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2024/10/22
2024/10/22
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
補助金やクラウドファンディングは、事業の資金調達や社会的課題の解決に有効な手段です。
補助金は、自己資金を投じて一通りの補助事業を実施したのちに、国や自治体からの支援金を受け取れる制度です。一方、クラウドファンディングは、賛同した支援者から集めた資金を投じて事業を進めていきます。
ただし、クラウドファンディングを利用する際にも利用料や手数料などの費用は発生します。
当記事では、補助金をクラウドファンディングにどう役立てるかを解説します。また、補助金とクラウドファンディングを併用する際の注意点も紹介するので、2つの資金調達を検討している人は参考にしてみてください。
目 次
国や都道府県では、クラウドファンディングの利用者向けに補助金を公募しています。クラウドファンディングの利用時にかかる費用の一部を補助することで、新規事業への挑戦や社会的課題の解決を促進することを目的としています。
【クラウドファンディング向けの補助金の対象経費例】
対象経費の例 | 内容 |
プラットフォーム利用料 |
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プロジェクトページ作成費用 |
|
広報・広告費用 |
|
クラウドファンディング向けの補助金では、プラットフォームの利用手数料にかかる経費の一部が支援されます。各補助金に設定されている補助率に基づき、経費の1/2〜3/4が補助されるため、結果的にかかった費用を半分以下に削減できる可能性があります。
また、利用手数料のほかにも、プロジェクトページを作成する際のデザイン費用や、プロジェクトを宣伝するための広報活動費なども支援される場合もあります。
クラウドファンディングを支援する補助金を活用することで、事業を始める際のコストを軽減しながらプロジェクトを進めていくことが可能です。クラウドファンディング向けの補助金の情報は、国や自治体の公式サイトを確認してみてください。
クラウドファンディングを利用する際には、プラットフォームの利用料が発生します。利用料の設定額は、選ぶクラウドファンディングサイトによって異なり、通常、調達額の10%〜20%がサイト運営会社へ支払われます。
また、プロジェクトに賛同してくれた支援者がクレジットカードや銀行振り込みで資金を送ると、その取引を処理するための決済サービスを利用する手数料がかかります。決済手数料は概ね5%に設定されています。
【クラウドファンディング利用料の記載例】
A社 | B社 | C社 | D社 |
調達額の10% | 調達額の20% (決済手数料5%を含む) |
成功時に20% |
調達額の13%+初期費用+決済手数料4% |
たとえば、クラウドファンディングで100万円を調達した場合、プラットフォーム利用料として10万円〜20万円、さらに決済手数料として約5万円が差し引かれると、手元に残る金額は75万円〜85万円になります。
その際、プラットフォーム利用料の2/3が補助される補助金を活用すれば、15万円〜25万円の利用料のうち10万円〜約17万円が補助され、経費を削減できます。結果として、約88万円〜92万円の金額を手元に残すことが可能です。
クラウドファンディングのプラットフォーム利用料や手数料は、調達額から決まった割合のまとまった費用を差し引かれます。クラウドファンディングを支援する補助金は、サイトの利用料金や手数料の負担額を軽減できるため、費用を削減する手段として検討してみましょう。
補助金は、クラウドファンディングのプロジェクトページを作成する費用にも利用できる場合があります。
クラウドファンディングを成功させるためには、支援者が興味を持ち、投資したくなるようなプロジェクトページの作成がポイントです。しかし、デザインや文章作成を専門業者に委託する場合、それに伴う費用が発生します。
たとえば、デザイナーに依頼してページのデザインや画像を作成すると、数万円から10万円以上かかることがあります。また、支援者の理解や共感を得るための文章作成を依頼する場合は追加の費用も必要です。
その際、プロジェクトページ作成費用の2/3が支援される補助金を活用することができれば、10万円の作成費用が実質的に3万円程度の負担におさえられます。
プロジェクトページの作成費用は、クラウドファンディングを成功させるための必要経費として予算に組み込むことをおすすめします。補助金を活用して質の高いプロジェクトページの作成を検討してみてください。
クラウドファンディングでプロジェクトページを作成した後、認知度を高めるための効果的な広告戦略が必要です。プロジェクトが支援者に知られなければ、十分な支援を得ることが難しくなるため、SNSやWEB広告を活用してターゲット層にアプローチし、資金調達の成功率を高めることが求められます。
たとえば、SNS広告に1日1,000円、WEB広告に月3万円を投じることで、プロジェクトの認知度が大幅に向上し支援額の増加が期待できます。これらの広告運用には一定の予算が必要ですが、補助金を活用することで広告費用の一部を補填でき、より効果的な広告展開が可能になります。
また、通常は高額となる地元媒体への広告掲載も、補助金を活用すれば現実的な選択肢となります。たとえば、20万円の広告費に対して2/3の補助が適用されれば、自己負担は約7万円に抑えられ、地域での認知拡大を効率的に進めることができます。
クラウドファンディングを支援する補助金の中には、広告費用にも適用できるものがあります。広告費用を効果的に使ってプロジェクトの認知度を高めるために、補助金の活用を検討してみましょう。
補助金とクラウドファンディングを併用することは、資金調達や事業拡大のために有効な方法です。それぞれが持つ強みを組み合わせることで、自己資金の負担を軽減しながら、販路拡大やテストマーケティングにも活用できます。
【補助金とクラウドファンディングを併用する利点】
クラウドファンディングで得た資金は、会計上「融資」ではなく「資金」として扱われるため、負債を増やさずに資金調達ができます。そのため、補助金を申請する際に財務の健全性を示すことができ、審査に通る可能性が高まります。
