小規模事業者持続化補助金では申請代行の依頼は可能?
2024/08/02
2024/6/26
小規模事業者持続化補助金の申請を検討している人の中には、書類作成や申請手続きに時間がかけられないという人や、書類作成に不慣れな人もいますよね。その際、小規模事業者持続化補助金の申請代行を利用したいと考える人もいるのではないでしょうか。
当記事では、小規模事業者持続化補助金は申請代行の依頼が可能であるかどうかを解説します。書類作成から申請手続きの相談ができる申請サポートについても解説をしているため参考にしてみてください。
なお、当記事は小規模事業者持続化補助金の16回公募要領をもとに作成しています。
小規模事業者持続化補助金では申請代行を依頼できない
小規模事業者持続化補助金では、申請代行を依頼することはできません。小規模事業者持続化補助金は、申請のルールが記載されている「公募要領」において、申請者自身が書類作成や申請手続きを行うことと定められているからです。
代行を依頼できないこと |
内容 |
書類作成の代行 |
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電子申請システムの手続きの代行 |
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商工会議所とのやり取り |
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小規模事業者持続化補助金において、代行を依頼できないことは「書類作成」です。小規模事業者持続化補助金の公募要項には、申請者自身が自社の経営を見直し作成した事業計画書に沿って取り組む補助事業を支援する制度であると記載されています。
また、小規模事業者持続化補助金において、代行を依頼できないことは「申請手続き」です。電子申請システムのアカウントを開示して第三者が代理申請した場合は不正アクセスとみなされ、申請が認められないだけでなく次回以降の公募においても申請ができなくなる可能性があります。
そして、小規模事業者持続化補助金において、代行を依頼できないことは「商工会議所とのやり取り」です。小規模事業者持続化補助金は、申請者自身が商工会議所の支援を受けながら申請する必要があり、商工会議所への相談や事業支援計画書の発行依頼を社外の代理人に依頼することはできません。
なお、代行事業者に書類作成や申請手続きを依頼して申請した場合は不正受給と判断される可能性があります。補助金を不正受給したと判断された場合、採択の取り消しや補助金の返還に加え、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が課される恐れがあることを予備知識として覚えておきましょう。
申請サポートを受けることは可能
申請の手続きを丸投げする「申請代行」は認められていませんが、申請に関する相談やアドバイスを依頼する「申請サポート」を受けることは可能です。小規模事業者持続化補助金の公募要領には、外部のアドバイスを受けること自体は問題ないと明記されています。
申請サポートを依頼できること |
内容 |
提出書類の案内 |
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書類作成支援 |
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申請手続き支援 |
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小規模事業者持続化補助金において、依頼できる申請サポートは「提出書類の案内」です。申請者全員提出が必要な書類や申請する枠によって追加される書類に不備がないか確認を行い、提出書類を不足なく準備することができます。
また、小規模事業者持続化補助金において、依頼できる申請サポートは「書類作成支援」です。採択されやすいように、加点や評価項目を意識した経営計画書等を作成するアドバイスを受けられます。
そして、小規模事業者持続化補助金において、依頼できる申請サポートは「申請手続き支援」です。電子申請システムの利用方法や入力内容について質問ができるため、入力情報や添付書類の不備を防ぎスムーズに申請することが可能です。
なお、申請サポートを受ける場合、アドバイス費用の支払いが不要であっても依頼した事業者と金額を提出書類に記載する必要があります。申請サポートを受けているにも関わらず提出書類に記載がない場合には、虚偽の報告として不採択となる可能性がある点に留意しましょう。
当メディアを運営する株式会社SoLaboも小規模事業者持続化補助金の申請サポートを行っています。小規模事業者持続化補助金の申請を検討している人は、無料診断からお問い合わせください。
無料診断申請サポートは商工会議所や専門家へ依頼する
小規模事業者持続化補助金の申請サポートの依頼を検討している申請者は、商工会議所や専門家に相談をしましょう。小規模事業者持続化補助金では商工会や商工会議所への依頼が必須となる手続きがあるほか、専門家に相談することにより採択の可能性を高めるためのアドバイスを受けることが可能です。
申請サポートの依頼先 |
概要 |
商工会/商工会議所 |
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士業 |
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民間のコンサルタント |
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認定支援機関 (経営革新等支援機関) |
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小規模事業者持続化補助金は、商工会議所や商工会の支援を受けながら補助事業に取り組むことが申請要件のひとつとして定められています。事業支援計画書の発行や補助事業実施におけるアドバイス等は、商工会議所や商工会に依頼する必要があります。
また、士業等の専門家や民間のコンサルタントが小規模事業者持続化補助金の申請サポートを実施している場合があります。依頼するには費用がかかりますが、専門的な視点から書類作成や申請に関するアドバイスをしてもらうことができます。
商工会議所や商工会、民間コンサルタント等では経営計画書等の書類作成のセミナーを不定期に開催しています。商工会議所では会員・非会員を問わず無料で相談を受け付けているため、まずは事業を営む地域内にある商工会議所や商工会に問い合わせてみてください。
なお、悪徳業者による不当なアドバイス料金が請求されるケースが発生しているため、申請サポートを商工会議所以外の事業者に依頼する場合は注意が必要です。提示された申請サポートの内容や金額に不審な点がある場合は、補助金事務局へ確認してみましょう。
申請サポートにかかる費用は補助対象外
小規模事業者持続化補助金の申請にあたり、専門家や民間のコンサルタントの申請サポートを利用する際にかかる費用は補助対象外です。商工会や商工会議所以外の申請サポートを利用する場合は費用が発生する場合があるため、申請サポートの費用を含めた予算をあらかじめ決めておきましょう。
小規模事業者持続化補助金は、申請者自身が策定した販路開拓等の取り組みに要する経費の一部を支援する制度です。補助事業に関連しない補助金申請に必要な費用は申請者自身で支払う必要があります。
そのため、外部の申請サポートを受ける場合、着手金や申請書作成セミナーにかかる費用等は補助対象外です。外部の申請サポートを検討している申請者は、着手金や成功報酬等の申請サポートの費用を用意しましょう。
なお、申請サポートの料金形態は依頼先の事業者によって異なり、採択を受けた人だけが成果報酬として支払う場合や、採択結果にかかわらず着手金が必要となる場合などさまざまです。申請サポートの費用については「小規模事業者持続化補助金の申請サポートにおける報酬体系と費用相場を解説」の記事を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金は、申請に関わるすべての作業の代行を依頼することはできません。申請代行を依頼して申請した場合、不採択となるだけでなく申請の虚偽により補助金を不正受給したと判断される場合があります。
不正受給と判断された場合は、返還命令や不正の内容の公表等が行われる可能性があるため、書類作成や申請手続きなどは申請者自身で行う必要があります。商工会議所では小規模事業者持続化補助金に関する相談や申請サポートを受付けているため、不明な点があればまずは商工会議所へ相談してみてください。
申請サポートを依頼することは可能であるため、申請や書類作成などのアドバイスを受けたい人は商工会議所や専門家、コンサルタント会社に相談することも検討してみましょう。申請サポートを依頼することで書類作成や補助金についての質問ができるため、スムーズに申請作業を行えます。