補助金をホームページ制作に利用するときの注意点を解説

2024/09/27

2024/8/15

この記事の監修

株式会社SoLabo田原広一

株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者田原 広一(たはら こういち)

融資支援実績6,000件超、補助金申請支援実績1,300件超、事業再構築補助金採択支援件数は第4回~第8回まで5回連続で日本一を獲得。 『小規模事業者持続化補助金』、『事業再構築補助金』、『IT導入補助金』は自社での申請・採択も経験。「補助金ガイド」LINE公式アカウントでは約4万人の登録者に情報発信を実施。

補助金を利用することでさまざまな用途や目的に応じたホームページの制作ができ、かかった費用の負担を軽減することが可能です。ただし、補助金をホームページ制作に利用するときには注意点があります。

当記事では、補助金をホームページ制作に利用するときの注意点を解説します。補助金の具体例も解説しているため、ホームページ制作に補助金の利用を検討している人は参考にしてみてください。

補助金をホームページ制作に利用するときの注意点

補助金をホームページ制作に利用する場合、注意すべき点があります。申請できないまたは補助金が受け取れないことを防ぐには、注意点を把握することが重要です。

【ホームページ制作に利用するときの注意点】

  • 補助金の目的に合わないホームページ制作は対象外となる
  • ホームページの公開が補助対象期間を過ぎる場合は補助されない
  • 補助金は後払いのため自己資金が必要となる
  • ホームページのリニューアルは補助対象外となる場合がある

補助金の公募要項には、補助金の目的や対象経費等が記載されています。どのような内容が補助金の目的に沿っているホームページに該当するのか、申請する補助金の公募要項や過去の採択事例から確認が可能です。

また、補助金には補助対象期間があり、期間内で補助事業すべてを実施しなければなりません。補助対象期間前に契約や支払いを行った経費や、対象期間を過ぎてホームページを公開した際の経費などは、制度によって補助対象として認められない場合があります。

なお、補助金の目的に沿ったホームページを制作しても、補助金の申請要件をすべて満たさなければ申請できません。申請要件は補助金ごとに異なるため、補助金の公式サイトにある公募要項を確認してから申請手続きを行いましょう。

補助金の目的に合わないホームページ制作は対象外となる

ホームページ制作の目的や内容が、申請する補助金の目的に合わない場合は補助対象外となります。補助金は制度ごとに目的が定められており、目的に沿った取り組みを実施する場合に必要な経費の一部を補助する制度であるためです。

【補助金の目的の例】

  • 販路開拓(販路拡大)
  • 生産性向上(業務効率化)
  • 経営力強化
  • インバウンド対応
  • 人材確保 等

たとえば、販路開拓が目的の補助金の場合、求人を目的とするホームページ制作は補助対象外となる場合があります。商品の宣伝やネットショップ機能を追加するなど、販路開拓につながるホームページ制作であれば補助対象であると判断されます。

また、生産性向上や業務効率化が目的の場合、会社紹介が目的のホームページ制作は補助対象外となる場合があります。オンライン予約機能の追加やホームページで収集した顧客情報を顧客管理システムと連携するなどの業務効率化につながるホームページ制作であれば補助対象であると判断されます。

そのため、目的のない単なるホームページ制作や会社の営業活動に活用するホームページ制作は補助対象として認められない可能性があります。補助金を利用する場合、制作したいホームページの内容が申請する補助金の目的に沿っていることや補助対象外の経費に該当していないことを事前に確認しましょう。

ホームページの公開が補助対象期間を過ぎる場合は補助されない

ホームページの公開が補助対象期間を過ぎる場合は補助されません。かならず、申請前に申請する補助金の公募要項に記載されている補助対象期間の確認を行いましょう。

【補助対象期間から外れる例】

  • 交付決定日前の発注・契約
  • 交付決定日前の支払い
  • ホームページの納品が補助対象期間外
  • ホームページをインターネット上で公開していない

たとえば、ホームページ制作の発注が遅くなり、補助対象期間外にホームページ制作会社から納品された場合は補助対象外となります。交付決定日前に支払いを行ったホームページ制作の経費も補助対象外です。

また、交付決定日以降に依頼してホームページを制作していても、補助対象期間中にインターネット上に公開していない場合、補助対象として認められない場合があります。補助対象期間中に取り組みと支払いを行い、補助事業をすべて完了している状態でなければ補助金は支給されません。

補助金を活用してホームページ制作する場合、外部の事業者へ依頼する際には補助対象期間中に公開できるかどうか納期の確認をしておかなければなりません。事業計画を立てる際は、ホームページ制作等の補助事業のスケジュールを具体的に決めましょう。

補助金は後払いのため自己資金が必要となる

補助金を活用し、ホームページを制作する場合は自己資金を用意しておきましょう。制度によっては補助金が適切に使われたことを確認したうえで補助金を交付するために、後払い制としている場合があるためです。

【補助金受給までの基本的な流れ】※制度によって異なる場合がある

  1. 申請書作成
  2. 補助金の申請手続き
  3. 審査
  4. 採択・交付決定通知書の受領
  5. 補助事業実施(ホームページ制作依頼の契約・支払い等)※補助事業の支払いは自己資金
  6. 実施報告書提出・補助金額の確定審査
  7. 補助金の精算払請求書提出
  8. 補助金の受け取り

たとえば、補助金の審査で採択され、ホームページ制作会社に依頼して50万円の委託費を支払う場合、まずは50万円を全額自己資金で先払いしなければなりません。補助金を受け取れるのは、補助事業を遂行し、精算払請求書を提出した後になります。