また、クラウドファンディングは、商品のニーズを事前に測る「テストマーケティング」にも利用できます。クラウドファンディングは、支援者が事前に商品を購入する形式であることから、市場に出す前の商品への反応や需要を確認できるためです。
補助金とクラウドファンディングを併用することで、資金調達と販路開拓の両面でリスクを軽減し、事業の成功率を高めることができます。補助金とクラウドファンディングそれぞれの特徴を理解し、併用する際のポイントを確認しておきましょう。
クラウドファンディングを利用することで、補助事業に必要な資金調達を効率的に行うことができます。クラウドファンディングに利用できる補助金は原則として後払いのため、自己資金が不足する場合、補助事業の実施が難しくなります。
その際、クラウドファンディングで先に資金を集めておくことで、必要な事業資金を確保しつつ、事業をスムーズに進められます。また、クラウドファンディングの資金は返済不要の出資として扱われるため、補助金と併用することで自己資金の負担を減らせます。
たとえば、一部の自治体では「クラウドファンディング型ふるさと納税」を活用した補助金制度があり、地域の課題解決や事業推進に必要な資金をクラウドファンディングで調達し、その後の補助金申請が可能となっています。この仕組みを利用することで、住民主体の事業でも自己資金の負担を軽減し、効率的に資金を調達できます。
クラウドファンディングは、個人や企業から直接資金を集める方法で、特に補助金では賄いきれない部分の資金を調達するのに適しています。また、補助金審査時に観点となる財務状況において、クラウドファンディングで得た資金は負債ではなく純資産となるため、財務の健全性を示せます。
補助事業の資金調達の一手段として、クラウドファンディングは自己資金の投入を抑える効果的な方法です。クラウドファンディングと補助金を併用し、健全な財務状態を維持しながら事業を進めましょう。
クラウドファンディングは、商品やサービスのテストマーケティングとしても利用できます。事業開始前に市場の反応を確認できるため、販売前にニーズを把握し、適切な価格設定や製品改良が可能になります。
たとえば、特定の地域向けの新しい食品を開発した場合、クラウドファンディングで試験販売を行い、購入数や支援者のコメントをもとに製品の改善や価格設定を見直しができます。
出資が集まらない場合は、商品の市場性が低いことがわかり、逆に多くの出資を得られた場合には、その商品に高い需要があることが確認できます。支援者の反応を参考にすることで、商品を実際の市場に出す前に最適化できることは利点になります。
テストマーケティングの結果は、補助金申請時に提出する「事業計画」にも活かせます。顧客ニーズを明確に示すことで、補助金審査の採択率向上につながります。クラウドファンディングを活用し、補助金と併用することで事業を強化しましょう。
補助金申請前にクラウドファンディングを活用することで、これから売り出す商品やサービスの販路を事前に確保することが可能です。補助金の審査では、事業の安定性や実行可能性が問われるため、既に販売先が見込まれていると事業計画に信頼性が増します。
通常であれば、商品やサービスの開発は「商品開発のあとに販売」という流れになるのに対し、クラウドファンディングでは「販売のあとに商品開発」という逆の流れとなります。発売前に資金と販路が確保できるため、補助事業における販路開拓や資金調達の両面に対するリスクを軽減することができます。
事前に販路を確保することで、商品開発や事業の進行に対するリスクが低くなり、結果として補助金の採択率も向上します。新事業を開始する前に販路を確保することは、補助金とクラウドファンディングを併用する際のポイントになることをおさえておきましょう。
補助金とクラウドファンディングを併用する際の注意点を事前に確認しておきましょう。補助金の公募要領に記載されている規定を守れていない場合や、クラウドファンディングが目標通りに進行しなかった場合には、当初予定していた資金調達が叶わなくなる可能性があるためです。
【補助金とクラウドファンディングを併用する際の注意点】
たとえば、クラウドファンディングには「購入型」や「寄付型」など複数の形態があり、目標に応じて適切なサイトを選ぶ必要があります。その際、指定のクラウドファンディング事業者以外を利用すると補助対象外となる場合があるため、事前に確認が必要です。
また、補助金の公募要領によって、クラウドファンディングの開始時期が異なることがあります。「クラウドファンディングの実施後にかかった経費を申請する」流れと「交付申請を受けてからクラウドファンディングを実施する」流れと2つのパターンがあり、規定を守れていない場合は補助金の利用ができなくなります。
クラウドファンディングで得た資金や見込み客などは、補助金申請の際にアピールできる強みになります。その半面、目標額から乖離した結果となった場合、補助金審査においても不利になる可能性があります。プロジェクトの開始後は広報活動を強化し、目標額の達成を目指しましょう。
補助金とクラウドファンディングは、事業の資金調達に効果的な手段です。補助金は事業完了後に支給されるため、自己資金が必要となります。
一方、クラウドファンディングは、事前に支援者から資金を集めることで、資金不足を補うことができます。ただし、クラウドファンディングを行う際にはプラットフォーム利用料がかかる点を考慮する必要があります。
補助金をクラウドファンディングに活用することは有効な手段であり、利用料や広告費用などの一部を補うことができます。また、クラウドファンディングは商品のテストマーケティングや販路の確保に役立ち、事前にニーズや価格設定を確認できます。
補助金とクラウドファンディングを併用することで、自己資金の負担を軽減しつつ、資金調達や販路拡大を図ることが可能です。ただし、公募要領の規定を守れていないと補助対象外となる場合があることや、クラウドファンディング実施時は目標額の達成に向けた広報活動の必要性があることを念頭に置かなければなりません。
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