補助金ガイド

ものづくり補助金は個人事業主でも利用できる?申請に必要な要件を解説

2022/5/19

2022/05/23

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

お客様の資金調達支援実績4,500件以上 自社でも、
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金の採択をされている。

ものづくり補助金はその名の通り、ものづくりをする製造業者等を支援してくれる補助金です。個人事業主でも、ものづくり補助金に申請しできます。その際、従業員をひとりも雇っていない一人社長や、これから開業する個人事業主も対象なのか気になる人もいるでしょう。 

今回は、ものづくり補助金に関心のある個人事業主に向け、個人事業主がものづくり補助金に申請するときの要件や必要書類について解説します。 

ものづくり補助金は個人事業主でも申請は可能

ものづくり補助金は株式会社などの法人を設立していない個人事業主でも申請できます。ものづくり補助金は小規模事業者も対象になっており、個人事業主が小規模事業者の中に含まれていることが公募要領に記載されているからです。 

公式の公募要領に個人事業主と記載されているため、ものづくり補助金は個人事業主でも申請できると判断できます。 

ものづくり補助金の補助額と補助率

ものづくり補助金は現在、【一般型】と【グローバル展開型】の2つの型があります。さらに、【一般型】は4つの補助枠(グループ)に分けられます。

各型と枠の補助枠と補助率は次のようになります。 

【一般型】補助金額と補助率

補助枠

補助金額と補助率

1.通常枠

(補助金額)

  • 従業員数 5 人以下 :100万円~750万円円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上 :100万円~1,250万円

(補助率)

1/2

※小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は2/3

2.回復型賃上げ・雇用拡大枠

 

(補助金額)

  • 従業員数 5 人以下 :100万円~750万円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  •  21人以上 :100万円~1,250万円

(補助率)

2/3

3. デジタル枠

(補助金額)

  • 従業員数 5 人以下 :100万円~750万円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上 :100万円~1,250万円

(補助率)

2/3

4.グリーン枠

(補助金額)

  • 従業員数 5 人以下 :100万円~1,000万円
  • 6人~20人:100万円~1,500万円
  • 21人以上 :100万円~2,000万円

(補助率)

2/3

【グローバル展開型】補助金額と補助率

補助枠

補助金額と補助率

1.通常枠

(補助金額)

1,000万円~3,000万円

(補助率)

1/2

※小規模企業者・小規模事業者は2/3

補助金を利用する場合は実費を先払いする必要がある

個人事業主としておさえておきたいのは、ものづくり補助金の仕組みがキャッシュバックであり、採択された場合は先に事業者がまとまった資金を支払わなければいけない、という点です。 

例)ものづくり補助金で100万円を補助してもらう場合の流れ(採択後)

  1. 事業主が設備投資として150万円支払う
  2. 事業主が書類提出して支払った150万円を申請する
  3. 補助金事務局が審査
  4. 補助率(例、2/3)をかけた金額:100万円が振り込まれる

 ものづくり補助金の最低補助額は100万円で、個人事業主が申請する場合は補助率が2/3となるので、給付を受けるには最低でも150万円を先払いしてく必要があります。 

これからものづくり補助金の申請を検討中の個人事業主には、グローバル展開型と比較して少額から申請できる一般型をおすすめします。 

グローバル展開型の場合、補助下限額は1,000万円となるので、応募する事業者は最低1,500万円~2,000万円を用意しなくてはいけません。また、要件に海外展開が含まれるので、国内で取引する個人事業主では利用できません。 

一方、一般型の4つの補助枠であれば、いずれも最低150万円の用意があれば応募できるので、グローバル展開型と比べて少額で申請できます。  

ものづくり補助金に申請する個人事業主が満たすべき要件

ものづくり補助金に補助金に採択されるには、以下の基本要件を満たす必要があります。 

  • 付加価値額 +3%以上/年
  • 給与支給総額 +1.5%以上/年
  • 事業場内最低賃金地域別最低賃金+30円

なお、「付加価値額」とは、以下の式で求められます。 

 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費 

 ものづくり補助金に応募する事業者は、設備投資を通してどのように営業利益、人件費(給与・賃金)、減価償却費をどのようにアップさせるか事業計画書で記載する必要があります。 

この他、応募する補助枠が①回復型賃上げ・雇用拡大枠②デジタル枠③グリーン枠の場合は、別の要件が追加されます。 

回復型賃上げ・雇用拡大枠の要件

回復型賃上げ・雇用拡大枠は常時使用する従業員が必要なので、一人社長は対象外です。回復型賃上げ・雇用拡大枠の要件は3つあります。

【回復型賃上げ・雇用拡大枠の要件】

  1. 前年度の事業年度の課税所得がゼロであること
  2. 常時使用する従業員がいること
  3. 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること。

「前年度の事業年度課税所得がゼロである」とは、次のような状態を指します。

【前年度の事業年度課税所得がゼロの状態】

  • 前年度の事業成績が赤字
  • 青色申告で前年3年分の赤字繰越
  • 所得控除が所得金額よりも高い

回復型賃上げ・雇用拡大枠に申し込みたい個人事業主は、従業員の有無と課税所得を確認しましょう。

デジタル枠の要件

DX化を推進する補助枠であるデジタル枠では、DX(デジタルトランスフォーメーション)がカギとなっています。デジタル枠は、10次公募より新設されました。 

【デジタル枠の要件】

(1)次の又はに該当する事業であること。

  1. DXに資する革新的な製品・サービスの開発
  2. デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善

(2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認 識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政 法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。

(3)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の 「一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること。

