金や助成金に関する書籍や動画を参考にすることも方法のひとつですが、専門家に相談することにより、自身の状況に適した支援制度を提案してもらえる可能性があります。

【相談先の一覧】

相談先

概要

商工会議所

商工会議所法に基づき設立された特別認可法人。

法律、税務、金融、登記、経営など、幅広い支援サービスを提供している。

よろず支援拠点

国が全国に設置した無料の経営相談所。

豊富な活動実績から経営者の課題に応じたワンストップサービスを提供している。

中小企業基盤整備機構

3つの特殊法人を統合し設立された独立行政法人。

企業の成長ステージに合わせた支援メニューを提供している。

相談先として挙げられるのは「商工会議所」です。商工会議所は「法律」「税務」「金融」「登記」「経営」などの分野から幅広いサービスを提供しているため、あらゆる観点から相談したい人は商工会議所に相談することも方法のひとつです。

また、相談先として挙げられるのは「よろず支援拠点」です。よろず支援拠点は経営者の課題に応じたワンストップサービスを提供しているため、経営の観点から相談したい人はよろず支援拠点に相談することも方法のひとつです。

そして、相談先として挙げられるのは「中小企業基盤整備機構」です。中小企業基盤整備機構は企業の成長ステージに合わせた支援メニューを提供しているため、事業規模の観点から相談したい人は中小企業基盤整備機構に相談することも方法のひとつです。

ただし、専門家に相談する時は依頼料がかかる場合もあります。今回紹介した相談先は無料相談窓口を設けていますが、所定の依頼料がかかる場合もあるため、補助金や助成金など、支援制度に関する内容を専門家に相談したい人は留意しておきましょう。

まとめ

補助金と助成金の違いは曖昧です。国や自治体が定義しているならば、補助金と助成金の違いを簡単にのべることもできそうですが、国や自治体は明確に定義しておらず、補助金と助成金の違いを説明するときはその文脈や背景によるところがあります。

ただし、補助金と助成金を比較した場合、傾向として言えることはあります。それぞれの違いを明言でき射ずとも傾向として言えることはあるため、補助金と助成金の違いが気になる人は、相違点と共通点からそれぞれの傾向を探ることも方法のひとつです。

なお、補助金や助成金が気になる人は専門家に相談することも検討してみてください。専門家に相談することにより、自身の状況や目的に適した支援制度を提案してもらえる可能性があるため、補助金や助成金が気になる人は専門家に相談することも考えてみましょう。

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