事業承継・引継ぎ補助金に申請する際の流れを解説

2024/07/16

2024/7/8

この記事の監修

株式会社SoLabo田原広一

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業承継・引継ぎ補助金への申請を検討している人の中には、申請の準備にはどのような項目があるのかを知りたい人もいますよね。また、どのような手順で申請をおこなうのか、全体の流れを把握しておきたい人もいるでしょう。

当記事では、事業承継・引継ぎ補助金の申請する際の流れを解説します。事業承継・引継ぎ補助金の申請でするべきことを1つずつ紹介するので、事業承継・引継ぎ補助金に申請したい人は、当記事を参考にしてみてください。

なお、当記事は事業承継・引継ぎ補助金の公式サイトをもとに作成しています。

事業承継・引継ぎ補助金の申請の流れ

事業承継・引継ぎ補助金へ申請したい人は、申請前の流れを確認しておきましょう。事業承継・引継ぎ補助金に申請するにはやらなくてはならない作業が複数あるため、事前に大まかな流れを確認しておくことにより必要な作業を漏れなく計画的に進められます。

【事業承継・引継ぎ補助金への申請の流れ】

  1. 公募要領を読み理解する
  2. 申請する枠の概要を確認する
  3. 事業承継やM&Aの状況にあわせて申請する枠を決める
  4. 申請枠ごとの要件を満たせるかを確認する
  5. 対象事業者と対象事業の要件を満たすかを確認する
  6. スケジュールを把握し、どの公募回に申請するかを決める
  7. 認定支援機関やM&Aアドバイザリーなどを探して連絡をとる
  8. GビズIDプライムアカウントに申請する
  9. 認定支援機関確認書や住民票などの必要書類を準備する
  10. 公募期間中にj Grantsにログインして申請する

たとえば、「1.公募要領を読み理解する」の場合、公式サイトにある「公募要領等ダウンロード」から各申請枠の公募要領をダウンロードします。公募要領には申請の要件や守るべきルールなどが記載されているため、申請を検討している場合は内容を確認する必要があります。

事業承継・引継ぎ補助金に申請する際は、公募要領の理解や書類作成など複数の作業が必要です。その際、公式サイトに掲載された各種資料がルールとなるため、事業承継・引継ぎ補助金に申請する人は公式サイトの動画や「交付申請の手引き」も参考にして不備のない申請を心掛けましょう。

申請する枠の概要を確認する

事業承継・引継ぎ補助金に申請する人は、まず各申請枠の概要を確認することになります。事業承継・引継ぎ補助金には3つの申請枠があり、それぞれの申請枠は補助対象経費や補助金額が違うからです。

【3つの申請枠と同時申請の可否】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

経営革新

同時申請の可否

補助金額と補助率

補助対象経費

廃業・再チャレンジ枠との併用が可

<補助金額>

100万円~600万円または800万円

※廃業費を併用申請する場合は最大150万円の上乗せ措置あり

<補助率>

2/3または1/2以内

※公募要領の「補助率に関する補助対象者の要件」を満たす場合は2/3 事業費

  • 店舗等借入費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 産業財産権等関連経費 
  • 謝金
  • 旅費
  • マーケティング調査費 など

専門家活用

同時申請の可否

補助金額と補助率

補助対象経費

廃業・再チャレンジ枠との併用が可

【買い手支援型(Ⅰ型)】
<補助金額>
50万円~600万円
<補助率>
2/3以内

【売り手支援型(Ⅱ型)】
<補助金額>
50万円~600万円
<補助率>
1/2または2/3以内

専門家へ支払う費用

  • 謝金
  • 旅費
  • 外注費
  • 委託費
  • システム利用料 
  • 保険料
  • 廃業費

廃業・再チャレンジ

同時申請の可否

補助金額と補助率

補助対象経費

経営革新枠または専門家活用枠との併用が可

<補助金額>

50万円~150万円

<補助率>

2/3以内

※廃業・再チャレンジ枠へ単独で申請する際の補助金額と補助率

廃業費

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • リースの解約費
  • 移転・移設費用(併用申請のみ対象)

