補助金ガイド

ものづくり補助金の加点とは?申請する加点項目の選び方を解説

2024/07/01

2024/6/21

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

ものづくり補助金の申請を検討している人の中には、ものづくり補助金における加点の仕組みを知りたい人もいますよね。申請が可能な加点項目を知りたい人もいるでしょう。

当記事では、ものづくり補助金における加点とは何かを解説します。加点の概要に加えて、申請する加点項目の選び方も紹介するため、ものづくり補助金の加点の申請を検討している人は参考にしてみてください。

なお、当記事はものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要領(18次締切分)を参考に作成しています。

ものづくり補助金の加点とは審査に有利にはたらくもの

ものづくり補助金の加点とは、審査に有利にはたらくものです。ものづくり補助金は、経済や社会構造の変化に対応するための取り組みを行う事業者に対して、審査時に加点を行うことを明記しており、その取り組みごとに加点項目を設定しています。

加点項目は5つの種類に大別され、合計19個あります。ものづくり補助金は最大6項目の加点を申請できるため、加点の申請を検討する場合は19個の加点項目の中から申請する加点項目を選択することになります。

なお、加点を申請するためには、加点項目の要件を満たさなければなりません。要件を満たすには費用や時間がかかる場合もあるため、加点の申請を検討している人は、加点要件を満たせるかどうかを検討した上で、加点の申請を行うようにしましょう。

まずはすべての加点項目を確認してみる

ものづくり補助金に申請する加点項目を選ぶときは、まずはすべての加点項目を確認してみてください。加点項目は取り組みの性質ごとに5種類に大別されているため、加点の申請を検討している人は加点項目の種類を押さえてみましょう。

【ものづくり補助金における加点項目の種類】
  • 成長性加点
  • 政策加点
  • 災害等加点
  • 賃上げ加点
  • 女性活躍等の推進の取り組み加点

ものづくり補助金の加点項目は「成長性加点」「政策加点」「災害等加点」「賃上げ加点」「女性活躍等の推進の取り組み加点」に分類できます。種類ごとにいくつかの加点項目があるため、まずはそれぞれの加点項目を確認してみましょう。

成長性加点

ものづくり補助金の加点項目の種類のひとつは「成長性加点」です。成長性加点に該当する項目はひとつのみとなるため、ものづくり補助金を申請したい人は成長性加点に含まれる加点項目を確認してみましょう。

【成長性加点の要件】

加点項目

要件

成長性加点

有効な期間の経営革新計画の承認を取得している事業者

参考:公募要領 18次締切分p.40)|ものづくり補助金

成長性加点の要件は経営革新計画の承認を受けることです。経営革新計画は中小企業が経営向上のために策定する経営計画となり、「付加価値額」「給与支給総額」などの指標を満たした計画を策定後、各都道府県の担当部署や国の地方機関からの承認が必要です。

経営革新計画は3年間、4年間、5年間のいずれかを選択できます。ものづくり補助金の加点対象となるのは、公募締切日時点で承認を受けた事業計画期間が終了していない場合のみとなるため、成長性加点を申請する場合は承認の有効期間に留意することになります。

なお、成長性加点を申請するときは「経営革新計画承認書」の添付が必要です。経営革新計画承認書の交付までに数カ月かかることも考えられるため、成長性加点を申請予定の人は交付までのスケジュールを確認することも検討してみましょう。

政策加点

ものづくり補助金の加点項目の種類のひとつは「政策加点」です。政策加点には13の加点項目が該当するため、ものづくり補助金を申請したい人は政策加点に含まれる加点項目を確認してみましょう。

【政策加点の要件】

加点項目

要件

創業・第二創業後間もない事業者

以下のいずれかの日にちが公募期間中から起算して5年以内の事業者

  • 会社設立の年月日(個人事業主の場合は開業日)
  • 代表取締役の就任日

パートナーシップ構築宣言

応募締切日前日までに「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにおいて宣言を公開している事業者

再生事業者

再生事業者の定義を満たしている事業者

DX認定事業者

応募締切日時点で有効なDX認定を受けている事業者

サイバーセキュリティお助け隊サービス

申請時点でサイバーセキュリティお助け隊サービスを利用している事業者

健康経営優良法人認定

令和4年度、令和5年度に健康経営優良法人に認定された事業者

技術情報管理認証制度

技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者

J-Startup

J-Startup地域版

J-StartupJ-Startup地域版に認定された事業者

取引先事業者でのパートナーシップ構築宣言

(グリーン化の取組)

