補助金ガイド

小規模事業者持続化補助金の採択率と採択事例を解説

2024/04/04

2023/2/7

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

個人事業主や小規模事業者の中には、近年の新型コロナや物価高の影響により、小規模事業者持続化補助金(通称:持続化補助金)の申請を検討中の人もいますよね。その際、小規模事業者持続化補助金の採択率が知りたい人もいるでしょう。

当記事では、小規模事業者持続化補助金の採択率と採択事例を解説していきます。小規模事業者持続化補助金の採択率と採択事例が気になる人は参考にしてみてください。

なお、当記事は中小企業庁の「小規模企業支援<新着情報>」をもとに作成しています。

採択率は約30%~90%を推移している

小規模事業者持続化補助金の採択率は約30%~90%を推移しています。採択率はその回の申請件数にも左右されるため、過去の採択率は毎回異なる結果となりました。

2024年3月4日に発表された、第14回小規模事業者持続化補助金の採択率は62.5%です。

【小規模事業者持続化補助金(一般型)の採択率】

項目

申請件数

採択件数

採択率

第14回

13,597件

8,497件

62.5%

第13回

15,308件

8,729件

57.0%

第12回

13,373件

7,438件

55.6%

第11回

11,030件

6,498件

58.9%

第10回

9,844件

6,248件

63.4%

第9回

11,467件

7,344件

64.0%

第8回

11,279件

7,098件

62.9%

第7回

9,339件

6,517件

69.8%

第6回

9,914件

6,846件

69.0%

第5回

12,738件

6,869件

53.9%

第4回

16,126件

7,128件

44.2%

第3回

13,642件

7,040件

51.6%

第2回

19,154件

12,478件

65.1%

第1回

8,044件

7,308件

90.8%

また、執筆時点(2023年4月)で公募が終了している、「低感染リスク型ビジネス枠」と「コロナ特別対応型」の採択率は、30%~80%を推移していました。

【小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の採択率】

項目

申請件数

採択件数

採択率

第6回

11,721件

8,040件

68.6%

第5回

6,208件

4,138件

66.6%

第4回

8,243件

5,780件

70.1%

第3回

8,056件

5,022件

62.3%

第2回

10,205件

5,361件

52.5%

第1回

7,827件

3,512件

44.8%

小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択率】

項目

申請件数

採択件数

採択率

第5回

43,243件

16,498件

38.1%

第4回

52,529件

15,421件

29.3%

第3回

37,302件

12,664件

33.9%

第2回

24,380件

19,833件

81.3%

第1回

6,744件

5,503件

81.5%

※小数点第二位以下切り捨て
参考:「新着情報」|中小企業庁

たとえば、令和元年度補正予算「小規模事業者持続化補助金<一般型>第1回締切分」の採択率は90.8%でしたが「小規模事業者持続化補助金<一般型>第14回締切分」の採択率は62.5%でした。

一方、令和2年度第3次補正予算「小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠/第1回締切分)」の採択率は44.8%でしたが、令和2年度第3次補正予算「小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠/第6回締切分)」の採択率は68.6%でした。

なお、小規模事業者持続化補助金の申請件数と採択件数は、中小企業庁の公式サイトにある新着情報から確認できます。各回の申請件数と採択件数が採択結果として発表されているため、小規模事業者持続化補助金を申請する予定の人は参考にしてみてください。

また、小規模事業者持続化補助金の採択率が気になる人は、「小規模事業者持続化補助金の審査基準と不採択になる理由を解説」も参考にしてみましょう。

中小企業庁は都道府県別の採択者一覧表も公開している

中小企業庁は小規模事業者持続化補助金の申請件数と採択件数を発表していますが、都道府県別の採択者一覧表も公開しています。全国の採択者を一覧表にしているため、そのデータから都道府県別の全体比率を計算することも可能です。