そのため、補助事業実施期間中のホームページ制作を外部に依頼する時点では補助金を受け取れません。補助金を利用してホームページ制作したい場合、事前に計画を立て自己資金の準備をしておきましょう。

なお、補助金は審査によって支払われる金額が減額する可能性があり、申請した金額の全額を受け取れるとは限りません。補助事業完了後の確定審査により、事業計画に沿った適切な補助金の使い方であると判断されなければ補助金が支払われない場合もあることに留意しておきましょう。

ホームページのリニューアルは補助対象外となる場合がある

補助金によっては、ホームページのリニューアルは補助対象外となる場合があります。補助金を利用する場合は必ず公募要項に記載されている補助対象経費と補助対象外となる経費の確認をしましょう。

たとえば、新たにホームページを開設する際に、外部に制作を委託する費用などが補助対象経費となる補助金があります。すでにホームページを持っている場合は補助対象外となるため、既存ホームページのリニューアル費用には活用できません。

また、ホームページの全面的な更新(リニューアル)が対象であり、単純な機能やページの追加は補助対象外となる補助金があります。補助金によっては、多言語対応などホームページのリニューアル内容が限られることがあるため。補助対象経費を確認する必要があります。

ホームページ制作が対象となる補助金では、ホームページの新規作成のみが対象となる場合や、対象となるリニューアル内容が限定されている場合があります。ホームページのリニューアルに補助金を利用したい人は、実施予定のリニューアルが補助対象となるかどうかを確認しましょう。

ホームページ制作に活用できる補助金の具体例

ホームページ制作に活用できる補助金にはさまざまな種類があり、国や自治体が運営しています。補助金によっては、対象経費や目的などが異なっているため、利用する際は申請する補助金の公募要項を読み込んでおきましょう。

【ホームページ制作に活用できる補助金の具体例】

補助金名

概要

小規模事業者持続化補助金

(経済産業省中小企業庁)

【対象経費】

  • 販路開拓等を行うホームページにかかる開設費、改修費、委託費 等

※他の経費と一緒に申請する必要あり

【対象者】

小規模事業者、個人事業主等

ものづくり補助金

(経済産業省中小企業庁)

【対象経費】

  • クラウドサービス利用費
  • ホームページ制作の外注費 等

※50万円(税抜)以上の設備投資を行う必要あり

【対象者】

中小企業者、小規模事業者、個人事業主等

事業再構築補助金

(経済産業省中小企業庁)

【対象経費】

  • クラウドサービス利用費
  • ホームページ制作の外注費 等

【対象者】

中小企業者、小規模事業者、個人事業主等

ホームページ作成・更新補助金

(東京都足立区)

【対象経費】

  • ホームページの新規作成に係る委託料
  • ホームページの全面的な更新(リニューアル)に係る委託料

※単純な機能、ページの追加は対象外

【対象者】

足立区ウェブ活用アドバイザーの事前相談を受け区内に事業所を保有している事業者

創業・スタートアップ支援事業補助金

(東京都港区)

【対象経費】

  • 新たにホームページを制作する費用

※すでにホームページを持っている場合は対象外

【対象者】

港区産業振興課の商工相談を受け創業計画書を作成する事業者

インバウンド等受入環境整備補助金

(大阪府泉大津市)

【対象経費】

  • ホームページ等を多言語対応に整備する際にかかる費用

【対象者】

利用者が一定時間滞在し有料でサービスを提供する事業を営んでいる事業者

河南町ベンチャーサポート補助制度

(大阪府南河内郡河南町)

【対象経費】

  • ホームページ制作に係る経費(維持管理費用を除く)

【対象者】

事業所を町内に設置し申請時点で創業日から1年を経過していない事業者

食のまち宗像推進補助金

(福岡県宗像市)

【対象経費】

  • ホームページ制作の委託に係る経費

【対象者】

市内で事業を行い食を生かした賑わいづくり事業に取り組む事業者

「事業再構築補助金」の場合、新市場進出や思い切った事業再構築の取り組みの遂行に必要なホームページ制作費が補助されます。ホームページ制作の際にかかるクラウドサービス利用費や外注費などを、補助対象として申請することが可能です。

「創業・スタートアップ支援事業補助金」の場合、既存ホームページのリニューアルはできませんが、新たにホームページを制作する際に補助上限額30万円まで補助される可能性があります。

「河南町ベンチャーサポート補助制度」の場合、起業のためや起業後の経営に必要なホームページ制作に係る経費の一部の負担を軽減できます。

補助金によっては、ホームページ制作を単独で対象経費として申請できず、他の経費とともに申請しなければならない等の条件があります。補助金への申請を検討する際は、自社が利用できる補助金であるかどうか公募要項やよくある質問などを確認しましょう。

まとめ

補助金をホームページ制作に利用するときの注意点は様々あります。国や自治体が運営する補助金によっては、対象となるホームページの内容や補助金の目的等が異なることを留意しておきましょう。

ホームページの公開が補助対象期間を過ぎる場合は対象経費として認められないため、補助金を受け取れない場合があります。また、経費の支払いには自己資金が必要となるため、自己資金が用意できない場合は補助金を利用できません。

補助金ごとに活用できるホームページの内容も異なるため、作成するホームページの内容を明確にしてから補助金を探しましょう。ホームページ制作に補助金を利用できるかどうかは事業者の状況や補助金の募集状況により異なるため、必要に応じて補助金の検索を行いましょう。

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