ものづくり補助金の採択率と採択事例を解説
2024/07/30
2024/7/30
ものづくり補助金の採択率は公募回ごとに異なります。公募回ごとに異なるものの、採択率はある程度の幅の中で推移しているため、ものづくり補助金を検討している人はおおよその採択率を把握しておくことになります。
当記事では、ものづくり補助金の採択率と採択事例を解説しています。採択事例も押さえることにより、ものづくり補助金の申請イメージが湧く可能性があるため、ものづくり補助金を検討している人は採択率と採択事例を確認してみましょう。
なお、当記事はものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)を参考に作成しています。
Contents
ものづくり補助金の採択率は30%台から60%台までを推移している
ものづくり補助金の採択率は30%台から60%台までを推移しています。ものづくり補助金は18次公募回まで実施されていますが(2024年7月現在)、公募回によって採択率が30%台のときから60%台のときまであるため、それぞれの公募回ごとの採択率を確認してみましょう。
公募回 |
申請者数 |
採択者数 |
採択率 |
1次 |
2,287 |
1,429 |
62.5% |
2次 |
5,721 |
3,267 |
57.0% |
3次 |
6,923 |
2,637 |
38.1% |
4次 |
一般型10,041 グローバル展開型271 |
一般型3,132 グローバル展開型46 |
一般型31.2% グローバル展開型16.9% |
5次 |
一般型5,139 グローバル展開型160 |
一般型2,291 グローバル展開型46 |
一般型44.6% グローバル展開型28.7% |
6次 |
一般型4,875 グローバル展開型105 |
一般型2,326 グローバル展開型36 |
一般型47.7% グローバル展開型34.3% |
7次 |
一般型5,414 グローバル展開型93 |
一般型2,729 グローバル展開型39 |
一般型50.4% グローバル展開型41.9% |
8次 |
一般型4,584 グローバル展開型69 |
一般型2,753 グローバル展開型27 |
一般型60.0% グローバル展開型39.1% |
9次 |
一般型3,552 グローバル展開型61 |
一般型2,223 グローバル展開型24 |
一般型62.6% グローバル展開型39.3% |
10次 |
一般型4,224 グローバル展開型70 |
一般型2,584 グローバル展開型28 |
一般型61.2% グローバル展開型40.0% |
11次 |
一般型4,668 グローバル展開型76 |
一般型2,786 グローバル展開型31 |
一般型59.8% グローバル展開型40.8% |
12次 |
一般型3,200 グローバル展開型56 |
一般型1,885 グローバル展開型22 |
一般型59.0% グローバル展開型39.3% |
13次 |
一般型3,261 グローバル展開型61 |
一般型1,903 グローバル展開型24 |
一般型58.3% グローバル展開型39.3% |
14次 |
4,865 |
2,470 |
50.8% |
15次 |
5,694 |
2,861 |
50.2% |
16次 |
5,608 |
2,738 |
48.8% |
17次 |
629 |
185 |
29.4% |
18次 |
5,777 |
2,070 |
35.8% |
参考:公式サイト 採択結果|ものづくり補助金
たとえば、ものづくり補助金の1次公募回の採択率は62.5%です。ものづくり補助金が初めて募集した回は、申請者数2,287件に対し、約半数以上の1,429件の事業者が採択される結果となりました。
また、ものづくり補助金の18次公募回の採択率は35.8%です。ものづくり補助金が18回目の募集をした回は、申請者数5,777件に対し、約3割の2,070件の事業者が採択される結果となりました。
ものづくり補助金の採択率はさまざまな要因によって変動します。「ものづくり補助金の予算」「公募回ごとの応募者数」など、採択率が変動する要因は複数あると考えられるため、ものづくり補助金を検討している人は、採択率が約30%から60%の間を推移する点を留意しておきましょう。
ものづくり補助金の採択率は申請枠ごとに異なる
ものづくり補助金の採択率は申請枠ごとに異なります。ものづくり補助金の18次公募回では、3つの申請枠ごとの採択率が公開されていたため、ものづくり補助金を検討している人は申請枠ごとの採択率を確認してみましょう。
申請枠 |
申請者数 |
採択者数 |
採択率 |
省力化枠(オーダーメイド枠) |
599 |
204 |
34.0% |
製品・サービス高付加価値化枠 |
5,015 |
1,827 |
36.4% |
グローバル枠 |
163 |
39 |
23.9% |
参考:公式サイト 採択結果|ものづくり補助金
18次公募回において、3つの申請枠のうち最も採択率の高い枠は「製品・サービス高付加価値化枠」です。製品・サービス高付加価値化枠の採択率が36.4%であることに対し、3つの申請枠のうち最も採択率が低い枠は、グローバル枠の採択率23.9%となっています。
18次公募回において、3つの申請枠のうち最も申請者数が多い枠は「製品・サービス高付加価値化枠」です。製品・サービス高付加価値化枠の申請者数が5,015件であることに対し、3つの申請枠のうち最も申請者数が低い枠は「グローバル枠」の163件となっています。