【第14回 小規模事業者持続化補助金(一般型)の全体比率】

都道府県

採択件数

全体比率

北海道

266件

3.1%

青森県

61件

0.7%

岩手県

83件

1.0%

宮城県

71件

0.8%

秋田県

59件

0.7%

山形県

85件

1.0%

福島県

83件

1.0%

茨城県

158件

1.9%

栃木県

93件

1.1%

群馬県

256件

3.0%

埼玉県

270件

3.2%

千葉県

220件

2.6%

東京都

995件

11.7%

神奈川県

357件

4.2%

新潟県

97件

1.1%

富山県

102件

1.2%

石川県

123件

1.4%

福井県

92件

1.1%

山梨県

84件

1.0%

長野県

169件

2.0%

岐阜県

190件

2.2%

静岡県

262件

3.1%

愛知県

557件

6.6%

三重県

141件

1.7%

滋賀県

191件

2.2%

京都府

249件

2.9%

大阪府

699件

8.2%

兵庫県

343件

4.0%

奈良県

143件

1.7%

和歌山県

79件

0.9%

鳥取県

17件

0.2%

島根県

40件

0.5%

岡山県

190件

2.2%

広島県

148件

1.7%

山口県

48件

0.6%

徳島県

56件

0.7%

香川県

96件

1.1%

愛媛県

127件

1.5%

高知県

48件

0.6%

福岡県

362件

4.3%

佐賀県

44件

0.5%

長崎県

83件

1.0%

熊本県

216件

2.5%

大分県

113件

1.3%

宮崎県

78件

0.9%

鹿児島県

113件

1.3%

沖縄県

140件

1.6%

※小数点第二位以下切り捨て
参考:「採択者一覧(第14回受付締切分)」|中小企業庁

たとえば、 「小規模事業者持続化補助金(一般型/第14回締切分)」の場合は、東京都の採択件数995件)がもっとも多く、それに続いているのは大阪府(699件)と愛知県(557件)でした。

一方、採択件数がもっとも少なかったのは鳥取県(17件)でした。その他は佐賀県(44件)や島根県(40件)の採択件数も少なく、小規模事業者持続化補助金の採択件数はその地域の人口や事業者数がそのまま影響していると推測できます。

なお、中小企業庁が公開している採択者の一覧表には、申請者名と法人番号に加え、補助事業名も公開されています。公開されているのは名称のみですが、採択が決定した事業者の取り組みとなるため、参考にしたい人は中小企業庁の公式サイトを確認してみてください。

また、小規模事業者持続化補助金の採択日が気になる人は、「小規模事業者補助金の採択日と採択結果を解説」を参考にしてみてください。

業種別の採択事例集

過去の小規模事業者持続化補助金で採択された業種別の採択事例集を作成しました。あくまでも一例ですが、資金調達の手段として小規模事業者持続化補助金を検討中の人は参考にしてみてください。

【業種別の採択事例集】

項目

採択事例

飲食業

<開発費>
・新メニュー開発の為の材料
・モバイルオーダーシステム
・デリバリー用の予約サイト
<機械装置等費>
・自動食券機
・ドリンクバー
・デリバリー用のバイク
<広報費>
・ネット広告の掲載料
・動画配信における出演
・新メニュー開発の為の試食品
【イメージ】
顧客管理や予約管理など、至るところが手書きだった飲食店が顧客管理システムやCITシステムを導入。セルフレジも導入し、業務効率化が進んだ。

建設業

<開発費>
・ECサイト
・オンライン予約システム
・M&Aプラットフォーム
<機械装置等費>
・POSレジ
・撮影用ドローン
・3Dプリンター
<広報費>
・チラシ作成
・広告用の動画撮影
・ホームページのリニューアル
【イメージ】
下請け施工会社が個人宅のリフォーム営業を開始。リフォーム事例や施工の強みなどを記載した

説明用資料を作成することにより受注数に貢献。

美容業

<開発費>
・アクセス分析ツール
・オンライン商談ツール
・カウンセリングシステム
<機械装置等費>
・自動洗髪機
・移動美容室車両
・高性能ドライヤー
<広報費>
・チラシ作成
・広告用の動画撮影
・ホームページのリニューアル
【イメージ】
ネイルサロンがセルフ脱毛器を導入。ネイルはそのまま継続しつつもセルフ脱毛の顧客層の集客に貢献。

どのような業種にも共通しているのは、電子予約システムやホームページなどの開発費用に加え、POSレジや労務管理システムなどの機械装置等費でした。また、広報費として看板作成や雑誌掲載なども共通している傾向がありました。

なお、中小企業庁のミラサポplusでは、「事例ナビ」にて過去の採択事例を紹介しています。事例所在地や業種に加え、従業員数や資本金から絞り込むこともできるため、小規模事業者持続化補助金の採択事例集を探していた人は活用してみてください。

ただし、小規模事業者持続化補助金の第8回受付分からは、ウェブサイト関連費が追加されました。過去の事例では広報費であったものでも、ホームページ制作やインターネットを介する広告は、全てウェブサイト関連費の対象となります。申請する際は、小規模事業者持続化補助金の公式サイトから最新の公募要領を確認しましょう。

この記事のまとめ

申請件数にもよりますが、小規模事業者持続化補助金の採択率は約30%~90%を推移していました。また、中小企業庁は小規模事業者持続化補助金の採択者一覧表も公開しているため、気になる人は申請前に一度、中小企業庁の公式サイトを確認してみましょう。

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