補助金ガイド

IT導入補助金ではどのようなグループウェアが対象?補助額や申請の流れも解説

2024/04/04

2023/6/26

この記事の監修

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

グループウェアを利用すると、グループウェア上で従業員同士の情報共有やデータの管理ができるようになります。また、グループウェアの中にはスマホからログインできるものもあるため、外出が多い従業員でも出先からグループウェア上で報告ができます。

情報共有やワークフローを改善したい人の中には、グループウェアが気になっている人もいますよね。その際「グループウェアの導入に対してIT導入補助金が利用できる」と耳にした人もいるでしょう。

当記事では、IT導入補助金で対象のグループウェアについて解説します。また、グループウェアの導入費用に対しての補助額やIT導入補助金を利用する際の流れも紹介しているため、グループウェアを導入したい人は参考にしてみてください。

なお、この記事はIT導入補助金2024の「通常枠の公募要領」ををもとに作成しています。

IT導入補助金ではITツール検索で探せるグループウェアが対象

IT導入補助金で対象のグループウェアは「ITツール・IT導入支援事業者検索」で検索できるものだけです。そのため、IT導入補助金で対象のグループウェアを探したい人は「ITツール・IT導入支援事業者検索」で検索してみましょう。

【IT導入補助金で対象のグループウェアの一例】

グループウェア名称 概要
サイボウズoffice
中小企業に視点を当てたグループウェアで、掲示板やフォーマット化された報告書、プロジェクト管理の機能が利用できる。
LINE WORKS
LINEと同じ使い勝手でトークができ、掲示板やカレンダー、ファイルの共有などの機能が利用できる。
Microsoft365
Word、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトが利用できる上、ファイル共有やプロジェクト管理、チャットなどの機能が利用できる。
Google Workspace
Googleのメール、カレンダー、スプレットなどのソフトが利用でき、人数制限を拡張したビデオ会議や1ユーザー当たりのストレージの拡張ができる。
mitoco
営業組織で利用しやすいように、申請や承認のワークフローの管理やスケジュール管理、顧客管理などの機能が利用できる。
Kintone
Excelで管理する顧客や日報、採用などの情報の一元管理ができ、業務に合わせてオリジナルのシステムの構築がドラッグ&ドロップで作成できる。

参考:「ITツール・IT導入支援事業者検索」|IT導入補助金2024の公式サイト

「ITツール・IT導入支援事業者検索」では、ITツールを取り扱うIT導入支援事業者が、IT導入補助金に登録したITツールを検索できます。ITツール名で検索する方法やクラウド対応やインボイス対応などの条件で絞り込むことでITツールを探せます。

IT導入支援事業者からITツールを導入しなかった場合、補助金は受け取れません。ネットや知り合いなどから自身で導入したグループウェアはIT導入補助金の対象外になるためIT導入支援事業者から補助金の申請後に購入しましょう。

当サイトを運営する株式会社SoLaboもIT導入支援事業者としてIT導入補助金の申請サポートを行っています。自社で検討しているグループウェアが対象になるか、いくら補助金を受け取れそうか知りたい人は無料診断をお試しください。

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IT導入補助金はグループウェアのみでの申請はできない

グループウェアはIT導入補助金の対象ですが、グループウェアのみでの申請はできません。グループウェアを申請する際に利用する「通常枠」では、グループウェアと共に業務を改善する他のソフトウェアを申請しなければならないからです。

通常枠には、単品で申請できる「業務プロセス」に該当するソフトウェアと、単品では申請できない「汎用プロセス」に該当するソフトウェアがあります。グループウェアは「汎用プロセス」に含まれるため、業務プロセスに該当するソフトウェアと共に申請する必要があります。

【ソフトウェアのプロセス(機能)の分類】

項目
ソフトウェアが持つ機能の種類
業務プロセス
①顧客対応・販売支援
②決済・債権債務・資金回収
③供給・在庫・物流
④会計・財務・経営
⑤総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
⑥業種固有プロセス
汎用プロセス
⑦汎用・自動化・分析ツール

参考:「通常枠」の公募要領|IT導入補助金2024の公式サイト 

たとえば、グループウェアを導入する場合は「①顧客対応・販売支援」や「④会計・財務・経営」などのソフトウェアも共に導入することになります。そのため、グループウェアと別に2つ以上のソフトウェアを導入することになります。

通常枠でグループウェアを導入する場合、グループウェアは汎用プロセスに当てはまるため、業務プロセスの機能を持つソフトウェアと共に導入する必要があります。そのため、グループウェア単品での申請はできないため、他のソフトウェア導入についても考えてみましょう。

なお、IT導入補助金では1つのソフトウェアが①〜⑦のプロセスの機能を複数持っている場合もあります。業務プロセスと汎用プロセスの機能を持ち合わせるグループウェアがあれば、グループウェア単品でも通常枠に申請できるので、留意しておきましょう。

グループウェアの補助額は導入費用の1/2

通常枠ではグループウェアの導入費用に対して、1/2の補助額が受け取れます。その際、グループウェア以外にも、共に申請するソフトウェアや導入のコンサルティング、セキュリティサービスなどの導入費用もIT導入補助金の対象です。