参考:公募要領等ダウンロード内の各申請枠の公募要領|事業承継・引継ぎ補助金

経営革新枠の場合、事業承継やM&Aをきっかけに新たな事業に取り組む事業者向けの申請枠です。そのため、経営革新枠へ申請すると、店舗等借入費や設備費などの事業費が最大で800万円、補助率1/2または2/3で補助されます。

専門家活用枠の場合、専門家を通してM&Aを行う事業者向けの申請枠です。そのため、専門家活用枠へ申請すると、M&A仲介会社へ支払う仲介手数料や弁護士への謝金などが最大で600万円、補助率1/2または2/3で補助されます。

廃業・再チャレンジの場合、事業を継続する努力をする廃業をする事業者向けの申請枠です。そのため、廃業・再チャレンジ枠へ申請すると、廃業後のM&Aマッチングへの取り組みや廃業後の新事業などが最大150万円まで、補助率2/3で補助されます。

事業承継・引継ぎ補助金の3つの申請枠は、それぞれ対象とする事業者、補助対象経費、補助金額、補助率などが異なります。申請枠を決める際は、各申請枠の補助金額や補助率だけでなく、補助対象経費や補助事業の内容も確認しましょう。

事業承継やM&Aの状況にあわせて申請する枠を決める

申請枠ごとの概要を確認したら、申請する枠を決めます。事業承継・引継ぎ補助金で申請枠を決める際は、事業者がこれから行う事業承継やM&Aなどの事業が「各申請枠の内容」と「補助対象経費」に合うかを判断して、選びます。

【事業承継やM&Aなどの状況にあわせた申請枠の例】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

事業承継やM&Aの例

適する申請枠と類型

補助対象経費

親が高齢となったため、息子が事業を承継する

経営革新枠の「経営者交代型(Ⅱ型)」

事業費

  • 店舗等借入費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 産業財産権等関連経費 など

空き家となった宿を買収し、新たなワーケーション施設を開業する

経営革新枠の「創業支援型(Ⅰ型)」

M&Aで伝統工芸事業の譲渡を受け、新たな事業として開業する

経営革新枠の「M&A型」

M&Aで地域の老舗和菓子屋を承継し、登記を変更する

専門家活用枠の「買い手支援型(Ⅰ型)」

専門家経費

  • 謝金
  • 旅費
  • 外注費
  • 委託費 など

長年やってきた薬局をM&Aで事業譲渡するため、M&Aマッチングサイトに登録する

専門家活用枠の「売り手支援型(Ⅱ型)」

廃業を決め、M&Aマッチングサイトに登録し、売り先を6か月以上探している

廃業・再チャレンジ枠(単独申請)

廃業費

  • 廃業支援費
  • 在庫廃棄費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • リースの解約費
  • 移転・移設費用(併用申請のみ計上可)

事業譲渡を受け、一部の経営資源のみを使い新たな事業を立ち上げ、一部の毛家資源は処分する

廃業・再チャレンジ枠と「経営革新枠」(併用申請)

高齢のため事業の一部を廃業し、一部は専門家を経由してM&Aで譲り渡す

廃業・再チャレンジ枠と「専門家活用枠」(併用申請)

たとえば、息子が父親から事業を承継する場合、「経営革新枠」の「経営者交代型(Ⅱ型)」が適しています。親族内承継を対象とする申請枠は「経営者交代型(Ⅱ型)」のみなので、「廃業・再チャレンジ枠」と併用することはできますが、専門家活用枠は選べません。

また、法人が個人事業主からM&Aで事業承継をする場合は、事業をそのまま引き継ぐなら「専門家活用枠」の「買い手支援型(Ⅰ型)」が適しています。もしも承継した事業を新事業として引き継ぐなら、「経営革新枠」の「創業支援型(Ⅰ型)」も選べます。

