友だち追加特典
- 【事業再構築補助金】事業計画書ひな型
- 【持続化補助金】ヒアリングシート
- 【IT導入補助金】活用ノウハウ限定動画
- 【4つの補助金がわかる】補助金ガイド
2024/07/30
2024/7/19
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)
融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。
農業を営んでいる人や新たに農業を始めたいと考えている人の中には、設備導入や人材確保など資金調達に課題を抱えている人もいるでしょう。国や地方自治体では、農業の経営を支援するためにさまざまな補助金や助成金などの支援制度が実施されています。
当記事では、農業で補助金を利用するときのポイントと、2024年に実施されている農業を対象とした補助金や助成金を紹介します。農業において新たな設備や技術を導入したいと考えている人や、これから農業を始めるための資金を確保したいと考えている人は当記事を参考にしてみてください。
なお、補助金や助成金は通年で募集を行っているものだけでなく、年に数回の締切が設けられている制度もあります。応募を検討する場合は、公式サイトから最新のスケジュールを確認してください。
目 次
農業が対象となる補助金や助成金を利用するときのポイントは、農業者の目的に合った制度を選ぶことです。農業が対象となる補助金や助成金にはさまざまな種類があるため、農業者の状況や補助金を受給する目的別にどのような制度を利用できるのかを確認してみましょう。
【農業が対象となる補助金や助成金一覧】
補助金の目的 |
利用できる制度の具体例 |
新たに農業を始めたい |
|
機材や設備を導入したい |
|
スマート農業を導入したい |
|
農業の労働環境を整備したい |
|
人材確保や教育に取り組みたい |
|
環境に配慮した農業に取り組みたい |
|
農作物の安定した生産を目指したい |
|
災害に備えたい/ 災害からの復興を目指したい |
|
参考:農業経営支援策活用カタログ2024|農林水産省
農業者が対象となる補助金や助成金には、新規就農者を対象とした制度やスマート農業の導入を推進する制度、農業の雇用や教育を支援する制度などさまざまな目的をもつ制度があります。農業者が申請する場合であっても、制度の目的に合った取り組みでなければ補助金を受給できない可能性があります。
また、農林水産省が実施する「新規就農者育成総合対策」や、経済産業省が実施する「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」は全国の事業者が対象です。一方、自治体が実施する支援制度は原則として管轄の地域で農業を営む事業者や団体が対象となります。
農業が対象となる補助金や助成金は、農業法人や組合に限らず個人事業主として農業を営む事業者も申請できる制度があります。申請の対象者や対象経費は制度によって異なるため、補助金を探す際には対象の地域や補助金の用途などを絞り込んで自社に合った支援制度を探しましょう。
なお、都道府県や市区町村の自治体が実施する補助金や助成金は数多く存在しているため、当記事ではその具体例として一部の支援制度を紹介しています。地域によってはほかにもさまざまな支援制度を実施している可能性があるため、利用できる制度を探したい人は地域のホームページや自治体の窓口などで確認してみてください。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、新規就農の際に利用できる制度があります。補助金や助成金の用途によって対象となる制度が異なるため、研修費用や設備の導入など自社の目的に合った支援制度を探しましょう。
【新規就農に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
(就農準備資金) |
就農に向けて必要な技術等を習得するために、都道府県が認める機関での研修費用を支援する |
【補助額】 12.5万円/月 を最長2年間 |
新規就農者育成総合対策 (経営開始資金) |
新たに農業に取り組む事業者を対象に、就農直後の経営確立のための資金を支援する |
【補助額】 12.5万円/月 を最長3年間 |
新規就農者育成総合対策 (経営発展支援事業) |
国と都道府県が連携し、就農後の経営発展のために必要な機械・施設の導入等の取組を支援する |
