同じ看護師同士 だから共感できる

代表 草野優子

大学病院やJICA青年海外協力隊、短期派遣、訪問看護ステーション、夜勤アルバイト、精神病院、重症心身障害者施設など、様々な環境で看護師として活躍されてきた草野優子様。

草野様が現在、力を入れて活動されているのが若手看護師に対する支援です。

今回は草野様に若手看護師の支援に対する想いを伺いました。

どんな看護師人生を望んでいるのかを一緒に見つけていく

草野優子様

-草野様は看護師として本当に豊富な経験をお持ちですよね。そんな草野様が若手看護師の方たちの支援をされるというのは何にしても大きな意味があると思います。具体的にはどのようなことをされて行っているんですか?

草野氏:はい。若手看護師を対象としたカウンセリングや看護師の資格を最大限活かす方法、キャリア形成に関する情報発信を主に行っています。

-カウンセリングですか。確かに、最近コロナウイルスの影響でよく看護師の方々の業務が取り上げられているのを目にしますが、元々の業務もとてつもない忙しさですもんね。やはり参ってくるものですか?

草野氏:それはもちろんそうです。実際私も参ってしまいましたから。看護師資格を取得した後、首都圏の大学病院で勤め始めたんですが、もう日々目まぐるしくて。それがストレスとなって不摂生が続いたりしたんです。

看護師がそれじゃああまり褒められたものではないんですけど、でもストレスのせいだからなかなか改善しなくて。

-どうされたんですか?

草野氏:私の場合は代替療法を学んで改善しました。看護師は心身ともに健康であってこそ、働き続けられるものだと実感した経験でしたね。

でも、中にはどんどん疲弊していって、ついには力尽きてしまう看護師の方たちも大勢います。

現在、日本の就業看護師数は121.9万人であり、この10年で1.4倍になっているのですが、人手不足は解消されていないという実態がそれを物語っていると思います。公益社団法人日本看護協会によると、常勤で勤務している看護師の離職率は約11%、年間約16万人となっているそうです。

-それは多いですね。

草野氏:最近では近隣の国から看護師を受け入れていますが、日本の看護師に対する対応が十分とは決して言えません。

特に看護師として長く働くことができ、一度離職しても復帰できるような支援が必要なんです。というのも大学病院などでは看護師の若年化が進んでいて、しかも離職率も高いという理由から、熱練看護師が十分に育たず、看護の質の低下につながる恐れがあるんです。

-でも難しい問題ですよね。看護師の仕事はストレスとは切っても切り離せないような気がします。

草野氏:だからこそワーク・ライフバランスが大切なのかなと思います。

多くの医療施設における継続教育は入職後34年目までの看護職者を中心として整備されていて、5年目以上の看護職者のキャリア発達に対する支援は十分には行われていないケースが多いんです。そのため、多くの看護師があまり先のキャリアのことを考えられなくなってしまい、結果的に仕事に対するモチベーションも下げてしまいます。

これからの看護師という仕事は、働き方がどんどん多様化していくと考えていて、看護師としてキャリアを積んでいく方もいれば、いくつかある仕事のうちの一つとして看護師もしているという方も出てくると思います。

でもそうなったときに周りに様々な看護師の働き方を提案できる人がいないということが高確率で考えられるんです。なぜなら私も最初はそうだったように若手看護師は病院で働いていることが多く、それ以外を知らないからです。

-なるほど。そこで草野様の出番というわけですね。

草野氏:はい。私自身の経験や人脈をもとに、相談者がどんな看護師人生を望んでいるのかを一緒に見つけていければいいなと思います。

人材派遣業者に自分の希望を整理せずに相談すると、十分に話を聞かず、やりたい仕事ではなく、できる仕事を振られる可能性がありますし、同じ看護師同士だからこそ共感して、相談者の状況を理解できることもあると考えています。

将来の医療を担う人たちの拠り所になる

-現状の日本の看護業界を見ると草野様のような方は本当に貴重なんですね。

草野氏:本当に看護師に対する様々な支援が足りていないんですよね。先ほどもちらっとお話に出ましたが、コロナ禍によって、医療における看護師の存在が注目されるようになりました。でもコロナ禍以前より医療は逼迫しており、若くて熱意のある看護師ほど理想と現実のギャップのなかで疲弊していることに疑いの余地はありません。

それで将来の医療を担う若者たちがつぶされてしまうようなことがあってはならないんです。私の活動が将来の医療を担う人たちの拠り所に少しでもなれればと思います。

-本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。最後にこのサイトを読んでいる読者の方々に何か一言お願いします!

草野氏:看護師に対する支援は大変重要です。今後、同じような意識を持った医療者と協力、連携していきたいと考えているほか、産業カウンセラーやキャリアカウンセラー、社労士、起業家、IT業界の方々など、看護師を取り巻く環境に対してアプローチできる専門性のある人のご尽力も賜りたいと思っております。

是非ご協力お願いいたします。

SoLabo担当者からのコメント

篠田 佳希/Shinoda Yoshiki

ご自身の経験や専門領域を生かした事業を実施される草野様にお話をお伺いすることが出来ました。
「産業カウンセラー、キャリアカウンセラー、社労士、起業家、IT業界の方々など、看護師を取り巻く環境に対してアプローチできる専門性のある人。」と繋がっていきたいとのことでしたので、ぜひ幅広く皆様よりご相談をなさってみてください。

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