事業承継・引継ぎ補助金で申請する枠を決める際は、自社が行う事業承継やM&Aが申請枠の補助事業に合うかを確認しましょう。その際、申請する枠が補助対象とする経費を事業者が支払う予定があるのかも忘れずに確認しましょう。

申請枠ごとの要件を満たせるか確認する

事業承継・引継ぎ補助金の申請枠を決めたら、次は申請枠ごとの要件を満たせるかを確認します。申請枠ごとの要件には、「対象事業者」「対象事業」「事業承継」の要件が設定されているため、要件を確認する際は、すべての要件を満たせるかを確認する必要があります。

【事業承継・引継ぎ補助金の申請枠ごとの要件】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

経営革新

要件の種類

補助対象者の要件

  • すべての類型において、国内に拠点または居住地を置き、国内で事業をする者であること
  • 地域経済に貢献している中小企業等であること

対象事業の要件

事業承継対象期間(補助事業完了期限日から遡ること 5 年の間)において、中小企業者等の被承継者と承継者間で M&A 等を含む事業の引き継ぎを行った又は行うこと

※9次公募の場合、2019年11月23日から補助事業完了期限日である 2024年11月22日まで

事業承継の要件

経営者交代型(Ⅱ型)未来の承継において、同一法人内の事業承継であること

専門家活用

要件の種類

補助対象者の要件

<共通の場合>
「M&A 支援機関登録制度」に登録された FA・仲介業者又は FA・仲介業者(法人)の代表者が、補助対象者又は補助対象者(法人)の代表者と同一でないこと

<買い手支援型の場合>
経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うこと

 <経営資源引継ぎの要件>
事業承継期間中に事業者が事業再編・事業統合を通じて経営資源の引継ぎを行うこと

廃業・再チャレンジ

要件の種類 

補助対象者の要件

<共通の場合>

  • M&Aに着手したものの、成約に至らなかった者であること
  • 廃業後に再チャレンジする事業に関する計画を作成し、認定支援機関の確認を受け提出すること
    +経営革新枠と同等の要件

<単独申請の場合>
会社自体を廃業するために、補助事業期間内に廃業登記を行う、在庫を処分するなどを行うこと

事業承継の要件

<廃業・再チャレンジの要件>

併用申請の場合は、補助事業期間中に事業承継やM&Aを完了させること

参考:公募要領等ダウンロード内の各申請枠の公募要領|事業承継・引継ぎ補助金

たとえば、経営革新枠の補助対象者の要件の場合、「国内で事業をする者」や「地域経済に貢献している事業者である」などの要件が11個あります。経営革新枠から申請する人は11個の要件をすべて満たさないと、申請しても「不受理」や「不採択」となります。

また、専門家活用枠の「買い手支援型」の要件の場合は、「経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うこと」の要件があります。シナジーとは相乗効果の意味なので、事業者が買い手支援型で事業を買収する際は、相手先との相乗効果が求められます。

事業承継・引継ぎ補助金には3つの申請枠があり、それぞれ異なる「補助対象者」「補助事業」「事業承継」の要件が設定されています。3つの申請枠の概要と申請要件を知りたい人は、「事業承継・引継ぎ補助金とは?概要と申請要件を解説」を参考にしてみてください。

なお、要件を満たせば、申請者は「経営革新枠」または「専門家活用枠」のいずれかと、「廃業・再チャレンジ枠の両方に同時に申請ができます。ただし、併用申請する場合は、併用する両方の申請枠の要件を満たす必要があることに留意しておきましょう。

スケジュールを把握して申請する公募回を決める

事業承継・引継ぎ補助金に申請する際は、スケジュールを把握してから申請する公募回を決めます。事業承継・引継ぎ補助金はいつでも申請できる補助金ではないからです。

【10次公募のスケジュール】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

項目

スケジュール

申請受付期間

2024年7月1日(月)~2024年7月31日(水)17:00まで

交付決定日

2024年8月末~9月初頭(予定)