【補助額】 補助対象事業費上限:1,000万円 【補助率】 国:1/2以内 県:1/4以内 ※都道府県支援分の2倍を国が支援 |
【熊本県】 (貸出ハウス整備支援事業) |
新規就農者を対象に中古ハウスの補修費、移設費、ハウス付帯設備の導入費等を支援する |
【補助額】 250万円以内 【補助率】 1/2以内 |
【沖縄県】 |
就農前の研修を後押しするため、県知事が認めた研修機関等で研修を受ける費用を支援する |
【補助額】 12.5万円/月 を最長2年間 |
新規就農の際に利用できる支援制度には、農林水産省が実施する「新規就農者育成総合対策」が挙げられます。補助金の用途に応じて複数の制度に分かれており、研修や設備導入など、新たに農業を始める際に必要となるさまざまな費用が補助対象となります。
また、自治体が実施する支援制度には、熊本県の「新規就農スタートアップ支援力強化事業(貸出ハウス整備支援事業)」が挙げられます。新規就農者を対象とした補助金であり、中古のビニールハウスの補修費用に加え、補修とともに実施する暖房設備の導入などハウス付帯設備にも利用できます。
新たに農業を始める場合、農業の知識や技術を習得するための研修のほか、農業に必要となる機械や設備の導入などさまざまな費用がかかります。新規就農における費用負担を軽減させたいと考えている人は、新規就農者を対象とした国や自治体の支援制度の活用を検討してみましょう。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、農業に使用する機材や設備の導入に利用できる制度があります。農業では「トラクター」「コンバイン」「ビニールハウス」「防除機」などさまざまな機械や設備が必要ですが、制度によって対象となる経費が異なるため、補助金の用途に合った支援制度を探しましょう。
【機材や設備の導入に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
中小企業等の革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する |
【補助額】 最大1億円 ※申請枠や従業員数によって異なる 【補助率】 1/3~2/3 ※企業規模や補助額の範囲によって異なる |
|
小規模事業者等の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する |
【補助額】 通常枠:最大50万円 特別枠:最大200万円 ※インボイス特例による上乗せ措置あり 【補助率】 2/3 ※賃金引上げ枠へ申請する赤字事業者は3/4 |
|
(収益性向上対策) |
都道府県知事が承認した「産地パワーアップ計画」に取り組む農業者等を対象に、高性能な機械・施設の導入等を支援する |
【補助率】 1/2等 |
機材や設備の導入に利用できる支援制度には、経済産業省が実施する「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」が挙げられます。農業者向けの補助金ではないものの、販路開拓や生産性向上につながる取り組みの一環として農業機械等を導入する場合には補助対象となる可能性があります。
また、機材や設備の導入に利用できる支援制度には、農林水産省が実施する「産地生産基盤パワーアップ事業」も挙げられます。強い農業づくりに向けた幅広い取組を支援する制度であり、収益性向上対策として農業機械や生産資材の導入に必要な経費が補助対象となります。
なお、機材や設備の導入においては、農業に使用するものであっても運搬用のトラックなど事業以外でも利用できる汎用性の高い経費は対象外となる場合があります。補助対象となる経費は制度によって異なるため、農業の機材や設備の導入に補助金や助成金を利用したいと考えている人は各制度の公募要領に定められているルールを確認しましょう。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、スマート農業の導入に利用できる制度があります。スマート農業にはさまざまな取り組みがあるため、スマート農業の導入に補助金や助成金を利用したいと考えている人は、導入したい機材や設備が対象となる支援制度を探しましょう。
【スマート農業の導入に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツールの導入を支援する |