  • 取引先の事業者がパートナーシップ構築宣言をしている
  • 宣言文中に項目「グリーン化の取組」について記載がある事業者

新規輸出1万者支援プログラム

応募締切日前日までに「新規輸出1万者支援プログラム」ポータルサイトにおいて登録が完了している事業者

J-クレジット制度

CO2の排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証

するJ-クレジット制度に参加し、認証を受けている事業者

GXリーグ

GX(グリーントランスフォーメーション)をけん引するGXリーグに参画している事業者

カーボンフットプリント

CO2排出量を表す数値であるカーボンフットプリント(CFP)を算定している事業者

参考:公募要領 18次締切分p.40)|ものづくり補助金

政策加点のひとつは「パートナーシップ構築宣言」です。パートナーシップ構築宣言は事業者が取引先との共存共栄の取り組みや連携を宣言するものです。宣言の登録後に事業者名や宣言文がポータルサイトに公開されることにより、パートナーシップ構築宣言の加点要件を満たせます。

また、政策加点のひとつは「サイバーセキュリティお助け隊サービス」です。サイバーセキュリティお助け隊サービスは国の審査機関がサイバー攻撃への対応に必要と認めたサービスです。サービスを利用することにより、サイバーセキュリティお助け隊サービスの加点要件を満たせます。

政策加点は13項目あるため、加点の要件は多岐にわたります。要件によっては、ものづくり補助金の加点申請時に「添付書類」「認証番号」「掲載されているURL」などの情報の入力が必要となる場合があるため、政策加点を申請したい人は念頭に置いておきましょう。

災害等加点

ものづくり補助金の加点項目の種類のひとつは「災害等加点」です。災害等加点に該当する項目はひとつのみとなるため、ものづくり補助金を申請したい人は災害等加点に含まれる加点項目を確認してみましょう。

【災害等加点の要件】

加点項目

要件

災害等加点

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者

参考:公募要領 18次締切分p.41)|ものづくり補助金

災害等加点の要件は事業継続力強化計画の認定を取得することです。事業継続力強化計画は中小企業が自然災害や感染症への事前対策を行う計画となるため、計画を策定後、経済産業大臣から認定の取得が必要です。

事業継続力強化計画の計画期間は3年以内です。ものづくり補助金の加点対象となるのは、公募締切日時点で認定を受けた計画期間が終了していない場合のみとなるため、災害等加点を申請する場合は認定の有効期間に留意することになります。

なお、災害等加点を申請するときは「事業継続力強化計画認定書」の添付が必要です。経済産業大臣による認定までの期間は45日程度かかるため、災害等加点を申請予定の人は認定までに一定の期間が必要となることを念頭に置いておきましょう。

賃上げ加点

ものづくり補助金の加点項目の種類のひとつは「賃上げ加点」です。賃上げ加点は2つの加点項目が該当するため、ものづくり補助金を申請したい人は賃上げ加点に含まれる加点項目を確認してみましょう。

【賃上げ加点の要件】

加点項目

要件

賃上げ加点

(ア)給与支給総額を年平均成長率平均3%以上増加

   事業場内最低賃金を毎年3月に地域別最低賃金より+50円以上

   かつ毎年+50円以上ずつ増加

(イ)給与支給総額を年平均成長率平均6%以上増加

   事業場内最低賃金を毎年3月に地域別最低賃金より+50円以上

   かつ毎年+50円以上ずつ増加

被用者保険

被用者保険の適用拡大の対象で制度改革前に任意適用に取り組む事業者

参考:公募要領 18次締切分p.41)|ものづくり補助金

賃上げ加点の要件は「給与支給総額」と「事業場内最低賃金」の増加です。(ア)と(イ)の2種類の要件があるため、どちらかの要件を選択し、それぞれの増加目標を満たした事業計画書の策定と賃上げの誓約書を添付することが加点要件となります。

また、賃上げ加点には、「被用者保険」の要件もあります。従業員が51人から100人いる事業者のみが対象となり、令和610月の制度改革より前に短時間労働者を社会保険に加入させることが加点要件となります。

なお、被用者保険の加点を申請する場合は「特定適用事業所該当通知書」の添付が必要です。特定適用事業所該当通知書の交付にかかる期間は年金事務所ごとに異なる可能性があるため、期間を知りたい人は事業所を管轄する年金事務所に確認してみましょう。