事業実施期間

交付決定日~2024年11月22日(金)

実績報告期間

2024年8月29日(木)~2024年11月25日(月)

補助金交付手続き

2024年12月下旬以降(予定)

参考:専門家活用枠「事業スケジュール」|事業承継・引継ぎ補助金

たとえば、事業承継・引継ぎ補助金の10次公募の場合、申請受付期間は2024年7月1日(月)〜7月31日(水)17:00です。10次公募に申請したい事業者は、7月31日(水)17:00までに、公募要領の確認や必要書類の準備など準備を済ませたうえで、申請を完了させる必要があります。

なお、10次公募における募集枠は「専門家活用枠」のみですが、複数の申請枠を募集している公募回では申請枠ごとに各締切が異なる場合があります。申請を検討している人は、かならず申請する枠のスケジュールを確認しましょう。

認定支援機関やM&Aアドバイザリーなどを探して連絡をとる

事業承継・引継ぎ補助金の一部の申請枠では、認定支援機関やM&Aアドバイザリーなどを探して連絡をとる必要があります。なぜなら、必要書類に認定支援機関による「確認書」がある申請枠や、専門家から取得する相見積が必要な申請枠があるからです。

【事業者が申請時に連絡を取るべき専門家の種類】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

申請枠

専門家

経営革新枠

認定支援機関

(金融機関、商工会、民間コンサル企業等)

専門家活用枠

M&Aアドバイザリー企業、司法書士、弁護士

<補助対象経費に委託費を申請する場合>

「M&A 支援機関登録制度」に登録された登録 FA・仲介業者

廃業・再チャレンジ

認定支援機関

<補助対象経費で廃業支援費を申請する場合>

廃業に関する登記手続きができる専門家

司法書士、弁護士

たとえば、経営革新枠の場合、遅くとも事業者が申請をする日までに認定支援機関に「確認書」を発行してもらわなければなりません。認定支援機関は事業計画に関する専門家なので、事業者が行おうとする事業計画を確認し、問題点があれば指摘することができます。

また、専門家活用の場合は、事業者が申請する日までに2社以上の専門家を探し、M&Aにかかる費用の見積を取得する必要があります。なぜなら、事業者は交付決定を受けたあとに相見積を提出する必要があるからです。

事業承継・引継ぎ補助金は、事業者が専門家や廃棄業者と連携して補助事業に取り組む場合に支援を受けることができる補助金です。事業承継・引継ぎ補助金に申請する人は、申請前に専門家や業者と連絡をとる必要があることを留意しておきましょう。

GビズIDプライムアカウントに申請する

事業承継・引継ぎ補助金に申請する人は、早めにGビズIDプライムアカウントに申請しましょう。事業承継・引継ぎ補助金の申請は、補助金申請サイト「j Grants」から行います。その際、GビズIDプライムアカウントでログインしてから、申請することになります。

【GビズIDプライムのアカウント登録に必要なもの】

項目

備考

メールアドレス

  • ログインする際のアカウントIDとなる
  • ワンタイムパスワードを取得するためにも使用する

パソコン

〈対応OS〉

  • Windows10、11
  • MacOS 14以上

〈対応ブラウザ〉

  • Microsoft Edge
  • Google Chrome
  • Safari

※ブラウザはいずれも最新版

※スマートフォンでも可能

スマートフォンもしくは携帯電話

  • SMS(ショートメッセージサービス)を受信できる端末を用意

プリンター

(※書類郵送申請のみ)

  • 作成した申請書を印刷するために必要
  • 印刷した申請書に押印する

印鑑証明書または印鑑登録申請書

(※書類郵送申請のみ)

  • 個人事業主の場合は印鑑登録証明書となる
  • 発行日より3ヶ月以内の原本が必要

マイナンバーカード

(※オンライン申請のみ)

