補助金ガイド

事業再構築補助金における加点項目を解説

2024/05/13

2022/4/14

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

事業再構築補助金は事業計画書で必須の審査項目を満たした上で、加点項目を盛り込むと、審査を有利に進められます。

当記事では、加点の種類や申請条件を解説します。事業再構築補助金に申請する人は、申請できる加点がないかを探す参考にしてみてください。

なお、当記事は事業再構築補助金の第12回公募要領をもとに作成しています。

事業再構築補助金の加点項目を得ると審査でプラスに働く

事業再構築補助金の加点項目を得ると審査でプラスに働きます。事業再構築補助金は「基本審査項目」「加点項目」「減点項目」の3つで審査され、加点項目があればあるだけ審査を有利に進められるからです。

たとえば、基礎審査の結果が同じだった場合、加点を持つ事業者のほうが加点を持たない事業者よりも優先的に採択されます。

事業再構築補助金では、加点項目に申請できる数が多ければ多いほど審査を有利に進めることができます。事業再構築補助金を利用したい人は、加点項目で申請できるものがないかを確認してみましょう。

なお、当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、認定支援機関として補助金申請のサポートを行っています。事業者の方の状況にあわせて申請可能な加点をお伝えできるので、まずは事業状況から申請できる加点を無料診断してみましょう。

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事業再構築補助金における加点項目

第12回事業再構築補助金の加点項目は12項目(サプライチェーン強靭化枠は11項目)あります。加点項目ごとに申請条件や必要書類が異なるため、事業再構築補助金に申請したい人は事業状況に合わせて申請できるものがないかを確認してみましょう。

【加点項目】

サプライチェーン強靭化枠以外
  1. コロナ借換加点
  2. コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請事業者に対する加点
  3. 経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点
  4. パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点(※1)
  5.  事業再生を行う者に対する加点
  6.  特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点
  7.  サプライチェーン加点
  8. 健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点
  9. 大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点
  10. 事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点(※2)
  11. ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点
  12. 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点(※1)
サプライチェーン強靭化枠
  1. コロナ借換加点
  2. 経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点
  3. レジリエンス加点
  4. 成長性加点
  5. 特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点
  6. サプライチェーン加点
  7. 健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点
  8. 大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点
  9. ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点
  10. 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点
  11. 地域重要性加点(※3)

(※1)成長分野進出枠の申請者のみ

(※2)コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請者のみ

(※3)事業再構築補助金の定義「地域サプライチェーン維持・強靱化」の選択者のみ

加点項目は、それぞれの項目に設けられている条件を満たすことにより申請できます。複数の加点項目に申請することもできるため、条件を満たせるものがないかを確認してみましょう。

コロナ借換加点

コロナ借換加点は、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点です。応募申請時において、以下の制度において既往債務を借り換えていることが条件となります。

【コロナ借換加点の対象となるコロナ借換保証等】

(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
(2)コロナ経営改善サポート保証
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
(7)[新型コロナ関連]マル経融資
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金

これらの借換がある場合は、審査において加点の対象となります。コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていることを証明するため、借換先の金融機関等による「コロナ借換要件・加点確認書」を提出してください。

ただし、過去に上記の制度を利用した実績があっても、応募申請時において完済している場合は対象にならない点に留意しましょう。

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請事業者に対する加点

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請事業者に対する加点は、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に応募する事業者すべてが対象となる加点です。

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)は、コロナ禍を経て最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援する枠です。申請の際は、共通の要件に加えて以下の要件を満たす必要があります。

【コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請要件】

  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率 3.0%以上増加増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
  • コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】
  •  2022 年 10 月から 2023 年9月までの間で、3 か月以上最低賃金+50 円以内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】

第12回公募ではコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請すること自体が加点の対象となるため、申請要件を満たせる場合はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)での申請を検討してみましょう。

なお、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)においてコロナ借換要件は任意の要件です。満たさない場合も申請は可能ですが、補助率が引き下げられる点に留意しましょう。

経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点

経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点は、EBPMに協力する事業者が加点されます。EBPMとは、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング」の略で、日本語に訳すと「証拠に基づく政策立案」という意味です。