【通常枠の補助額と補助率】

通常枠 補助額 補助率
1機能以上 5万円~150万円未満
※クラウド利用料最大2年分
1/2以内
4機能以上 150万円〜450万円

参考:「通常枠」の公募要領|IT導入補助金2024の公式サイト 

たとえば、グループウェアと営業支援ソフトの導入に100万円の費用がかかった場合、補助率が1/2で計算できるため、受け取れる補助金は50万円になります。また、導入するソフトウェアが月額5万円のサブスクリップションの場合は、最大2年分が対象なので受け取れる補助金は60万円です。

通常枠では、グループウェアと共に申請するソフトウェアの導入費用も半額分の補助が受けられます。半額分の補助金は、申請してIT導入補助金事務局に審査された後に、受け取れると留意しておきましょう。

なお、通常枠では、複数のソフトウェアを導入した際に機能数によって異なります。通常枠の詳細について知りたい人は、「IT導入補助金2023の通常枠とは?対象となる要件も解説」の記事を参考にしてみましょう。

IT導入補助金の申請前に9つの流れを確認する

IT導入補助金を利用してグループウェアを導入する前に9つの流れを確認しましょう。IT導入補助金は、事業者自身でグループウェアを導入するのとは違い、グループウェアの導入のタイミングや補助金が入金されるタイミングなどが決まっているからです。

【IT導入補助金でITツールを導入する流れ】
  1. IT導入補助金の対象者や概要を確認する
  2. 「IT導入支援事業者・ITツール検索」で導入したいITツールを探す
  3. 導入したいITツールを取り扱うIT導入支援事業者に相談する
  4. IT導入支援事業者と共にIT導入補助金への交付申請の準備を行う
  5. IT導入補助金へ交付申請をする
  6. 審査の結果で交付決定されたら、ITツールを導入する
  7. ITツールの導入を事業実績報告として提出する
  8. 補助金がIT導入補助金事務局から入金される
  9. ITツールの導入に対しての効果を事業実施効果報告として提出する

※ITツール:ソフトウェア(グループウェア)、拡張機能、セキュリティサービス、導入コンサルティング、保守サポートなど

参考:「新規申請・手続きフロー」の公募要領|IT導入補助金2024の公式サイト 

たとえば、IT導入補助金を利用する際は、交付申請を行い審査実施後に交付決定を受ける必要があります。申請者は、導入したいITツールを取り扱うIT導入支援事業者と共に交付申請やITツールの導入を行います。

IT導入補助金を利用してグループウェアを導入する際は、グループウェアと共に導入するソフトウェアを探し、IT導入支援事業者に相談をする流れになります。IT導入補助金の通常枠に申請する際は、IT導入支援事業者と共に申請をしましょう。

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中小企業や小規模事業者に該当するかを確認する 

IT導入補助金の利用を考える前に、まずは自身が対象者の中小企業もしくは小規模事業者に当てはまるかを確認しましょう。IT導入補助金で対象者に設定されている中小企業や小規模事業者の定義は、業種ごとに資本金や従業員数が異なるからです。

【IT導入補助金の対象者】

業種 資本金(以下) 従業員数(以下)
中小企業
製造・建設・運輸 3億円 300人
卸売 1億円 100人
サービス 5千万円 50人
ゴム製品製造 3億円 900人
ソフトウェア・情報処理サービス 3億円 300人
旅館 5千万円 200人
その他 3億円 300人
医療法人・福祉法人・学校法人 300人
商工会・商工会議所・都道府県連合 100人

中小企業団体・組合・連合会・財団法人

社団法人・特定非営利活動法人

※特別な法律や中小企業支援法に規定される組織

上記の業種に当てはめて従業員数を確認する
小規模事業者
商・サービス 5人
宿泊・娯楽 20人
製造業・その他 20人

参考:「補助対象者」|IT導入補助金2024の公式サイト 

たとえば、資本金が1000万円で従業員が40人いる介護の事業を行っている場合は、中小企業のサービス業に該当するため対象者に含まれます。また、従業員が15人いる工事の事業を行っている場合は、小規模事業者のその他に該当する対象者です。

IT導入補助金は全ての人が利用できるものではなく、事業規模が中小企業以下の事業者が対象です。自身が中小企業以下の事業規模だと思っていたとしても、IT導入補助金で定義されている業種、資本金、従業員数に該当しない場合も考えられるので、対象者の確認をしましょう。

この記事のまとめ

IT導入補助金では、グループウェアは単品での導入はできませんが、業務を改善する他のソフトウェアと共に導入することで、グループウェアの導入も可能です。その際、IT導入補助金は、グループウェアの導入費用に対して1/2の補助額を受け取れます。

IT導入補助金を利用する際は、ITツールを「ITツール・IT導入支援事業者検索」で探しましょう。導入したいITツールを見つけたら、そのITツールを取り扱うIT導入支援事業者に「IT導入補助金でITツールを導入したい」との旨を電話で相談しましょう。

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