以下の入力が必要

  • 署名用電子証明書暗証番号(英数字6-16桁)
  • 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)

GビズIDアプリ

(※オンライン申請のみ)

  • マイナンバーカードの読み取りに必要

参考:「ご利用ガイド」(GビズIDクイックマニュアルgBizIDプライム編)|GビズID

事業承継・引継ぎ補助金に申請する際、GビズIDプライムアカウントがないと申請はできません。GビズIDプライムアカウントは即日発行されるわけではないので、申請したい日から1週間〜2週間前にはGビズプライムアカウントを申請しておきましょう。

認定支援機関確認書や住民票などの必要書類を準備する

事業承継・引継ぎ補助金に申請する際は、認定支援機関確認書や住民票などの必要書類を準備します。必要書類はj Grantsから申請する際に添付するため、原則、PDFデータで保存しましょう。

【申請の際に必要な書類の例】※10次公募では専門家活用枠のみの募集

申請枠の種類

書類

入手先

共通

交付申請書

事業承継・引継ぎ補助金公式サイトの事業別ページ>交付申請手続き

経営革新

認定経営革新等支援機関による確認書

事業承継・引継ぎ補助金公式サイトの事業別ページ>交付申請手続き

<交付申請類型番号が1、9で個人事業主の場合>

  • 発行から3か月以内の住民票
  • 税務署の受付印のある直近 3期分の確定申告書 B

など

<住民票>

  • 区役所や市役所など
  • コンビニ交付サービス

<確定申告書B>
税務署

専門家活用

<交付申請類型番号 1で法人の場合>

  • 履歴事項全部証明書
  • 直近の確定申告の基となる直近3期分の決算書
  • 常時使用する従業員1名の労働条件通知書

<履歴事項全部証明書>
法務局

<決算書>
提出済みなら控えを用意する。提出済みでないなら税務署に提出する

<労働条件通知書>
自社で作成したものの控えを用意する

廃業・再チャレンジ

併用申請する際は、併用する事業で指定された書類を提出する

<廃業・再チャレンジ枠に単独申請で交付申請類型番号1の場合>

  • 履歴事項全部証明書
  • 直近の確定申告の基となる直近
  • 3期分の決算書
  • 株主名簿
  • 認定経営革新等支援機関による確認書
  • 廃業・再チャレンジの内容を記載した計画書

<株式名簿>
会社の本店の保管している株式名簿を用意する
<認定支援機関確認書>
公式サイトの事業別ページ>交付申請手続きからダウンロードし、認定支援機関に記載してもらう
<廃業・再チャレンジの内容を記載した計画書>
公式サイトの事業別ページ>交付申請手続きからダウンロードして記載する

参考:公募要領等ダウンロード内の各申請枠の公募要領|事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金に申請するすべての事業者は、必ず交付申請書を提出することになります。その際、交付申請書は申請フォームへ入力するため紙の書式の用意は必要なく、補助金電子申請サイト「j Grants」から入力します。

また、経営革新枠で法人から事業を譲渡される個人事業主の場合は、認定支援機関の確認書も提出することになります。個人事業主として提出しなければならない書類は「3か月以内に発行された住民票」「直近3期分の確定申告書B」「所得税青色申告決算書」の3点です。

事業承継・引継ぎ補助金の必要書類には、役所や法務局に行く必要がある書類も含まれます。必要書類の詳細を知りたい人は、「事業承継・引継ぎ補助金の必要書類を事業承継の類型別に解説」を参考にしてみてください。

申請は公募期間中にj Grantsにログインして行う

申請は公募期間中に電子申請「j Grants」にログインして行います。電子申請で入力する項目は複数あるので、あらかじめ入力項目を把握しておくとスムーズに申請できます。

【j Grantsで申請する際の入力項目(j-Grants申請フォーム項目定義書より抜粋)】

項目

概要

引継ぎ形態(申請類型:Ⅰ型の場合)