政策をその場限りのエピソードで立案するのではなく、合理的根拠(エビデンス)に基づく政策を立案するという考え方で、近年、日本政府はこの考えを重視しています。内閣府の公式ホームページでも取り組みが紹介されています。

参考:内閣府におけるEBPMへの取組|内閣府

なお、EBPM の取組への協力に対する加点を受けたい場合、採択や不採択に関わらず継続的な情報提供が見込まれるものであるかどうかが観点となります。

申請時にEBPMへの協力をしていることを示す

加点項目のひとつ「EBPMへの協力」ですが、具体的にわたしたち事業者が何をすればいいのか言うと、事業再構築補助金の電子申請をする際に、加点項目のリストで「EBPMの取組に対する協力する」という欄にチェックマークを入れます。特に何か、別の書式を提出する必要はありません。

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ただし、EBPMへの協力にチェックマークを入れると、以下の2点に同意することになります。

  • ①補助金に採択されなくても数年間にわたりミラサポplusにログインして財務情報を入力する
  • ②そのデータを経済産業省が閲覧することに了承する

パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点は、成長分野進出枠に応募する事業者が「パートナーシップ構築宣言」を行った際に、加点として申請できます。

パートナーシップ構築宣言とは、大企業と中小企業が連携することで、より効率よく国内全体の経済を活性化させる意図で、中小企業庁により企画されています。

暴力団や下請け企業と発注企業による癒着など、日本経済を活性化するための悪しき慣習を減少させ、よりよい好循環をつくるための試みです。

「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて宣言を公表している事業者が対象となるため、申請したい人は手続きをすすめましょう。

なお、応募締切日時点で宣言を公表していなければ加点の条件を満たせません。ポータルサイトに登録してから反映までに、混み合っていない場合でも3~4日はかかる可能性があるため前もって準備しておきましょう。

事業再生を行う事業者に対する加点

事業再生を行う事業者に対する加点は、再生計画等を「策定中」の事業者か、再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和3年7月27日以降)に再生計画等が成立等した事業者が対象です。

「事業再生」とは、20224月に経済産業省が発足した「中小企業活性化協議会」を通じ、中小企業者が借金を減らし、収益をあげる骨太体質へと生まれ変わるための一連の活動です。

【加点対象となる再生計画】

  1. 中小企業活性化協議会が策定を支援した再生計画
  2.  独立行政法人中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画
  3.  産業復興相談センターが策定を支援した再生計画
  4.  株式会社整理回収機構が策定を支援した再生計画
  5.  「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画
  6. 中小企業の事業再生等のための私的整理手続(中小企業版私的整理手続)に基づいて策定した再生計画(令和4415日から適用開始)
  7. 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた認証紛争解決事業者(事業再生ADR事業者)が策定を支援した事業再生計画
  8. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資した中小企業再生ファンドが策定を支援 した再生計画
  9. 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が同機構法第 19 条の規定による支援 決定を行った事業再生計画
  10. 株式会社地域経済活性化支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構法第 25 条 の規定による再生支援決定を行った事業再生計画
  11. 特定調停法に基づく調停における調書(同法第 17 条第1項の調停条項によるものを除く。)又は同法第 20 条に規定する決定において特定された再生計画

 

※1.から7.における「策定中」の定義は以下のとおり。

 1.から3.「再生計画策定支援(第二次対応)決定」以後

 4.企業再生検討委員会による「再生計画着手承認」以後

 . 同ガイドラインに基づく「一時停止の要請」以後

 6.同手続きに基づく「一時停止の要請」以後

 7.事業再生 ADR 制度の「制度利用申請正式受理」以後

参考:第12回 公募要領|事業再構築補助金

特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点

特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点は、特定の事業者かつ中小企業者の定義にあてはまらない企業であれば加点対象となります。そのため、各業界の中小企業者の件を上回り、中堅企業の範囲に収まる事業者が対象になります。

【対象となる企業規模】
業種 資本金 従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円を超える~10億円未満 301人~500人
卸売業 1億円を超える~10億円未満 101人~400人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円を超える~10億円未満 101人~300人
小売業 5,000万円を超える~10億円未満

51人~500人

その他の業種(上記以外) 3億円を超える~10億円未満 301人~500人

また、要件を満たす以下の「組合」も補助対象となります。

【補助対象となる組合の具体例】

  • 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
  • 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
  • 内航海運組合、内航海運組合連合会
  • 技術研究組合

