事業再構築補助金における新事業売上高10%等要件を解説
2024/05/14
2022/4/7
事業再構築補助金の申請枠や選択する事業再構築の類型によっては、申請の際に売上高に関する要件を満たす必要があります。
当記事では、事業再構築補助金における売上高の要件である「新事業売上高10%等要件」を解説します。サプライチェーン強靭化枠に申請する人や、事業再構築の類型として「新市場進出」を選択する事業者は参考にしてみてください。
なお、当記事は事業再構築補助金の第12回公募要領および事業再構築指針の手引きをもとに作成しています。
売上高に関する要件には新事業売上高10%等要件がある
事業再構築補助金において、申請の際に満たす必要のある要件には新事業売上高10%等要件があります。新事業売上高10%等要件は全ての申請者が満たすべき要件ではなく、事業再構築の類型において特定の類型を選択した場合のみ満たす必要がある要件です。
事業再構築の定義 | 要件 |
新市場進出 |
① 製品等の新規性要件 ② 市場の新規性要件 ③ 新事業売上高10%等要件 |
事業転換 |
① 製品等の新規性要件 ② 市場の新規性要件 ③ 売上高構成比要件 |
業種転換 |
① 製品等の新規性要件 ② 市場の新規性要件 ③ 売上高構成比要件 |
事業再編 |
① 組織再編要件 ② その他の事業再構築要件 |
国内回帰 |
① 海外製造等要件 ② 導入設備の先進性要件 ③ 新事業売上高10%等要件 |
地域サプライチェーン維持・強靭化 |
①地域不可欠性要件 ②導入設備の先進性要件 ③新事業売上高10%等要件 |
参考:事業構築指針の手引き|事業再構築補助金
事業再構築の類型において「新市場進出」「国内回帰」「地域サプライチェーン維持・強靭化」のいずれかを選択する人は、新事業売上高10%等要件を満たす必要があります。申請枠だけでなく選択する事業再構築の類型によっても満たすべき要件が異なるため、自社が申請する内容においてどの要件を満たす必要があるのかを確認しておきましょう。
なお、第11回公募まで申請枠の要件として定められていた「売上高等減少要件」も売り上げに関する要件のひとつですが、第12回公募では廃止されています。
売上高に関する要件をはじめ「自社が申請の要件を満たせているのかわからない」という人は、当メディアを運営する株式会社SoLaboの無料相談からお問い合わせください。
無料診断新商品の売上高が総売上高の10%以上になる計画をたてる
新事業売上高10%等要件では、3~5年の事業計画終了後に新事業で開発した新商品の売上高が総売上高の10%以上になる事業計画を作成する必要があります。総売上高の10%以上を満たすことが難しい場合は、総付加価値額の15%以上になる計画をたてることで、新事業売上高10%等要件を満たせます。
項目 | 補助事業 | 1年後 | 3年後 | 5年後 | 5年後の売上の割合 |
新商品の売上高 | 5 | 15 | 35 | 50 | – |
総売上高 | 150 | 200 | 350 | 500 | 10% |
総付加価値額 | 100 | 150 | 250 | 334 | 約15% |
※小数点第2以下四捨五
たとえば、ビジネス客向けウィークリーマンション事業を営んでいる事業者が、テレワークの需要増加にあわせて、レンタルオフィス業を始める場合、事業計画終了時点でレンタルオフィス業の売上が総売上高の10%以上になる計画であれば要件達成となります。
新事業売上高10%等要件を満たすためには、事業計画終了後の売上や利益を想定した計画をたてる必要があります。事業計画をたてる際は、新製品の単価や事業に係る人件費なども洗い出した上で根拠のある計画を作成しましょう。
新事業売上高10%等要件を満たすには、事業計画を作成する際「新事業で開発した新商品の売上高が総売上高の10%以上」となる計画をたてることが必要です。事業計画書に記載する際は「補助事業の具体的取組内容」や「収益計画」で売上や利益の詳細を示します。
新市場進出を選択した人は、新事業売上高10%等要件を満たす事業計画を作成しましょう。事業計画書の作成の仕方や記載例が見たい人は「事業再構築補助金の事業計画書の書き方と記入例を解説」を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
事業再構築補助金において、売上高に関する要件には「新事業売上高10%等要件」があります。新事業売上高10%等要件は、事業再構築の類型において「新市場進出」「国内回帰」「地域サプライチェーン維持・強靭化」を選択した事業者が満たすべき要件です。
新事業売上高10%等要件を満たすには、事業計画終了後に新商品の売上高が総売上高の10%以上または、総付加価値額の15%以上になる事業計画を作成する必要があります。事業再構築の定義で新市場進出を選択した人は、事業計画終了後の売上や利益を想定した計画をたてましょう。
なお、第11回公募まで要件として定められていた「売上高減少要件」は、第12回公募では廃止されています。