なお、すべての公募回において申請枠ごとの採択率が公開されているわけではありません。2024年7月現在では、最新公募回の18次公募回のみ申請枠ごとの採択率が公開されているため、ものづくり補助金を検討している人は留意しておきましょう。
ものづくり補助金の採択事例は公式サイトから確認できる
ものづくり補助金の採択事例は公式サイトから確認できます。ものづくり補助金の採択事例は公式サイトの「成果事例のご紹介」ページから確認できるため、採択事例を知りたい人は公式サイトから探してみましょう。
項目 |
概要 |
もの補助成果事例検索 |
|
グッドプラクティス集バックナンバー |
|
採択事例を公式サイトから探す方法のひとつは「もの補助成果事例検索」を活用することです。「都道府県」「業種」「技術分野」「年度」ごとに詳細検索できるため、自身が知りたい採択事例を確認できる可能性があります。
採択事例を公式サイトから探す方法のひとつは「グッドプラクティス集バックナンバー」を活用することです。ものづくり補助金を活用したその後の状況をヒヤリングした資料となるため、ものづくり補助金を活用した中長期的な事業計画の参考になる可能性があります。
なお、中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポPlus」でも、ものづくり補助金の事例が探せる可能性があります。ミラサポPlusにある「支援事例を探す」ページから、ものづくり補助金に選択肢を絞って検索できるため、ものづくり補助金の事例を探している人はミラサポPlusも確認することを検討してみてください。
採択者一覧ページには採択者の事業内容が掲載されている
ものづくり補助金の公式サイト「採択者一覧」ページには、採択者の事業内容が掲載されています。公募回ごとの採択者の情報が掲載されているため、ものづくり補助金の事例を探している人は、採択者一覧ページを確認することも検討してみましょう。
項目 |
具体例 |
No |
10 |
受付番号 |
R111111111 |
都道府県 |
東京都 |
商号又は名称 |
○○株式会社 |
法人番号 |
1111111111111 |
事業計画名 |
地域医療の高度化を実現し、利便性を高める医療設備の導入 |
認定経営革新等支援機関名 |
○○商工会連合会 |
採択者一覧ページに掲載されている情報のひとつは「事業計画名」です。採択された事業者の事業計画が一文で掲載されているため、公募回ごとに採択された事業計画の概要をまとめて確認できます。
採択者一覧ページに掲載されている情報のひとつは「認定経営革新等支援機関名」です。採択された事業者が支援機関等のサポートを受けていた場合は、認定経営革新等支援機関名が掲載されるため、採択された事業者をサポートしていた支援機関名が確認できます。
採択者一覧ページからは、採択者の事業計画の詳細までは分かりません。採択者一覧ページは採択者を発表するページである性質上、事業計画や事業者の詳細は分かりかねる点を留意しておきましょう。
採択事例を確認するときはものづくり補助金の目的を押さえておく
ものづくり補助金の採択事例を確認するときは、ものづくり補助金の目的を押さえてみてください。ものづくり補助金の目的を押さえておくことにより、採択事例が評価されたポイントを推察できる可能性があるため、採択事例を確認するときはものづくり補助金の目的と採択事例との関連性を考察してみましょう。
ものづくり補助金の目的 |
目的と関連性がある採択事例 |
革新的な製品・サービスの開発を支援する |
|
生産プロセス等の省力化を支援する |
|
公式サイト 「成果事例のご紹介」を参考に株式会社SoLaboが作成|ものづくり補助金
ものづくり補助金の目的のひとつは「革新的な製品・サービスの開発を支援する」ことです。「新たな製法による商品の開発」「業界初の情報提供サービスの構築」など、革新的な開発を支援する目的と関連性の高い事業計画であることから、ものづくり補助金の採択事例として掲載されている可能性があります。
ものづくり補助金の目的のひとつは「生産プロセス等の省力化を支援する」ことです。「生産力が2倍になる設備投資」「作業の機械化による品質向上」など、省力化や省人化を支援する目的と関連性の高い事業計画であることから、ものづくり補助金の採択事例として掲載されている可能性があります。
なお、ものづくり補助金は必ず設備投資しなければなりません。「機械設備の購入」もしくは「システムの導入」が必須となるため、ものづくり補助金を検討している人は採択事例として事業者が導入している設備を参考にすることも検討してみてください。
この記事のまとめ
ものづくり補助金の採択率は30%台から60%台までを推移しています。公募回によって採択率が30%台のときから60%台のときまであるため、ものづくり補助金を検討している人はそれぞれの公募回ごとの採択率を確認してみましょう。
ものづくり補助金の採択事例は公式サイトから確認できます。ものづくり補助金の採択事例は公式サイトの「成果事例のご紹介」ページから確認できるため、採択事例を知りたい人は公式サイトから探してみましょう。
ものづくり補助金の採択事例を確認するときは、ものづくり補助金の目的を押さえてみてください。ものづくり補助金の目的を押さえておくことにより、採択事例が評価されたポイントを推察できる可能性があるため、採択事例を確認するときはものづくり補助金の目的と採択事例との関連性を考察してみましょう。