サプライチェーン加点

サプライチェーン加点は、異なるサプライチェーンをもつ事業者が連携し、1年以上の取引関係を経て連携して申請する場合に加点となる仕組みです。「サプライチェーン」とは、ある商品・製品を開発し、原材料を調達し、生産して消費者に届けるまでの一連の流れのことです。

たとえば、AとBと異なる事業の事業者同士が取引関係をもち、例えばアパレルとシューズのように、双方のサプライチェーンを利用できるようにすれば、加点対象となります。

申請時に決算書や売上台帳を追加で添付する

サプライチェーン加点に応募する事業者は、電子申請時の加点で「サプライチェーン」にチェックを入れます。

また、直近 1 年間の、該当の事業者の連携体間の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類として、決算書や売上台帳を添付することになります。

なお、サプライチェーンとして連携していると申請するすべての事業者は、実際に取引関係がある必要があります。

健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点

健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点は、令和5年度に健康経営優良法人に認定されている場合に加点となる仕組みです。

健康経営優良法人とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。健康経営優良法人には、以下の認定要件が設けられています。

【健康経営優良法人の認定要件の具体例】
  • 健康経営の戦略設計と社内外への情報開示
  • 健診・検診等の活用・推進
  • ヘルスリテラシーの向上
  • ワークライフバランスの推進
  • 感染症予防対策
  • 喫煙対策

参考:健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件健康経営優良法人認定事務局

たとえば、2023年に健康経営優良法人に申請して2024年の1月に認定された場合、第12回事業再構築補助金の加点対象になります。一方で、申請時点において健康経営優良法人に認定されていな事業者は第12回の加点対象にはなりません。

健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点は、第12回の申請時点で健康経営優良法人に認定されている場合に加点される仕組みです。健康経営優良法人に認定されている事業者は、電子システムで申請する際にチェック事項を入力して加点を申請しましょう。

なお、申請健康経営優良法人は健康経営優良法人認定事務局の公式サイトから申請できます。

大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点

大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点は、事業実施期間終了後3~5 年で基準以上の賃上げを実施する場合に、加点となる仕組みです。賃上げ幅が大きいほど追加で加点されます。

【賃上げ幅の基準】

  1. 給与支給総額年平均成長率3%
  2. 給与支給総額年平均成長率4%
  3. 給与支給総額年平均成長率5%

大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点は、事業再構築補助金への応募時に、給与支給総額を1年ごとに3%~5%以上引上られる事業計画を提出すると加点されます。その際、「賃金引上げ計画の誓約書」を提出する必要があり、正当な理由なく事業計画した基準に達しないと事業者名を公表されるため、実現可能な事業計画を考えましょう。

なお、大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点は、成長分野進出枠に申請する事業者のみが対象です。成長分野進出枠に申請する人は、大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点への申請を検討してみてください。

事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点

事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点は、事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準とすることにより加点されます。

【事業場内最低賃金の引き上げ水準】

1.地域別最低賃金より+30 円以上
2.地域別最低賃金より+50 円以上

事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点においては、賃金引上げの水準が高いほど追加で加点されます。

なお、事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の申請者のみが対象です。コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する人は、大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点への申請を検討してみてください。

ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点

ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点は、応募申請時点に「女性活躍推進法」「次世代法」に関連する認定を受けている事業者が加点となる仕組みです。ワーク・ライフ・バランス等の取組に力を入れている人は、認定を受けられるかを確認してみましょう。

項目 対象
女性の職業生活における活躍 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし1段階目~3段階目またはプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている人
従業員数 100 人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している人
次世代育成支援 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみんまたはプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた人
従業員数 100 人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者

たとえば、一般事業主行動計画公表サイトに公表している事例では、産後(8週)から保育園に入るまでの子供を無料で預かる仕組みを導入しているものがあります。他にも育休の取得に関する制度の整備やサポート側のガイドブック作成などの行動計画があるので、次世代育成への支援に力を入れている会社は公表できる計画があるか確認してみましょう。

ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点は、女性活躍や次世代育成の支援に力を入れている事業者が加点される仕組みです。それぞれの取組において認定を受けている事業者は、電子申請の際にチェック事項を入力してみてください。

技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点

経済産業省による「技術情報管理認定制度」の認定を受けている事業者が加点となる仕組みです。

技術情報管理認証制度は、企業の情報セキュリティ対策について国の認定を受けた機関が国が策定した基準に基づいて審査・認証する制度です。技術等の情報漏洩防止のための基準への適合が認められた場合に、認定を受けることができます。

技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点を受けたい事業者は、電子申請システム上のチェック項目を入力して加点を申請しましょう。

なお、技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点の対象となるのは成長分野進出枠とサプライチェーン強靭化枠に申請する事業者のみです。

レジリエンス加点

レジリエンス加点は、サプライチェーン強靭化枠のみに設けられている加点です。レジリエンス加点に申請する事業者は以下のいずれかに該当する必要があります。

【レジリエンス加点の対象となる条件】

①有効な期間の(連携)事業継続力強化計画の認定を受けている事業者

②自社のBCPを策定していること

事業継続力強化計画の認定とは、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。

また、BCPとは事業継続計画のことであり、企業が自然災害やテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合における対策に関する計画です。

なお、①を満たす場合には「事業継続力強化計画認定書」、②を満たす場合には自社のBCP(任意書式)の写しの提出が必要です。

成長性加点

成長性加点は、サプライチェーン強靭化枠のみに設けられている加点です。成長性加点に申請する事業者は以下のいずれかに該当する必要があります。

【成長性加点の対象となる条件】

① 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画を作成し、都道府県知事からの承認を受けていること
②応募申請時点で地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済産業省に提出していること

なお、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画においては、事業再構築補助金の公募締切日が当該計画の実施期間内であるものに限ります。都道府県知事からの承認を受けていても、公募締切が実施期間外となる場合は加点の対象とならないため注意しましょう。

地域重要性加点

地域重要性加点は、サプライチェーン強靭化枠のみに設けられている加点です。成長性加点に申請する事業者は以下の両方に該当する必要があります。

【地域重要性加点】

①地域未来投資促進法に基づく基本計画における地域の特性の活用戦略に沿った事業であること
②地方公共団体が独自に策定する産業戦略に沿った事業であること

地域重要性加点を満たすことを証明するためには、エビデンスとなる添付書類が必要となります。審査において要件に合致することが認められた場合のみ加点されます。

なお、地域重要性加点が適用されるのは事業再構築の定義として「地域サプライチェーン維持・強靭化」を選択した事業者のみです。サプライチェーン強靭化枠の申請者であっても、その他の定義を選択する場合は加点の対象外となる点に留意しましょう。

審査には減点項目もある

事業再構築補助金の審査においては、加点項目だけでなく減点項目もあります。加点を取得していても減点項目に該当する場合は審査でマイナス評価となる可能性があるため、申請を検討している人はその前提を踏まえておきましょう。

【減点項目の具体例】

  • 申請した加点要件を達成できなかった場合
  • 過去に採択されている場合
  • 複数の事業者が連携して事業に取り組む場合
  • 事業による利益が第三者のものになる事業に取り組む場合
  • 補助金の用途が過剰投資と判断された場合

申請した加点要件を達成できなかった場合、正当な理由が認められない場合には大幅に減点されます。ただし、天災や盗難などにより事業に著しい損失があった場合には、事業化状況報告の際にその旨を説明し中小企業庁に認められれば減点の対象外となります。

なお、当サイトを運営する株式会社SoLaboは、認定支援機関として補助金申請のサポートを行っています。自分にあった基礎審査の準備を知りたい人は、無料診断で確認してみましょう。

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この記事のまとめ

事業再構築補助金の加点項目を得ると審査でプラスに働きます。事業再構築補助金は「基本審査項目」「加点項目」「減点項目」の3つで審査され、加点項目があればあるだけ審査を有利に進められるからです。

加点項目には複数申請することもできるため、申請できる加点にはすべて申請してみましょう。加点に申請するためには申請条件を満たして必要書類を準備することになるため、申請条件と必要書類の確認が必要です。

なお、事業再構築補助金に申請を検討している事業者は、加点項目だけでなく減点項目も考慮しておきましょう。

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