補助金ガイド

事業再構築補助金における採択率の推移と不採択時の対応を解説

2024/05/02

2022/3/4

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

2024年2月13日に、事業再構築補助金事務局の公式サイトにおいて第11回公募の採択結果が公表されました。それにともない、第11回事業再構築補助金の採択率がどうだったのか気になる人もいるでしょう。

当記事では、第11回事業再構築補助金における全体の採択率や申請枠および業種別の採択率を解説していきます。あわせて不採択時の対応も解説するので、再申請を検討中の人も参考にしてみてください。

第11回公募の採択率は26.4%

第11回公募の採択率は、事業再構築補助金公式サイトの「第11回公募 補助金交付候補者の採択結果」をもとに計算した結果、26.4%(小数点第二位以下切り捨て)となりました。事業再構築補助金における第1~10回公募までの採択率と比較すると、最も低い数値となっています。

【事業再構築補助金における各公募回の採択率】
公募回 採択率
第1回 36.0%
第2回 44.8%
第3回 44.40%
第4回 44.7%
第5回 46.1%
第6回 49.9%
第7回 51.1%
第8回 51.2%
第9回 45.4%
第10回 48.1%
第11回 26.4%
※小数点第二位以下切り捨て

参考:「採択結果」|事業再構築補助金

事業再構築補助金の採択率は全体的に50%を下回っていることが多く、申請者の約半分が不採択になっていることがわかります。

ただし、採択率だけで事業再構築補助金の難易度を一概に示すことはできません。公募回によって採択率は変動するため、全体の応募件数も考慮したうえであくまで難易度を知るための目安のひとつとして過去の採択率を参考にしてみてください。

第11回の申請枠で1番高い採択率はグリーン成長枠の31.3%

第11回公募の採択率を申請枠別に計算したところ、もっとも採択率が高かった枠は「グリーン成長枠の31.3%」でした。グリーン成長枠は、産業の成長と環境保護を両立させる「グリーン成長戦略」に基づく事業再構築の取り組みを支援する申請枠です。

【申請枠別の採択率】
第11回の申請枠(事業類型) 応募件数 採択件数 採択率
成長枠 2,508 698 27.8%
グリーン成長枠 597 187 31.3%
産業構造転換枠 242 53  21.9%
最低賃金枠 189 48 25.3%
物価高騰対策・回復再生応援枠 5,671 1,451 25.5%
サプライチェーン強靭化枠
卒業促進枠 0 0 0%
大規模賃金引上促進枠 179 22 12.2%
※小数点第二位以下切り捨て

参考:第11回公募の結果の概要について|事業再構築補助金

応募件数の多い「成長枠」や「物価高騰対策・回復再生応援枠」の採択率は、それぞれ30%未満となっています。また、30%を上回っているのは「グリーン成長枠」のみであり、全体としては採択率が30%を下回る傾向にありました。

応募を検討している申請枠がある人は、申請枠別の採択率も参考にしてみてください。

第11回公募において採択件数の割合が最も多い業種は製造業の30.9%

第11回公募における採択者の中で、採択件数の割合が最も多かった業種は製造業の30.9%でした。

【採択者において各業種が占める割合】
業種 採択率
製造業 30.9%
卸売業、小売業 15.1%
建設業 13.1%
宿泊業、飲食サービス業 8.4%
学術研究、専門・技術サービス業 7.1%
情報通信業 6.6%
サービス業(他に分類されないもの) 6.3%
生活関連サービス業、娯楽業 3.4%
医療、福祉 2.4%
不動産業、物品賃貸業 1.9%
運輸業、郵便業 1.5%
教育、学習支援業 1.2%
その他 2.1%
※小数点第二位以下切り捨て

参考:第11回公募の結果の概要について|事業再構築補助金

業種別に見ると、採択者の割合が多い順に「①製造業、②卸売業、小売業、③建設業」となっています。応募件数の割合も同様に「①製造業、②卸売業、小売業、③建設業」の順番で多くなっています。

業種別の応募や採択の割合が詳しく知りたい人は「第11回公募の結果の概要について」を確認してみてください。

不採択になったときは審査の観点をもとに事業計画書を見直す

一度不採択になった人は、審査の観点をもとに事業計画書を見直しましょう。事業再構築補助金では、一度不採択になった人も次回の公募で再度、申請が可能です。

【審査の観点の一例】※公募要領から一部抜粋
補助対象事業としての適格性
  • 定められた要件を満たし、事業再構築補助金の趣旨に沿った取り組みであるか
新規事業の有望度
  • 補助事業で取り組む新規事業は成長が見込まれる市場か
  • 自社にとって参入可能な事業か
  • 他社との差別化は可能か
事業の実現可能性
  • 事業化までの遂行方法やスケジュールは明確かつ妥当か
  • 金融機関等からの十分な資金調達が見込めるか
  • 補助事業の遂行に充分な人材を確保できているか
公的補助の必要性
  • インフラや雇用の課題解決など国が補助する積極的な理由があるか
  • 補助事業としての費用対効果が高いか
  • 地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得るか
  • 補助がなくても実施できる事業ではないか
政策点
  • コロナの影響を乗り越えてV字回復するために有効な投資内容であるか
  • 雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか
  • 先端的なデジタル技術や低炭素技術の活用等を通じて日本の経済成長を牽引し得るか

参考:第12回公募要領|事業再構築補助金

審査の観点には、事業や再構築などの各観点から、補助事業(補助金を活用する事業)が適切なものであるかを判断する基準が記載されています。

また、審査の観点には申請枠ごとの観点もあるため、応募予定の申請枠にかかわる観点も確認が必要です。次回公募へ申請を検討している人は、事業計画の作成後、審査の観点を満たしているかを確認しておきましょう。

なお、不採択の原因には、事業再構築補助金における申請の条件を満たせていない可能性も考えられます。そのため、審査の観点とあわせて「提出書類の書き方」「補助対象経費」「事業内容」「要件」などの申請時の条件を満たしているか、公募要領で確認しておきましょう。

 

この記事のまとめ

事業再構築補助金の第11回公募における採択率は26.4%であり、第1~10回公募までの採択率と比較すると低い水準となりました。申請枠ではグリーン成長枠の採択率が最も高かったほか、業種別の採択者の割合では製造業が最も多い結果となりました。

審査の難易度を一概に言うことはできませんが、過去の採択率を参考に申請枠や業種ごとの採択の傾向を知ることは可能です。

一度不採択になった人は、審査の観点をもとに事業計画書を見直しましょう。また、審査の観点だけでなく「提出書類の書き方」「補助対象経費」「事業内容」「要件」などの申請時の条件を満たしているかも、一緒に公募要領で確認しておきましょう。

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