【補助額】 通常枠:最大450万円 インボイス枠(インボイス対応類型):最大350万円 ※ハードウェアは最大20万円 インボイス枠(電子取引類型):最大350万円 セキュリティ対策推進枠:最大100万円 【補助率】 1/2~4/5 ※申請枠、事業規模、補助額の範囲等によって異なる |
|
(施設整備事業) |
人口減少や高齢化が進行する農村地域において、農業農村インフラ管理の省力化、スマート農業の実装、情報通信環境の整備等を支援する |
【補助率】 1/2 |
(スマート農業優先枠) |
新たな技術を活用した農業用機械等の導入による、労働力不足の解消等のための取組を支援する |
【補助額】 最大300万円 ※引き上げ措置あり 【補助率】 3/10 |
【鹿児島県南さつま市】 |
ロボット、AI、IoT等先端技術を有する農業機械、農業用施設の整備を行う認定農業者等の取組を支援する |
【補助額】 最大100万円 【補助率】 1/3 |
スマート農業の導入に利用できる支援制度には、経済産業省が実施する「IT導入補助金」が挙げられます。農業者向けの補助金ではないものの、生産性向上につながるソフトウェアやハードウェア、サービスなどのITツールが補助対象となることから、スマート農業に必要なシステムの導入に利用できる可能性があります。
また、自治体が実施する支援制度には、鹿児島県南さつま市の「みらい農業サポート事業」が挙げられます。対象経費は原則として農林水産省が公表する「スマート農業技術カタログ」 および「農業用ドローンカタログ機体編」に掲載されているものであり、農業用ドローンの本体やアシストスーツ、ロボットコンバインなどが補助対象となります。
農業人口が減少傾向にある中で、業務効率化につながるスマート農業が注目されています。スマート農業の導入を支援するさまざまな制度が実施されているため、スマート農業の導入にかかる負担を軽減したい人は国や自治体が実施する支援制度を利用してみましょう。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、労働環境の整備に利用できる制度があります。労働者の定着や新規の雇用に向けてトイレの改修や更衣室の設置をしたいと考えている人は、農業における労働環境の整備に利用できる支援制度を探しましょう。
【農業における労働環境の整備に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
(女性の労働環境整備・活躍強化に対する支援) |
農業者や地方公共団体が組織する「地域協議会」における、女性農業者が働きやすい環境整備の取り組みを支援する |
【補助額】 1協議会あたり最大2,000万円 【補助率】 定額 |
【千葉県】 (就業環境改善施設整備費) |
農業の労働力確保の取組として、就業環境を改善するための更衣室・トイレ・居住施設の設置などを支援する |
【補助額】 最大50万円 【補助率】 1/3 ※個人事業主の場合は1/4以内 |
【兵庫県丹波篠山市】 |
農業法人等が雇用就農者が働きやすい環境を整備するため、トイレや休憩室等の整備費用を支援する |
【補助額】 簡易トイレ:最大12万円 男女別水洗トイレ:最大60万円 休憩室:最大60万円 【補助率】 1/3 |
農業における労働環境の整備に利用できる支援制度には、農林水産省が実施する「働きやすい環境づくり緊急対策」が挙げられます。事業内容のひとつとして「女性の労働環境整備・活躍強化に対する支援」があり、男女別トイレや更衣室の確保など女性農業者が働きやすい環境づくりの取り組みに利用できます。
また、自治体が実施する支援制度には、千葉県の「農業労働力確保対策就業環境整備事業」が挙げられます。新たな人材の雇用を前提に、すべての人が働きやすい環境づくりのため休憩施設、更衣室、トイレ、シャワー施設、バリアフリー施設などを整備する際の費用が補助されます。
農業人口が減少傾向にある中で、高齢者や女性、障害者を含む多様な労働力の確保が求められています。新たな人材の雇用や労働者の定着を目的にトイレや更衣室などの環境整備をしたいと考えている人は、農業現場における労働環境の整備に利用できる補助金の利用を検討してみましょう。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、人材雇用や研修に利用できる制度があります。新規就農者を雇用する際には教育のための人件費や出張のための交通費などさまざまな費用が発生するため、人材雇用や研修に利用できる支援制度の利用を検討しましょう。