女性活躍等の推進の取り組み加点

ものづくり補助金の加点項目の種類のひとつは「女性活躍等の推進の取り組み加点」です。女性活躍等の推進の取り組み加点には2つの加点項目があるため、ものづくり補助金を申請したい人は女性活躍等の推進の取り組み加点に含まれる加点項目を確認してみましょう。

【女性活躍等の推進の取り組み加点の要件】

加点項目

要件

えるぼし加点

以下のいずれかを満たす事業者であること

  • 「えるぼし認定」を受けている
  • 従業員100人以下で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公開している

くるみん加点

以下のいずれかを満たす事業者であること

  • 「くるみん認定」を受けている
  • 従業員100人以下で「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公開している

参考:公募要領 18次締切分p.41)|ものづくり補助金

女性活躍等の推進の取り組み加点のひとつは「えるぼし加点」です。女性活躍に関する取り組みを行っていることを認定する「えるぼし認定」の取得や、厚生労働省のサイト「女性の活躍推進企業データベース」に一般事業主行動計画を公開することにより、加点要件を満たせます。

女性活躍等の推進の取り組み加点のひとつは「くるみん加点」です。子育てとの両立支援に関する取り組みを行っていることを認定する「くるみん認定」の取得や、厚生労働省のサイト「両立支援のひろば」に一般事業主行動計画を公開することにより、加点要件を満たせます。

なお、女性活躍等の推進の取り組み加点を申請する場合は、「事業者の一般事業主行動計画が公開されたサイトのURL」を入力することになります。一般事業主行動計画がサイト上に公開されるまでの期間は1週間ほどかかる可能性があるため、申請予定の人は念頭に置いておきましょう。

次は申請の可能性がある加点を検討する

すべての加点項目を確認したあとは、次は申請の可能性がある加点を検討してみましょう。申請の可能性がある加点は事業者ごとに異なるため、すべての加点項目を確認したあとは、申請する加点項目を検討するときのポイントを押さえてみてください。

【加点項目を検討するときのポイント】
  • 要件を満たすまでの期間から検討する
  • 事業との親和性から検討する
  • 事業形態や従業員の有無から検討する

加点項目を検討するときのポイントは「要件を満たすまでの期間」「事業との親和性」「事業形態や従業員の有無」が挙げられます。ポイントを押さえることにより、申請する加点項目を選択するときの判断材料となるため、それぞれの加点項目を検討するときのポイントを確認してみましょう。

要件を満たすまでの期間から検討する

加点項目を検討するときのポイントのひとつは、要件を満たすまでの期間から検討することです。ものづくり補助金の公募開始日から公募締切日までの間の日数は限られているため、比較的短期間で要件を満たせる加点項目を選択する方法があります。

【比較的短期間で要件を満たす可能性がある加点項目の例】

加点項目

要件を満たすまでにかかる期間の目安

パートナーシップ構築宣言

宣言を作成後、約1週間

災害等加点

計画書を作成後、約45

えるぼし加点

行動計画を作成後、約1週間

くるみん加点

行動計画を作成後、約1週間

たとえば、「パートナーシップ構築宣言」は宣言をポータルサイトに登録後、公開まで約1週間とされています。ポータルサイトに掲載されたひな形に従って宣言文を作成できるため、比較的短期間でパートナーシップ構築宣言の加点要件を満たせる可能性があります。

また、「災害等加点」は事業継続力強化計画の計画書を申請後、経済産業大臣による認定まで約45日とされています。「事業継続力強化計画策定の手引き」を参考にしながら計画書の作成ができるため、比較的短期間で災害等加点の要件を満たせる可能性があります。

なお、要件を満たすまでの期間は目安です。不測の事態により、要件を満たすまでの期間が目安より長くなるおそれもあるため、ものづくり補助金の加点申請を検討している人はそれらの前提も踏まえつつ、スケジュールを立てることを検討してみましょう。

費用がかかる加点項目もある

加点項目の中には、要件を満たすために費用が必要となる項目があります。必要となる費用を工面することになるため、加点項目を選択したい人は要件を満たすために費用が必要となる加点項目を押さえておきましょう。

【費用が必要となる加点項目の例】

費用が必要となる加点項目

費用の目安

サイバーセキュリティお助け隊サービス

初年度最低費用6,000円~数十万円

(サービス内容次第)