デジタル枠に申し込みたい個人事業主は、要件にそって事業内容を確認しましょう。

グリーン枠の要件

グリーン枠の要件は、環境省が進めているカーボン・ニュートラルという政策に関連しています。ものづくり補助金をきっかけに取り組む場合も応募は可能ですが、これまでに温室効果ガス排出削減の取り組みをしていた事業主はその点を提示することができるので、審査のうえで有利になると言えるでしょう。 

【グリーン枠の要件】

(1)次の又はに該当する事業であること。

  1. 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
  2. 炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善

(2)3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1% 以上増加する事業であること。

(3)これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと。

グリーン枠に申し込みたい個人事業主は、要件にそって事業内容を確認しましょう。

ものづくり補助金に応募できる業種

ものづくり補助金は、その名前からすると製造業や建設業だけが対象という印象を受けるかもしれませんが、旅行業やソフトウェア業など、目に見えない製品(=サービス等)を事業とする業者も対象です。

なお、従業員数が50人以上の個人事業主は、対象となるか業種ごとに要件を確認しなければなりません。個人事業主含む中小企業者で対象者となるのは、次のとおりです。 

【ものづくり補助金の対象者】

業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業  3億円 300人
卸売業   1億円 100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円  100人
小売業  5,000万円 50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円  900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業  5,000万円  200人
その他の業種(上記以外)  3億円 300人

ただし、公序良俗に反する事業(風俗など)や、アパートを購入して他者に賃貸する事業(不動産投資など)を行う事業者は、ものづくり補助金の補助対象外です。 

ものづくり補助金の補助対象経費

ものづくり補助金の補助対象経費は以下の通りです。補助対象経費とは、ものづくり補助金の補助の対象の経費を意味します。ものづくり補助金に採択されても、次の項目以外で支払った領収書(例、パソコン購入費)を提出すれば、補助の対象外となります。 

【一般型】補助対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

※【グローバル展開型】には、「海外旅費」が加わります。 

上記の中で、機械装置・システム構築費については単価50万円以上(税抜き)である必要があります。

たとえば、単価49万円の3Dプリンターを個人事業主が購入する場合は、ものづくり補助金の対象外となります。 

なお、中古品も対象ですが、中古品の場合は市場の適正価格がわかるよう、3社以上の相見積が必要です。 また、専門家経費とクラウドサービス利用費を計上したい場合は、申請の際または採択後の交付申請時に見積書の提出が必要です。 

個人事業主がものづくり補助金の申請に必要な書類リスト 

ものづくり補助金の応募に必要な書類は、以下の通りです。

<ものづくり補助金で必要な提出書類>

  • 事業計画書
  • 賃金引上げ計画の誓約書
  • 確定申告書等
  • 従業員数の確認資料(所得税青色申告決算書、所得税白色申告収支内訳書)
  • 労働者名簿
  • 応募申請時において再生事業者であることを証明する書類(再生事業者として応募する場合のみ)
  • 課税所得の状況を示す確定申告書類 (回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
  • 炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況(グリーン枠のみ)
  • デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ、任意)

 <加点項目を申請する際に必要な書類>

  • 成長性加点:経営革新計画承認書
  • 政策加点:開業届(創業・第二創業の場合)
  • 災害等加点:(連携)事業継続力強化計画認定書
  • 賃上げ加点:特定適用事業所該当通知書

必要書類に不備があると申請できない場合があるため、ものづくり補助金に申請する個人事業主は必要書類を確認しましょう。

なお、ひとり社長の場合は賃上げ計画として、じぶんの役員報酬を上げる計画を立てることになります。労働者名簿は、応募時の従業員人数が21名以上の場合にのみ提出するため、一人社長や小規模事業主の場合は提出しません。 

採択されるには事業計画書の書き方が重要

ものづくり補助金の審査は事業計画書の内容を元に行われるので、採択されるには事業計画書の書き方が重要です。

審査に通過する事業計画は、ものづくり補助金の公募要領に書かれた審査項目に沿う内容となっています。また、加点項目も含めた内容にすると、より採択の可能性が高まります。 

ものづくり補助金の事業計画書を書くときは、公募要領に記載されている次の審査点項目4点を満たすように意識して、構成をつくりましょう。(加点を追加する際は別途、提出書類や要件が追加されます。)

<審査項目4点>

  1. 【補助事業としての適格性】補助対象事業としての適格性があるか
  2. 【技術面】技術面で、 新製品・新サービスの革新的な開発となっているか、課題の解決方法が明確かつ妥当であるか、など
  3. 【事業化面】補助事業を行うだけの社内体制、人材、資金調達などの面で十分に事業を遂行できるか、事業化に向けて社外の市場ニーズや競合の把握ができているか、など
  4. 【政策面】地域の特性を生かし、高い付加価値を生む事業であるか、など

※グリーンには別途、審査項目の追加があります 

ものづくり補助金の申請にはGビズIDプライムアカウントが必要

ものづくり補助金に応募しようと!思ったら、応募方法は電子申請となるため、パソコンを用意しましょう。申請時にはGビズIDプライムアカウントが必要です。 

< GビズIDプライムアカウントの取得に必要なもの>

  • メールアドレス
  • パソコン
  • プリンター
  • 印鑑証明書と登録申請書
  • スマートフォンまたは携帯電話

 なお、GビズIDプライムアカウントは申請してから取得まで2~3週間かかるので、応募する方は早めにGビズIDプライムアカウントの申請を行いましょう。 

この記事のまとめ

・ものづくり補助金は、従業員を雇っていない個人事業主も、これから創業する個人事業主も応募できる補助金です。 ものづくり補助金に応募する場合は、事業計画書などの書類を準備する必要があります。ものづくり補助金の応募には最低150万円以上の設備投資がすぐにできる用意が必要なので、資金準備が難しい事業者であれば、小規模事業者補助金もおすすめです。

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