【農業の研修や人材雇用に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
(雇用就農資金・雇用就農者育成/独立支援タイプ) |
49歳以下の就農希望者を新たに雇用し、農業に必要な技術・ノウハウ等の研修を行う農業者を支援する |
【補助額】 年間最大60万円(最⾧4年間) |
新規就農者育成総合対策 (雇用就農資金・次世代経営者育成タイプ) |
国内外の先進的な農業法人や食品企業等の異業種の法人に職員を派遣して研修を行う農業者を支援する |
【補助額】 月最大10万円(最短3ヶ月~最⾧2年間) |
【千葉県】 |
農業者が雇用条件等の整備・改善に取り組み、新たな雇用をした場合に補助金を交付する |
【補助額】 定額20万円 |
人材雇用や研修に利用できる支援制度には、農林水産省が実施する「新規就農者育成総合対策(雇用就農資金)」が挙げられます。新規就農希望者を対象に研修を行う農業者を対象とした「雇用就農者育成/独立支援タイプ」と、次世代の経営者育成のために先進的な農業法人や異業種の法人に職員を派遣する農業者を対象とした「次世代経営者育成タイプ」があります。
また、自治体が実施する支援制度には、千葉県の「農業雇用条件改善推進事業」が挙げられます。「就業規則」「労働保険」「社会保険(法人の場合)」の整備に取り組んだうえで、新たな人材の雇用をした場合に定額の20万円が補助されます。
新規就農者を雇用する場合や次世代の経営者を育成する場合、研修のための交通費や研修を実施する従業員の人件費などさまざまな費用がかかります。農業における人材雇用や研修の費用負担を軽減させたいと考えている人は、国や自治体の支援制度の活用を検討してみましょう。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、環境に配慮した農業に取り組む際に利用できる制度があります。地球温暖化をはじめとする環境問題が注目される中で、農業における環境保全の取り組みを実施したいと考えている人は、補助金や助成金などの支援制度の利用を検討しましょう。
【環境に配慮した農業に取り組む際に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
化学肥料や化学合成農薬の使用低減とともに実施する、環境保全に効果の高い営農活動に対して支援する |
【補助額】 作物の種類や取組面積により異なる <例> 有機農業:12,000円/10a 有機農業(そば等雑穀、飼料作物):3,000円/10a リビングマルチ:5,400円/10a |
|
(SDGs対応型施設園芸確立) |
SDGsに対応し、環境負荷軽減と収益性向上を両立したモデル産地を育成する取組を支援する |
【補助額】 |
(持続可能なエネルギー導入・ 環境負荷低減活動のための基盤強化対策) |
バイオマスプラント等の施設整備、バイオ液肥散布車の導入、バイオ液肥の利用促進のための取組、バイオ燃料等製造に係る栽培実証等を支援する |
【補助額】 取組内容に応じて1/2または定額 |
【山梨県】 (農漁業者用) |
エネルギーコスト削減による経営体質強化を図る農業者に対して、省エネ設備等の導入を支援する |
【補助額】 省エネ設備の更新:最大300万円 再エネ設備の新設・更新:最大600万円 【補助率】 2/3以内 |
環境に配慮した農業に取り組む際に利用できる支援制度には、農林水産省の「環境保全型農業直接支払交付金」が挙げられます。化学肥料・化学合成農薬の使用を都道府県の慣行レベルから原則5割以上低減させることを前提とし、併せて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等につながる営農活動を支援する制度です。
また、自治体が実施する支援制度には、山梨県の「省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金」が挙げられます。エネルギーコストの削減に資する取り組みを推進する補助金であり、LED照明や高効率空調などの省エネ設備のほか、太陽光発電や蓄電池などの再エネ設備の導入に利用できます。