健康経営優良法人

中小企業の申請料 16, 500

技術情報管理認証制度

認証料 数十万円(認証機関次第)

J―クレジット制度

審査料 数十万~200万円程度(方法論次第)

たとえば、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」はサービスの利用料が必要です。サイバー攻撃に対応するサービスの利用に「初期費用」「月額使用料」などの費用が発生するため、加点項目を検討するときは中長期的に費用がかかる点を考慮することになります。

また、「技術情報管理認証制度」は認証料が必要です。認証料は認証機関次第ですが、認証に必要となる「審査」や「指導」などに対する費用も含まれるため、加点項目を検討するときは数十万円以上の費用が必要となる点を考慮することになります。

なお、今回紹介した加点項目は一例です。紹介した以外の加点項目でも費用が必要となる場合が考えられるため、ものづくり補助金の加点を申請したい人は要件を満たすために費用が必要となる加点項目があることを念頭に置いておきましょう。

事業との親和性から検討する

加点項目を検討するときのポイントのひとつは、事業との親和性から検討することです。事業内容と加点要件に親和性がある場合は要件を満たしやすい可能性があるため、親和性のある加点項目を選択する方法があります。

【事業との親和性を検討する余地のある加点項目の例】

事業内容

加点項目

環境に配慮した事業を展開している

  • 取引先事業者でのパートナーシップ構築宣言(グリーン化の取組)
  • J―クレジット制度
  • GXリーグ
  • カーボンフットプリント

デジタル技術を活用した事業を展開している

  • DX認定事業者
  • サイバーセキュリティお助け隊サービス

たとえば、環境に配慮した事業を展開している場合、いくつかの加点項目との親和性が考えられます。「CO2排出量削減」「再生エネルギーの導入」などを目指している事業者は、「J―クレジット制度」「カーボンフットプリント」などの加点項目を検討する余地があります。

また、デジタル技術を活用した事業を展開している場合、いくつかの加点項目との親和性が考えられます。「AI」「IoT」などの活用を推進している事業者は「DX認定事業者」や「サイバーセキュリティお助け隊サービス」などの加点項目を検討する余地があります。

なお、要件を満たすまでに期間がかかる加点項目もあります。加点項目によっては要件を満たすまでに数か月以上かかる可能性もあるため、加点を申請したい人は公募締切日までに要件を満たせるかどうかを確認してみましょう。

グローバル枠しか申請できない加点項目がある

加点項目の中には、グローバル枠の申請枠しか申請できない項目があります。「省力化枠」「製品・サービス高付加価値化枠」に申請する事業者は要件を満たしたとしても加点が認められないため、留意しておきましょう。

【特定の申請枠しか申請できない加点項目の例】

加点項目

申請枠

新規輸出1万者支援プログラム

グローバル枠

「新規輸出1万者支援プログラム」はグローバル枠のみが対象となる加点項目です。独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)や経済産業省などが実施する輸出支援策となるため、加点の申請時はグローバル枠において輸出を含む事業計画を策定しなければなりません。

新規輸出1万者支援プログラムの加点要件は、応募締切日前日時点に新規輸出1万者プログラムのポータルサイトでの登録が完了していることです。こちらのプログラムに登録することにより、専門家への無料相談や輸出準備、販路開拓などの支援を受けられます。

なお、ものづくり補助金の申請時に「新規輸出1万者支援プログラムに登録している」と書かれた項目にチェックマークを入れることになります。チェックマークの入力欄はグローバル枠の申請者のみに表示されるため、申請予定の人は申請方法も予備知識として覚えておきましょう。

事業形態や従業員の有無から検討する

加点項目を検討するときのポイントのひとつは、事業形態や従業員の有無から検討することです。加点項目によっては事業形態や従業員の有無が要件に含まれている場合があるため、要件を満たせない加点項目は選択肢から外す方法があります。

【事業形態や従業員の有無が要件に含まれている加点項目の例】

事業形態や従業員の有無

加点項目

個人事業主は申請できない

  • 健康経営優良法人

従業員のいない事業者は申請できない

  • 被用者保険
  • えるぼし加点
  • くるみん加点

たとえば、個人事業主が申請できない加点項目には、「健康経営優良法人」が挙げられます。健康経営優良法人は従業員の健康管理を経営的な視点から考えることを目的としている関係上、法人格がない事業者は申請が不可となるため、個人事業主は加点を申請できません。