以下から1つ選択

1.株式譲渡

2.第三者割当増資

3.株式交換

4.吸収合併

5.吸収分割

6.事業譲渡

引継ぎ形態(申請類型:Ⅱ型の場合)

以下から1つ選択

1.株式譲渡

2.第三者割当増資

3.株式交換

4.吸収合併

5.吸収分割

6.事業譲渡

7.株式移転

8.新設合併

9.株式譲渡+廃業

10.事業再編等+廃業

「経営資源引継ぎ補助金」での採択実績有無

以下から選択

採択実績あり

採択実績なし

※「経営資源引継ぎ補助金」において補助金の交付を受けた事業者は申請不可

事業者基本情報

  • 法人名(個人事業主名)
  • 屋号
  • 所在地
  • 連絡先
  • ホームページURL
  • 事業所数

事業者の概要

  • 業種
  • 従業員数
  • 資本金
  • 事業内容

株主一覧

所有比率1~5位の株主情報を記載

  • 企業名(個人事業主名)
  • 株式所有比率
  • 議決権比率
  • 資本金

取締役一覧

取締役に関する以下の情報を記載

  • 氏名
  • 役職名
  • 生年月日

(5名以上の場合は上位5名を記載)

共同申請者情報

共同申請者に関する以下の情報を記載

  • 基本情報
  • 代表者情報
  • 株主一覧
  • 取締役一覧

経営資源引継ぎの内容・計画

  • 計画期間
  • 計画内容
  • 引継ぎの目的・必要性
  • 各種宣誓

補助対象経費

  • 金額
  • 内容
  • 経費区分

交渉相手情報

  • 経営資源引き継ぎの進捗
  • FA・M&A仲介契約を締結した専門家名
  • 交渉相手との関係
  • 本社所在地
  • 直近期売上高
  • 業種
  • 従業員数
  • 開業年月日

経営状況

  • 開業年月日
  • 前事業年度経営状況
  • 2期前事業年度経営状況
  • 3期前事業年度経営状況

加点事由に該当することの申告

「該当する」の選択と証拠書類の添付

課税所得額に関する確認

  • 申請者の課税所得額(3年前まで)
  • 共同申請者の課税所得額(3年前まで)

申請に係る誓約

同意する場合は「はい」を選択

参考:専門家活用枠 jGrants申請フォーム項目定義書(10次公募)|事業承継・引継ぎ補助金

J Grantsで入力する項目は、申請枠ごとの「j Grants申請フォーム項目定義書」にすべて記載されています。「j Grants申請フォーム項目定義書」は事業承継・引継ぎ補助金の公式サイト「公募要領等ダウンロード」からダウンロードできるので、参考にしてみてください。

なお、事業承継・引継ぎ補助金の公式サイトにはj Grantsの操作用マニュアルも用意されています。j Grantsの操作がはじめての人は、事業承継・引継ぎ補助金事務局が制作した「電子申請マニュアル」も参考にしてみましょう。

まとめ

事業承継・引継ぎ補助金に申請するためには、事業承継・引継ぎ補助金の申請枠ごとの概要を理解することが大切です。10次公募の募集は「専門家活用枠」のみの募集ですが、通常は事業承継・引継ぎ補助金には3つの申請枠があるため、申請枠を決めて申請枠ごとの必要書類を提出するからです。

事業承継・引継ぎ補助金に申請する際は、対象事業者と対象事業の要件を満たすかを確認しましょう。事業承継・引継ぎ補助金の対象者となるには、申請枠ごとに10〜12個の要件を満たす必要があります。また、対象者は同時に対象事業の要件も満たす必要があります。

申請は公募期間中に電子申請「j Grants」にログインして行います。電子申請での入力は、Gビズプライムアカウントを使用します。申請時の入力項目は「j Grants申請フォーム項目定義書」に記載されているので、参考にしたい場合は公式サイトからダウンロードしましょう。

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