環境に配慮した農業に取り組むことは、地球環境の保全だけでなく農業現場におけるコスト削減にもつながる可能性があります。環境に配慮した農業への転換を検討しているものの初期費用がかかることに不安がある人は、国や自治体の支援制度を利用してみてください。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、農作物の安定した生産を支援する制度があります。米、麦、大豆、トウモロコシ、野菜などの安定した生産をはかり、国産化を目指す取り組みを支援するためのさまざまな制度が実施されています。
【農作物の安定した生産を後押しする支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
【ゲタ対策】 諸外国との生産条件の格差による不利がある畑作物を生産する農業者を支援する 【ナラシ対策】 販売収入の合計が標準的収入額を下回った場合に、差額の9割を補填する |
【補助額】 生産量、品質、収入額等によって異なる |
|
水田を活用した戦略作物(麦、大豆、米粉用米等)の生産に対して交付金を支給する |
【補助額】 取組内容や作物の種類によって異なる <例>戦略作物助成の場合 麦・大豆・飼料作物:3.5万円/10a 加工用米:2.0万円/10a |
|
新市場開拓用米、加工用米、米粉用米の低コスト生産等に取り組む生産者を支援する |
【補助額】 新市場開拓用米:4万円/10a 加工用米:3万円/10a 米粉用米:9万円/10a |
|
(生産基盤強化対策・全国的な土づくりの展開) |
全国的な土づくりの展開を図るため、堆肥等を実証的に活用する取組を支援する |
【補助額】 定額(上限3万円/10a) ※散布機械等のリース導入は1/2以内 |
農作物の安定した生産への取り組みに利用できる支援制度には、農林水産省の「経営所得安定対策」が挙げられます。農業者の経営を安定させるため、諸外国との生産条件の格差による不利や天候の影響による不作などが生じた場合に差額分を補填する制度です。
また、農作物の安定した生産への取り組みに利用できる支援制度には、農林水産省の「コメ新市場開拓等促進事業」も挙げられます。ニーズに応じた価格・品質等に対応するため、「直播栽培」「多収品種の導⼊」「スマート農業機器の活⽤」など、低コスト生産に向けた取り組みを⾏う農業者を支援する制度です。
農業においては、天候や災害、諸外国との関係による影響を受けることにより、生産や収入が不安定となる恐れがあります。農業経営の安定を目指す取り組みを行いたいと考えている人は、補助金や助成金など支援制度の利用を検討してみてください。
農業が対象となる補助金や助成金の中には、災害への対策や災害からの復興に利用できる制度があります。自然災害への万一の備えとして、既存設備の強化や災害対応設備の導入、被害を受けた場合の修繕費用として利用できる支援制度を確認しておきましょう。
【災害への対策や災害からの復興に利用できる支援制度一覧】
制度名 |
概要 |
補助額/補助率 |
自然災害に備えるため、複数農業者による事業継続計画(BCP)の策定と実行に必要な体制整備の取組を支援する |
【補助額】 定額 ※既存ハウスの補強等の被害防止対策は1/2 |
|
(園芸作物等の先導的取組支援(うち茶)) |
国内茶産地における生産基盤の強化や国際競争力の向上を図るため、防霜ファン等の災害対応設備の導入を支援する |
【補助率】 1/2 |
農地利用効率化等支援交付金(被災農業者支援タイプ) |
能登半島地震により被害を受けた農産物の⽣産・加⼯に必要な施設や機械の修繕等を⽀援する |
【補助率】 取組内容や園芸施設共済加⼊の有無によって異なる <例> 農業⽤ハウスの再建:1/2 複数の被災農業者が共同で利⽤する農業⽤機械等の取得:1/2 被災した農業⽤ハウスの修繕を契機とする補強:3/10 |
【石川県】 |
津波又は高潮による海水の侵入により、農用地が受けた塩害の除去にかかる費用を補助する |
【補助率】 5/10 ※激甚災害に起因する場合は9/10 |
災害への対策に利用できる支援制度には、農林水産省の「園芸産地における事業継続強化対策」が挙げられます。自然災害に強い産地を形成するため地域の協力体制の構築や農業設備の補強等を支援する補助金であり、都道府県や市区町村、農業団体などが主体となって実施しています。