また、従業員のいない事業者が申請できない加点項目には、「えるぼし加点」が挙げられます。えるぼし加点の要件となる一般事業主行動計画は従業員0人の場合は策定が不可となるため、従業員のいない事業者は加点を申請できません。

なお、紹介した加点項目は一例です。紹介した加点項目以外にも事業形態や従業員の有無に関する規定があることも考えられるため、気になる加点項目がある場合は、加点項目の取り組みを行っている窓口に問い合わせることも検討してみましょう。

特定の事業者しか申請できない加点項目もある

加点項目の中には、特定の事業者しか申請できない項目もあります。対象の事業者はものづくり補助金の申請時に必要となる書類を添付することにより加点を申請できるため、加点項目を選択したい人は特定の事業者しか申請できない加点項目を確認してみましょう。

【特定の事業者しか申請できない加点項目の例】

加点項目

加点要件

添付書類

創業・第二創業後間もない事業者

以下のいずれかの日にちが公募期間中から起算して5年以内の事業者

  • 会社設立の年月日(個人事業主の場合は開業日)
  • 代表取締役の就任日

履歴事項全部証明書(法人の場合)

開業届(個人事業主の場合)

再生事業者

中小企業活性化協議会などから支援を受け、申請時に以下のいずれかに該当している事業者

  • 再生計画等を「策定中」の者
  • 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和2年11月8日以降)に再生計画等が成立等した者

「再生事業者」に係る確認書

たとえば、特定の事業者しか申請できない加点項目のひとつは「創業・第二創業後間もない事業者」です。要件に該当する場合はものづくり補助金の申請時に「履歴事項全部証明書」または「開業届」を添付することにより、加点を申請できます。

また、特定の事業者しか申請できない加点項目のひとつは「再生事業者」です。要件に該当する場合はものづくり補助金の申請時に「『再生事業者』に係る確認書」を添付することにより、加点を申請できます。

なお、創業・第二創業後間もない事業者の加点項目の場合、個人事業主は「第二創業」の要件に該当しません。個人事業主の事業を継承した場合は「第二創業」ではなく「創業」として申請することを留意しておきましょう。

加点項目の数は採択率に影響する可能性がある

ものづくり補助金を申請する場合、加点項目の数が採択率に影響する可能性があります。ものづくり補助金公式サイトのデータポータルでは、加点項目の数と採択率の関係を示したグラフが掲載されているため、加点を申請予定の人は加点項目の数と採択率の関係を確認してみましょう。

【加点項目数と採択率】

加点項目数

申請者に占める割合

16次公募における採択率

0

20.5%

33.4%

1

27.3%

43.3%

2

25.4%

53.0%

3

18.2%

57.2%

4

6.8%

60.4%

5

少数であるため詳細不明

55.3%

6

少数であるため詳細不明

100%

参考:データポータル|ものづくり補助金

たとえば、申請者に占める割合を比較した場合、加点項目を「1個」または「2個」申請している割合が高いです。加点項目は最大6個まで申請が可能ですが、「3個」以上申請している申請者の割合は徐々に減っています。

また、加点項目の数と採択率を比較した場合、加点項目の数が増えるほど採択率が高くなる傾向にあります。「5個」の採択率のみ下がってはいますが、加点を多く申請することにより、採択率も高くなる傾向にあります。

過去のデータから、加点項目の数に採択率は影響される可能性があります。加点要件を満たすには時間や費用がかかる場合がありますが、採択率を上げられる可能性があるため、ものづくり補助金を申請予定の人は複数の加点を申請することを検討してみましょう。

この記事のまとめ

ものづくり補助金の加点項目は「成長性加点」「政策加点」「災害等加点」「賃上げ加点」「女性活躍等の推進の取り組み加点」に分類できます。最大6項目の加点項目を申請できるため、まずはすべての加点項目の概要を確認してみましょう。

次は申請の可能性のある加点項目を検討してみてください。加点項目を検討するときのポイントは「要件を満たすまでの期間」「事業との親和性」「事業形態や従業員の有無」が挙げられるため、それぞれのポイントを押さえつつ、申請する加点項目を選択することになります。

なお、加点項目の数に採択率は影響される可能性があります。加点要件を満たすには時間や費用がかかる場合がありますが、採択率を上げられる可能性があるため、ものづくり補助金を申請予定の人は複数の加点を申請することを検討してみましょう。

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