補助金ガイド

小規模事業者持続化補助金のインボイス特例をわかりやすく解説

2024/08/09

2023/5/25

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

小規模事業者持続化補助金では、免税事業者から適格請求書(インボイス)発行事業者に転換する事業者向けの「インボイス枠」が廃止され、新たにインボイス特例が設けられました。インボイス発行事業者に転換する事業者は、インボイス特例を利用することにより通常よりも多くの補助金を受給できる可能性があります。

当記事では、小規模事業者持続化補助金のインボイス特例をわかりやすく解説します。インボイス特例が適用されるための要件も紹介するので、インボイス特例について知りたい個人事業主や小規模事業者の人は参考にしてみてください。

インボイス特例とは補助上限額が50万円上乗せされる特例のこと

小規模事業者持続化補助金のインボイス特例とは、免税事業者から適格請求書(インボイス)発行事業者に転換する小規模事業者を対象に、補助上限額を一律50万円上乗せする特例のことです。第11回公募をもって廃止されたインボイス枠に代わり、第12回公募より実施されています。

【インボイス特例の仕組み】

インボイス特例を利用したい人は、「通常枠」または「特別枠(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠)」の中から自社の目的に合った枠をひとつ選び、インボイス特例とともに申請します。インボイス特例は申請枠ではなく申請した枠とあわせて利用できる特例のため、単独での申請はできません。

インボイス特例の適用要件を満たした場合、すべての枠において補助上限額が一律50万円上乗せされます。インボイス特例が適用されると、通常枠の補助上限額は100万円、特別枠の補助上限額は250万円となり、申請した枠の上限額を増やすことが可能です。

なお、補助事業実施期間の終了時点で適格請求書(インボイス)発行事業者の登録が終わっていない人は、要件を満たしていないと判断されます。適用要件を満たしていないと判断された場合、交付決定を受けていても補助金は支給されないため、必ず実施期間終了までに登録を完了させましょう。

下記より、事業規模や内容から小規模事業者持続化補助金のインボイス特例の対象となるかを無料で診断できます。インボイス特例にご興味のある人や、小規模事業者持続化補助金の申請を検討している人はお試しください。

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インボイス特例が適用されるための要件

インボイス特例の対象者になるには、インボイス特例を適用するための要件をすべて満たす必要があります。インボイス特例の利用を検討している人は、自社が要件を満たすことができるかを確認してみましょう。

【インボイス特例の適用要件】

適用要件

概要

①免税事業者から適格請求書発行事業者に転換すること

  • 2021年9月30日~2023年9月30日までの課税期間内に一度でも免税事業者であった者
  • 2023年10月1日以降に創業し免税事業者であることが見込まれる事業者

➁申請要件をすべて満たすこと

  • 共通要件と各枠の追加要件をすべて満たす必要がある

➂過去にインボイス枠で採択を受けていないこと

  • 第11回公募まで設けられていたインボイス枠で採択を受けて補助事業を実施した(している)事業者は対象外

1つ目の要件は、免税事業者から適格請求書(インボイス)発行事業者に転換することです。登録申請書類を税務署に提出して審査を通過することにより、適格請求書(インボイス)を交付できる課税事業者になります。

2つ目の要件は、小規模事業者持続化補助金の申請要件とインボイス特例の適用要件をすべて満たすことです。インボイス特例に申請する人は申請枠の要件とインボイス特例の適用要件を1つでも満たしていない場合、インボイス特例の対象外になるだけではなく補助金の支給もされません。

3つ目の要件は、過去に小規模事業者持続化補助金<一般型>のインボイス枠で採択を受けていないことです。インボイス枠にて採択を受け補助事業を実施したまたはしている事業者はインボイス特例に申請することはできません。

なお、小規模事業者持続化補助金を利用する場合、対象者の要件や対象事業の要件、申請枠の追加要件を満たす必要があります。インボイス特例の要件以外に、申請者が満たすべき要件を知りたい人は「小規模事業者持続化補助金の対象者と対象事業を解説」の記事を参考にしてみてください。

インボイス発行事業者の登録方法

インボイス特例を利用する場合、「e-Taxソフト」もしくは「郵送」によるインボイス発行事業者の登録申請が必須です。国税庁によると、インボイス発行事業者の登録にかかる期間は約1か月程度とされていますが、申請内容に誤りがある場合はさらに時間がかかるため余裕を持って手続きを行いましょう。

【インボイス発行事業者の登録手順】

登録手順

e-Taxソフトの場合

郵送の場合

①準備

マイナンバーカードでログイン・利用者識別番号の取得

国税庁公式サイトから「適格請求書発行事業者の登録申請書」をダウンロード

②作成

登録申請データの作成・電子署名を送信

登録申請書2枚を作成

➂確認・提出

登録通知データを確認

管轄地域のインボイス登録センターに郵送

「e-Taxソフト」にて申請する場合、スマートフォンやタブレット、パソコンから手続きを行えます。マイナンバーカード等の電子証明書でe-Taxソフトのログインを行い、免税事業者の確認事項等が記載されている登録申請データを作成した上で電子署名を送信します。

「郵送」にて申請する場合、登録申請書2枚の必要事項を記入した後、管轄地域のインボイス登録センターに郵送して手続きを行います。登録申請書の書き方が分からない場合は、国税庁の公式サイトの申請手続きから「登録申請書の書き方 フローチャート」を確認しながら書類を作成しましょう。

税務署による審査を通過した後は、登録番号が記載されている「登録通知書」が届きます。インボイス特例を利用する場合、原則として交付申請時に「登録通知書の写し」または登録申請データの「受信通知画面の写し」を提出しますが、登録手続きが間に合わない事業者は実績報告書とあわせて提出することも可能です。

なお、国税庁の公式サイトにあるインボイス発行事業者の申請手続きから、登録申請書類のダウンロードを行うことが可能です。インボイス発行事業者に登録する方法も詳しく記載されているため、インボイス発行事業者の登録申請をする前に目を通しておきましょう。

この記事のまとめ

小規模事業者持続化補助金のインボイス枠が廃止され、第12回公募以降インボイス特例が実施されています。インボイス特例は免税事業者から適格請求書(インボイス)発行事業者に転換する事業者向けの制度であり、適用要件を満たす場合には申請した枠の補助上限額が一律50万円上乗せされます。

インボイス特例が適用されると、通常よりも多くの補助金を受給できる可能性があります。ただし、インボイス特例を利用するには小規模事業者持続化補助金の申請要件とインボイス特例の要件をすべて満たす必要があり、1つでも満たせない要件がある場合には補助金を受給できません。

なお、インボイス特例を利用するにはインボイス発行事業者の登録が必要であり、交付申請時もしくは実績報告時に「登録通知書の写し」または登録申請データの「受信通知画面の写し」の提出を求められます。インボイス発行事業者の登録には1ヶ月程度を要する可能性があるため、余裕を持って手続きを行いましょう。

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