また、被災した農業者を対象とする制度には「農地利用効率化等支援交付金(被災農業者支援タイプ)」が挙げられます。令和6年能登半島地震による被害を受けた農業者を対象に、農産物の生産・加工に必要な施設・機械の再建・修繕等を支援しています。
屋外で生産を行う農業においては、自然災害の発生に備えた対策が必要です。また、万一被災した場合には施設や機材の修繕に利用できる支援制度が設けられている場合もあるので、自治体や省庁のホームページを確認してみましょう。
農業者が補助金や助成金などの支援制度を利用する場合、いくつかの注意点があります。制度によって申請のルールや受給した補助金の扱いが異なるため、申請をする前にかならず公式サイトや公募要領を確認しておきましょう。
【農業者が補助金や助成金を利用する際の注意点】
農業者が補助金や助成金を利用する際の注意点のひとつは、対象者に年齢制限が設けられている場合があることです。将来の農業を担う若い世代を対象としている傾向にあり、新規就農者育成総合対策の就農準備資金や経営開始資金では「就農予定時の年齢が、原則49歳以下であること」と定められています。
また、農業者が補助金や助成金を利用する際の注意点のひとつは、審査に通過しなければ補助金を受給できない場合があることです。受給するための条件は制度によって異なりますが、すべての申請者が受給できるのではなく、申請内容をもとに実施される審査に応じて受給の可否が決まる傾向にあります。
そして、農業者が補助金や助成金を利用する際の注意点のひとつは、受給した補助金が課税の対象となる場合があることです。受給した補助金は原則として課税所得(雑収入)として扱われるため、非課税と指定されている制度でない限りは確定申告が必要となります。
なお、補助金を受給した場合の税金の扱いは「補助金に税金はかかるのか?課税の仕組みを交えながら解説」の記事で解説しています。税負担を軽減するための措置である圧縮記帳についても解説しているので、補助金を受給した場合の税負担について知りたい人は参考にしてみてください。
補助金の利用に不安がある人は、補助金のサポートに対応している支援機関に相談することも検討しましょう。補助金申請のサポートはさまざまな機関が実施しており、申請可否や受給額など申請前の相談のほか、補助金に採択された後のサポートにも対応している機関があります。
【補助金の相談ができる支援機関】
支援機関 |
特徴 |
士業 (税理士・公認会計士・社会保険労務士等) |
|
金融機関 |
|
商工会/商工会議所 |
|
民間コンサルタント |
|
補助金の相談ができる支援機関には「士業」「金融機関」「商工会/商工会議所」「民間コンサルタント」が挙げられます。それぞれ得意とする分野やサポートの対応範囲が異なるため、相談したい内容に合わせて支援機関を選ぶことができます。
また、これらの支援機関のうち、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として国の認定を受けた事業者は「認定支援機関」と呼ばれます。中小企業庁が運営する「認定経営革新等支援機関検索システム」では、全国の認定支援機関を探すことが可能です。
なお、補助金の相談ができる支援機関については「補助金の相談は誰にする?相談できる内容に合った相談先を解説」の記事で詳しく解説しています。補助金の相談ができる支援機関の種類や選び方を知りたい人は参考にしてみてください。
農業が対象となる補助金や助成金にはさまざまな制度があります。「新規就農に利用できる支援制度」「人材雇用や研修に利用できる支援制度」「農業現場のトイレや更衣室の整備に利用できる支援制度」など用途に応じて申請できる補助金が異なるため、自社の目的に合った制度を選ぶ必要があります。
農業者が補助金や助成金などの支援制度を利用する場合には、いくつかの注意点があります。年齢制限や審査の有無、会計処理の方法など補助金や助成金の制度ごとに定められたルールがあるため、申請前に公募要領を確認しておきましょう。
補助金の利用に不安がある人は、専門家に相談することも可能です。補助金申請の支援を行っている機関は数多く存在するため、相談先に迷う場合は中小企業支援の知識や経験が一定レベル以上にある者として国の認定を受けている「認定支援機関」への相談を検討してみてください。
使いたい補助金が決まっているので、
補助金診断をしたい!という方は、
ご利用希望の補助金の診断ボタンへ
お進みください。
補助金申請に関するご相談は
お電話でも受け付けております。