全ての人にご縁を、全ての人に社会参加の機会を
合同会社Sise 代表 松嶋哲生
就労継続支援と農業を結び付け、ハンディキャップを抱えている方が社会参加できる機会を創出することを目指しているのが合同会社Siseの松嶋哲生様です。今回はそんな松嶋様にお話を伺いました。
ハンディキャップに関係なく、全員が社会参加を
-松嶋様は障がいを持っている方の就労継続支援に取り組まれているんですよね?
松嶋氏:はい、そうです。正確には就労継続支援B型事業といいます。
-それってつまりは障がいを持った方が就職できるように支援をしているという理解でよろしいでしょうか?
松嶋氏:それは違いますね。今、おっしゃったような内容のものは「就労移行支援」と言います。就職するのに必要なスキルを身に着ける場、とでも理解してもらえればいいです。
「就労継続支援B型事業」では就職に向けたスキルを身に着けることをメインに据えているわけではなく、実際に障がいを持った方が働ける場を提供することを目的としています。
-なるほど。どういう方がいらっしゃるんですか?
松嶋氏:障がいの種類も程度も様々ですが、基本的には現時点で一般企業への就職が不安、あるいは困難な方々です。
働きたいと思っていても一般企業の中で、健常者の人と一緒に働くには周囲の理解が得られるかどうかなど、心配事を抱えていてなかなか就職できない方も多いんです。
-そうなんですね。松嶋様のところではどのような仕事があるんですか?
松嶋氏:主に農業です。例えば、ほうれん草の虫に食べられている葉っぱや、小さい葉っぱを取って泥汚れを布で拭いた後、秤で計量して袋詰めしたり、種をまいて育てた苗を畑に植え、収穫まで行ったりします。
-松嶋様自身も農業の経験があるんですか?
松嶋氏:はい。といっても最初から農業の勉強をしていたわけではなくて。高卒で住宅部材制作工場に勤めた後、新規就農者になったんです。国立小山工業高等専門学校との野菜自動洗浄機の共同研究や共同開発を行ったりもしていたんですよ。
-そうなんですか!
松嶋氏:実は農家が開設した施設ってあまりないんですよね。
-それはちょっと意外ですね。たくさんあるのかと思っていました。では農業と福祉の連携って貴重なんですね。
松嶋氏:そう思います。
-でも松嶋様はなぜ就労継続支援B型事業をやろうと思われたんですか?
松嶋氏:障がいの重さに関係なく、全ての人にお仕事をする機会を持ってもらって、全ての人に社会参加の機会を与えられたらいいな、と思ったんです。
それぞれに合った作業を構築
-松嶋様が今後目標にしていることなどはありますか?
松嶋氏:どの様なハンディキャップを持った方に対しても、きちんと適した作業を構築していくことです。
あとはB型就労継続支援は工賃(賃金)が安いという先入観を打破したいです。
-そういう先入観があるんですか?
松嶋氏:まあ、実際安いところもあるんですが。でも私たちは工賃水準を最低賃金並に引き上げるための仕事の創出を目指しています。
-働いている方たちもモチベーションが上がりますね。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。最後にこのサイトを読んでいる読者の方々に何か一言お願いします!
松嶋氏:私たちは日々、ハンディキャップの重さに関係なく全員に社会参加を、社会参加へのお手伝いが出来れば、をスローガンに頑張っております。
「誰に、どこに相談をすれば良いのか分からない」「相手に相談をして自分の事をどんな風に思われてしまうか心配」などいった悩みを抱えている方はまずはお話をしてみませんか?ちょっとお茶を飲みに行くような、気軽な気持ちでご連絡ください。
また、臨床心理士や精神科医の方たちとも繋がりを持っていきたいと考えております。是非お声がけください!